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ライオンズの開幕ローテは充実のラインナップ
パ・リーグの開幕戦がいよいよ2日後に迫った。今年はWBCもオリンピックもないため、どの選手も調整は例年以上に順調そうだ。特に開幕戦に投げるであろう6人の先発投手たちは、軒並み良い仕上がりを見せている。だがその6チームの6人のエースの中でも、贔屓目なしに最も良い仕上がりを見せたのがライオンズのエース涌井秀章投手だった。ここで気になってくるのは、ライオンズの開幕時の先発ローテーション投手だ。4月から6連戦が多くなっているため、少なくとも6人の先発投手を用意する必要がある。そしてその内の5人までが当確と言っていいだろう。まずエース涌井投手は当然ローテーションの1番目だ。そこに岸孝之投手、帆足和幸投手、石井一久投手、西口文也投手が続いてくる。この5人に関しては調整も上手く行き、ほとんど不安なく開幕を迎えられる状態と言って良いだろう。だが注目は先発第6の投手だ。
オープン戦の内容を踏まえるとしたら、6番目に食い込むのは恐らく野上亮磨投手と競った許銘傑投手だろう。許投手は昨年の後半辺りから復調し、シュートを武器に復活を遂げた。近年はその優しすぎる性格からか、なかなか右打者の内角にシュートを投げ切れなかった許投手だったが、昨年の後半からは自信を持って内角を突けるほど、シュートの安定感が増した。
右打者で内角が得意なバッターはほとんど存在しない。中島裕之選手や中村剛也選手ですら内角高め・内角低めはほとんど打てていない。右バッターというのは打ったあと、1塁方向に進んでいこうとする本能がある。その本能を押し殺せない時にボールが内角に来ると、打球はどん詰まりの内野ゴロになってしまう。ましてやそこからシュートして来たなら、デッドボールを避けるので精一杯となるだろう。
ヤクルトスワローズで一時代を築いた川崎憲次郎投手は、数年に渡るスランプに陥ってしまった。すると野村克也監督は川崎投手にシュートを覚えさせることで完全復活を遂げさせた。シュートというボールにはそれだけの威力がある。だが一部の投手は未だにシュートは肘に負担がかかり過ぎると勘違いしているようで、シュートに対し偏見を持っている投手は少なくない。本来のシュートは指先の力加減で曲げるもので、肘を捻って投げるボールではないのだ。
ライオンズにも資質がありながらなかなか開花できない投手が数名いる。そういう投手はどんどんシュートを覚えていくべきだろう。そうすれば許投手のようにスランプを乗り越えることも比較的楽になるはずだ。昨年に関してはパ・リーグのレギュラークラスの選手の中で内角を得意とした右打者は金子誠選手、小谷野栄一選手、渡辺直人選手、アレックス・カブレラ選手、それにG.G.佐藤選手くらいだった。ということは逆を言えば、この選手たち以外の右打者には軒並みシュートが有効になるということだ。
ちなみにライオンズの開幕ローテ当確投手に関して言えば、全投手がシュートを投げる。石井一久投手と帆足投手に関しては左投げのため、右投手が投げるシュートとは意味合いが異なってくるが、だが確かにシュートは投げている。ただ投球に対する割合は非常に少なく、どうしても切り抜けたいピンチの場面で投げる程度に留まっている。先発して1試合投げても、5球以上にはならない。だが許投手に関しては、全投球の約4球に1球はシュートを投げている。
パ・リーグの先発ローテクラスの投手でこれだけ多い割合でシュートを投げているのは岩隈久志投手、田中将大投手、小野晋吾投手、山本省吾投手くらいだ。だが楽天の岩隈・田中両投手に関しては、今シーズンはどういう割合でシュートを投げてくるかは分からない。楽天の場合は昨年までの野村監督がシュートを重要視していたという経緯があった。だが今季はブラウン監督に代わったことで、この2枚看板がどれだけシュートを使ってくるかはまだ分からない。筆者個人としては、少なくとも5%くらいは減るのではないかと読んでいる。
昨年西口投手は、なかなか不調を抜け出すことができなかった。だが今季は筆者の印象では、シュートを例年よりも多投しているように感じられる。先日広島とのオープン戦でパーフェクトピッチを見せた時も、恐らくシュートを有効的に使っていたのだろう。逆に相手の新戦力に対し実験投球をしたロッテ戦では、あまりシュートは投げなかったのだと思う。ただ試合をフルで見たわけではないので、実際どれだけの割合でシュートを投げたのかは正確には分からない。しかし間違いなく言えることは、今季の西口投手はシュートの割合が増えるということだ。
グラマン投手が開幕に間に合わなかったことを悲観視している方はマスコミを含め多そうだが、しかし心配はいらないだろう。セットアッパーは藤田太陽投手の状態が万全だし(坐骨神経痛が心配ではあるが)、代役守護神シコースキー投手も無難な投球を見せてくれている。そして左殺しの星野智樹投手も悪くはない。さらに今年は武隈祥太投手と山本淳投手の状態が良い。特に武隈投手の成長には大石コーチも驚いているほどで、この若手2投手が頑張ってくれれば、ブルペンの心配はほとんど必要なくなるはずだ。
そこに12球団でも随一の先発投手陣がいるわけだから、今年のライオンズはよほどでない限りは、大型連敗をすることはないだろう。昨年のように、連勝したら連勝しただけ連敗するという現象も起らないはずだ。昨年が悪過ぎたということもあるが、今年のライオンズの投手陣は先発・リリーフ共に安定感が増したと思う。首脳陣としても、ファンとしても、今年は安心して開幕を迎えることができそうだ。
2010年03月18日 01:52
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