2011/06/30 オリックスvs埼玉西武6回戦
| 3:06 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| ライオンズ | 2 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 6 | 12 | 0 | |
| バファローズ | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 5 | 1 |
18:01開始 京セラドーム(観衆:12,427人)
埼玉西武ライオンズ 3勝3敗0分
継投:○菊池雄星~H岡本篤志~藤田太陽~江草仁貴~牧田和久
勝利投手:菊池雄星 1勝 7.36
ホームラン:中村剛也(19号ソロ、20号ソロ)
盗塁:片岡易之(17)
【中村剛也選手ファインプレー】
【中村剛也選手20号ソロ】
【ゲームレビュー】
今夜は菊池雄星投手のプロ2試合目のマウンドだった。前回の登板では置きに行ったボールを痛打されてノックアウトとなってしまったが、今夜はその反省を活かしたのか、しっかりと腕を振って投げていた。その効果はてき面で、ストレートには球速以上の伸びが感じられ、変化球にも切れがあった。ただ何球かは置きに行ったような棒球があった。この棒球が減っていけば、今後はもっと良い内容のマウンドになっていくだろう。
菊池投手が今夜投げた球種はスライダー、カッター、カーブ、チェンジアップだったろうか。スライダーとカッターに関してはかなり安定感があったと思う。菊池投手自身、自信を持っている変化球なのだと思う。スライダー系を投げている時には迷いが一切感じられなかった。
カーブに関しては、完全に抜くのではなくタイトカーブという感じの曲がりが特徴だ。それほど凄いと感じるボールではないが、しかし右打者からすると、恐らく一度外側に逃げてから内側に戻ってくるように見えるのだと思う。このボールが今後右打者への外角低めに出し入れできるようになれば、ピッチングはもっと楽になるだろう。
試合後のインタビューで渡辺監督がチェンジアップと言っていた球種は、厳密にはスプリッターだった。菊池投手自身がチェンジアップとして使っていると語っているため、筆者もここではチェンジアップと表現したい。そのチェンジアップだが、まさにチェンジアップ効果が見られた。握りは間違いなくスプリッターの握りなのだが、まだ球種としての精度が低いために、この球種に関してはあまり上手く腕を振り切れていないように見える。だがその分ボールが抜けて、棒球かと思いきやボール1個分フワッと落ちていくため、バッターにとっては厄介な球種となったようだ。
鳴り物入りでライオンズに入団した2010年は、グラウンド外で話題を振りまいてしまった菊池投手。1年目は初勝利どころか、1軍のマウンドに登ることすらできなかった。しかし今季は肩痛も癒え、バラバラになっていたフォームも安定してきた。今夜も最終イニングこそスタミナ切れで2四球を出してしまったが、5回までは無四球という内容だった。これもフォームが安定した効果なのだろう。
菊池投手の好投の影には、野手陣の奮起もあった。中島・中村両選手は、試合前から菊池投手に対し「今日は打つ日だ」と活躍を約束していたらしい。活躍を約束して中島選手は連日の先制打、中村選手もおかわり弾を放つのだから、2人とも凄まじい集中力だ。そして中村選手はダイビングキャッチでも菊池投手を守り立てた。まさに今夜はチーム一丸となって菊池投手に勝ち星をつけようとしているのが、画面を通してもヒシヒシと感じられた。
菊池投手はいまさら言うまでもなく、将来のエース候補だ。今夜は初勝利を挙げたわけだが、今夜の活躍は序章に過ぎない。この1勝から菊池投手は200勝という数字を目指していくことになる。入団前は直接メジャーを目指したいとも語っていた菊池投手だが、今はきっとライオンズに入って良かったと実感しているはずだ。今夜は野手陣に勝たせてもらった1勝だが、次回は野手陣を助ける1勝を目指して欲しい!
菊池投手、プロ初勝利おめでとうございます!!
そして中島選手、1000試合出場おめでとうございます!!
2011年06月30日 21:42
2011/06/29 オリックスvs埼玉西武5回戦
| 2:38 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| ライオンズ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 3 | 5 | 0 | |
| バファローズ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0 |
18:01開始 京セラドーム(観衆:12,610人)
埼玉西武ライオンズ 2勝3敗0分
継投:○西口文也~Hミンチェ~S牧田和久
勝利投手:西口文也 3勝3敗 2.83
セーブ:牧田和久 2勝4敗2S 2.78
ホームラン:中島裕之(10号2ラン)、中村剛也(18号ソロ)
【中島裕之選手決勝2ラン】
【中村剛也選手18号ソロ】
【ゲームレビュー】
この試合先発をしたのはベテラン西口文也投手だった。前回の登板でも7回無失点という好投を見せてくれたが、この試合でも6回無失点と素晴らしいピッチングを披露してくれた。前回の球数が110球、この試合が94球という数字を見ると、西口投手の場合は首脳陣は完全に100球を目処としているようだ。だが西口投手の39歳という年齢を考えれば、最善の策だと思う。歳を重ねるほど回復力のスピードは衰えてくる。それならばオーバーアウト(体力を使い切る)する前に降板して次に備えた方が、コンディションは整えやすい。今季の西口投手の起用法は、渡辺監督と小野コーチのファインプレーでもあると思う。
さて、この試合の西口投手はとにかくチェンジアップが良かった。勝負どころで打者を抑えたボールは、ほとんどがチェンジアップだった。バッターからすればやはり未だに「西口=スライダー」と思っている選手が多い。この試合の配球はまさにそれを逆手に取り、スライダーを狙っている打者にチェンジアップで勝負を挑んでいた。そしてこれが見事にはまり、ことごとくバッターのタイミングを外した。
昨季の西口投手には、まだストレートへのこだわりが見え隠れしていた。確かに全盛期は150kmもの快速球を投げていた西口投手だ。ストレートへの思い入れが強いことも理解できる。しかし今では調子がいい時で144kmあたりが試合でのマックスだ。力が衰えてきているベテラン投手の140km前後のボールは、プロのバッターからすれば最も打ちやすいスピードとなってしまう。
昨季の後半で好投した時の西口投手も、やはりまだストレートで押そうとする場面が多々見受けられた。しかし今季の西口投手はストレートを完全に見せ球として利用している。しかも時には、ストレートを狙っているバッターに対してもストレートを見せる時がある。つまりストレートを狙っているバッターの、ウィークポイントにストレートを投げることによって、打ち損ないやファールを誘っているのだ。
この試合のチェンジアップにしても、西口投手のチェンジアップはシュート回転をしながら落ちていく。つまり西口投手のスライダーの軌道と左右を対称にした動きとなる。左に曲がると思われたボールが右に沈んでいけば、バッターは振ったとしても引っ掛けることしかできない。特に不調のオリックス後藤選手は、西口投手のツーレーンピッチに苦しんでいたようだ。
それにしても6回を投げて被安打はわずかに4本。前回のヤクルト戦も7回で5本。今一番安定しているのが西口投手だと言っても過言ではないだろう。次回の登板もやはり10日後くらいだろうか。渡辺監督は恐らく、調子が良いからと言って西口投手をローテーションの一角に戻すことはしないと思う。ローテーションの谷間を埋めてくれることを今後も期待していくはずだ。だがローテの谷間と言えば、通常は相手チームにとってはラッキーデーとなる。しかしその谷間に西口投手に出てこられたのでは、相手チームもアンラッキーだったと諦めざるをえないだろう。
2011年06月30日 01:16
2011/06/28 オリックスvs埼玉西武4回戦
| 3:18 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| ライオンズ | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | 0 | 1 | 1 | 6 | 9 | 0 | |
| バファローズ | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 5 | 0 | 0 | × | 8 | 13 | 1 |
18:00開始 京セラドーム(観衆:12,160人)
埼玉西武ライオンズ 1勝3敗0分
継投:岸孝之~松永浩典~●江草仁貴~藤田太陽~藤原良平
敗戦投手:江草仁貴 1敗 9.00
ホームラン:中村剛也(16号2ラン、17号2ラン)
【片岡易之選手、ファインプレー後に背中から倒れ脳震盪】
【中村剛也選手、逆転2ラン】
【中村剛也選手、再逆転2ラン】
【ゲームレビュー】
4番中村剛也選手が2ランホームランをおかわりしても勝てない。これが今季のライオンズを象徴した試合なのだろうか。普通の状態であれば、4番が2本のホームランを打てばほぼ確実に勝てるはずだ。しかし6点を奪っても投手陣が8点を失い、ライオンズは今夜もまた敗れてしまった。
先発した岸孝之投手は、近頃ようやく昨年までの投球モーションに戻すことができている。脇腹への不安が解消しつつあるのだろう。だがモーションを戻したら戻したで数試合は違和感との戦いとなる。ワインドアップで両手を後頭部に持っていく深さ、時間が変わることで、投球モーション全体のリズム感がまだ良い時の岸投手には戻っていない。その証拠に今夜の岸投手のストレートの多くが130km台だった。
だが球速以上に今夜の岸投手にはいつもと大きく異なる点があった。それはチェンジアップがシュート回転していたことだ。岸投手のチェンジアップはシュート回転せず、真っ直ぐ落ちていくのが特徴だ。シュート回転しないチェンジアップを投げられるのは、12球団では岸投手くらいではないだろうか。そのチェンジアップがシュート回転していたということは、リリースするポイントが若干前になっているということになる。これもリズムの狂いが生じさせたものなのだろう。
ボールを前で放すほど打者との距離が縮まり、ストレートをより速く見せることができる。しかしリリースポイントを前にしてしまうと、指先が内旋した状態(右投手ならリリースの瞬間、手のひらが三塁側を向いている状態)でリリースしがちになる。するとシュート回転がかかってしまい、アウトローを狙ったはずのストレートが真ん中に入ってしまうようになる。今夜の岸投手はまさにその状態だった。いつもなら右打者の外寄りに落ちるはずのチェンジアップが、どうしても内側に入ってきてしまう。これでは思うように空振りを取ることはできない。
それでも4イニングで三振を6個取れたというのは、銀仁朗捕手がカーブを有効活用したためだろう。だが岸投手自身はチェンジアップにこだわりを見せていた。銀仁朗捕手のサインに4回首を振ってチェンジアップを投げる場面があった。だが首を振って投げたにも関わらず、このチェンジアップはコントロールすることができなかった。
涌井秀章投手でも勝てない。岸投手でも勝てない。これではチームが浮上を目指すこともできない。打つべく打者が打ち、勝つべく投手が勝つことでチームは初めて勝ち続けられるようになる。今季のライオンズはチーム状態が上がってくると涌井投手が抹消され、帆足投手が抹消され、チームの勢いを失速させている。2投手共に肘を痛めているため、もしかしたら若干重くなった統一球が影響しているのかもしれない。
二本柱で星を落とした直後。頼れるのはやはりベテラン西口文也投手なのかもしれない。もし今ライオンズブルーの血が身体に流れている選手がいるとすれば、それは西口投手だと思う。明日はベテランらしい老獪なピッチングでオリックス打線を沈黙させて欲しい。そして明日こそは4番の一発を勝利に繋げて欲しい!
2011年06月29日 00:35
2011/06/27 埼玉西武vs東北楽天8回戦
| 3:12 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| イーグルス | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 8 | 1 | |
| ライオンズ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 6 | 0 |
18:00開始 西武ドーム(観衆:16,719人)
埼玉西武ライオンズ 5勝3敗0分
継投:平野将光~グラマン~●ミンチェ
敗戦投手:ミンチェ 3勝1敗1S 1.21
盗塁:片岡易之(16)
【フェルナンデス選手激昂シーン】
【中村剛也選手好フィールディング】
【ゲームレビュー】
4月30日以来の先発マウンドに登った平野将光投手。開幕ローテの一角として投げていた4月とはまるで別人のような素晴らしいピッチングを今夜は披露してくれた。1球1球非常に気を遣って投げているのが強く伝わってきた。平野投手自身リリーバーではなく、先発ローテを目指している将来の主軸候補だ。いつまでも4月のようなピッチングをされていては、社会人時代のチームメイトだったホークス攝津投手にどんどん遅れを取るばかりだ。今季は摂津投手の7勝に対し、平野投手は未だ1勝止まり。ただ今夜は勝つことは出来なかったが、先発投手としては立派な働きだった。数字以上に内容のある7回1失点という好投だった。
失投という失投は、恐らく初回ルイーズ選手に二塁打を打たれた1球くらいだと思う。このボールに関してはちょうどルイーズ選手のコンタクトゾーンにボールが入ってしまった。テレビではスライダーと解説されていたが、筆者はスプリッターのように見えた。スプリッターが若干抜けてしまったことでスライダー回転がかかり、タイトカーブのような軌道で外寄りのストライクゾーンに行ってしまったのではないだろうか。しかしこのボール以外は、大きなミスはほとんどなかったように思う。
今夜の平野投手は銀仁朗捕手と話し合ったのだろうか、いつもの平野投手の配球とは少し違っていた。いつもなら「ここはフォークだな」という場面で、今夜はストレートを選ぶことが多かった。特に6回無死満塁というピンチで迎えた草野選手への投球。初球は高めのスプリッター。やや抜け気味で高めに行ってしまったが、タイミングを上手く外してファール。2球はインハイのストレートで再びファール。今までの平野投手であれば、2ストライクと追い込んだらスプリッターで勝負するための布石を打ちに行くことが多かった。つまり高めにストレートを見せることが多かったのだ。その後で低めのスプリッターで勝負をするケースが多く、草野選手もこの場面は完全にスプリッター待ちの姿勢に入っていた。だがバッテリーが選んだのは外角低めへのストレート。草野選手はバットを振るのが精一杯だったという腰砕けの空振り三振。
この三振で一気に自信が湧いたのだろう。続く好打者高須選手をわずか2球で併殺打に打ち取った。そして最後のイニングとなった7回もあっさりと三者凡退で投げ終えた。筆者は、草野選手へのあの1球が今シーズンの平野投手を大きく変えるのではないかと感じている。平野投手はストレートにこだわりがあると力強く語る割りには、これまではスプリッターで交わすピッチングをすることが多かった。もちろん捕手の考え方によっても左右されるわけだが、しかし今夜は草食系から肉食系への進化を遂げたと言って良い内容だったのではないだろうか。
打線の援護がなく勝ち星こそ付かなかったが、勝ちに等しいピッチング内容だった。今夜は打線のめぐり合わせが悪く、4回8回ともにチャンスで打席に立ったのは銀仁朗捕手だった。銀仁朗捕手はヒットを打つペースこそ減ってきてはいるが、調子が悪い打者ではない。しかしキャッチャーという重労働を強いられる選手に、2回チャンスを回してしまったというめぐり合わせが良くなかった。もちろん銀仁朗捕手がどちらかで1本打っていればライオンズが勝てていた可能性は高いわけだが、しかしもっと上位打線が奮起しない限りは、効率よく得点を挙げることは難しい。今夜は相性の良い永井投手が相手だったわけだが、その相性を活かせなかったのはやはりライオンズ側の失敗だったと思う。点が入りそうで入らないという状況では、必ず何かが足りないということだ。それが気持ちの問題なのか、技術の問題なのかはまちまちだが、それを補足していかなり限りは、後半戦の巻き返しも厳しくなってしまうだろう。だが必ずチーム状態が向上していくはずだと信じ、筆者は明日から始まるオリックス戦を応援したいと思う。
2011年06月28日 00:10
2011/06/26 埼玉西武vs東北楽天7回戦
| 3:01 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| イーグルス | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 4 | 6 | 1 | |
| ライオンズ | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | × | 5 | 9 | 2 |
13:00開始 西武ドーム(観衆:25,033人)
埼玉西武ライオンズ 5勝2敗0分
継投:○石井一久~H江草仁貴~Hミンチェ~S牧田和久
勝利投手:石井一久 3勝3敗 4.54
セーブ:牧田和久 2勝4敗1S 2.81
【ゲームレビュー】
この試合先発マウンドに立ったのは石井一久投手だった。投げているボールそのものは決して悪くはなかったと思うのだが、良いボールと悪いボールの差がハッキリしていた。ボールになる球は明らかなボールになってしまい、ストライクになるボールは真ん中付近に行くことが少なくなかった。しかしそれでも6回を投げて4失点(自責3)に抑えたのは立派だと思う。調子が良くないなりに抑えてくれるのは流石ベテランと言ったところだろう。
さて、この試合は何と言っても継投が完璧にはまったことが何よりの収穫ではないだろうか。石井投手が6回まで投げると、7回は江草仁貴投手、8回はミンチェ投手、9回は初リリーフとなった牧田和久投手がそれぞれ3人斬りのパーフェクトリリーフで試合を締めくくった。しかも投げた4人すべてに勝ち、ホールド、セーブのいずれかが付き、非常に内容のいい継投となった。
まず阪神から移籍してきた江草投手だが、阪神時代は四球の多い投手だったようだ。しかしこの試合を見る限りでは、コントロールは抜群だった。銀仁朗捕手が構えたミットから、ボール2つ分以上逸れることはなかったのではないだろうか。江草投手の主な持ち球はスライダーとフォーク。これにカーブとツーシーム系が少しずつ加わるスタイルだと思う。移籍後の江草投手はここまでほぼ完璧なリリーフを続けているが、今後は打たれる試合も出てくると思う。そのような打たれる試合でどのようなピッチングをしてくるのかが、首脳陣が最も注目している点ではないだろうか。
江草投手を継いだのはミンチェ投手だった。ミンチェ投手は今季は先発にリリーフに大活躍をしている。ピッチングには円熟味が出てきて、ミンチェ投手を見ているとバッターを打ち取るコツを掴んだのかなという印象を受ける。ミンチェ投手はいわゆるツーレーンピッチャーだ。つまりスライダーとシュートを両サイドに投げ分けるタイプのピッチャー。ミンチェ投手の場合ここにさらにフォークなどの落ちる球も加わるため、バッターとしては非常に的が絞りにくい。右打者からすれば、インコースに来ればシュートだと判断して見送りたいところだが、しかし逆にインスラがストライクゾーンに食い込んできて見送りストライクになることもある。さらに追い込まれたらフォークボールを落とされることもあるため、勝負球にどのボールを使ってくるかが読みにくい。
ミンチェ投手はいよいよ来季からは日本人投手扱いになる。外国人枠にとらわれない起用が可能になるため、チャンスは今まで以上に増えるのではないだろうか。リリーフが苦しい時はセットアッパーとして。ローテーションに谷間ができれば先発として。便利屋と言えば聞こえはあまりよくはないが、しかしミンチェ投手にはどんな場面でも期待に応えてくれるピッチングを今後も見せてもらいたい。
さて、試合の最後を締めくくったのは新守護神牧田和久投手だ。渡辺監督は元ヤクルトの高津投手をイメージして牧田投手をクローサーに指名したようだ。クローサーと言えば球が速くて、落ちる球があって、困った時には三振を狙えるピッチャーというイメージが強い。だが逆に軟投派のクローサーも決して少なくはなかった。高津投手はもちろんのこと、ライオンズでは鹿取義隆投手や潮崎哲也投手というサイドハンドスローのリリーバーが活躍していた。
クローサーにとって最も重要な必須条件は、肩ができる早さだと筆者は考えている。例えば鹿取投手は4~5球投げれば肩ができあがるし、時には投球練習なしでいきなりマウンドに登らされたこともあったようだ。そして潮崎投手も肩ができるのは比較的早いピッチャーで、牧田投手も10球あれば肩を作れてしまうらしい。ちなみに小野寺力投手(現東京ヤクルト)は肩を作るのに40球を要していた。筆者は小野寺投手の復調にはずっと期待していたのだが、肩を作るのに40球かかると考えると、もしかするとリリーフタイプではなかったのかもしれないという思いもある。
この試合がプロ初セーブとなった牧田投手だが、楽天打線をわずか9球で三者凡退に抑えてしまった。打たれる気配がまったく感じられなかったし、まさにパーフェクトと言って良い内容だったと思う。牧田投手も江草投手同様、今後リリーフに失敗する試合も出てくると思う。その時の打たれ方、崩れ方にはやはり注目していきたい。クローサーというポジションはまさに激務。この激務をルーキーがどうこなしていくのか、とても楽しみだ。
それにしても牧田投手のリリーフ転向はまさに怪我の功名と言うべきだろう。先発としては10試合に投げて、好投を続けたにもかかわらず味方の援護を受けることができずに2勝で止まっていた。もし牧田投手が先発として5~6勝していたなら、牧田投手をリリーフに転向させるという選択肢は生まれなかったはずだ。今季ライオンズのルーキーはまさに当たり年。果たして今季中に見られるだろうか、大石達也投手に勝ちが付き、牧田投手にセーブが付くという試合を。
2011年06月27日 00:44
2011/06/25 埼玉西武vs東北楽天6回戦
| 3:00 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| イーグルス | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 | 0 | 4 | 1 | 9 | 14 | 0 | |
| ライオンズ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 4 | 2 |
14:01開始 西武ドーム(観衆:31,295人)
埼玉西武ライオンズ 4勝2敗0分
継投:●涌井秀章~松永浩典~藤原良平
敗戦投手:涌井秀章 4勝5敗 2.30
ホームラン:中村剛也(15号ソロ)
【中村剛也15号ソロ】
【ゲームレビュー】
この試合の涌井秀章投手はいったいどうしてしまったのだろうか。制球を非常に大事にするピッチャーであるにも関わらず、ボールを制御することが最後までできなかった。ボールもいまひとつ走らず、6回を投げて奪った三振はわずかに2つだけ。涌井投手らしからぬ数字だ。肩肘に不安がないのならばいいのだが、この試合の涌井投手は、そんな心配さえ頭を過ぎってしまうほどのピッチング内容だった。
苦手としているルイーズ選手には、2打席連続で甘いスライダーを打たれてしまった。これには渡辺監督もおかんむりだったわけだが、もしかしたら涌井投手と銀仁朗捕手との間に意識の相違があったのかもしれない。銀仁朗捕手は比較的外寄りに構えてはいるのだが、涌井投手のボールは中へ中へと入っていってしまった。特に3打席目は3ボールというカウントで、それまでずっと外に投げていたにも関わらず、最後はほぼ真ん中にスライダーが入って行ってしまった。2打席連続ホームランにならなかったのが不幸中の幸いだった。
涌井投手のこれまでの10試合を見ていると、やはり統一球に対応し切れていないのかなとも思えてくる。しかしWBCやオリンピックで使われたボールは、日本人投手にとってはさらに扱いづらいものだった。それでも涌井投手は対応できていたということを考えると、ボールのせいではないのかもしれない。
涌井投手は6月18日の巨人戦で足をつるというアクシデントに見舞われている。この時ライオンズのあるトレーナーが「お酒を減らすなどの工夫が必要だ」と語っていたのが筆者には印象的だった。しかし筆者の記憶が正しければ、涌井投手はシーズン中はお酒の量は0ではないものの、かなり少なくしていると何かのインタビューで答えてた。ただそのインタビューもずいぶん前、少なくとも去年のインタビューだったため、もしかしたらその時と現状に多少の相違はあるのかもしれない。
かつての工藤公康投手も、結婚前はお酒の暴飲により体調を崩したことがあった。工藤投手のような名選手であっても、独身の内はそのようなアスリートらしからぬ失敗をしている。もちろん涌井投手が現状酒量が増えているとは思わないが、しかし先述のトレーナーの言葉が引っかかってしまうのも事実だ。
涌井投手に高いピッチング技術があるということは誰もが知っている。そして本当に勝って欲しい試合に勝ってくれるという勝負強さもある。コンディションさえ良ければ放っておいても勝ってくれるのが涌井投手だ。だがここ数試合の涌井投手はそのコンディションがあまり良くない。勤続疲労なのか、肘痛の余韻なのか、シーズン特有の梅雨疲労なのかは分からない。チームに余裕があればローテーションを1回飛ばすくらいはダメージもないのかもしれないが、岸孝之投手が未だ復調していない今、涌井投手を欠くことはできない。今休んでもらうわけにはいかないが、とにかくまずは涌井投手の復調が急がれる。涌井投手の勝ち星が伸びなければ、チームの勝ち星も伸びることはない。チームが上位に食い込むためにも、涌井投手には1日でも早くコンディションを上げてきて欲しいと筆者は切に願っている。
2011年06月26日 01:54
2011/06/24 埼玉西武vs東北楽天5回戦
| 3:24 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| イーグルス | 0 | 3 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 8 | 1 | |
| ライオンズ | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 5× | 7 | 10 | 0 |
18:00開始 大宮(観衆:20,338人)
埼玉西武ライオンズ 4勝1敗0分
継投:帆足和幸~藤原良平~松永浩典~藤田太陽~○グラマン
勝利投手:グラマン 2勝1敗1S 3.52
ホームラン:フェルナンデス(8号2ラン)、浅村栄斗(4号3ラン)
【フェルナンデス選手2ラン】
【ゲームレビュー】
渡辺久信監督はついに打線を大幅に入れ替えてきた。どんなに調子が落ちている時期であっても上位打線は決していじらなかった渡辺監督ではあるが、しかし交流戦までの戦いを見直すとその上位打線が機能しなかった。もう少し早い時期に動いても良かったのかなという気もするが、しかしこの我慢強さが渡辺監督の一番の魅力だ。リーグ戦再開というこのタイミングでのてこ入れは、結果としては良かったと思う。
新打線は①浅村、②片岡、③中島、④中村、⑤栗山、⑥フェルナンデス、⑦ブラウン、⑧銀仁朗、⑨熊代というオーダーだった。筆者としては4番の中村剛也選手を動かすのか否かが最も気になるところではあったが、渡辺監督は4番打者を動かすことはしなかった。その結果、中村選手は長打を捨てるような形で3打数2安打。1ヵ月ほど前だったろうか、やはり数試合ヒットが出なかった時期に長打を捨てるようなバッティングを見せ、マルチヒットを記録していた。中村選手の最大の魅力はホームランなわけだが、それもヒットが出ない状態では期待することは出来ない。ホームランはしっかりとミートしてこそ生まれるものであると筆者は考える。
そういう意味では、中村選手はまずは今夜のような形をしばらく続け、ヒットを打ち慣れていって欲しい。そして打とうと思えば、いつでもヒットを打てるという自信を身につけていって欲しいと筆者は思う。4番打者というのは、とにかくチャンスに強くなくてはならない。チャンスに弱ければ打点を稼ぐこともできない。野球というスポーツは、とにかく4番打者の前にランナーを貯めることを考え、より多くの得点を目指していくものだ。中村選手の打率がせめて.270を越えて来てくれれば、もっと相手バッテリーに恐れられ、四球が増えることでさらに打率は上がっていくはずだ。例えヒットとホームランのペースが今まで通りであっても、1つのアウトが1つの四球に変わっていくだけで打率は上がっていく。不振であってもその打棒を信頼し続けてくれる渡辺監督の期待に応えるためにも、中村選手には明日からも連日のマルチヒットを期待したい。
それにしても今夜は両軍合わせて18安打、17個の四死球が出た。これだけ塁を賑わせたにも関わらず、得点は両軍合わせても12点。イーグルスも打線には苦しんでいるようだが、ライオンズもやはり決め手を掴めずにいる。そんな中最終回に魅せてくれたのが、土壇場で同点2ランを放ったフェルナンデス選手と、サヨナラ3ランを放った浅村栄斗選手だった。
まずフェルナンデス選手は、始めからホームランを狙っているというスウィングだった。フェルナンデス選手は常にホームランを狙うことはなく、短打で良い場面は短打狙いを見せる打者なのだが、この場面はやはり誰もがフェルナンデス選手のホームランに期待をした。その期待に応えるべく、打球はセンターバックスクリーン左、あわや場外かとも思えるところまで飛んでいった。もしフェルナンデス選手の状態が上がっていれば、4番は昨年のようにフェルナンデス選手になっていたかもしれない。だがこの打棒が今季はなかなか目覚めず、ライオンズはここまで苦しんでいる。今夜の一発がフェルナンデス選手にとって起爆剤となってくれることを願いたい。
そして浅村選手。見事としか言いようがない。打った球はスパイアー投手のすっぽ抜けたスライダーだろうか。まさに打った瞬間のホームラン。浅村選手は新オーダーで1番を任されシングル、二塁打、本塁打の大暴れを見せてくれた。やはり高校時代からの指定席である1番に座ったことで、浅村選手の気持ちにも何か変化が生じたのかもしれない。久し振りに浅村選手らしい、迷いのない気持ちの良いスウィングを見ることが出来た。浅村選手は打ち出すと止まらないタイプであるため、この勢いでまた一気に打率を3割に乗せて欲しいと思う。
今夜は筆者の33回目の誕生日。テレビ観戦でしたが、素晴らしい誕生日プレゼントをもらうことができました。この勢いで一気に4タテを決めて欲しい!!
2011年06月24日 22:32
2011/06/19 巨人vs埼玉西武4回戦
| 2:55 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| ライオンズ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 9 | 0 | |
| ジャイアンツ | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 2 | 1 | 4 | × | 10 | 14 | 0 |
読売ジャイアンツvs埼玉西武ライオンズ4回戦
14:00開始 東京ドーム(観衆:45,522人)
埼玉西武ライオンズ 1勝3敗0分
継投:●牧田和久~松永浩典~藤原良平~野上亮磨
敗戦投手:牧田和久 2勝4敗 2.85
【ゲームレビュー】
またもや巨人のルーキー沢村投手にしてやられてしまった。いくら沢村投手が好投手とは言え、ルーキーに対して2戦連続の完敗は常勝チームとしては少々情けない。点を取るチャンスがなかったわけではない。4回、中村剛也選手とフェルナンデス選手の連打を浅村栄斗選手の送りバントで一死三塁二塁とし、続く秋山翔吾選手の四球で満塁。ここで打席には好調銀仁朗捕手を迎えた。内野ゴロでも先制点が入る場面ではあったが、銀仁朗捕手はあえなく三振に倒れてしまう。続く打者は9番牧田和久投手。ここまで0点に抑えている先発ピッチャーに4回の攻撃で代打を送るわけにもいかず、連続三振でこのチャンスを潰してしまった。
確かに沢村投手は良いボールを投げる。だが打者を追い込んだらフォークボールで三振を取りに来るというデータも少なからずあったため、1-2と追い込まれた時、銀仁朗捕手にはフォークボールをしっかり意識して打席に立って欲しかった。1-2というピッチャー有利のカウントで、しかもボール3つ分の余裕がまだある段階では、ピッチャーはストライクゾーンにはなかなか投げて来てはくれない。沢村投手という好投手が相手ならばなおさらだ。このフォークボールは見逃せば恐らくボール球だったと思う。このフォークボールを見逃せていればカウントは2-2と平行になり、もう少し甘いボールが来る可能性が高まった。なぜなら、バッテリーは2-2になることは厭わないが、3-2になることは厭うからだ。特にこの場面は満塁。3-2からでは押し出し四球の可能性も出てくる。このようなパフォーマンス変数が絡んでくると、例え打者よりも投手の方に分がある対戦だったとしても、投手側に余裕がなくなってくる。銀仁朗捕手には捕手として、沢村投手のそのような隙を突いて欲しかった。
ライオンズは交流戦は貯金1で終えたものの、通算では借金4になってしまった。優勝の望みということで考えれば、まだまだ望みはある。だがその望みを繋いでいくためには、今までと同じ戦い方をしていてはならない。投手陣に関してはどうやら牧田和久投手をクローサーとして起用するらしい。筆者個人としては、立ち上がりにはかなりの安定感があり、百戦錬磨とも言える西口文也投手のクローサー起用はどうかと思っていたのだが、渡辺久信監督は総合的な安定感を取り、牧田和久投手を選んだ。連投の可能性を考えるならば、やはりベテランよりは若手の方が良いのだろう。
渡辺監督は、ブルペンにも打線にもてこを入れると語っていた。ブルペンのてこが牧田投手だとすれば、打線にはどのようなてこを入れるのだろうか。打てている打者を真ん中に置くのか、それともカンフル剤を投与するのか。筆者としては前者の方が後半戦に向けてはプラスになると考えている。カンフル剤程度の処置で打線が復調するのであれば、熊代選手の活躍で状況は変わっていたはずだ。だが実際には打線の状態は上がってきてはいない。となれば、やはり打線そのものを根本的に再考する必要があると筆者は考える。
打順というものは、基本はまず4番打者から決めていく。メジャーでは3番最強論が根強いが、日本ではやはり4番打者が最強だ。いかにして4番打者の前にランナーを貯められるかが、得点力を大きく左右させる。例えば打線の安定力というものを考えていくと、ホームランを打てる打者がたくさんいる打線よりも、コンタクト力(ミート力)と走力を兼ね揃えた打者が多くいる打線の方が、安定して得点を挙げていけるというデータもある。
さて、せっかくなので、筆者が現時点で考えるライオンズ打線を発表してみたいと思う。もし筆者がライオンズの監督であるならば、現状を打破するために以下のようなオーダーを組むだろう。
1番 片岡(二)
2番 熊代(左)
3番 栗山(中)
4番 中島(遊)
5番 フェルナンデス(DH)
6番 中村(三)
7番 浅村(一)
8番 銀仁朗(捕)
9番 秋山(右)
やはり2番打者は右打ちの方が良い。なぜなら、右打者であれば一塁走者の動きを把握しながらの状況判断が可能になるからだ。左打者ではやはり一塁走者の動きを見ながらの判断は難しくなる。そして4番には、本音としては栗山選手を据えたいのだが、4番打者が左だといざという時、左のワンポイントを当てられる可能性が高くなる。そのため、やはり4番打者は右打ちが好ましい。
いよいよ明日からリーグ戦が再開される。果たして渡辺監督はどのような策を打ってくるのだろうか。交流戦の後半ではスクイズなどの小技を使うようになってきたが、果たしてこれが一時的なものだったのか、戦略をもってしてのことだったのか。打って勝つだけの野球は、打者が好調の時は機能するが、打者の調子が停滞している時は得点力が一気に低下してしまう。得点力を目減りさせないためには、やはり戦術を駆使した野球が必要だ。明日から再開されるリーグ戦では、筆者はそのような野球らしい野球を、ライオンズには期待していきたい。
2011年06月23日 17:08
2011/06/18 巨人vs埼玉西武3回戦
| 2:40 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| ライオンズ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 3 | 0 | |
| ジャイアンツ | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | × | 2 | 10 | 1 |
18:00開始 東京ドーム(観衆:44,498人)
埼玉西武ライオンズ 1勝2敗0分
継投:●涌井秀章~松永浩典~平野将光~江草仁貴
敗戦投手:涌井秀章 4勝4敗 2.11
【ゲームレビュー】
先発した涌井秀章投手、立ち上がりだけを見ると絶好調と言えるほどの内容だった。特に圧巻だったのは2回裏で、巨人の主軸3人を三者連続三振に切り取った。ストレートの威力もさることながら、この日はツーシームの切れも抜群だった。内外ともに上手く出し入れが出来ていて、これほど際どいコースで出し入れされてしまうと、バッターはなかなか手を出すことができない。3回までのピッチングを見る限りでは、今夜は巨人打線に3本以上のヒットは許さないのではないだろうかとも思える出来だった。
しかし4回には連打を浴び、5回にはホームランなどで2点を失ってしまった。そして7回には右足をつるというアクシデントに見舞われ、よもやの降板劇となってしまう。足をつったことにより、スポーツ新聞などは涌井投手の調整に疑問を呈しているようだった。確かにこれは涌井投手の責任ではあるが、選手である涌井投手自身がコンディショニングのすべてに責任を持つことは非常に難しい。涌井投手が足をつるという傾向は昨年から見られるようになった。ということは、コンディショニングコーチもしっかりとその対策をしなければならない。
コンディショニングに関する不調は、涌井投手自身とコンディショニングコーチの両者に責任があると筆者は考える。しかも今季は主力投手の故障が非常に多い。ライオンズは近々外国人投手と契約する以前に、もっとコンディショニング部門を強化した方が良いのかもしれない。グラマン投手が左肩関節胞を痛めて以来、ライオンズのチームコンディショニングがベストな形で機能できているのかどうか、筆者は非常に気になっている。
さて、涌井投手がせっかく2失点に抑えても、打線が3安打1点では勝つことは難しい。しかも3安打の内1本は涌井投手のヒットで、あとの2本はいずれも浅村栄斗選手によるものだ。好調な巨人内海投手の立ち上がりを見て、この投手を攻略する鍵は熊代聖人選手が握っていると筆者は考えた。いわゆるピッチャーが最も嫌うタイプの打者が熊代選手なのだ。コツコツとバットに当て、内野安打を奪う俊足を持つタイプ。熊代選手がとにかくどんな形でも出塁し、何とか二塁まで走り、そして銀仁朗捕手の送りバントで三進。この時点で二死でなければ、涌井投手の内野ゴロで1点を奪える形となる。だが今夜の熊代選手は、三振と二ゴロに終わってしまった。
やはりルーキーでいきなり内海投手のボールを打つのは難しいのだろう。特に今夜の内海投手は、右打者の内角に食い込んでくるボールが素晴らしかった。代打の平尾博嗣選手も手も足も出ずの三振を喫してしまっている。内海投手自身「困っている」ほどの好調状態のようだ。このような好投手を打ち崩すためには、セーフティーバントなどでピッチャーを必要以上に動かし、塁に出れば足で揺さぶり、しっかりと狙い球を絞って振り抜くという姿勢が重要になってくる。だからこそ熊代選手に期待したのだが、その期待は今夜に関しては叶わなかった。
ライオンズは明らかに打線を考え直す時期に来ていると思う。4番打者の打率が.226では打線が繋がることはない。そして1番打者の出塁は10打席に1回の割合。これはほぼ3試合に1回しか塁に出ていない計算になる。1番打者が出塁できず、4番打者もヒットを継続できない。これではチームが波に乗っていけるはずはないのだ。
主軸打者や担当コーチたちを信頼する渡辺監督の男気は筆者も尊敬している。これほどまでに選手を信頼してくれる監督は滅多に見受けられない。これによって選手が大きく育てたとしても、チームが勝てなければ監督の進退に関わってしまう。筆者個人としては渡辺監督には長期に渡って指揮を取ってもらいたいと思っている。そのためにも、今季は何が何でも優勝しなければならない。なぜなら渡辺監督の兄貴分であった東尾修監督は、3年間のV逸で監督職を辞任しているためだ。渡辺監督は2008年に日本一になって以来、その後2年は連続して優勝を逃している。もし今年優勝することができなければ、恐らく球団は世論の声に勝つことはできなくなるだろう。
現在ライオンズの主軸打者で打てているのは栗山巧選手ただ1人だ。ということはやはり、この栗山選手の活躍をどう活かすかということを、交流戦明けには考えていかなくてはならないだろう。
明日の巨人の先発は沢村投手が予想されている。前回の対戦では完敗しているだけに、明日は絶対に負けることは許されない。もしルーキーに2戦連続完敗を喫するようなことがあれば、これはライオンズの威信に関わる事態だ。とにかくどのような形でも構わない。明日は是が非でも牧田和久投手に勝ちを付ける戦いを我々ファンに見せて欲しい!
2011年06月19日 02:14
クローサー岡本篤志投手、登録抹消の理由
3試合連続リリーフに失敗したためだろうか。岡本篤志投手が登録抹消になってしまった。しかし筆者は、このリリーフ失敗だけが登録抹消の理由ではない気がしてならない。チーム事情だけを考えれば、リリーバーが不足しているのがライオンズの現状だ。この現状で、今季ここまでクローサーを任せていた岡本投手を簡単に抹消させるだろうか。もしかしたら疲労骨折を患っている股関節や、肩・肘に異常があるのではないかと筆者は想像している。3試合連続でリリーフに失敗したとは言え、その前まではパーフェクトリリーフで連続セーブを挙げていた岡本投手だ。3試合目の失敗に関しては、失敗といえば間違いなく失敗ではあるのだが、立ち上がりは二者連続で無難に抑える好投を見せていた。崩れたのは3人目の打者に内野安打を打たれてしまってからだった。内野安打を打たれ、不調の青木選手を警戒し過ぎて死球。そして2番田中選手にタイムリーヒット。確かに二死からだっただけに、非常にもったいない失点ではあった。
岡本投手の持ち球と言えばストレートに加えスライダー、ツーシーム、チェンジアップ、フォークボールと多彩な球種を操る。この中でもウィニングショットとして使えるのはチェンジアップとフォークボールだろうか。チェンジアップに関しては、本当に素晴しいボールだと解説者たちも多々口にしている。
クローサーに必要な資質を挙げるとすれば、まず無駄な四球を出さない制球力、打たせたくない場面で空振りを取れるウィニングショット、相手打者に押されない気力と冷静さと言ったところだろうか。これらを岡本投手と照らし合わせてみると、まず制球力は四球率5.00と非常に高い(18イニングで10四球)。この数字は、9イニングを投げたら5個の四球を出す計算になる。ちなみに現在パ・リーグセーブ王の日本ハム武田久投手の四球率は0.40だ。22回1/3を投げて、まだ四球は1つしか出していない。渡辺監督が最も嫌うのが無駄な四球だ。制球力に関しては、岡本投手はクローサーとしてはまだまだ未熟だと言える。
ちなみに制球力とは、四球を出さないことがすべてではない。ストライクゾーンを9分割し、その四隅のストライクゾーンに恐れず投げ切れるかどうかだ。この四隅にしっかり投げられていれば、そう簡単に連打を浴びることはない。
制球力の次はウィングショットだ。岡本投手のウィニングショットは上述した通りチェンジアップ。この球種は本当に素晴しいと思う。ほとんどストレートのような軌道で、打者の手元でスッと落ちていく。セ・リーグの打者たちも、このボールにはかなり手を焼いていたように思う。チェンジアップは、基本的には逆手の打者に投げたいボールだ。つまり右投手の場合は左打者に投げやすいボールとなる。チェンジアップという球種はすっぽ抜ける可能性が高いため、順手打者の場合死球になりやすい。だが岸孝之投手のように、左右問わずチェンジアップを臆せず投げられるようになれば、岡本投手のチェンジアップはまさに一級品となるだろう。
3番目は気力ということになるが、岡本投手はまだこの気力が足りない。足りないと言っても、決して気が弱いわけではない。、気持ちでバッターに負けて打たれているわけではないということだけは、西武ファンのすべての方に知っておいて欲しいことだ。ではなぜ打たれてしまうのか?その答えは、燃え上がる気力を制御し切れていないためだ。気力を制御できないピッチャーは必ず力んでいる。岡本投手の場合、制御できている時とできていない時の差が大きいのだ。
例えば以前ライオンズの絶対的守護神を務めていた豊田清投手を思い出して欲しい。豊田投手はとにかく気の強いピッチャーだった。だがそれが時に災いしてしまい、燃え過ぎてしまうことで自分を制御し切れず、ボールが荒れてしまうことがあった。しかし登板前の投球練習を終え、胸に手をあて、眼を瞑り冷静さを自らに与えるようになると、安定感は抜群に良くなっていった。
岡本投手に必要なのは、まさに冷静さだ。先日のヤクルト戦に関しても内野安打を許した後、明らかに「打たれたくない」という気持ちが前面に出過ぎていた。そのため、本来もっとリラックスして対戦すべき不調の青木選手に無駄な死球を与えてしまった。いわゆる、完全に名前負けしてしまったということだろうか。もしこの時もっと冷静になり、銀仁朗捕手のリードの意図を落ち着いて理解しようとしていたならば、この試合は恐らく青木選手の打席で試合終了となっていただろう。
だがこの冷静さに関しては、場数を踏んでいくしか解決方法はない。もしくはメンタルプラクティスに解決の糸口が見つかるかもしれない。とにかく岡本投手はストレートに力があるし、チェンジアップというウィニングショットがある。制球にはまだ不安はあるものの、クローサーとしての資質はあると筆者は考えている。あとは試合のクロースの仕方さえ覚えていければ、岡本投手はもう一段上の投手に成長できるはずだ。
現在ライオンズのファームには橋本武広コーチという百戦錬磨の投手コーチがいる。岡本投手にはファームに落ちたことをマイナスだけと捉えず、リリーフのスペシャリストである橋本コーチに鍛え直してもらえることをプラスだと考えて欲しい。そして渡辺監督も恐らく、これを理由に岡本投手を中継ぎ異動ではなく、あえて2軍に落としたのではないだろうか。岡本投手にはこの試練を乗り越え、もう一度1軍の最終回のマウンドに戻ってきて欲しいと筆者は強く願っている。
2011年06月16日 19:18

