1  |  2  |  3  | All pages

2011/07/30 埼玉西武vsオリックス12回戦

3:19
バファローズ
ライオンズ ×
埼玉西武ライオンズvsオリックスバファローズ12回戦
17:00開始 西武ドーム(観衆:24,608人)
埼玉西武ライオンズ 7勝5敗0分

継投:○西口文也木村文紀坂元弥太郎星野智樹牧田和久
勝利投手:西口文也 4勝6敗 3.46

ホームラン:中村剛也(28号2ラン)
盗塁:中島裕之(5)、熊代聖人(2)
【中村剛也選手28号2ラン】


【ゲームレビュー】
西武ドームで、この白いユニフォームをまとっての勝利は、実に6月26日以来のことだ。1ヵ月以上このユニフォームで勝つことができずにいた。三原脩監督の力を借りて勝つことはできていたものの、やはり優勝するためには、レジェンドブルーのユニフォームで勝たなければならない。個人的な好みを言わせてもらえるのならば、西鉄以来のライオンズ史の中で現在のホーム用ユニフォームが筆者の一番のお気に入りだ。帽子など、大人でも街でかぶれるようになったという点は筆者個人としては大きかった。

さて、そんな話はさておき、今夜の先発マウンドに立ったのはベテラン西口文也投手だ。テレビ解説の片平晋作さんの仰る通り、今季のピッチングの中ではベストと言っても良いほどの出来だった。ストレートの最速144kmは、恐らく今季の最速タイではないだろうか。

圧巻だったのは初回、T-岡田選手を三振に打ち取った場面だ。最後のストレートを投げたフォームは、まさに全盛期の西口投手を彷彿させるものだった。躍動感があり、打たれる気配を感じさせない。2006年以降は不振を極めていた西口投手であったが、今夜の勝利で通算170勝となった。西口投手が目標としている200勝まではあと30勝。達成するのは2014年あたりになるだろうか。気が早い話ではあるが、今夜のような素晴らしいピッチングを披露されれば、どうしてもそれを期待したくなってしまう。そして今の西口投手であれば、3年後も間違いなく1軍で投げているはずだ。

「青鉛筆」と呼ばれていた新人時代の西口投手を見て当時の東尾修監督以外、誰がここまで投げ続けると予測しただろうか。今夜もストレート、スライダー、チェンジアップ、シュートと、あらゆるボールを駆使して打者を料理して行った。銀仁朗捕手のリードも冴え、打線も初回から西口投手を援護した。昨日は連敗を喫したものの、明日勝てばこのカードを2勝1敗で終えることが出来る。そして7連戦を5勝2敗で終えることができる。

今夜は西口投手をしっかりと援護した打線ではあるが、今夜の姿こそ打線が今抱えている弱点ではないかと筆者は考えている。つまり、相手投手の調子が悪ければこうして打ち崩すことが出来るが、相手がエース級だと昨日のようにまったく点が取れない。今夜こうしてヒットが9本も出たということは、決して打線が低迷しているわけではないのだ。ただし四死球を9つももらって9安打7得点は少なく感じる。

恐らくここまでのライオンズ打線は、能力重視での打席になっているのだろう。能力が自分よりも劣る投手からは打てるが、能力が自分よりも上回る投手からはなかなか打てない。しかしこれでは困るわけだ。特にCSのような短期決戦になれば、相手投手はすべてエース級だ。能力だけで対峙していては、昨年のCSのような敗戦を再び喫してしまうだろう。ではどうすればよいのか。それは、打席での考えをしっかりと準備してから投手と対峙することに尽きる。

例えば投手心理を考えてみよう。相手投手が中島裕之選手中村剛也選手と対峙した場合、当然警戒をしている。つまり初球は、ストライクになればラッキーというくらいの厳しいボール気味の球を投げてくる可能性が非常に高い。それをしっかりと理解していれば、多くの打席で1ボールからバッティングを始めることができる。

そして1ボールになれば当然ピッチャーはストライクが欲しくなる。それをキャッチャーがなだめ、ファールを誘うためにもう一度厳しいコースに投げさせようとする。すると上手く行けば2ボール。2ボールになってしまうと、ピッチャーはもうストライクを投げざるを得なくなる。中島選手の前には2人のバッターがいるため、打席に立つ前にある程度は相手がストライクを取れる球種が見えてくる。つまり2ボールから投げられる可能性が高い球種だ。それが分かれば、その瞬間の打率3割を4割、5割にすることも可能になる。

中島選手や中村選手は、例え他の打者7人が相手エースから1本もヒットを打てなかったとしても、この2人だけは絶対に打たなければならない。それが3・4番の仕事だからだ。しかし今季はそれがなかなかできていなかった。もちろん相手チームも2人の研究には非常に多くの時間を割いているはずだ。しかし中島選手、中村選手はさらにその上を行かなければならない。

ライオンズは今夜快勝したわけだが、これに喜んでいてはいけない。渡辺久信監督の言葉通り、相手投手が良かったから負けたでは、これからの後半戦は済まされないのだ。来週で言えばイーグルス岩隈投手、ホークス杉内投手と対戦しなければならない。彼らを打ち崩さないことにはライオンズの上位進出も叶わないだろう。

相手ピッチャーは、いかにしてバッターを打ち取るかということに神経を使って投げてくる。それならばバッターも、いかにしてピッチャーを打ち崩すかということに神経を使って打たなければならない。投げられたボールに反応するだけで打っていては、頭脳を持ち合わすエース級ピッチャーを打ち崩すことは出来ない。ライオンズ打線には今後、とにかく相手エースを打ち崩す方法を考え抜き、戦って行って欲しいと思う。熊代選手のヒーローインタビューやスタンドのファンが掲げるフラッグの言葉通り、最下位から頂点を目指して欲しい!

2011年07月30日 23:50

2011/07/29 埼玉西武vsオリックス11回戦

3:21
バファローズ 12
ライオンズ
埼玉西武ライオンズvsオリックスバファローズ11回戦
18:00開始 西武ドーム(観衆:16,345人)
埼玉西武ライオンズ 6勝5敗0分

継投:●岸孝之松永浩典坂元弥太郎星野智樹
敗戦投手:岸孝之 3勝4敗 3.64

ホームラン:中村剛也(27号ソロ)
【中村剛也選手27号ソロ】


【ゲームレビュー】
今夜の岸孝之投手はストレートが走っていなかったのだろうか、それとも戦略としてだろうか、立ち上がりから変化球の割合が多かった。試合後に渡辺久信監督がコメントしたように、岸投手はやはりストレートを中心に組み立てをしなければならないピッチャーだ。チェンジアップもカーブも今季の中では良い方だったとは思う。しかしそれでも6回途中までで9安打を浴びたのは、ストレートを軸にしなかったためだ。例え見せ球だったとしても、もう少しストレートの割合が多ければ、9安打されることはなかっただろう。

その9安打の内、半分は当たりそこないがヒットになってしまったものだ。たまたま打たれたヒットが当たりそこないだったのならば問題はない。しかし当たりそこないがここまで多くヒットになってしまったということは、やはり配球かコースに問題があったということになる。ここ数試合はやっと昨季の調子の良い時期の岸投手のピッチングモーションになっていただけに、今夜の敗戦は悔いの残るものとなってしまった。

さて、せっかく上向きとなった打線ではあったが、昨日・今日は再びタイムリー欠乏症に苦しめられている。今夜も6回に満塁のチャンスを作ったものの、5番坂田遼選手がショートフライに倒れてしまった。初回にしても栗山巧選手がヒットで出塁し、原拓也選手がバスター&ランをファールにしたあと、しっかりとバントで送り一死二塁。しかし中島裕之選手が打ったショートゴロが、ちょうど栗山選手が走っている場所に転がってしまい、タッチアウトでの併殺となってしまった。恐らく栗山選手には「ゴロGo」の指示が出ていたのだと思う。

10年ほど前のライオンズは3番打者に苦しんでいた。伊原春樹監督などは3番打者を日替わりにして乗り切っていたほどだ。それと同じように今季は5番を固定することができていない。今後はR・マルハーン選手がその筆頭候補であるわけだが、1・2軍含め試合に出られるまでにはまだ一週間ほどかかる見込みだ。やはりクリーンナップトリオの1人でも欠けてしまうと、打線に安定感が生まれてこない。マルハーン選手がこの欠落を埋めてくれると期待したい。

5番打者だけを見ても、もし5番打者が安定して打っている状態であれば、4番の中村剛也選手を簡単に歩かせるわけには行かなくなり、ストレートゾーンで勝負してくれる機会が増える。すると中村選手の打率は上がり、チームの得点力も比例して上がっていく。しかし現状のように5番打者に安定感がないと、最悪中村選手は歩かせてしまい、5番打者勝負という選択肢を相手に与えてしまうことになる。

本来であればフェルナンデス選手がしっかりと5番を努めなければならないのだが、今季はここまで打率.233と怖さがない。昨季の大活躍がウソのような低迷振りだ。やはり脚を傷めたことが成績に繋がっているのだろうか。

今夜筆者は西武ドームで観戦をしていたのだが、最も気になった点は上本達之捕手が代打で出された場面だ。上本捕手は初球を打ってレフトフライに倒れた。これに関しては観ていて、筆者はガッカリしてしまった。普通に考えれば7回の6点ビハインド一死一塁で、走者はフェルナンデス選手。普通の二塁打ではとてもホームに還って来れるとは思えない。ということは上本捕手はとにかく、塁をランナーで埋めることだけに集中しなければならなかった。四球でも内野安打でも何でも良かった。それなのに初球、外角低めの外へ逃げていくシュートを打って凡退。

この状況の初球でも、ど真ん中であったり甘いコースに来たボールならば打っても良いとは思う。しかし難しいボールを初球から振って良い場面ではない。上本捕手はもう少し状況を考えながらプレーをしなければならないだろう。例え同じレフトフライであっても、3-2というカウントからの結果であれば納得できる部分も増える。しかし初球を簡単に打ち上げると言うのでは、首脳陣も今後は起用をさらに考えるのではないだろうか。

せっかくの3連勝も2連敗により意味を成さなくなってしまった。ホークスとの差はこれで20ゲーム。優勝は絶望的な数字だ。しかし昨季のマリーンズのような、史上最大の下克上を起こすチャンスはまだ十分に残っている。今は最悪でも3位になることを考えなければならない。そのためにも今後はエース涌井秀章投手、そして岸投手は前半戦の借りをすべて返すくらいの勢いで勝っていかなければならないだろう。とにかく今は1つ1つ、着実に勝ち星を増やしていくしかライオンズに道はない。

※初回の併殺打は、栗山選手の走るゾーンが大幅に膨らんだためにアウトになったそうです。そしてショートゴロではなくサードゴロでした。情報メールを下さった方、ありがとうございます。

nakamura20110729.jpg
中村剛也選手、ホームランを打ったスウィング

ginjiro20110729.jpg
岸投手が打たれた直後、渡辺監督と光山コーチから立て続けに指導をされる銀仁朗捕手

2011年07月30日 01:32

2011/07/28 埼玉西武vs千葉ロッテ13回戦

2:40
マリーンズ
ライオンズ
埼玉西武ライオンズvs千葉ロッテマリーンズ13回戦
18:00開始 西武ドーム(観衆:17,255人)
埼玉西武ライオンズ 4勝9敗0分

継投:●平野将光
敗戦投手:平野将光 1勝5敗 4.06
【中島裕之選手左中間へのヒット】


【平野将光投手、天を仰いだ被弾】


【ゲームレビュー】
渡辺久信監督の言葉通り、やはり今夜は勝っておかなければいけない試合だった。8回を終えた時点で0-0。再三のチャンスがありながらも、ライオンズはあと1本が出ずに9回表、平野将光投手がリーグ最多となる10本目の被本塁打を浴びてしまった。

平野投手と上野投手による先発対決。大方の予想は乱打戦だった。しかし背水とも言える先発チャンスを得た平野投手には必死さが感じられ、上野投手も制球に苦しむものの、要所要所では良いボールを投げていた。まさかと言っては失礼だが、見応えある素晴らしい投手戦となった。

まず平野投手だが、今夜は1球1球に意図を持って投げていたように見えた。恐らく銀仁朗捕手と綿密な打ち合わせをしてからの登板だったのだろう。ただ0点に抑えていた前半戦も、決してベストピッチではなかった。変化球がやや抜け気味で、高めに浮くことが多かった。ただそれがチェンジアップ効果を生み、マリーンズ打線が打ち損なってくれた。もし井口選手が好調だったらと考えたら、恐らく1失点では済まなかっただろう。だがそれでも平野投手の気持ちが勝ったのか、見事なピッチングだった。これだけのピッチングを見せられれば、首脳陣は次回も平野投手を先発で使わないわけには行かないだろう。

平野投手の課題は何と言ってもボールの軽さだ。被本塁打はシーズンの半分ですでに10本。低反発球も中村剛也選手とは違った意味でお構いなしだ。平野投手のようなタイプの場合、失投がそのまま失点に直結してしまう。9回表にカスティーヨ選手に打たれたボールのように、変化球が高めに行ってしまうと長打になる可能性が他の投手よりも高くなる。

結果論から言えば、カスティーヨ選手に打たれた場面はホームランだけは絶対に避けなければならない場面だった。この回からキャッチャーが星捕手に代わっていたのだが、平野投手は星捕手のサインに何度も首を振っていた。実際に首を振って投げたボールから見ると、星捕手は外角低めのスライダーを引っ掛けさせる配球をしたかったのだろう。しかし平野投手が選んだのはストレートとスプリッター。首を振って投げたストレートはボールにはなったが、内角の厳しいコースに決まった。もしこの直後に外角低めのスライダーを投げていれば、スプリッターよりは打たれる可能性は低かったはずだ。つまり今夜は、スライダーよりもスプリッターの方がより抜け気味だったのだ。

平野投手は最少失点に抑えたとは言え、これを良しとしてはいけない。スプリッターに限らず、他の変化球も高めに浮いたものが少なくなかった。もし井口選手が好調で、マリーンズ打線に勢いがある状態だったなら、早期ノックアウトになっていた可能性も高い。だが内容云々よりも、9回を1失点で抑えたピッチングは見事だった。次回の登板ではさらに内容のあるピッチングで、次回こそは2勝目を挙げて欲しいと思う。

さて、その好投平野投手を援護できなかったのは打線だ。再三のチャンスを得ながらもあと1本が出なかった。その理由は簡単だ。今夜の上野投手は、いつもの上野投手ではなかったからだ。つまり、いくらスコアラーがデータを集めてきても、そのデータとかけ離れたピッチングをされてしまうと、それは別人が投げているのと同じことになってしまうのだ。

上野投手は1軍に定着しているレベルのピッチャーではない。だが調子が良いからこそ今は1軍で投げている。そのピッチャーが好投しても決しておかしな話ではない。今夜に関して言えば、ボールそのものには力があったと思う。しかし一方で制球に苦しんでいた。力のあるボールが適度に乱れることほどバッターにとって打ちにくいボールはない。だがライオンズ打線にしても、それを言い訳にするわけにはいかない。

先制点をものにできる場面は確かにあった。それは8回裏、一死満塁で浅村栄斗選手が打席に入った場面だ。この場面、浅村選手は外角のボールを引っ張ってショートゴロに終わってしまった。これは下位打線を打つ打者がやっていいバッティングではない。もちろんまだ若い浅村選手にそこまで求めるのは酷なのかもしれないが、しかし1軍で試合に出ているからには年齢は関係ない。コースは真ん中から外側に絞り右方向に高いバウンドのゴロを打つか、高めのボールなら外野フライを狙うべく場面だった。せめてこのどちらかの意図を感じられるバッティング内容であれば、例えアウトになっても観てる側からすれば諦めもつく。

オールスター休み中、ライオンズは栗山巧選手平尾博嗣選手が講師役になり、犠牲フライの打ち方を再確認し合ったようだ。その結果が27日の3犠牲フライだったわけだが、この流れに今夜浅村選手は乗らなければならなかった。浅村選手は2球目の外角高めのボールを打ったわけだが、遅い変化球ならまだしも、ストレートを引っ張ってはいけなかった。このあたりが浅村選手がなかなか安定してヒットを打てない所以なのではないだろうか。そしてこれが、1軍定着1年目に3割を打つかどうかと注目されていた中島裕之選手と、今季の浅村選手の違いなのかもしれない。

ここで1つ負けてしまったものの、3勝1敗ペースを今後も維持したいところだ。明日は調子がかなり上向いている岸孝之投手が先発をする。ここで大事なのは、とにかく絶対に連敗はしないということだ。相手となる寺原投手は、決してシャットアウトして勝っているようなピッチャーではない。岸投手次第では、ライオンズが勝てる可能性は非常に高い。打撃陣が窮屈にならないためにも、まずは岸投手の快投に期待を寄せたい!

2011年07月29日 00:46

2011/07/27 埼玉西武vs千葉ロッテ12回戦

2:24
マリーンズ
ライオンズ ×
埼玉西武ライオンズvs千葉ロッテマリーンズ12回戦
18:01開始 西武ドーム(観衆:18,501人)
埼玉西武ライオンズ 4勝8敗0分

継投:○帆足和幸~S牧田和久
勝利投手:帆足和幸 5勝5敗 3.05
セーブ:牧田和久 2勝4敗6S 2.73

盗塁:栗山巧(3)、秋山翔吾(6)
【栗山巧選手ファインプレー】


【ゲームレビュー】
筆者は今夜、2008年の優勝目前以来の3夜連続西武ドーム観戦をした。そしてテレビ中継を観るだけでは決して感じられない空気を感じることができた。それは2つあり、1つ目はチームに軸ができたということ。そしてもう1つは片岡易之選手不在のオーダーに、やっとチームが慣れてきたということだ。軸に関しては今夜改めて書く必要はないだろう。新キャプテン中島裕之選手の強いリーダーシップによるものだ。

今夜メインとして書きたいことは後者だ。ライオンズの打線が、やっと片岡選手の不在に慣れてきたという空気感を筆者は感じた。怪我をする以前も不調により、ある意味では片岡選手は不在だった。その状況にチームがなかなか馴染めず、戦術の幅も狭まり、打線がなかなか繋がっていかない状態が続いていた。しかし後半戦からはその状態に、チーム全体が慣れてきたような空気がある。ただし、ライオンズが本当に勝ち進むためには片岡選手の活躍は決して欠かすことはできない。1日でも早い復帰を祈るばかりだ。

オールスター明け、スターティングオーダーに名を連ねる選手も、目新しさは感じない。前半戦も出場していた選手たちばかりだ。だが連敗を経験し、オールスター休みに前半戦を省みる時間を得たことで、片岡選手が不在の今、自分たちがどのような役目を負っているのかを再確認できたのではないだろうか。つまり選手個々が、やっと自分が今何をすべきかがはっきりと見えてきたのだと思う。それはプレーにおいてもそうだし、メンタルに関してもそうだ。そしてさらに言えば選手だけではなく、渡辺監督にとっても同じだと思う。渡辺監督にしても過去3年間は、ずっと片岡選手ありきのオーダーを組んできたのだ。その片岡選手の不調、怪我で不在の状態に慣れるまでに時間を要したとしても不思議ではない。

ライオンズは連敗中、盗塁という戦術をまったく使えずにいた。完全にノーマークの状態でフェルナンデス選手銀仁朗捕手が盗塁を決めたことはあったが、1番に座る打者が相手チームのマークをかいくぐり盗塁を決めるということがまったくなかった。だが今夜はサインにより1番栗山巧選手が盗塁を決め、サインにより9番秋山翔吾選手が盗塁を決めた。

ライオンズは伝統的に走塁を大切にしてきたチームだ。にもかかわらずチーム盗塁数は95個のホークスの半分以下、43個に留まっている。これはリーグ5位の盗塁数だ。足の速い打者が多いと言うことを考えると、これはあまりにも少ない。もちろん前半戦はリードを許す展開が多かったため、盗塁のサインを出しにくい状況が続いていた。だが3.5ゲーム差しか離れていないイーグルスは、ライオンズより20個以上多い64盗塁を決めている。この差は決して小さくはない。

首脳陣、選手が片岡選手の不在になかなか慣れることができず、消極的になっていた部分は大きかったと思う。例えばいくら脚が速くても、打順の影響で盗塁慣れをしていない選手に対しては、監督もサインは出しにくい。せめてファームで多くの盗塁を決めているのならば話は別だが、栗山選手はファームでプレーをするレベルの選手ではない。その栗山選手の今夜の盗塁が、今季3つ目の盗塁だった。栗山選手の走力を考えるならば、これはあまりにも少ない数字だ。2009年には2番打者として18盗塁を決め、シーズン20盗塁をクリアできるはずの選手が栗山選手なのだ。それが今季はシーズン6個ペース。これではライオンズの得点力が下がったのにもうなづける。

だが栗山選手の場合今季は2番から始まり5番、1番とチーム事情により役割がめまぐるしく変わっている。それでも栗山選手は打撃に影響はないと言うが、ないはずはないのだ。1番と2番を比べても役割は大きく違うのに、そこに5番という打順が加わればさらにやるべきことが変わっていく。このような状況も、栗山選手の盗塁数を減らした1つの要因だろう。やはり慣れない立ち位置に就くと、自分のベストパフォーマンスを見せられるまでにある程度の時間は必要だ。

だが今夜栗山選手は、完璧な1番役を見せてくれた。特に初回の1打席目だ。1、2球目はストレートがほぼ真ん中付近に来たのだが、栗山選手はまったく手を出さなかった。打ちに行けば十分ヒットにできるような甘いボールだったのだが、2ストライクと追い込まれるまでは手を出さなかった。結果1打席目はカウント1-2となった4球目、やはり真ん中に入ってきたスライダーを弾き返し二塁打により出塁した。2打席目のヒットは2球目だったものの、3打席目の三振は3-2まで粘り、4打席目も甘く入ったボールを、初球から簡単には打ちにいかなかった。この待球はまさに1番打者の姿だ。

栗山選手のデビュー当初は1番を打つことが多かった。だがその頃と今とでは栗山選手のプレーの質は異なる。だが1番を打つことにも慣れ始め、2番ではなく、1番打者としての栗山選手が今まさに仕上がりつつあるのだ。そしてそれに呼応するかのように、渡辺監督の采配も決まり出すようになった。つまり監督の采配と選手のプレーが噛み合うようになってきたというわけだ。その結果が今夜1・3回の犠牲フライを生み出したのだ。

さて、今夜は本当ならば二夜連続ヒーローとなった原拓也選手のプレーについても書きたかったのだが、それは明日以降にしようと思う。原選手に関しては最後に写真だけを残し、記事を締めくくりたい。

43-01.jpg
43-02.jpg

2011年07月28日 03:37

2011/07/26 埼玉西武vs千葉ロッテ11回戦

3:22
マリーンズ 14
ライオンズ × 11
埼玉西武ライオンズvs千葉ロッテマリーンズ11回戦
18:00開始 西武ドーム(観衆:18,970人)
埼玉西武ライオンズ 3勝8敗0分

継投:涌井秀章~○松永浩典~H木村文紀~Hミンチェ~S牧田和久
勝利投手:松永浩典 1勝 0.57
セーブ:牧田和久 2勝4敗5S 2.76
【ゲームレビュー】
今夜の先発マウンドに立ったのは不調のエース涌井秀章投手だった。今夜こそはシャットアウト勝利を挙げて欲しいところではあったが、しかし6回途中3失点、左手に打球を当ててしまい降板となってしまった。涌井投手自身はフォームがバラバラだったとコメントしているが、確かにそうであったと筆者も思う。今夜筆者はイニング、状況ごとに涌井投手の連続写真や、ハイスピード映像を撮りながら観戦をしていた。撮影した涌井投手の動きを見てみると、そこには涌井投手らしい安定感が存在していない。

その姿は初回から見られ、ストレート・変化球共に高めに抜ける傾向にあった。例えボール自体に切れがあっても、それが高めに行ってしまっては今夜のように打たれてしまう。そしてボールが高めに抜けてしまう理由だが、それはこれまでも書いてきた通り肘の高さに原因がある。投球時に肘が下がってしまうことで、ボールが高めに抜けてしまうのだ。

ボールが高めに抜け始めたのは、脚をつった試合以降だったと思う。脚をつってすぐに一気に悪くなったわけではないのだが、しかし少しずつ肘が下がり、少しずつボールの質が落ちていった。肘が下がっているということは、相対的に考えると下半身を使い切れていないということになる。下半身をしっかり使えないと投球時に上体が沈まず、それにより肘の高さが肩線分(両肩を結んだライン)よりも下に位置してしまうようになる。

涌井投手が完全復調するためには、コンディショニングの見直しが必要なのかもしれない。トレーニングの量は適切なのか、プロテインやサプリメントの摂取は適切なのか、水分摂取量は適切なのか。ライオンズにも当然プロフェッショナルのトレーナーたちが在籍している。彼らはプロとして、涌井投手をしっかりサポートする必要があるだろう。涌井投手の不調は涌井投手1人に解決させるのではなく、チームスタッフ総出で取り組むくらいの姿勢が今は必要だろう。

さて、今夜はライオンズに対する流れが完全に入れ替わったことを確信できた場面があった。それは6回裏、栗山巧選手の打席だ。栗山選手が打ったのはショートゴロ。それをショート早坂選手が処理し、一塁に送球。間一髪のタイミングではあったが、三塁側スタンドから見る限りではアウトだと思えた。しかし塁審の両手は横に広げられ、セーフの判定。ロッテも抗議に出たが、当然判定が覆ることはない。

連敗中は、完全にセーフだと思えた場面でアウトと判定されたり、とにかくライオンズに不利な判定をされることが多々あった。しかし今夜はついにライオンズに有利な判定を得ることができた。早坂選手が2~3歩余分にステップして投げたという経緯も関係したとは思うが、とにかくこの1プレーにより流れが一気に西武に傾いた。

そして同じ回、無死一塁二塁という状況でピンチバンターとして登場した佐藤友亮選手。バントをファールにしてしまい、あわやキャッチャーフライになってしまうかと思われた打球がファールになってくれた。そして直後に死球を受けた。これももし連敗中であれば、佐藤選手のバントファールは間違いなくキャッチャーフライに終わっていたはずだ。さらにこの回殊勲打を打った浅村栄斗選手のセンター前ヒット、これも前進守備を敷いたロッテ守備陣の狭い二遊間を抜いた紙一重のヒットだった。連敗中であればこれもピッチャーゴロになっていたり、紙一重で内野ゴロにされていただろう。

ライオンズに対する風向きは間違いなく変わっている。前半戦は運により敗れた試合も少なくなかったが、後半戦は運により勝てる試合が今夜のように増えてくるのではないだろうか。勝負は時の運とよく言う。実力の拮抗したプロチーム同士の対戦では、その運が勝敗の行方を大きく左右させる。

試合は6-3で9回表を迎え、最終回のマウンドに登ったのは新守護神牧田和久投手だ。しかし先頭の岡田選手にファールで粘られた末、四球で歩かせてしまった。すると続く伊志嶺選手の当たりが、フラフラと力なくセカンドの後方に落ちてしまう。完全に打ち取った当たりが不運なヒットになってしまった。続く井口選手は打ち取るものの、カスティーヨ選手に二塁打を浴び2失点。

最悪のシナリオは一気に逆転を許してしまうことだったが、キャプテンに就任したばかりの中島裕之選手がマウンドに歩み寄り、間を取った。これで牧田投手も落ち着いたのだろう。福浦選手、今江選手を打ち取り1点差で逃げ切ることに成功した。やはり地位は人を急速に成長させる。この2試合の中島選手は、非常に頼もしく見えた。チャンスでもピンチでも、中島選手なら何とかしてくれる、という期待を抱かせてくれる。そしてその期待に見事に応えてくれる。明日以降も中島選手の、キャプテンとしての活躍に期待したい。

今夜の勝利でライオンズクラシックは5戦5勝となった。まるで三原脩監督が勝たせてくれているような気さえ起こしてしまう。しかし今思えばこれも、“三原魔術”の1つなのかもしれない。ライオンズには明日もその力を活かし、連勝を伸ばして欲しい!

2011年07月27日 02:09

2011/07/25 埼玉西武vs千葉ロッテ10回戦

2:45
マリーンズ
ライオンズ ×
埼玉西武ライオンズvs千葉ロッテマリーンズ10回戦
18:02開始 西武ドーム(観衆:24,994人)
埼玉西武ライオンズ 2勝10敗0分

継投:石井一久木村文紀~○ミンチェ~S牧田和久
勝利投手:ミンチェ 4勝1敗1S 0.92
セーブ:牧田和久 2勝4敗4S 2.59

ホームラン:中島裕之(11号2ラン)
【後藤武敏選手ファインプレー】


【中島裕之選手11号2ラン】


【ゲームレビュー】
前回はいつ勝ったのか、もう思い出せないほどになっていたライオンズファンにとって、今夜の1勝は忘れられない1勝になったのではないだろうか。そして選手たちにとっても、この1勝はただの1勝とはならないはずだ。この1勝は、間違いなくチームに力を与えてくれる1勝となるはずだ。

この日、グラウンドに姿を現した中島裕之選手の右胸には「C」の文字が記されていた。これは見まごうことなくキャプテンマークだ。赤田将吾選手以来のキャプテンがライオンズに復活した。これまで、多くの方々がライオンズにキャプテンが必要であることを説いていた。しかし今季もキャプテン不在のままシーズンイン。キャプテン不在が理由というわけではないが、ライオンズは前半戦、最後の最後までチーム状態を上げることができなかった。それにより、ますますキャプテン必要論が過熱した。

ライオンズのキャプテン候補は中島選手を始めとし、片岡易之選手栗山巧選手がいる。渡辺監督としては片岡選手をキャプテンに推したいという旨のコメントを過去に発信していた。だが実際にキャプテンに選ばれたのは中島選手だった。オールスターでのランチの席で渡辺監督が直々にキャプテン就任を中島選手に打診したようだ。

キャプテンを立てるには、今季はもうこのタイミングしかなかった。後半戦が始まる初日、この日にキャプテンを立てなければ、今季はもうタイミングはすべて失うことになった。それでも決してベストのタイミングではないが、中島選手がキャプテンに就任した。もし片岡選手がシーズン当初からベストコンディションであれば、片岡選手も大きなキャプテン候補だっただろう。また栗山選手に関しては、人間的にはキャプテンの資質を持ち合わせていると思う。しかしポジションが外野ということを考えると、栗山選手をキャプテンにするわけにはいかなかった。

ライオンズにはプロ野球を代表する選手が大勢いる。エース涌井秀章投手岸孝之投手、首位打者を狙える中島裕之選手、ホームランキングの中村剛也選手、盗塁王片岡康之選手、最多安打の栗山巧選手。まさにそうそうたる顔ぶれだ。今季も多くの評論家がライオンズの優勝を予想していた。だがそれでも勝てなかったのは、グラウンド上でチームが一枚岩になり切れなかったからだ。1つ1つは素晴らしい歯車であるのに、それらがなかなか噛み合ってくれない。そのためにちぐはぐな試合が増え、落とす必要のない試合を昨季から今季にかけて多数落としてきた。

キャプテンとしての中島選手の役目は、その歯車すべてを噛み合わせることだ。そして選手全員が同じ目的を持ち、同じ方向を向いてプレーをする、そういう状況を作り出すのがキャプテンとしての役目だ。中島選手であればこの大役を必ず果たしてくれると筆者は信じている。

地位は人を育てるとはよく使われる言葉だ。中島選手はここ数年、プラトーに陥っていた。それまでは成長著しかった中島選手であったが、ある時点から成長のスピードが一気に緩んでしまった。だが今回のキャプテン就任により、プラトーから一気に抜け出せるきっかけを得られるかもしれない。つまりキャプテンという地位が中島選手をさらに成長させ、まさに3割30本という数字を記録できる選手に成長できるかもしれない。中島選手のキャプテン就任はチームのためだけではなく、中島選手自身にとっても大きなプラスになることは間違いないだろう。

3・4番は、相手チームのエースを打ち砕いてこその3・4番だ。このどちらかでも相手エースを打たなければ、タフな試合をモノにすることはできない。そういう意味でも今夜マリーンズのエース、成瀬投手から放った中島選手の勝ち越し2ランホームランの意味は大きい。

チームは9連敗中ではあったが、今夜はそのような雰囲気はグラウンド上にはなかった。選手1人1人が落ち着いてプレーをしているように筆者の目には映った。それを最も顕著に感じたのは5回表、マリーンズに2点を奪われ逆転を許し、二死三塁一塁というピンチで井口選手を迎えた時だった。ピッチャーは木村文紀投手、キャッチャーは銀仁朗捕手。初球高めのストレートをファール、2球目をやはり高めのストレートで空振りを取り2ストライク。簡単に2ストライクを取り、逆転された直後なだけに勝負を急ぎたくなるような場面だ。しかし銀仁朗捕手は捕手らしく、非常に落ち着いていた。

井口選手から簡単に2ストライクを取ると、銀仁朗捕手はふとホームベース前に出て野手陣にブロックサインを送った。一塁走者は伊志嶺選手、当然これは盗塁ケアのサインだ。木村投手の3球目はその通り、ややウエスト気味の高めのボール。これでは流石の伊志嶺選手もスタートは切れない。これでカウントは1-2になった。

銀仁朗捕手は再び野手にブロックサインを送った。このサインがどのような内容だったかは筆者には分からなかったのだが、しかしフェイクサインだったとしても効果はてき面だった。2球連続でのこのブロックサインにより、井口選手に迷いが生じた。そしてその迷いはそのまま打撃に現れた。2球連続ウエストはないと踏みスタートを切った伊志嶺選手の動きを見てから振ったバットは、力なく木村投手のボールに押され、中途半端なセカンドフライに倒れた。

井口選手を打ち取ったこの場面は、まさに銀仁朗捕手の大ファインプレーだった。もしあのタイミングで2球連続でブロックサインを出していなければ、恐らく井口選手の中にそれほどの迷いは生まれなかったはずだ。しかし2球連続でブロックサインが出され、実際にライオンズバッテリーが動きを見せたことで井口選手は完全に的を見失った。後藤武敏選手のファインプレーも素晴らしかったが、しかし今夜の勝利は銀仁朗捕手のこの影の活躍がなければなしえなかっただろう。

これもやはり中島選手がキャプテンに就任したことによりチームに芯ができ、その芯を中心にチームが上手く回ったために出現したファインプレーだと筆者は考えている。チームにはたくさんの歯車が存在する。しかしその歯車すべてを噛み合せるためには、芯が必要不可欠だ。今夜、その芯がついに加えられたことでやっと歯車が噛み合い始めた。だがまだ噛み合い“始めた”という段階に過ぎない。本当に噛み合うかどうかは、西武ドームでのこの7連戦の戦い方次第ということになるだろう。そしてその中でも特に重要なのが明日の試合だ。明日、エース涌井投手で勝たなければその歯車は再び狂ってしまう。そうならないためにも、涌井投手は明日、何が何でもチームを勝利に導かなければならない。そして涌井投手であればそれは重々承知のはず。そう考え、明日もライオンズは絶対に勝つはずだと筆者は確信した。

今夜は西武ドームにて日刊埼玉西武ライオンズの読者さんとも少しだけお会いすることもでき、ライオンズも良い形で久し振りの勝ち星を挙げ、本当に良い一夜になった。明日も同じように良い夜になるよう祈りながら、記事を締めくくりたいと思う。

2011年07月26日 01:02

渡辺監督の解任は西武をさらに弱体化させる

埼玉西武ライオンズは前半戦を、9連敗という最悪な形で終えてしまった。敗因は数え切れない。エースの不調、エース格の故障、守護神不在、打線低迷など、挙げれば切りがない。いくらオールスター休みを挟むとは言え、後半戦をかんたんに巻き返すことはできないだろう。もしこのままライオンズが下降線を辿れば、シーズンオフを待たずして渡辺久信監督の辞任・解任問題に発展するだろう。しかしもし渡辺久信監督を簡単に解任するようなことがあれば、ライオンズが来年以降強くなれる可能性は、今年以上に低くなることは間違いない。

現在の西武球団は、プロ野球チームという組織としてまるで成り立っていない。フロントが敗因の責を問われないのはもちろんのこと、現場にしてもフロントに翻弄され続けている。それはデーブ大久保元コーチの問題や、ある選手が起こした窃盗事件(示談済み)などにも見て取れる。これは西武球団が、選手やコーチを始めとした人材教育を怠った結果だ。現在のライオンズには本当の意味での人材教育を行なえる坂井保之氏や、故根本陸夫氏のような良いうるさ型の存在がない。坂井氏や根本氏は選手たちには非常に慕われていたと言うが、果たして現在の前田球団本部長は選手たちからは一体どのように思われているのだろうか。

さて、筆者はフロントワークに関してはそれほど詳しくはない。実際に眼に見える部分の知識しか持ち合わせないため、それほど詳しく書くことはできない。しかし現場に関しては筆者の専門分野だ。そのためいくらでも書き進めることができる。そんな筆者が今一番書きたいことは、渡辺監督を絶対に解任してはいけない、辞任を認めてはいけないということだ。

まず渡辺監督だが、監督としては非常に優秀な人材だと筆者は冷静に考えている。渡辺監督は政治家に例えるならば安倍晋三元総理と言ったところだろうか。政治家としては非常に優秀であるにも関わらず、ブレーンに恵まれなかった。もしブレーンが安定した仕事をしてくれていれば、今年のような戦い方には絶対にならなかったはずだ。では渡辺監督にとってのブレーンとは?それはもちろんコーチ陣だ。

チームのあるべき姿は、まず監督が戦略を練り、戦術を考え、それを作戦へと移していく。監督が考えたことはヘッドコーチが把握し、ヘッドコーチが各コーチ陣に意思疎通を図り、今度はコーチ陣が担当する選手たちにそれを伝えていく。このトップダウンが成り立たなければ、チームは絶対に成り立たない。そして渡辺監督の下でこれが成り立っていたのは、2008年が唯一だった。

ここで改めてメインコーチ陣の遷移を見ていこうと思う。
監督 ヘッドコーチ 投手コーチ 打撃コーチ 内野コーチ 外野コーチ 2軍監督
2008年 渡辺久信 黒江透修 小野和義 大久保博元 清家政和 岡村隆則 片平晋作
2009年 渡辺久信 大石友好 小野和義 森博幸 清家政和 岡村隆則 片平晋作
2010年 渡辺久信 大石友好 潮崎哲也 森博幸 清家政和 河田雄祐 行澤久隆
2011年 渡辺久信 土井正博 小野和義 土井正博 鈴木康友 河田雄祐 行澤久隆

※2009~2010年の大石コーチの役職はチーフコーチ


こうして見ていくとよく分かるわけだが、渡辺監督は今季4年目であるにも関わらず、ヘッドコーチ(チーフコーチ)は3人という多さだ。まずヘッドコーチという立場に突く人間は、監督と正反対の考え方を持てる人材でなくてはならない。そういう意味では黒江ヘッドコーチの緻密さは、渡辺監督の采配にはそれほど多くない部分であるため、ヘッドコーチとしての存在がしっかりと成り立っていた。ということは、黒江ヘッドコーチが辞意を表明したとしても、優勝したのだから西武球団は是が非でも慰留すべきだったのだ。

しかし翌2009年からはヘッドコーチ格という存在で大石コーチが就任している。大石コーチは、バッテリーコーチとしては有能な方なのだと思う。しかし初めてのチーフコーチ(ヘッドコーチ代役)として、監督経験2年目の渡辺監督をサポートするには、あまりにも経験が少なすぎた。もし大石コーチがドラゴンズやホークスでヘッドコーチを経験していたならば、もっと違った結果になったのかもしれない。

大石コーチが解任されると、今季からは土井正博コーチが打撃コーチ兼任でヘッド職に就いた。土井コーチの復帰は筆者は歓迎だった。しかしそれは打撃コーチとしてであり、ヘッド兼任という形ではない。ヘッドコーチ職は、他職との兼任でこなせるほど甘いポジションではないのだ。西武球団のこのミスキャストにより、土井コーチ本来のコーチング能力がまったく活かせていない。土井コーチは現代に残る唯一の好々爺、そして職人的打撃コーチだと言われている。それだけのコーチがいながら今季のライオンズの打線低迷、それはヘッド兼任に原因があるからに他ならない。

ヘッドコーチがコロコロと変わるばかりではなく、純粋なヘッドコーチが2009年以降存在していない。これでは渡辺監督が考える野球が選手たちにしっかり伝わり切っていないことにも納得がいく。安定したナンバー2の存在なくして、監督が手腕を発揮できることはない。もちろん兼任ヘッドコーチでも勝てるチームはある。しかしそれは複数年組んでこそやっと結果が出るものだ。

監督にとって、ヘッドコーチ同様に重要なのは2軍監督だ。1軍監督と2軍監督のやり取りが上手くいかなければ、1軍で必要な戦力が2軍で育成されない。2軍監督は常に1軍のウィークポイントを把握し、そこを埋めるべく選手を育てなければならない。言ってみればチームの勝敗は問題ではないのだ。例えば1軍が左腕リリーバー不足で悩んでいるのならば、とにかく左腕リリーバーの育成を行うのが2軍だ。つまり2軍監督は、全選手に対し「常に」平等である必要はない。これができなければ、1軍に不調者が出てもそのチームは穴を埋めることができない。つまり、ここ2年のライオンズのようにだ。

ライオンズが今後勝っていくためには、監督を代えても何の意味もない。今ライオンズに必要なのは、渡辺監督の野球をしっかり理解し、それを支え、的確に選手に伝えていけるコーチ陣だ。もし筆者が西武球団の編成を司れるとすれば、まず土井コーチをヘッドコーチ専任にし、熊沢コーチを打撃コーチに昇格させるだろう。熊沢コーチはもちろんコーチ経験はまだまだ浅いわけだが、しかしそのあたりは黄金時代を良く知るベテラン鈴木康友コーチらが支えていけばいいと思う。

さて、筆者は現役時代に好きだったという理由だけで、渡辺監督の解任に反対するのではない。渡辺監督は、監督として非常に優秀だと純粋に思うから反対するのだ。まず自ら自由契約を味わい、引退後は言葉の通じない台湾に渡りコーチ職を務め結果を残した。そして西武復帰後は2軍で投手コーチ、2軍監督を歴任し、晴れて1軍監督に就任したのだ。果たしてこれだけの経験を持っている監督候補が他にいるだろうか。

確かに伊原春樹氏という存在はある。自らの著書で監督への意欲を示しているだけに、監督候補の1人であることは確かだ。伊原氏の指導力、野球への情熱は筆者も尊敬している。しかし伊原監督は、自らに反発した選手を退団に追いやったという経緯がある。コーチとして非常に有能であることに疑いはない。しかし個人的な感情衝突により選手を弾いてしまうというのは、監督としてしてはならないことだった。

一方の渡辺監督は、人嫌いするような性格ではない。選手ともしっかりとコミュニケーションを取れる監督であり、気遣いや選手への思い遣りも深い。だが今季はこのような状況であるため、選手の心が離れかけているようにも見える。しかしそこを支えるのはヘッドコーチの役割だ。渡辺監督は決して迷ってはいけない。今渡辺監督がやるべき仕事は、選手を奮い立たせることだ。気のないエラーをしてしまった選手に対しては、主力であっても即ベンチに下げるくらいの厳しさが必要なのだ。例えば中島選手が引っ込んでしまえば、同時に帰ってしまう観客もいるかもしれない。しかし今大事なのは1人の観客以上に、1つの勝利だ。1つの勝利さえ挙げられれば、帰らない観客の方が多くなるのは間違いない。

選手は監督やコーチが育てるものであり、監督やコーチはフロントが育てるものだ。今のライオンズはそのフロントが心もとない。2004年、一度は消滅しかけたライオンズを残してくれたのは後藤高志オーナーだ。もし堤オーナーの後任にもっとドライな別のオーナーが就任していたとしたら、今頃ライオンズは身売りされていたに違いない。しかしライオンズはこうしてしっかりと残ったのだ。もう失うものはない、フロントにもそれくらいの気迫を持って球団運営に勤しんで欲しい。もし今オフ渡辺監督を解任するようなことがあれば、フロントはまさに能無しだと言わざるを得ない。負ければ監督の首を挿げ替えればいい、そんな素人考えの球団が強くなれることは絶対にありえない。

考えてみて欲しい。あの名将三原脩監督でさえ、西鉄ライオンズを本当の意味で強くできたのは監督就任から6年目のことなのだ。しかもその時は西鉄球団社長・西亦次郎氏(にし またじろう)の全力サポートがあった。しかし今はどうだろうか。渡辺監督はフロントに全力でサポートされているのだろうか?今筆者が最も知りたいのは、その点のみだと言ってもいい。

2011年07月22日 14:38

2011/07/20 福岡ソフトバンクvs埼玉西武11回戦

2:31
ライオンズ
ホークス ×
福岡ソフトバンクホークスvs埼玉西武ライオンズ11回戦
18:02開始 ヤフードーム(観衆:37,025人)
埼玉西武ライオンズ 2勝9敗0分

継投:●帆足和幸木村文紀松永浩典牧田和久
敗戦投手:帆足和幸 4勝5敗 3.24

ホームラン:平尾博嗣(1号ソロ)
【平尾博嗣選手1号ソロ】


【ゲームレビュー】
前半戦をライオンズはまさかの9連敗で終えてしまった。借金も15にまで増えた。この数字は5カード連続で3タテをしなければ返せない。2勝1敗ペースではその3倍、15カードかかることになる。しかし残りはわずかに25カードほど。すべてのカードを2勝1敗という勝率.666というペースで勝ったとしても、144試合で貯金を10作れるか作れないかというところだ。当然ではあるが、現時点で貯金24のホークスを追い越せるような数字ではない。

今夜もホークス和田投手を前に、平尾博嗣選手のホームランの1点のみしか奪えなかった。中島裕之選手中村剛也選手という2人の主軸は2試合連続でノーヒット。中村選手に関しては4試合ヒットが出ていない。主軸にヒットが出なければ、やはり試合に勝つことはできない。ライオンズは本当に厳しい状況が続いている。

この厳しい状況を打開すべきR・マルハーン選手を獲得したわけだが、ビザ取得の関係で8月まで試合には出られないようだ。今日から西武第二球場で練習に加わっているようだが、本音を言えば西武球団にはもう少し手際よく獲得を進めてもらいたかった。ベストはやはり、7月25日の後半戦初戦からの出場だ。その方が区切りも良いし、マルハーン選手自身入りやすかったと思う。初戦からわずか一週間の遅れとは言え、もししっかりと初戦の日程を頭に入れて調整を行っていれば、ビザ取得もスムーズに行えたはずだ。

さて、これでライオンズは3季連続でこのタイミングでの外国人補強となった。2009年はベイリス投手、2010年はフェルナンデス選手、そして2011年はマルハーン選手だ。故障者が出たと言う事情はあるものの、これは明らかにチーム編成に失敗したという証だ。つまり渡辺監督は、3季連続で編成に失敗したチームを預けられている、と言うこともできなくはない。与えられた選手を駆使して勝利を目指すのが監督の役目ではあるが、しかしここまで怪我人や不調選手が続出すると、打てる手も限られてしまう。それは戦略を見ていても明らかなことだ。

とは言え暗い話ばかりしていても仕方がない。前半戦最終日を、せめて少し明るい話題で終わらせたいと思う。まずは木村文紀投手だ。右肘の疲労骨折から復活してきたのだが、1軍昇格してからここまで、素晴らしいリリーフを見せている。課題だった制球力も安定し、四球も出していない。昇格後に小野コーチのアドバイスで、セットで少し脚を曲げるようにしたらしいのだが、それが良かったのだろうか。スピードは150km以上で、変化球にも切れがある。木村投手は後半戦、間違いなく先発の機会を与えられるはずだ。木村投手自身も先発にこだわりがあるようなので、先発マウンドに立った時にどのようなピッチングを見せてくれるのか、後半戦が今から非常に楽しみだ。

そしてもう1人は林崎遼選手だ。林崎選手のプレーは高校時代からテレビなどで見ているのだが、本当に良い選手だと思う。中島選手のような派手さはないものの、堅実で安定感のあるプレーが持ち味だ。筆者の中ではツインズに移籍した西岡剛選手に近いタイプだと思っている。バッティングスタイルは見ての通り振り子打法で、右方向へ打つ技術も持っている。昨日・今日でプロ初打席から3打席打ち未だノーヒットではあるが、もしここでヒットを打っていたならば、林崎選手自身驚いたことだろう。なぜなら4月あたりに怪我をして、7月に復帰し、数試合2軍の試合に出場しただけで1軍に呼ばれてしまったのだ。実戦に慣れていない状態で立つ1軍の打席。そこでヒットを打てた方が不思議だった。

その林崎選手は、主には二遊間が専門だ。高校時代にはショートを守り、大学時代にはセカンドを主に守っている。片岡易之選手が怪我で出られない今、頑張り次第ではセカンドのレギュラー奪取のチャンスもある。これまでプロでは左打ちの振り子打法はイチロー選手を始めとして数人見受けられたが、右打ちの振り子打法は非常に珍しい。プレーを見ている限りでは、非常に伸び白の多い選手だ。守備力を考えれば、.275打てるようになればレギュラーを獲得できるのではないだろうか。林崎選手にはルーキーらしく、今後もはつらつとしたプレーを披露してもらいたい。そして林崎・熊代・秋山牧田の4選手で、停滞するライオンズの空気を一気に入れ替えてもらいたい。もしこの4選手が同時にオーダーに名を連ねることがあれば、間違いなくライオンズの空気は変わっていくはずだ。つまり先輩選手たちの意地に火が付き、まさに死に物狂いでプレーをし出すに違いない。

現時点での重苦しい空気を換えるためには、中島・中村両選手と言えど一度レギュラーを剥奪するくらいの厳しい状況に置かなければならない。相手チームのエース級を打ってこその3・4番だ。それが今夜は2人で8打数0安打。3・4番が打てずして、一体誰が相手チームのエースを打てるというのだ。

後半戦が始まるのは来週の火曜日からだ。こうなったらもう前半戦のことは悔しさ以外はすべて忘れ去り、また新たな開幕として試合に挑んでもらいたい。とにかく大切なのは、前半戦の悪い流れを後半戦にまで引きずらないことだ。そしてそのためにも林崎・熊代・秋山・牧田らルーキー4人衆には先輩たちのポジションを脅かすほどの活躍を期待したい。

2011年07月20日 20:59

#24 R・マルハーン

#24 R・マルハーン - Ryan Thomas Mulhern

ライアン・トーマス・マルハーン
外野手・一塁手、右投右打
2003年MLBドラフト11巡目
サウスアラバマ大~クリーヴランド・インディアンス(マイナー)~ピッツバーグパイレーツ(マイナー)~ランキャスター・バーンストーマーズ(米独立リーグ)~サルティージョ・サラペロス(メキシカンリーグ)~埼玉西武ライオンズ
カリフォルニア州バーバンク出身、1980年11月29日生、188cm / 98kg
決定力不足に泣く2011年の埼玉西武ライオンズ。R・マルハーン選手はその救世主となれるのだろうか。マルハーン選手がプロ入りしたのは2003年のドラフトなのだが、実はサウスアラバマ大在学中、2000年26巡目でタンパベイ、2002年19巡目でセントルイスから指名を受けている。在学中というのが理由だったのか、指名順位が低かったのが理由だったのかは分からないが、とにかくマルハーン選手は2003年まで待ち、クリーヴランドの11巡目指名を受け晴れてプロフェッショナルプレイヤーとなった。

非常に期待されてプロ入りした選手ではあったが、2003~2011年までの間にメジャーでプレーをした経験はない。それでもマイナーリーグでは着実に数字を伸ばし、2005年にはAA(ダブルエー)、A(シングルエー)の2チームでプレーをし、ルー・ボードリュー賞(Lou Boudreau Award)という打撃部門の賞を受賞している。その時の成績は打率.315、32本塁打、92打点という素晴らしいものだった。しかしリーグレベルがAA、Aだったため、この成績がメジャー昇格に繋がることはなかった。

その後はAAA(トリプルエー)や独立リーグでプレーをして、打率も3割を何度もクリアしてきたマルハーン選手は2011年、メキシカンリーグ(MLBからはAAAを認定されたレベル)のサルティロ・サラペロスでプレーをし、36試合で.366、13本塁打、46打点を叩き出している。OPSに関しては1.180を記録しており、ライオンズでは右の長距離砲として期待されている。

バッティングの特徴としては、グリップを身体の近くで構え、インサイドアウトを強く意識しているようだ。しかし何が何でも右打ちをするというタイプではなく、真ん中から内寄りに来たボールは力強く引っ張っている。ヒットやホームランのほとんどはプルヒッティングによるものだが、反対方向へも強い打球を打てるのは魅力的だ。そしてマルハーン選手のバッティングで筆者が最も注目したのは、外角低めへのスライダーを身体をややクラウチングさせて軽打した打席だ。チャンスでセンター前に緩い当たりのタイムリーヒットを飛ばしたのだが、この打ち方は日本人投手を打ち崩す1つの鍵になるかもしれない。

外国人打者が日本に来て最も苦しむのが、内角高めを見せられてから投げられる外角低目へのスライダーだ。もしマルハーン選手がライオンズでも、バファロー・バイソンズ時代に見せた外角低めへのバッティングを常時パフォーマンスできたとしたら、かなりの数字を残すのではないかと筆者は見ている。

ただ1つ気になるのは、ライオンズがマルハーン選手を外野手として獲得した、という点だ。確かに近年は外野手としての出場が増えていたマルハーン選手ではあったが、元々は一塁手だ。守備率を見ても、エラーはするものの一塁での守備率が最も良い数字となっている。外野手としては今季36試合に出場し7失策。守備率は.885で、これはあまりにも低い数字だとしか言えない。やはり起用するのならば外野ではなく一塁、もしくはDHがベストではないだろうか。気迫溢れる走塁を見せてくれるのもマルハーン選手の1つの魅力ではあるが、足そのものは決して速くはない。昨季はリーグ最悪の被三塁打数だったライオンズであるため、マルハーン選手を外野で起用するにはあまりにもリスクが高い。

だが守備に多少の目を瞑ることができれば、マルハーン選手は必ずライオンズの力になってくれるはずだ。そしてマルハーン選手が活躍してくれれば不振のフェルナンデス選手の刺激にもなり、後半戦は昨季のような打棒を再び見せてくれるようにもなるかもしれない。ライオンズは現状、とにかくまずはAクラスを目指さなければならない。そのためにもマルハーン選手には後半戦から、打って打って打ちまくって欲しい!

2011年07月20日 00:01

2011/07/19 福岡ソフトバンクvs埼玉西武10回戦

3:11
ライオンズ
ホークス ×
福岡ソフトバンクホークスvs埼玉西武ライオンズ10回戦
18:02開始 ヤフードーム(観衆:37,025人)
埼玉西武ライオンズ 2勝8敗0分

継投:●平野将光長田秀一郎星野智樹木村文紀
敗戦投手:平野将光 1勝4敗 4.58

盗塁:秋山翔吾(5)
【ゲームレビュー】
わずか2安打で終わった打線もさることながら、今夜は平野将光投手のピッチングに、筆者は大いにストレスを感じた。ホークス松田選手に対してあまりにも打たれすぎている。プロならば一度やられた相手は死んでも抑える、という気迫を見せて欲しかった。それができないということこそが、平野投手が渡辺監督から「草食系」と揶揄される最たる理由だ。

今季、平野投手は松田選手と7打席対戦している。結果は6打数、4安打、3本塁打、1四球という惨憺たる内容。最初にホームランを打たれたのは4月17日。2本目は7月5日。3本目はそのわずか2週間後である今夜だ。ちなみに昨季は1打席だけ対戦して、二塁打を浴びている。

松田選手は今季ここまで16本のホームランを放っている。そのうち3本が平野投手からのもので、数値にすると実に18.8%という驚くべき数字となる。松田選手が打ったホームランの約20%を、平野投手が1人で打たれているのだ。この数字は当然平野投手も分かっているはずだ。にも関わらず今夜も簡単に打たれた2安打1ホームラン。平野投手は悔しくないのだろうか?筆者はファンとして悔しくて仕方なかった。

以前、あるプロ野球のコーチが仰っていた。「打たれてもあまり悔しくないということは、一生懸命練習していない証拠だ」と。筆者もその通りだと思う。筆者は学生時代のアマチュア野球しか経験がない。アマチュア野球はトーナメント戦という一発勝負の戦いだ。ある夏の予選大会で筆者が在籍していたチームは準優勝を果たした。周囲の方々は「よく頑張った」と褒め称えてくれたが、しかし当事者である筆者やチームメイトは悔し涙しか出てこなかった。チームは決して強豪ではなかったが、しかし練習量だけは強豪チームにも負けてはいなかったのだ。

平野投手は学生野球よりもプレッシャーのかかる、社会人野球の都市対抗野球を目指し野球をしていた選手だ。都市対抗を目指すチームには有志で集まったチーム、クラブチーム、企業チームなどがあるが、JR東日本東北という企業チームでプレーをしていた平野投手の場合、都市対抗野球で勝てるか勝てないかでは、まるで天国と地獄だ。ましてや出場を逃した時など、社内では冷たい視線を浴びることにもなりかねない。そのような厳しい環境で野球をしていたにも関わらず、今季まだ半分しか終わっていないというのに早くも松田選手1人から3被弾。

平野投手にはもっと闘志を見せて欲しい。2軍の石井貴コーチや、デニー友利投手のような雄叫びをあげろとまでは言わない。しかし、一度打たれた相手には二度と打たれないという強い気持ち、それがスタンドのファンにまで届くような闘志は最低限見せて欲しいと筆者は願っている。将来はローテーション投手として期待されている平野投手だ。今日のような典型的な草食系ピッチングをしていては、1軍に定着することもできなくなってしまうだろう。そうならないためにも、平野投手には一日も早く草食系から抜け出して欲しい。例えば第二球場で真っ黒に日焼けして頭を丸刈りにするなど、見た目から入る事だって時として大切だと筆者は考えている。

2011年07月19日 23:28

 1  |  2  |  3  | All pages