前の記事 牧田和久投手、西武では12年振りの新人王獲得
次の記事 ホセ・フェルナンデス選手の退団が決定的に
#56 鬼崎裕司

56 鬼崎裕司 - Yuji Onizaki
遊撃手、右投右打
2007年大学・社会人ドラフト3巡目
佐賀工業高~関東学院大~富士重工~東京ヤクルト~埼玉西武ライオンズ
佐賀県佐賀市出身、1983年4月7日生、177cm / 77kg
中島裕之選手が抜ける中、2012年のライオンズの正遊撃手は浅村栄斗選手だと言われている。だが筆者は浅村選手、原拓也選手と共に、正遊撃手争いでは鬼崎裕司選手に期待を寄せている。鬼崎選手は2011年5月、小野寺力投手とのトレードで東京ヤクルトから移籍してきた内野手だ。
ヤクルト時代は、宮本慎也選手の後継遊撃手として期待された選手だ。しかしなかなか期待通りの結果を出すことができず、1軍に定着することもできずにいた。2009年もシーズンの大半をファームで過ごしたが、9月になるとようやく1軍で起用されるようになった。初スタメンを飾った試合で猛打賞を記録したり、プロ初登板から116試合連続無敗記録を続けていた、先日ライオンズへの入団が決まったばかりの阪神・桟原将司投手に初黒星をつけるホームランを放つなど、勝負強い打撃を見せていた。15試合に出場し、この年は.356という数字をマークし、翌年以降への期待感を膨らませた。しかし翌2010年は打撃で結果を出すことができず、2011年、東京ヤクルトの在籍わずか3年半でライオンズにトレードとなってしまった。
鬼崎選手は、確かにまだまだ打撃で期待を抱けるような選手ではない。数字を見ればそれは明らかで、守備要員としての起用がほとんどだった。だが決して打力のない選手ではないと筆者は考えている。現にアマチュア時代には守備だけではなく、打撃でも大きな活躍を記録してきている。それを考えれば、鬼崎選手の場合はやはり出場機会がすべてなのではないだろうか。1軍と2軍を行ったり来たりし、試合に出れたり出られなかったりという状態が続くと、どうしても打てなくなってしまう。タイプとすれば鬼崎選手は、平尾博嗣選手のように代打の一振りにかけるタイプではないと思う。どちらかと言えば1試合で3~4回打席に立ち、チームバッティングを中心に勝利に貢献するタイプではないだろうか。つまり分かりやすく言えば原拓也選手に近いタイプだと思う。
右投左打は原選手と鬼崎選手は同様で、年齢も鬼崎選手の方が1つ上なだけだ。筆者個人としては、やはり原選手と鬼崎選手で互いを高め合い、浅村選手に簡単にショートを譲らないよう頑張ってもらいたいと思っている。
そのショートの守備に関してだが、正直なところ筆者はまだ鬼崎選手のショートの守備をほとんど見たことはない。だが一般的な評価からすれば、守備力はかなり高いようだ。ただし鬼崎選手には1つ大きな欠点があると言う。それは強いゴロを捕球した際、グラブが負けてしまうことだ。アマチュア時代は、強烈な打球を打ってくる選手などそれこそ限られていたわけだが、プロではそうは行かない。プロの打者は下位打線であっても、アマチュア時代にはクリーンナップを打っていた選手ばかりなのだ。つまりアマチュア時代に通用していた柔らか過ぎるハンドリングでは、捕球時にどうしてもグラブが押されてしまうのだ。
捕球時にグラブが押されれば、ボールを握り損ねやすくなるばかりではなく、捕球エラーの確率も高まる。それが2009年、ファームでも多くのエラーを記録してしまった要因だ。そしてこれに関してはヤクルト時代から修正のための指導を受け続けている。だがそのことを考え過ぎ、逆に体が上手く反応しなくなってしまったのだろう。そうでなければ守備力のある鬼崎選手が、そう簡単にエラーをするとは考えにくい。
しかし2009年からは2年が過ぎ去った。守備に関してはかなりプロの水に慣れてきたのではないだろうか。守備に悩んでいる時期は、それがそのまま打撃内容に繋がってしまうことはごく自然なことだ。つまり守備への不安が年々軽減されていることから、鬼崎選手も2012年は1軍である程度の結果を出せるのではないかと筆者は見ている。
試合中のイニング間、鬼崎選手がファールエリアでキャッチボールする姿を今季はよく見かけた。その姿を見ていると、やはり守備が上手い選手という印象を受ける。その理由は、ボールに対して余裕を持っているためだ。打撃においてよく「ボールを引き付けて打て」と言われるが、これは守備も同様。変にボールを迎えに行って捕るのではなく、体の近くまでボールが入ってくるのを待ち、それをグラブで迎え入れてあげる。鬼崎選手からはキャッチボールからもそういう巧さが感じられた。
今年は原拓也選手が飛躍のきっかけを掴んだように、来季は鬼崎選手に同様のきっかけを掴んでもらいたい。鬼崎選手がレギュラー陣をどんどん脅かしていけば、ライオンズの内野守備はさらに堅いものになっていくはずだ。黄金時代のような鉄壁な守備陣を形成するためにも、鬼崎選手には来季、ぜひ大きな飛躍のきっかけを掴んでもらいたい。
【お知らせ】
最近、日刊埼玉西武ライオンズの記事をブログやmixi日記などで再利用されている方がいるようです。日刊埼玉西武ライオンズの記事は、筆者が許可していない限り、酷似した文章、コピーした文章を他ブログ、他サイトに掲載することは禁止いたしております。もし何かお気付きの点などございましたら、ぜひメールでお知らせくださいませ。ご協力よろしくお願いいたします。
前の記事 牧田和久投手、西武では12年振りの新人王獲得
次の記事 ホセ・フェルナンデス選手の退団が決定的に
【関連記事】
2011年12月02日 16:52 Tweet

