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2011/08/10 埼玉西武vs北海道日本ハム13回戦



4:19
ファイターズ 15
ライオンズ × 15
埼玉西武ライオンズvs北海道日本ハムファイターズ13回戦
18:01開始 西武ドーム(観衆:17,362人)
埼玉西武ライオンズ 3勝9敗1分

継投:帆足和幸岡本篤志~H星野智樹~○ミンチェ~S牧田和久
勝利投手:ミンチェ 5勝1敗1S 0.77
セーブ:牧田和久 2勝4敗9S 2.60

ホームラン:中村剛也(29号満塁)、坂田遼(2号ソロ)
【ゲームレビュー】
中島裕之キャプテンの、リーグトップとなる8本目の犠牲フライで先制した直後、先発帆足和幸選手会長は2・3回で計4点を失ってしまった。初回に良い形で先制するも、すぐに逆転をされてしまうという悪い流れ。正直、筆者は「またか」と嘆息をこぼしてしまった。だが1-4と大きく離されかけた3回裏、何と主砲中村剛也選手がレフトスタンドに突き刺さる満塁ホームランを放ってくれた。5-4と一気に形勢逆転。

しかし投手陣が踏ん張りきれない。帆足投手は結局5回持たずに5失点ノックアウト。二番手岡本篤志投手も中村選手の失策などで2点を失ってしまう(自責0)。本来ならば最悪でも6-4で勝っていたいゲームだった。しかし終わってみれば9-8という激戦。木村文紀投手が好調であれば、もう少し違った形の試合になっていたかもしれない。しかしここ1~2試合の木村投手を見ていると、明らかに疲労が蓄積されている状態だ。木村投手は疲労骨折から復活してきたばかりという時期だけに、ここで無理をさせるわけにもいかない。しっかりと疲れを抜き、また調子を上げてもらいたい。

中村選手の満塁弾も凄まじかったが、それに負けじとチームを引っ張ったのはキャプテン中島裕之選手だ。キャプテンに就任してからの中島選手と、前半戦までの中島選手とを比べると、プレーの質が変わってきたように思う。キャプテン就任以前は、中島選手は自分の能力のみでプレーをしていた。守備、打撃ともに同様で、それが中島選手にとってのプラトーなのだと筆者は考えていた。打てるショートストッパーというカテゴリーで見ていくと、中島選手はホークス川崎選手、ツインズ西岡選手に水をあけられている状態だった。中島選手のプレーレベルは確かに高い。しかし川崎・西岡両選手と比べると、ほんのわずか見劣りしていたのも事実だった。だがキャプテンに就任した後半戦の中島選手を見ていると、その見劣りがまったくなくなった。

繰り返しになるが、やはり地位は人を育ててくれる。中島選手はキャプテンに就任したことで、能力だけでプレーすることが格段と減った。つまりチームのためのプレーであったり、状況をよく見たプレーが増えているのだ。これこそが昨年までの川崎・西岡両選手にあって、中島選手に足りない部分だった。

3回に決めたセーフティバントなどはまさにその象徴とも言える。セーフティバントは、状況を見極めなければ決められるものではない。例えば三塁手がまったく同じ守備位置に就いていたとしても、打者によってはチャージをしたり、セーフティファーストの姿勢で待ったりする。三塁手から見た中島選手は、まさに強打者だ。セーフティバントなどの小技をしてくるような打者ではない。ということは、セーフティバントに備えてチャージをかけてくることもない。過去、ここでセーフティバントをすれば100%成功すると思われる場面が多々中島選手の打席にはあった。しかし3番打者のプライドもあったのかもしれない。中島選手がセーフティバントを見せることはほとんどなかった。少なくとも筆者の記憶にはほとんど残っていない。

3回のこの場面は、無死二塁一塁という状況だった。二塁走者栗山巧選手、一塁走者原拓也選手という俊足コンビを考えれば、守る側からすればダブルスティールの警戒も怠れない。すると三塁手はいつも以上にチャージをかけられなくなる。さらには、西武ドームの今の内野人工芝は、バントで転がしたボールがインフィールド側に転がっていく傾向がある。中島選手は恐らくそこまで考えていたはずだ。まさに三塁を守る名手小谷野選手の隙を突くセーフティバントだった。

中島選手がセーフティバントをするという情報が相手野手の頭にインプットされれば、中島選手が打席に入った際、三塁手を前へおびき出すことができる。すると野手が前へ出る分ヒットゾーンが広がり、速いゴロであれば簡単に内野手の間を抜けていくようになる。中島選手が本当に歴史に名を残すレベルの選手になるためには、能力だけでプレーをしていてはいけない。この試合のように、相手の隙を積極的に突いていくことで、能力+アルファでプレーをしていくことが必要だ。そうすれば相手チームにとって、中島選手はさらに恐ろしい存在になっていくだろう。

とにかくこの試合は勝てたことが何よりだ。今季のライオンズはこの試合のようなシーソーゲームをことごとく落としてきた。そのシーソーゲームに打ち勝てたという事実が何よりも大きい。ヒーローインタビューで平尾博嗣選手は言った。「自分が打っていれば勝てた試合がたくさんあった。申し訳ない気持ちでいっぱいです」と。その平尾選手の目にはうっすらと熱いものがこみ上げていた。それを悟られまいと静かに、言葉を噛みながら淡々とインタビューに答えようとする平尾選手。野手最年長となり、チームに対する責任感は誰よりも強い。ヒーローインタビューを受ける平尾選手からは、現役時代の石井貴投手のようなチームを思う気持ちがひしひしと感じられた。平尾博嗣選手がいる限り、ライオンズは間違いなく最下位で終わるようなことはないだろう。しかし平尾選手の肩の荷を少しでも減らしてあげるためにも投手陣、野手陣には更なる勝利への執念を燃やして欲しいと筆者は期待している。

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2011年08月11日 00:04