西武の守護神候補がまた1人追加、ゴンザレス投手
ここ数年、毎年守護神の不在や故障に悩まされてきたライオンズだが、どうやら今季は風向きが異なる。今季の守護神候補としてはここまで岡本篤志投手、ウィリアムス投手、十亀剣投手と名前が挙がり、今回はさらにゴンザレス投手の名前が加わってきた。ゴンザレス投手はここまでの練習試合で合計7イニングスを投げ、未だ無失点を継続している。その投球内容を見た上で渡辺久信監督も、ゴンザレス投手をリリーフ(守護神)として起用する可能性も示唆している。ゴンザレス投手は先発要員として獲得された選手ではあったが、昨季所属したチームではクローサーを務めていた。つまり守護神としての資質は十分あるということは、すでに証明されている。
守護神と呼ばれるクローサーに求められるのは四球を出さない制球力と、空振りを取れるウィニングショットと、マウンド度胸だ。ゴンザレス投手はここまで観る限りでは、これらすべてを兼ね揃えているように見える。3イニングス投げたマリーンズ戦でも、ストライク率85%という制球力の良さを見せてくれた。そして切れよく動いていくカットボールでも、これまで幾度となく空振りを奪っている。さらにはマウンド上では常に冷静を保ち、外国人投手特有の感情起伏の大きさは見せていない。
ゴンザレス投手本人は、状態はまだ70%程度だと言う。これがさらに上がってくれば、リリーフであれば球速は155~156kmは出るようだ。そして渡辺監督の感想として、ゴンザレス投手は日本の野球を舐めていないという点も決して見逃せないだろう。メジャーリーグを少しでも経験してきたような外国人選手の場合、「たかが日本」という意識で来日することが今なお珍しいことではない。そのために日本人選手のレベルの高さに対応できず、仕事をできないままひっそりと退団していくケースが多々ある。
その点ゴンザレス投手には一生懸命さがあるようだ。これは日本で活躍できる外国人選手に見られる、非常に良い傾向だ。日本の野球をリスペクトしてくれることで、シーズン前からしっかりとした準備を整えてくれるようになる。過去来日してきた外国人選手たちを見ても、普通に実力を発揮すれば活躍できたはずなのに、と感じられる選手は大勢いた。もちろんライオンズにやってきた外国人選手たちも然りだ。
ゴンザレス投手がここまで日本野球に対応しようと頑張ってくれているのは、もちろんテスト生として加入したという点もあると思うが、マイケル中村投手の存在も大きいと思う。マイケル中村投手がゴンザレス投手やウィリアムス投手に日本野球のレベルの高さをあらかじめ伝えてくれたことで、外国人選手たちの中に良い緊張感が生まれているのだろう。それを考えると、先日は結果を残せなかったウィリアムス投手も、次回は挽回してくれると思う。
ゴンザレス投手がこのように結果を出すことで、ウィリアムス投手にとっても良い刺激となっていく。そしてそこにマイケル中村投手が加わっていくことで、彼らは本当に良い空気感で野球ができているのだろう。
チーム方針としては3月上旬には先発ローテーション、リリーフ、クローサーを確定させていくようだ。そしてオープン戦が始まれば、開幕を見据えての先発投手でローテーションを回して行く。この時果たしてゴンザレス投手は先発組に入っているのか、リリーフ組に入っているのか、ファンとしてはまた1つ楽しみが増えたことになる。ゴンザレス投手にはハングリー精神全開で、ライオンズ投手陣の底上げ役を期待して行きたいと思う。
2012年02月29日 17:13
埼玉西武の新5番打者は新主将栗山巧となるか
ここまで数試合の練習試合のスターティングオーダーを見ていると、少しずつ今季渡辺久信監督が構想しているオーダーが見え始めている。まずクリーンナップトリオだが、3番ショート中島裕之、4番サード中村剛也、5番レフト栗山巧というオーダーが広島戦からオリックス2連戦まで続いた。栗山選手に関しては肘のクリーニング手術を行ってるため、まだ寒いこの時期は無理をせず指名打者での出場となっているが、栗山選手の守備力、新キャプテンという立場を考えればレフト、もしくはセンターでの起用が規定路線となっているはずだ。ここまでの練習試合では外国人打者は代打での出場のみとなっているが、打線の安定感というものを考えれば、中島・中村・栗山というクリーンナップトリオは破壊力は抜群だと思う。以前の記事で筆者は、中村剛也選手が更なるホームラン量産を目指すためには、安定した5番打者が必要だと力説した。その時は中島選手を5番に据えるという案を書いたが、以前からクリーンナップを打ちたいと公言していた栗山選手の5番起用にも、筆者は大いに賛成したい。
確かにパワーという面では、栗山選手はバットを短く持っているためホームランは期待できない。しかしリーグトップの得点圏打率は、5番を任せるには十分過ぎる要素となるだろう。とにかく大切なことは5番打者を安定させ、相手バッテリーが4番打者と勝負せざるをえない状況を作り出すことだ。もし昨年同様5番打者を固定できない事態となれば、相手バッテリーは中村選手に対しなかなかストライクゾーンには投げてくれなくなるだろう。
だがその5番に安定感抜群の栗山選手が座るとすれば、相手バッテリーも簡単には中村選手を歩かせられなくなる。そうすれば自然とストライクゾーンへの投球が増え、中村選手がホームランを打つチャンスも増えていくだろう。
今季ライオンズにはカーター選手、ヘルマン選手という外国人打者が在籍している。まずカーター選手だが、打撃ではここまで活躍を見せているが、走塁と守備に関してはかなり難があるようだ。そして膝が良くないのではという情報もあるため、144試合フルに出場することは難しいだろう。それを考えると安定感が必要な5番を打たせるには少し心もとない。6~7番で伸び伸びと打たせるのがカーター選手のためにも、チームのためにも良いのかもしれない。
一方のヘルマン選手はご存知の通り、アメリカではクリーンナップを打つタイプではなかった。メジャーでは主に代打や守備固めで登場することの多かったヘルマン選手だが、リトル・リッキーというニックネームを持ち、リッキー・ヘンダーソン選手を尊敬している。つまりリードオフマンタイプなのだ。恐らくヘルマン選手は、浅村栄斗選手と共に1番を争うことになるのではないだろうか。浅村選手自身も、1番が自分には向いているという発言をしているため、今季は1番打者の座を狙ってくるはずだ。このポジション争いもまた熾烈を極めそうな予感がする。
さて、ここで話を戻すと、やはりクリーンナップトリオは中島・中村・栗山という3人で行くのではないかと単純に予想することができる。この3人が選手として完成されつつあり、若き浅村選手や原拓也選手の成長も著しい。この状況を考えれば、栗山選手に1・2番を打たせる必要性は、以前ほどは高くはないだろう。もし片岡易之選手が戻るまでに浅村・原という1・2番コンビが機能してくれば、これはチームにとっては今後大きな財産となる。この新たな1・2番コンビを育成するためにも、栗山選手が5番を打つことはチームにとってはプラスとなるはずだ。
渡辺監督が1軍監督に就任して以来、片岡・栗山・中島・中村という上位打線が主要オーダーとなって来た。だが今季はこれまでとは異なった野球スタイルを渡辺監督は目指している。もちろん統一球の影響もあるのだろうが、大技で相手をねじ伏せるノーリミット打線はもう卒業の時期を迎えている。今季は大技に小技を連動させる野球を、渡辺監督は目指している。そのためにも1~5番打者という上位打線の安定は不可欠だ。その中でも特に、今季は5番打者にかかる期待値は非常に大きいと言えるだろう。
2012年02月28日 16:56
埼玉西武開幕戦の二塁手は原拓也か、ヘルマンか
片岡易之選手のニュースを注意深くチェックしていると、やはり開幕戦までに間に合うような状態ではなさそうだ。打撃や走塁に関しては左肩に大きな不安はもうないようだが、こと守備に関してはまた大きな不安があるように伝えられている。ということは1ヵ月後に控えた開幕戦、渡辺久信監督は誰を正二塁手としてスタメンに連ねてくるのだろうか。昨年の実績を考えれば、正二塁手の筆頭候補は原拓也選手だと思う。守備に関しては申し分ないし、課題だった打撃に関しても、キャンプから練習試合にかけて好調を維持している。片岡選手の穴を埋めてくれるのは、やはり原選手が良いのでは筆者は考える。
だが正二塁手の候補としては新外国人選手であるヘルマン選手の存在も大きい。ヘルマン選手もキャンプイン以降、精力的に二塁守備の練習を続けていた。他若手選手にももちろん大きなチャンスはあるわけだが、しかし現時点では開幕戦の二塁手は恐らく、原選手かヘルマン選手のどちらかとなるのだろう。
この2選手ということで考えると、繰り返しになるが筆者は原選手を推したい。その理由は、二塁手には細かいサインプレーが要求されるためだ。昨季、北海道日本ハムには田中賢介選手の穴を埋めるべくスケールズ選手という二塁手が加入した。最初から二塁手として加入したものの、攻守共に田中選手の穴を埋めることはできなかった。守備に関して言えば、時々ビッグプレーを見せてくれるのだが、しかし二塁手に求められる緻密さを感じさせてくれることはなかった。
野球にはセンターラインという言葉がある。キャッチャー、ピッチャー、セカンド、ショート、センターの5人。ここがしっかりしていれば、チーム力も安定する、という考え方だ。このセンターラインを大切に考えるのであれば、筆者は言葉の壁があるヘルマン選手よりも、原選手をセカンドとして起用した方が、無駄な進塁、無駄な失点を防げるはずだと確信している。
もちろん二塁手のサインプレーは言葉ではなく、ブロックサインやフラッシュサインなどが用いられるわけだが、しかしアメリカでプレーをしてきたヘルマン選手が、どこまで日本で求められる二塁手像を理解できるかどうかは、大きな不確定要素だ。
原選手とヘルマン選手を比べる場合、守備だけではなく打撃という要素も考えなければならないことは筆者もよく分かっている。守備に関しては原選手を起用した方が安定感は増したとしても、もしヘルマン選手が安心してクリーンナップを任せられるだけの活躍を見せれば、ヘルマン選手を起用しなわけにはいかないだろう。この点に関し確かなことは、原選手はクリーンナップを打つことは出来ないが、ヘルマン選手にはその可能性が高いということだ。
だが今季、渡辺監督は「1点を奪りに行く野球」を掲げている。これはつまり、四球~盗塁~送りバント~内野ゴロで1点を奪りに行く野球のことだ。渡辺監督が掲げたこのテーマを考えてみても、やはり筆者はヘルマン選手よりも原選手を起用してもらいたいと考える。
近年の野球では、「併用」という言葉がよく使われる。しかし選手の立場から考えれば、この併用という言葉には決して甘えてもらいたくはない。併用されることで試合に出て喜ぶのではなく、併用されていることを悔しがる選手になってもらいたい。
ライオンズが今季二塁手候補としてヘルマン選手を獲得したということは、原選手にはまだそれだけの信頼感がないということになる。これはもちろん原選手自身よく分かっているはずだ。二塁手候補としてヘルマン選手の獲得が発表された時点で、原選手の心は熱く煮えたぎったはずだ。原選手にはヘルマン選手に二塁手の座を譲るのではなく、片岡選手が戻ったとしてもその座を死守する覚悟で2012年を戦ってもらいたい。
原選手が安心してレギュラーを任せられるだけの進化を遂げてくれれば、ヘルマン選手もさらに強い意気込みを持たざるをえなくなる。これはまさに相乗効果だ。原選手にはこの強い相乗効果を生むべく、今季は1年間レギュラーとして活躍を魅せてもらいたいと筆者は願っている。
2012年02月27日 15:23
G.G.佐藤選手の今季所属先、いよいよ決まるのか
IBL(イタリアン・ベースボール・リーグ、旧セリアA)に属するプロ野球チーム、フォルティチュードというボローニャに本拠地を置く古豪。このチームのオフィシャルニュースとして、G.G.佐藤選手を獲得するという趣旨の記事が出された。そのタイトルを読むと、「白と青のユニフォームを着た素晴しい打者、佐藤隆彦がやってくる」、と書かれ、2008年のライオンズのユニフォーム姿と共に紹介されている。イタリア語の記事であったため、筆者はすべてを正確に理解することはできなかったのだが、恐らくG.G.佐藤選手はイタリアで野球を続ける道を選んだのだろう。このニュースが事実であれば、G.G.佐藤選手は今年も野球を続けることができる。これはファンとしては、本当に嬉しいニュースだ。ただ日本人選手が在籍していても、日本にイタリア野球の情報が入ってくることはほとんどなく、それだけは少し残念ではある。実は筆者は以前、イタリアのプロ野球を題材とした本を書いたことがある。その時に現地に赴き、取材をしたのがこのボローニャというチームだった。ボローニャと言えば、食文化が発展しているイタリア国内にあっても、最も食通をうならせる町として知られている。日本では、サッカーの中田英寿選手が一時期所属していたサッカーチームがボローニャであったため、この町の名前に聞き覚えのある方も多いかもしれない。
ヨーロッパにはイタリア、スペイン、フランス、オランダと野球に力を入れている国がいくつかあるが、その中でもオランダと並び、年々野球レベルが上がってきているのがイタリアのプロ野球、イタリアン・ベースボール・リーグ(IBL)だ。筆者が取材した頃はまだセリエA、セリエBに分かれている時代だったが、2010年以降のボローニャはアメリカMLBの協力で誕生した、このIBLというリーグの所属チームとなっている。このリーグはサッカーで言う、いわゆるプレミアリーグという存在位置となる。
ボローニャはイタリア野球界では古豪のチームであり、これまで8回イタリアンチャンピオンになっている。さらには7回ヨーロッパチャンピオンにも輝いている。日本人選手では以前、元埼玉西武ライオンズの小野剛投手がセリエA・サンマリノでプレーをしていたが、そのサンマリノ(サンマリノ共和国)と同じリーグで戦っていたチームだ。共にセリエAのチームで、現在は同じくIBLに所属している。ちなみに昨季2011年はサンマリノが優勝を果たし、ボローニャは2ゲーム差の2位に甘んじている。ボローニャのオフィシャル記事では、ボローニャが2012年に優勝バッジを奪回するために、G.G.佐藤選手のリーダーシップと経験に大きな期待を寄せているという風に紹介されている。
イタリアのプロ野球はMLBの支援を受けたことで確実にレベルは上がって来ている。しかしそのレベルはまだまだ決して高いものではない。それは技術的にもそうだし、興行的にも同じことが言える。ボローニャがイタリア野球の古豪であったとしても、本拠地の観客収容数は僅か最大4000人でしかない。これは日本の地方球場よりも遥かに少ない収容人数だ。このような事情から、選手の年俸も本当に低い。G.G.佐藤選手のような実績のある選手であっても、日本のプロ野球の2軍最低保障額の年俸をもらえれば良い方なのではないだろうか。
筆者が昔書いた本は、日本のプロ野球チームを戦力外となった投手がイタリアに渡り、ボローニャで活躍をすることで再び日本に戻ってくるという内容だった。G.G.佐藤選手にはまさに、そのような野球人生を突き進んでもらいたい。イタリアのプロ野球選手たちは、日本よりも遥かに強いハングリー精神を持ってプレーをしている。誰もがいつかはアメリカ・メジャーリーグでプレーをしたいという夢を持っている。この点はG.G.佐藤選手にはピッタリではないだろうか。侍魂を持つG.G.佐藤選手であれば、イタリア人選手の良き手本となれるはずだ。G.G.佐藤選手がリーダーシップを発揮し、ボローニャを優勝に導き、いつの日か、G.G.佐藤選手には再び西武ドームのグラウンドに帰って来てもらいたい!!今筆者が願うのはただそれだけだ。G.G.佐藤選手には必ず、西武ドームに帰って来てもらいたい!!そのためにももし正式にイタリアへの移籍が決まったならば、G.G.佐藤選手にはイタリア人たちにスタンディングオベーションをさせるような活躍を魅せてもらい!!
頑張れ!G.G.佐藤!!
2012年02月24日 22:35
大石達也投手の先発転向は投手生命を長くする
大石達也投手のクローサー起用に対するファンの期待は、今なお高い。だが筆者はここでも一貫して書き続けてきたように、大石投手は先発として起用し続けるのがベストだと考えている。その理由は、先発とリリーフでは体の使い方が異なってくる場合が多いためだ。投手としてより長く現役生活を過ごしていくためには、先発投手として経験を積んでいくのがベストだと考えられる。まずリリーフについてだが、先発投手と違い投げるイニングは短い。守護神であれば1イニング以上投げることはほとんどない。そのため最初から最後まで全力投球で通せるため、力技で乗り切ることもできるのだ。つまり力感溢れるボールで打者をねじ伏せるピッチングだ。だがこの投げ方は調子が良い時は問題はないのだが、一度どこかが狂い始めると、肩肘への負担は想像を絶して大きくなる。ホークスの馬原投手の故障は、まさにこれが原因だったのではないだろうか。
大石投手は、大学時代には守護神としてMAX155kmのストレートで打者をねじ伏せてきた。だが155km出したのは神宮球場で、当時の神宮はガンが高めに表示されていた。もしかしたら155kmというストレートも、実際には150km出ていたかいないか、というのが実際だった可能性も否めない。だがそれでも公式に155kmを出したことは事実であるため、多くのファンが夢の160kmを追い求め、大石投手に守護神を勤めてもらいたいと思うのだろう。もちろん守護神としての資質がある大石投手であるため、大学時代同様に9回を任せたとしても、実績を残してくれたことは間違いない。
そんな大石投手もプロ入り直後、大学時代から少し傷めていた肩痛を酷くしてしまった。大学時代の、上体に頼りがちなフォームの影響が出てしまったのだろう。結局2011年は開幕1軍を経験するものの、1軍での登板は一度もせず1年目を終えてしまった。
だが2年目、2012年の大石投手は一味違うようだ。先発投手としての基本を一年間みっちりとファームを学び、球速よりも切れを重要視する投手に変貌を遂げている。この考え方は非常に重要だ。切れのない155kmの剛速球よりも、切れのある140kmのボールの方が打者を抑えられる可能性は遥かに高くなるためだ。
大石投手はこの1年間、徹底して下半身の使い方をマスターしようとしてきた。元々、決して下半身の使い方が下手な投手ではなかったが、しかし上手に使い切れてもいなかった。それが昨年の秋季キャンプ以降、非常に良い下半身の使い方でボールを投げられるようになって来ている。主に内転筋を中心とした下半身で投げられるようになると、上体に力を入れなくても切れや伸びのあるストレートを投げられるようになる。いわゆる打者の手元で伸びるストレートだ。
ピッチングの基本のすべてはストレートにある。球速を問わず、どれだけ質の良いストレートを投げられるかどうかで、投手生命の長短は決まる。そして大石投手は今、その質の良いストレートを手に入れようとしているのだ。先発にしてもリリーフにしても、質の良いストレートを投げられる投手は強い。先発で言えばダルビッシュ投手、リリーフで言えば藤川球児投手のストレートは本当に素晴しい。彼らは質の良いストレートを投げられるからこそ、長年に渡り活躍し続けられるのだ。
大石投手には、まずは先発投手としてしっかりと体の使い方をマスターしてもらい、どこで投げても対応できるだけの、球界を代表する投手へと成長していってもらいたい。だが大石投手がそれだけの投手になったのであれば、週に多くとも3~4イニングしか投げないクローサーよりも、週に多ければ9イニング以上投げることになる先発の方が、より多くチームの勝利に貢献できると筆者は信じている。今季のライオンズは先発ローテーション6枠の争いが熾烈を極めているが、大石投手には何とかその6枠に入れるよう、これから始まる練習試合やオープン戦での活躍を筆者は願っている。
2012年02月21日 16:53
ライオンズが優勝するために確立すべき4つの軸
2012年のプロ野球開幕までも、いよいよあと1ヵ月少々となってきた。各チーム厳しい練習ばかりではなく、練習試合や紅白戦などの実践も多く組まれ始めている。そしてもちろん埼玉西武ライオンズでも実践が行われている。ちなみに投手と打者であれば、この時期は投手の方が調整が進んでいる場合が多い。その理由は、投手は打者がいなくても自分のボールを磨く鍛錬ができるが、打者は投手がいなければ、生きたボールを打つことができないためだ。ライオンズの投手陣もここまでは、比較的順調な調整が進んでいるようだ。中でも涌井秀章投手は肘痛に苦しんだ昨季と比べると、状態はかなり良さそうだ。リポートなどを読んでいると、ブルペンで投球練習をしていると審判が「さすが涌井だ」と感嘆するほどの仕上がりを見せているようだ。
19日に行われた紅白戦で涌井投手は白組の先発として登板した。初回は若干制球を乱す場面も見られたようだが、2回はしっかりと修正を行い、安定した制球で紅組を1安打に抑えて見せた。打者陣がまだ本調子に達していないことを差し引いても、エースの貫禄を魅せてくれた。オープン戦でよほど調子を崩さない限りは、涌井秀章投手が開幕戦のマウンドに立つことは、ほぼ間違いないだろう。涌井投手自身も、開幕戦の先発マウンドは誰にも譲る気はないようだ。
この日、紅組の先発マウンドを託されたのは、今季から再び先発に転向した牧田和久投手だった。キャンプイン前日にインフルエンザの発症が発覚し、出遅れていた牧田投手だったが、しっかりと巻き返しは図れているようだ。涌井投手同様、2イニングをしっかりと無失点で投げ終えた。
牧田投手は昨季途中から、クローサーとして1年目のシーズンを過ごした。だが今季は再び先発に戻るということで、今季のクローサーが誰になるのか注目が集まっている。渡辺久信監督はここまで開幕投手に関しても、守護神に関しても誰を起用するかは明言していない。しかし先日、十亀剣投手がシートバッティングで5者連続三振という離れ業をやってのけると、渡辺監督は十亀投手を守護神として起用する可能性もあることを示唆した。
十亀投手自身は、社会人時代は先発投手としてチームを引っ張っていたが、プロ入り後は先発だけにこだわることはないとコメントしている。もし十亀投手がクローサーとしての資質を今後も見せ続ければ、昨年同様ルーキーが守護神の座に就くということも十分あり得るだろう。
十亀投手をクローサーとして起用し、クローサーとして英才教育を受けさせるということに関しては、筆者は賛成だ。十亀投手は先発として計算させながら投げさせるよりは、常に全力投球が可能となるリリーバーでの方が、持ち味を発揮できると思えるからだ。
調子が良い投手を毎年コロコロと代えていくよりは、クローサーは1人の投手に絞り、クローサーとして徹底的に鍛え上げて行った方が、チームの将来にとってはプラスとなるはずだ。強いチームはエース、クローサー、4番打者、正捕手がしっかりしている。近年のライオンズはクローサーと正捕手を固めることができず、2008年を最後に優勝から遠ざかっている。だが十亀投手に限らず、クローサーを誰か1人に絞り、クローサーを固定することができれば、ライオンズが近年抱えた弱点もかなり克服することができるだろう。
正捕手に関しては今季からチームメイトに強く推され背番号を27に変えた炭谷銀仁朗捕手と星孝典捕手が熾烈な争いを繰り広げるはずだ。となると残すはクローサーの確定のみ。エース涌井投手は今季は順調な調整を見せている。正捕手争いも熾烈。4番中村剛也選手も練習試合で早速130m弾を飛ばしている。あとはクローサーさえ開幕までに確定させることができれば、後藤オーナーの期待に応え、ライオンズがスタートダッシュを決めることも十分可能となるはずだ。
ライオンズは今季、負けることは許されていない。今季は死ぬ気で日本一のチャンピオンフラッグを奪還しなければならない。そのためにもエース、クローサー、正捕手、4番打者の確立は避けては通れないだろう。だがこれが確立されれば、ライオンズはパ・リーグの中では最も高い確率で優勝という目標を果たせるはずだ。そして日刊埼玉西武ライオンズを立ち上げた2009年以降、ライオンズは優勝をしていない。今年の秋こそは、この場にてライオンズの優勝を祝いたい!
2012年02月20日 16:54
#14 江草仁貴
#14 江草仁貴 - Hitotaka Egusa投手、左投左打
2002年自由獲得枠
盈進高~専修大学~阪神~埼玉西武ライオンズ
広島県出身、1980年9月3日生、178cm / 84kg
2002年のドラフト会議、自由獲得枠で阪神に入団した江草仁貴投手も今季で10年目を迎える。阪神時代には2005~2009年の5年間で4回の50試合登板を果たした鉄腕も、2010年は21試合、西武に移籍をした2011年も僅か12試合の登板に終わった。そして不振にあえいだこの2年間は、防御率も5点台にまで跳ね上がっている。その原因を見ていくと、どうやら球威の低下にあるようだ。好調時には150km近いストレートを投げていた江草投手だが、勤続疲労の影響だろうか、近年は130km台にまで落ち込んでしまっている。それほど制球力のある投手ではないため、やはり球威が衰えてくるとそれが成績に直結してきてしまう。
江草投手が背負うのは以前は小野寺力投手が背負っていた14番だ。そしてこの14番はかつて、現1軍投手コーチの石井貴投手が背負っていた。エースナンバーとは言えないが、決して軽い背番号ではない。江草投手はその背番号を背負っているのだから、今季は石井貴コーチの目の前で、復活をしなければならない。
江草投手の通算奪三振率は9.08と非常に高い。この奪三振率の高さが江草投手にとっての何よりの武器だ。切れのあるストレートにツーシーム、スライダー、フォークを持ち球としているわけだが、リリーバーにとり三振が取れるという能力は、先発投手のそれ以上に大きな武器となる。ピンチで火消しとして登板し、三振を取って帰ってきてくれるほど嬉しいことは投手コーチとしてはないだろう。
江草投手が復活を果たすためには、前述した通り球威の復活が最大の鍵となる。130km台にまで落ち込んでしまったストレートを、どこまで戻していくことができるのか。このストレートが140km台中盤まで出てくるようになれば、今までの経験値を考えれば間違いなく1軍ブルペンの中心的存在となれるはずだ。星野智樹投手、ウィリアムス投手との左腕トリオは、今季の1つの目玉ともなるうるだろう。
今季筆者は、投手陣の阪神トリオに大きく注目をしている。つまり江草投手、藤田太陽投手、桟原将司投手の3人だ。この3人が力を合わせ、阪神を見返すだけの活躍をすることができれば、これは本当に大きな魅力となるだろう。それこそスカウト陣の目利きの良さを証明することにもなる。
ライオンズには江草投手の復活に影響を与えられる投手が何人か存在する。まずその筆頭は石井一久投手だ。同じ左腕で、リリーフ経験もあり、奪三振率の高さも共通し、そして制球に苦しんだ経験をも持っている。石井投手がいかにして今の技術を手に入れたのかを1軍で学ぶことができれば、これは江草投手にとっては大きな財産となるだろう。だがそのためにも江草投手は1軍に定着しなければならない。1軍にいなければ、石井投手に話を聞くこともできない。
そして石井投手に並び力になってくれそうなのがやはりベテランの西口文也投手だ。西口投手も30代に入ってからは球威の低下に苦しんだが、ウェイトトレーニングなどの効果もあり昨季は完全復活を果たした。球威の低下に悩んでいる現在の江草投手を考えれば、西口投手の経験もまた大きな財産となるだろう。
今季はライオンズへの移籍2年目となる江草投手だが、この移籍は江草投手にとってはプラスであったはずだ。阪神タイガースという人気球団から放出されたという悔しさもあるかもしれない。しかし江草投手が全盛のピッチングを取り戻すためには、ライオンズへの移籍は間違いなくプラスとなったはずだ。1軍の投手コーチも今季はレオの兄貴とも呼ばれる石井貴コーチと、左腕の杉本正コーチだ。江草投手が復活するための要素は出揃っている。あとはその復活を待つばかりだ。今季2012年の江草投手はきっと、かつてのホームである甲子園、そして新たなホーム西武ドームで輝きを取り戻してくれるはずだ。
2012年02月15日 14:37
#52 武山真吾
#52 武山真吾 - Shingo Takeyama捕手、右投右打
2002年ドラフト10巡目
享栄高~横浜BS~埼玉西武ライオンズ
愛知県出身、1984年6月22日生、177cm / 86kg
2011年オフ、後藤武敏選手との交換トレードで横浜からやってきたのが、武山真吾捕手だった。ライオンズは近年、捕手の補強を活性化させている。ドラフトでも捕手を指名することが少なくなく、オフの補強でも必ず捕手に食指を伸ばしている。これは西武球団が、捕手の強化を大きなテーマとしている何よりの証だろう。また、野田浩輔捕手の引退や、米野智人捕手の外野へのコンバートもあり、今季は捕手陣が手薄になりそうな点も、武山捕手の獲得を加速させた。何より後藤武敏選手を放出してまでの獲得であったのだから、西武球団が武山捕手に高い評価を与えていることがよく分かる。
武山捕手がプロ入りしたのは2002年のドラフトでのことだった。高校生として横浜から10巡目指名を受け、プロ野球の門を叩いた。しかし高卒捕手であるため、ファームでも簡単に試合に出してもらえることはなかった。とにかく捕手の基本を叩き込むため、ひたすら練習の日々。それでも2005年になるとフレッシュオールスターに出場し、優秀選手賞を獲得するなどの成長を見せた。だが1軍正捕手までの道のりは険しく2007年、武山捕手はよもやのコンバートをされてしまう。コンバート後はサード、ファースト、レフトを転々と守り、ファームでの出場試合数を徐々に増やしていった。
だが1軍の捕手陣の故障者が出ると、武山選手は再び捕手に戻され、2008年、ようやく1軍で捕手デビューを果たすこととなる。ファームでは打撃でも活躍を見せていた武山捕手ではあったが、しかし1軍では打撃ではなかなか数字を残すことはできなかった。やはり若い捕手特有の、捕手の重責が重過ぎて打撃にまで集中し切れないという状況だったのだろうか。2011年に関して言えば46試合に出場し、打率は.125とい低さに終わってしまった。この年、開幕スタメンマスクとして起用してくれた尾花監督の期待に応えることはできなかった。
武山捕手のライオンズ入りが決まったのは、そのオフだった。西武ファンとしては後藤武敏選手の放出は寂しい限りではあったが、しかし後藤武敏選手を応援したように、これからは武山捕手にも期待を寄せて行きたい。シーズンを通して正捕手でいたこと、もしくは正捕手争いをし続けた経験は武山捕手にはないが、しかしライオンズのような選手育成に定評のあるチームで経験を積めば、1軍で炭谷銀仁朗捕手、星孝典捕手の存在を脅かす活躍ができるだけの資質を、武山捕手は持っているはずだ。そうでなければ、尾花監督も開幕マスクに起用することはなかったと思う。
せっかくライオンズに移籍してきたのだ。武山捕手にはライオンズに骨を埋めるつもりで正捕手を目指していってもらいたい。武山捕手ら、現在3番手以降の捕手陣が飛躍してくれば、炭谷・星捕手もさらにレベルアップを目指さざるを得なくなる。そうなればライオンズの捕手陣は想像以上に強化されることとなるだろう。その状況を生み出すためにも、武山捕手には3番手捕手に甘んじることなく、正捕手を目指して頑張って欲しいと筆者は願っている。
2012年02月13日 17:11
#53 石川貢
#53 石川貢 - Mitsugu Ishikawa外野手、右投左打
2009年ドラフト4巡目
東邦高~埼玉西武ライオンズ
愛知県出身、1991年6月16日生、180cm / 80kg
2012年春季キャンプ前半、渡辺久信監督がMVP級の評価与えた選手が、菊池雄星投手と同期、同学年の石川貢外野手だった。確かに先日のシートバッティングでも野上亮磨投手のスライダーを上手く腕を畳んでライトオーバーの二塁打を放っている。まさに今ライオンズの中で、最も成長著しい選手の1人が石川貢選手だ。石川選手の魅力は何と言っても走力。脚力と強肩は、1軍の試合での守備を経験していけば十分な戦力となるだろう。渡辺監督も、今年の開幕スタメンに名を連ねているかもしれないと言うほど、高い評価を与えている。
石川選手の課題は打撃だと言われているが、しかしその打撃も着実にステップアップしている。1年目のルーキーイヤーはファームで.204という打率だったが、2年目の昨季は.240と数字を大きく上げてきた。打撃は今季もファームで場数を踏んでいけば、また大きくステップアップをしてくると期待することができる。
石川選手の打撃フォームは比較的オーソドックスだ。体の前に構えたグリップを、投手のモーションに合わせてトップに引き上げ、そこから一気に振り下ろしていく。フォームそのものは少し違ってはいるが、打撃スタイルは松井稼頭央選手を彷彿させる。稼頭央選手の場合は、グリップは最初からトップに近い位置で構えているという違いはあるが、バットの振り下ろし方は2人は似たタイプであるという印象を筆者は抱いている。
だが稼頭央選手と決定的に違う点が存在する。それはステップだ。稼頭央選手の場合は、基本的にはストレートステップで、コンタクト後に体をスムーズに回せるようなモーションを取っている。だが石川選手の場合これがオープンステップなのだ。オープンで構え、振り上げた右脚をそのままオープンで着地させ、バットを振っている。なぜ石川選手がオープンステップを採用しているのかは筆者には分からない。もしかしたら自分の脚を活かすためか、徹底したチームバッティング(右打ち)をするためか、右投手の変化球に対応するためか、その理由は分からない。だが将来的なことを考えれば、オープンステップよりはストレートステップの方が良いのではないかと筆者は考えている。
野球界は、左投手よりも右投手の方が圧倒的に多い。「慣れ」という観点から見るならば、同じ順手対戦であっても右対右よりは、左対左の方が圧倒的に打者が不利となる。それを考えると、もし右投手の変化球に対応するためにオープンステップにしているとすれば、1軍でレギュラーを奪取することは難しいだろう。その理由は、良い場面で右投手から左投手にスイッチされた場合、左投手からも率を残していなければ右の代打を送られてしまうからだ。
石川選手の走力・守備力は非常に魅力的だ。それを1軍で見せ付けるためにも、左投手を安定して打てるようになる必要がある。もちろんオープンステップであっても、左投手の外に逃げる変化球をしっかりと捕えられる技術があるのならば何も問題はない。だが筆者の手元には現在石川選手の、投手の左右別の成績データがない。石川選手が投手の左右でどれだけ数字が変動しているのか、もしくはまったく変動していないのか、筆者はいま非常に気になっているところだ。
オープンステップは、内角球への対応として取り入れるものであると筆者は考えている。つまり普段は、オープンスタンスであっても、ステップはストレートであったりクロースにした方がバットをインサイドアウトで扱いやすくなるし、ストレートやクロースステップの方が、オープンステップよりもボールをギリギリまで見極めやすいという利点がある。オープンスタンスなのは何も問題はない。筆者が気になっているのはオープンステップについてだ。これが石川選手の打撃にどれだけの影響を与えているのか、早く1軍のグラウンドで直接見てみたい。
石川選手がオープン戦でも活躍するようなことがあれば、秋山翔吾選手、熊代聖人選手、斉藤彰吾選手らにさらに火が着いていくだろう。外野のレギュラーは現状栗山巧選手ただ1人だ。石川選手にも十分なチャンスがある。石川選手にはB班に落とされないことを目標にするのではなく、オープン戦で活躍することはもちろん、2012年の開幕スタメンを勝ち取ることを目標にしていって欲しい。本人も力強く言うように、同期の菊池雄星投手に負けない活躍を今季は期待したい!
2012年02月10日 15:33
#43 桟原将司
#43 桟原将司 - Masashi Sajikiharaリリーバー、右投右打
2003年ドラフト4巡目
大阪桐蔭高~新日本製鐵広畑~阪神~埼玉西武ライオンズ
大阪府出身、1982年8月21日生、183cm / 90kg
桟原投手と言えば2004年、ルーキーながら阪神タイガースのリリーフの一角を担い、見事な活躍を見せた投手だった。途中調子を落とした時期もあったようだが終盤には再び持ち直し、44試合で54イニングを投げ、3.48という即戦力の名に相応しい一年目となった。だがこの成績が実質、これまでの桟原投手のキャリアイヤーとなってしまっている。
桟原投手のフォームは独特だ。筆者は映像でしか見たことがないのだが、セットからテイクバックに移行していく際の右腕の動きが非常に面白い。まるで阪急ブレーブスの山沖之彦投手のように、右腕を体に沿って隠してしまう。いわゆる変則フォームであるのだが、打者からすれば慣れなければ攻略するのは難しいだろう。
ただ筆者には気になる点がある。それは、腕を体の影に隠し打者を幻惑してはいるのだが、その腕が体の影から出たあとは、腕が遠回りしているのだ。これでは変則投法のメリットを最大限に活かし切ることはできない。
例えばタイプで言うならば、エース涌井秀章投手や、現役時代の渡辺久信投手が同じであると言える。涌井投手の場合もテイクバックからコッキング(テイクバックからトップに持っていく動作)までの腕の動きを体の影に隠し、アクセラレーション(加速期)まで打者にボールを見せないようにしている。いわゆる“スモーキー”ピッチャーで、ボールが煙の中から突然飛んでくるように打者には見える。渡辺久信投手も同様で、テイクバック時の右腕は体の影に沿わせ、真下に下ろしていくことで打者からボールの出所が見えにくい投げ方をしていた。渡辺久信投手もやはり、今思えばスモーキーだった。
だが桟原投手の場合、右腕を体の影に隠すものの、それがすぐに打者が見える位置に出て来てしまうのだ。筆者が見た映像は昨年の、育成契約期間の桟原投手のフォームであるのだが、もし今もまったく同じフォームで投げているのであれば、これは非常にもったいないことだ。せっかく打者から見えにくい変則フォームで投げているのだからその利点を最大限に活かし、テイクバックだけではなく、コッキングも体の影に隠し続けるべきだろう。そうすれば桟原投手も完全なスモーキーになれるはずで、2004年をこのままキャリアイヤーで終わらせることもなくなるはずだ。
桟原投手にとりライオンズはやりやすい環境であると思う。阪神時代の同僚である藤田太陽投手もいるし、大阪桐蔭高校で1学年下だった中村剛也選手もいる。そして先述した通り、同じタイプであるスモーキーピッチャーの先輩・渡辺久信監督と、エース涌井秀章投手もいる。ライオンズに馴染める環境も、技術を向上させられる要素も豊富にあるのだ。
この冬、桟原投手は阪神から戦力外通告を受けたわけだが、この戦力外通告は桟原投手にとっては大きなプラスになるはずだと筆者は確信している。阪神時代はなかなか能力を発揮することができなかったが、ライオンズであれば必ずや能力を発揮できるだけの成長を遂げられるはずだ。スライダー、シンカーを駆使するツーレーンピッチャーとして、桟原投手には藤田太陽投手とともに、ライオンズの1軍ブルペンには絶対に欠かせない存在へとなっていって欲しい。
2012年02月06日 17:54

