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大石達也投手の肩痛は、決して悪いことではない



4月16日に行われた『プロ野球開幕緊急座談会』、会場におこしいただいた方だけではなく、多くの方がニコニコ動画の生中継を見てくださっていたようで、本当に嬉しく思います。改めてお礼をお伝えしたいと思います。ありがとうございます。
それにしてもデニー友利さんは本当に大きかった!隣に並んで映っていた筆者は、まるでリトルリーガーのようでした・・・。

さて、それでは本題に入りたいと思います。16日の生放送でも語らせていただいた、大石達也投手に関することです。放送の中では語り切れなかったことを、ここで改めて語り尽くしたいと思う。日本ハムの斎藤投手にも電話で「何してるんだ」と叱咤激励を受けた大石投手は、右肩の違和感にて2軍調整中だ。これに関しては、ネット上にも多数の記事が掲載されている。中には西武の首脳陣批判をしている雑誌社の記事もあるようだ。確かに昨年は菊池雄星投手、今年は大石投手と2年連続でドラフト1位投手が違和感や肩痛を引き起こしている。ここだけを見れば首脳陣批判をしたくなるのも分からないでもない。しかし筆者は思う。野球をまったく知らないような責任あるプロのライターが、易々と批判記事を書くべきではないと。

菊池投手の肩痛に関しては、これは菊池投手が肩の違和感を自己申請しなかったために引き起こされたものだ。コーチたちからすれば、まさに寝耳に水だったと言える。そしてこの肩痛は、菊池投手が高校3年生の時の骨折が響いてのものだった。責任が問われるとすれば、自己申請しなかった菊池投手本人、もしくは選手の体の状態をチェックすべきトレーナーだと言えるだろう。ただし、菊池投手はプロとしての責任感から言えなかったのだと思えるため、やはり無責任にこれを責める必要はまったくない。

そしてこの記事の本題となる大石投手だが、筆者は右肩痛を引き起こして良かったと思っている。もちろん痛みなくプロ1年目から大活躍してくれるに越したことはないわけだが、しかしムリをさせる理由はまるで存在しない。大石投手はプロ入りする前、つまり大学時代からやや上体に頼る投げ方をしていた投手だ。それが同期だった斎藤投手、福井投手とまったく異なる点だ。そして応武監督が大石投手を投手としてではなく、遊撃手として育てたかった理由であったとも思う。

投手には主に2つの痛みがある。肩痛と肘痛だ。この2つに関しては、投手生命を危機に陥れる可能性も考えられる。大人の肘痛に関しては、これは完全に投げ方の問題だ。簡単に説明をすれば、間違った投げ方をしているために肘痛は引き起こされる。つまり投球過多や疲労が直接的な問題にはならない(子供の肘痛は投げ方が正しくても引き起こされるため、大人の肘痛とはまったく別問題となる)。そして肩痛だが、これの主な要因は上半身主導の投げ方であるということだ。

大石投手はキャンプイン早々から渡辺監督小野投手コーチから下半身が上手く使えていないことを指摘されている。渡辺監督が大石投手を先発にコンバートさせたことを否定的に見ている西武ファンは多いようだ。しかし筆者はそうではない。大石投手は先発として調整させるべきだと考える。リリーフであれば、投げるのは1日1イニング、長くても2イニングだけだ。となると、上半身に頼った良くない投げ方で投げていたとしても、2イニング30球程度であれば、ある程度は投げられてしまう。だがこれが先発となると話は変わってくる。

プロ野球において、上半身に頼った投げ方で先発を任されて通用するケースはまず考えられない。「この投手は素質は十分なのになぜか活躍できない」と言われる投手のほとんどは、上体の力に頼って投げているタイプだ。アマチュア時代は通用したとしても、プロでは絶対に通用しない。プロ野球という世界のレベルは、それほど甘いものではない。

上体に頼った投げ方をして結果が出て来なければ、当然本人には焦りが生じ、さらに上体に力を入れて投げようとし、悪循環を招いてしまう。もし今季ずっとリリーフで投げさせ続け、上体に頼ったアマチュア仕様の投げ方を続けていれば、大石投手はもっと深刻な肩痛を抱えることになっていただろう。

渡辺監督にしろ、小野コーチにしろ、そこまで考えているのだ。ただ単に「大きく育てたい」という漠然な理由だけで先発にコンバートさせたわけではない。アマ使用の投げ方でも、大石投手ほどの力があればリリーフならばある程度は通用してしまう。渡辺監督や小野コーチは、それで大石投手が安心してしまうことを嫌ったのだろう。最も難しいとされる先発投手、一週間で最も多いイニングを投げる先発投手をやらせることで、早い段階で挫折を味わわせ、大石投手に自らの欠点を深く自覚させる、それが渡辺監督と小野コーチの愛情だと筆者は考えている。

ライオンズのリリーフ陣が不安定だからと言って、まだまだ未完成な大石投手を主戦リリーバーとして起用しても成功するはずはないのである(大石投手の投手経験年数はまだまだ短い)。もちろんある程度は抑えるだろう。だが大石投手は「ある程度」にまとまるべく投手ではない。今後は球界を代表する大投手に成長してもらわなければならない投手なのだ。だからこそこの時期に肩痛を引き起こし、下半身主導の投げ方の重要性を身体で理解することは、大石投手にとっては大きなプラスになると筆者は確信しているのである。デニー友利さんにこの話を受けてもらったが、デニーさんも「肩を痛めたことで、下半身に集中したトレーニングができることはプラスに働く」ということを仰ってくれた(もちろん優しいデニーさんが言葉足らずの筆者をフォローしてくれての補足解説だとは思うのだが)。

渡辺監督の指導力を疑問視しているファンも一部いるようだが、目の前の結果だけでそれを判断すべきではない。なぜ渡辺監督は大石投手を先発にさせたのか、その理由をしっかり考えなくてはいけない。無責任に人を批判することは容易いが、人を認めることは意外と難しい。だが人を認められなければ、自ら成長することはできないと筆者は考える。もちろん自戒の念も込めての話だ。渡辺監督は球団が定めた球団の方針の下で指揮を執っている。「リリーフを補強しない」と繰り返しコメント欄に書いている方もいらっしゃるが、渡辺監督自身はリリーフの補強要望を球団に伝えている。しかしそれでも大きな補強が行われなかったのは、球団が獲得してきた選手たちをしっかり育成できれば、将来必ず花開くと考えているためだ。そしてその育成こそが、首脳陣に課せられている最大の責任だ。また、筆者自身も今いる選手たちにこれからも日に日に成長して行ってもらい、優勝に貢献してもらいたいと願っている。

コメント欄を読んでいると「もう西武ファンをやめます」と言う人もいる。だが言語道断だ。西武ファンをやめるなんて寂しいコメントを書かれては、真の西武ファンが傷つくだけだ。そして筆者自身残念で仕方がない。なのでそういうことを思った方は本ブログではコメントを控えていただければと思う。そしてそのような批判的、かつ他のファンの方が傷つくであろうコメントを書かれる際は、匿名に近いような無責任な書き方は控えていただければありがたい。今や日刊埼玉西武ライオンズは、世界中のライオンズファンからアクセスをいただいている。毎日数千~数万人の方に読んでいただいているため、筆者という立場からもお願いしたい。真のライオンズファンが読んだら傷つくようなコメントは、今後ぜひ控えてください。ただし、ライオンズへの愛情を感じるご批判、お怒りのコメントに関しては応援コメントも含め、今後も気兼ねなくコメントをしてください。

さて、最後になるが、先発として活躍できる投手はリリーフとしても活躍できる。しかしリリーフで活躍できる投手が先発で活躍できるかと言えば、必ずしもそうとは限らない。例えばライオンズで言えば、昨季まで在籍していた大沼投手は、リリーフでは大車輪の活躍を見せてくれたが、先発としてはなかなか安定したピッチングを継続することはできなかった。その理由は上体に頼った投げ方を直せなかったためだ。そしてそれが響き、昨季は多くの期間を肩痛に悩まされてしまった。大石投手にはこのような将来を歩ませてはならない。いつかライオンズの監督が代わり、新監督が大石投手をリリーフとして使うことがあっても、先発として活躍できる状態で、リリーフ起用しなくてはならない。そうしなければ早かれ遅かれ、投手生命を左右させるほどの肩痛を引き起こさないとも限らない。

下半身主導の投げ方をマスターすれば、大石投手は間違いなく球界を代表する投手に成長できるはずだ。そしてそのためにも、下半身主導の重要性を痛感させてくれるこの時期の軽度の肩痛は、今後きっと怪我の功名となっていくはずだと筆者は確信している。

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2011年04月19日 01:09