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鈴木葉留彦
鈴木葉留彦 - Haruhiko Suzuki
球団本部長兼編成部長(一塁手、左投左打)
1973年ドラフト3位
埼玉県立大宮高校~早稲田大学~太平洋クラブライオンズ~クラウンライターライオンズ~西武ライオンズ
埼玉県浦和市(現さいたま市)出身、1951年7月25日生、179cm / 80kg
選手としての鈴木葉留彦氏は、決してスタープレイヤーではなかった。早稲田大学時代には一塁手としてベストナインに選ばれるなど、華々しい成績を残してきたが、プロ入り後は主に代打要員として11年の選手生活を送った。1984年を限りにユニフォームを脱ぐと、その後はテレビ解説を経て88年、コーチとして再びユニフォームを着ることになる。
88~89年、2000年はライオンズ1軍打撃コーチ。87年、90~92年は2軍打撃コーチ、98~99年、01~03年は2軍監督を歴任してきた。このコーチ経歴を見て良く分かるのは、東尾修監督からの信頼が厚かったということだ。東尾監督が就任したのは95年。就任時のコーチ人事に関しては、東尾監督自身の判断により、球団主導で行なわれ、東尾監督の希望が反映され始めるのは翌年以降からだ。鈴木葉留彦氏が東尾監督の下でコーチに就任したのは1998年からとなり、97年に東尾監督が始めてリーグ制覇と遂げた翌年からだった。
1998年・・・2軍監督
1999年・・・2軍監督
2000年・・・1軍打撃コーチ
2001年・・・2軍監督
これが東尾監督時代の鈴木葉留彦コーチの役職だ。
引退後の現場経験がバッティングピッチャーだけだった取締役球団本部長前任者・前田康介氏との最大の違いは、鈴木葉留彦氏は引退後の現場経験が豊富ということだろう。特に活人力のあった東尾監督の下で2軍監督を3年間務めているという経験は、球団本部長としては大きなプラスに働くはずだ。なぜなら2軍監督の最大の職務は、1軍から求められる戦力を2軍で整えることだからだ。
さらにはスカウト部長としての経験も大きいだろう。2007年には西武球団の裏金問題の責任者として責を問われた鈴木氏だったが、この失敗も今となっては決してマイナスだけではなかったと筆者は考える。日本の企業は一度の大きな失敗を見て、今後のすべてを問うことが大きい。しかし欧米諸国は違う。一度大きな失敗をしたエグゼクティブを積極的に登用し、成功を収めるケースが多いのだ。つまり「それだけ大きな失敗をしているのだから、次はしっかりとやってくれるはず」と判断されるのだ。そういう意味でも、鈴木葉留彦氏には大きな期待を寄せることができるのではないだろうか。
東尾監督は選手やコーチ陣とのコミュニケーションを大切にした監督だ。その監督の下で積んだ経験は、スカウト部長としての交渉力に影響している。例えば平野将光投手だ。平野投手はJR東北の選手であったことから、楽天入りが濃厚だった。しかし西武球団は1位指名のクジを2度外すと、3度目の1位に平野投手を指名する。西武球団は平野投手に対し一度も挨拶などを行なっていなかったため、指名後の交渉は難航した。だがこの交渉を上手くまとめ上げたのが鈴木葉留彦氏だった。
交渉ごとに関し豊富な経験を持つ鈴木葉留彦氏であれば、昨年までのように契約交渉の席で選手との間に軋轢を生むことはないだろう。新任者に課せられた最大の課題はやはり、西武球団に所属する選手が、今後も西武でプレーをしたいと思えるような交渉をすることだ。それはもちろん無闇に年俸を上げるという意味ではなく、減俸を余儀なくされた場合、いかに上手く選手を納得させられるかということだ。前任者・前田康介氏のように、選手の感情を逆撫でするような交渉は決して許されない。
今在籍する選手を大切にすることと同時に、来季は編成に関してももっと力を注ぐ必要があるだろう。西武球団はすでに、来季は渡辺久信監督への全面的バックアップを約束している。これには筆者も一ファンとして大きな期待を寄せている。そして中日球団を退団することになった辻発彦氏、森繁和氏や、石毛宏典氏の招聘も視野に入れているという報道もある。ここ数年外国人選手の補強が上手くいっていないことを考えれば、中日で外国人選手の補強を任されていた森繁和氏の手腕は大きな武器となるだろう。そしてディフェンス面の強化やスモールボールの習熟ということを考えれば、辻氏の力にも期待ができる。そしてもちろん監督経験のある石毛氏が入閣することになっても、リーダーの育成という面で大きな力となってくれるだろう。
プロ野球チームは、名監督を連れてくるだけでは決して勝つことは出来ない。現場の責任者である監督と、チーム編成の責任者であるGM(西武球団では球団本部長)との考えが一致し、同じ方向を向いて戦う必要がある。もし現場とフロントの意見が食い違っていれば、戸惑うのは常に選手だ。今季はまさに選手たちの戸惑う姿をファンは見せられてしまったのではないだろうか。
鈴木葉留彦球団本部長にかけられた責任と期待度は非常に大きい。優勝という唯一の目標に向かって進んでいくためにも、来季は間違いなく万全の態勢で開幕を迎えられるようにチームを整えてもらいたい。間違っても、またもや守護神不在で戦わなければならないようなことにしてはならない。球団本部長(GM)という職の難しさは、知識の上では筆者もよく理解しているつもりだ。だがその難しさを乗り越え、鈴木葉留彦氏にはライオンズを再び常勝球団に育てるべくチーム編成に尽力していただきたいと、筆者は大きな期待を寄せ、記事を締めくくりたいと思う。
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2011年10月21日 16:43 Tweet

