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ミンチェ投手に続き、帆足和幸投手もFA移籍を決断
ライオンズはミンチェ投手に続き、今季の選手会長帆足和幸投手もFA移籍で失うこととなってしまった。ファンとしては寂しい限りではあるが、しかしFAは選手が苦労して得た権利だ。その権利を行使するのだから、どこのチームに移籍したとしても、ファンとしては温かく送り出してあげたい。
ただし投手の流出は、昨年の細川亨捕手の流出ほどダメージは大きくはないだろう。その理由は、ライオンズの主軸打者たちの長短所を熟知した細川捕手は、ホークスの制球力高い投手陣をリードし、苦手なコースを攻めれば良いだけだった。しかし投手となれば話は異なる。いくら細川捕手が弱点を徹底的に突くリードをしたとしても、ライオンズ野手陣と良好な関係を持つ帆足投手は、恐らく内角の厳しいところに常に投げ込むことはできないだろう。
筆者も学生時代はずっと投手をしていたため分かるのだが、打撃練習中、いくらチームメイトが「死球を気にせず内角に投げてくれ」と言ってくれても、仲の良いチームメイトに死球を気にせず投げることなど絶対にできない。筆者は試合で死球を出すことの多いタイプではあったが、しかし当てる相手はいつもトーナメントで対戦する、ほとんど顔も知らない選手ばかりだ。そのため死球を当てても、帽子をとって謝りはするが、それで内角攻めができなくなることはなかった。
ミンチェ投手に関しても同じことが言えるのではないだろう。ミンチェ投手が低迷していた時期は、鋭いシュートボールを投げられるにも関わらず、死球を恐れ右打者の内角に投げ切れなかったからだ。ミンチェ投手がいくら台湾出身選手であったとしても、ライオンズには10年在籍している。その元チームメイト達に、果たして内角をえぐるシュートボールを投げられるかどうか。帆足投手にしても右打者の内角に食い込んでいくナチュラルスライダー(スライダー回転のストレート)を投げ切れるのか、そこが勝負の分かれ目となるはずだ。
球界の通説として、「投手は敵チームの野手とは絶対に話してはならない」というものがある。これは、会話を通じて投手と敵チームの野手が仲良くなってしまうことで、対戦した際、投手がその野手の内角を突けなくなってしまうためだ。球界の死球王である東尾修投手ですらそれを気にしていたのだから、いくら気持ちが強いとは言え、帆足投手がライオンズ打線を相手に、しかも可愛がってきた後輩たちを相手に、死球も厭わぬ内角球を常時投げ切れるとは筆者には考えられない。それを考えると、帆足投手とミンチェ投手の流出は、細川捕手の流出よりは小さなダメージで済むと予測できる。
逆にライオンズ打線からすれば、中村剛也選手、原拓也選手、浅村栄斗選手ら内野陣は、一年間ずっと帆足投手、ミンチェ投手の真後ろから彼らの投球を見続けた。つまり持ち球は当然のこと、マウンド上での性格、配球の傾向などを熟知している。このメリットは決して無視することは出来ないだろう。野球界の恩返しは、先輩を倒してこそ恩返しだと言える。つまりライオンズの若き内野陣は、自分を可愛がってくれた帆足先輩を打ち崩すことこそが、帆足投手への最大の恩返しとなる。筆者は来季、この恩返しに大いに期待したいと思っている。
さて、帆足投手にしてもミンチェ投手にしても、西武球団はFAによる流出の可能性は当然把握していたはずだ。フロントでも、FAで移籍していく確率をしっかり計算していたと思うし、今回の両投手の移籍に、ファンほど大きな驚きは抱いていないはず。ということは、当然FA移籍した選手のバックアップ案はすでにあるものと思われる。西武球団の場合、あまり表立ってその情報が出てくることはないが、今まさに水面下において調査は進んでいるはずだ。当たり前のことではあるが、このまま穴を埋める作業をしない、ということはまずありえないだろう。
まず帆足投手が抜ける先発の穴は、それほど心配する必要はないだろう。エース涌井秀章投手を中心に岸孝之投手、西口文也投手、石井一久投手、牧田和久投手らが主軸としてローテーションを守り、そこに若きエース候補である大石達也投手、菊池雄星投手が加わり、さらには武隈祥太投手、十亀剣投手ら期待の若手もいる。彼らすべて来季先発で回れるかと言えばそうではない。先発ローテーションに加われなかった投手は、リリーフやロングリリーフで経験を積ませることとなり、ローテーションの谷間で結果を出せば、そこからローテーション枠を奪い取ることもあるだろう。
帆足投手とミンチェ投手の穴は確かに大きい。しかしこの穴は決して埋められないものではない。それよりも重要なのは、中島裕之選手の穴をどうやって埋めるかだ。この穴を埋められなければ、いくら投手陣を整備したとしても優勝からは遠ざかる結果となってしまうだろう。外国人打者に関しては数人の名前がすでに挙がってきてはいるが、その外国人打者だけに頼ることはできない。多少の出血は覚悟してでも、トレードによる打者の獲得は急ピッチで進めていく必要があるだろう。とにかく今は鈴木葉留彦球団本部長の手腕に期待し、筆者は朗報を待ち続けたいと思う。
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2011年12月13日 15:42 Tweet

