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クローサー岡本篤志投手、登録抹消の理由



3試合連続リリーフに失敗したためだろうか。岡本篤志投手が登録抹消になってしまった。しかし筆者は、このリリーフ失敗だけが登録抹消の理由ではない気がしてならない。チーム事情だけを考えれば、リリーバーが不足しているのがライオンズの現状だ。この現状で、今季ここまでクローサーを任せていた岡本投手を簡単に抹消させるだろうか。もしかしたら疲労骨折を患っている股関節や、肩・肘に異常があるのではないかと筆者は想像している。

3試合連続でリリーフに失敗したとは言え、その前まではパーフェクトリリーフで連続セーブを挙げていた岡本投手だ。3試合目の失敗に関しては、失敗といえば間違いなく失敗ではあるのだが、立ち上がりは二者連続で無難に抑える好投を見せていた。崩れたのは3人目の打者に内野安打を打たれてしまってからだった。内野安打を打たれ、不調の青木選手を警戒し過ぎて死球。そして2番田中選手にタイムリーヒット。確かに二死からだっただけに、非常にもったいない失点ではあった。

岡本投手の持ち球と言えばストレートに加えスライダー、ツーシーム、チェンジアップ、フォークボールと多彩な球種を操る。この中でもウィニングショットとして使えるのはチェンジアップとフォークボールだろうか。チェンジアップに関しては、本当に素晴しいボールだと解説者たちも多々口にしている。

クローサーに必要な資質を挙げるとすれば、まず無駄な四球を出さない制球力、打たせたくない場面で空振りを取れるウィニングショット、相手打者に押されない気力と冷静さと言ったところだろうか。これらを岡本投手と照らし合わせてみると、まず制球力は四球率5.00と非常に高い(18イニングで10四球)。この数字は、9イニングを投げたら5個の四球を出す計算になる。ちなみに現在パ・リーグセーブ王の日本ハム武田久投手の四球率は0.40だ。22回1/3を投げて、まだ四球は1つしか出していない。渡辺監督が最も嫌うのが無駄な四球だ。制球力に関しては、岡本投手はクローサーとしてはまだまだ未熟だと言える。

ちなみに制球力とは、四球を出さないことがすべてではない。ストライクゾーンを9分割し、その四隅のストライクゾーンに恐れず投げ切れるかどうかだ。この四隅にしっかり投げられていれば、そう簡単に連打を浴びることはない。

制球力の次はウィングショットだ。岡本投手のウィニングショットは上述した通りチェンジアップ。この球種は本当に素晴しいと思う。ほとんどストレートのような軌道で、打者の手元でスッと落ちていく。セ・リーグの打者たちも、このボールにはかなり手を焼いていたように思う。チェンジアップは、基本的には逆手の打者に投げたいボールだ。つまり右投手の場合は左打者に投げやすいボールとなる。チェンジアップという球種はすっぽ抜ける可能性が高いため、順手打者の場合死球になりやすい。だが岸孝之投手のように、左右問わずチェンジアップを臆せず投げられるようになれば、岡本投手のチェンジアップはまさに一級品となるだろう。

3番目は気力ということになるが、岡本投手はまだこの気力が足りない。足りないと言っても、決して気が弱いわけではない。、気持ちでバッターに負けて打たれているわけではないということだけは、西武ファンのすべての方に知っておいて欲しいことだ。ではなぜ打たれてしまうのか?その答えは、燃え上がる気力を制御し切れていないためだ。気力を制御できないピッチャーは必ず力んでいる。岡本投手の場合、制御できている時とできていない時の差が大きいのだ。

例えば以前ライオンズの絶対的守護神を務めていた豊田清投手を思い出して欲しい。豊田投手はとにかく気の強いピッチャーだった。だがそれが時に災いしてしまい、燃え過ぎてしまうことで自分を制御し切れず、ボールが荒れてしまうことがあった。しかし登板前の投球練習を終え、胸に手をあて、眼を瞑り冷静さを自らに与えるようになると、安定感は抜群に良くなっていった。

岡本投手に必要なのは、まさに冷静さだ。先日のヤクルト戦に関しても内野安打を許した後、明らかに「打たれたくない」という気持ちが前面に出過ぎていた。そのため、本来もっとリラックスして対戦すべき不調の青木選手に無駄な死球を与えてしまった。いわゆる、完全に名前負けしてしまったということだろうか。もしこの時もっと冷静になり、銀仁朗捕手のリードの意図を落ち着いて理解しようとしていたならば、この試合は恐らく青木選手の打席で試合終了となっていただろう。

だがこの冷静さに関しては、場数を踏んでいくしか解決方法はない。もしくはメンタルプラクティスに解決の糸口が見つかるかもしれない。とにかく岡本投手はストレートに力があるし、チェンジアップというウィニングショットがある。制球にはまだ不安はあるものの、クローサーとしての資質はあると筆者は考えている。あとは試合のクロースの仕方さえ覚えていければ、岡本投手はもう一段上の投手に成長できるはずだ。

現在ライオンズのファームには橋本武広コーチという百戦錬磨の投手コーチがいる。岡本投手にはファームに落ちたことをマイナスだけと捉えず、リリーフのスペシャリストである橋本コーチに鍛え直してもらえることをプラスだと考えて欲しい。そして渡辺監督も恐らく、これを理由に岡本投手を中継ぎ異動ではなく、あえて2軍に落としたのではないだろうか。岡本投手にはこの試練を乗り越え、もう一度1軍の最終回のマウンドに戻ってきて欲しいと筆者は強く願っている。

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2011年06月16日 19:18