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牧田和久投手が西武投手陣に与える好影響

ルーキーの牧田和久投手が快投を続けている。現在は対外試合で19イニング連続無失点を続けていて、渡辺久信監督からも開幕ローテーションとして大きく期待されている。即戦力ルーキーとして入団し、ファンからの期待値も非常に高かった牧田投手ではあるが、しかしここまで素晴らしいピッチングを見せてくれるとは思っていなかった。

ライオンズでは松沼博久投手以来のアンダースロー投手で、現在ではアンダースローそのものが希少な存在となっている。80年代前後では松沼投手以外にも阪急の山田投手、南海の近田投手(スイッチピッチャー)など、本当に個性豊かなアンダースロー投手が多く存在していた。だが現在では常時一線で活躍するアンダースロー投手は、千葉ロッテの渡辺俊介投手だけではないだろうか。

野球というスポーツは「慣れ」が非常に重要になってくる。左ピッチャーが有利と言われる所以もそこにある。左ピッチャーの数が少ないためにバッターは左ピッチャーを打つ練習ができず、左ピッチャーは右よりも球界では有利な存在となっている。希少なアンダースロー投手である牧田投手の活躍も、そのような希少性がひとつの理由になっていることは間違いない。

しかし牧田投手が活躍できている理由はもちろん希少性だけではない。もっと技術的な理由があり、バッターは牧田投手を打ち崩せずにいるのだ。その技術的な理由とは、リリースポイントだ。牧田投手がボールをリリースするポイントは、通常のピッチャーよりもかなり打者寄りにある。身体が許す限り、もっとも打者に近いポイントでリリースしていると言っても過言ではないだろう。ライオンズで言えばエース涌井秀章投手がリリースポイントが前にあることで有名だ。しかし筆者が見る限り牧田投手のリリースポイントは、その涌井投手よりも打者寄りにある。

バッターからすると、ピッチャーのリリースポイントとホームベースとの距離が短ければ短いほど、タイミングを取るための距離感を奪われることになってしまう。そのために、130kmにも満たないストレートであってもなかなかタイミングを合わせて打つことができない。しかもバッターから見てさらに厄介なのが、牧田投手はボールは非常に遅いのだが、ピッチングフォームにはスピード感があるという点だ。アンダースローとは言え、勢い良く投げてくるように見せかけて、実際やってくるのは遅球だ。これではなかなかタイミングを合わせることはできない。フォームもゆったりとしている渡辺俊介投手とは大きく異なるのがこの点だ。

アンダースロー投手にはもうひとつ大きな利点がある。それは縦の揺さぶりをオーバースロー以上に使えるという点だ。人間の目は左右の動きには強いのだが、縦の動きにはもろさを持っている。そのためにスライダーやカーブといった横の変化に強いバッターは多いのに対し、下に変化していくフォークボールを得意とするバッターはほとんどいない。だが地球上には重力がある。「物は必ず下に落ちてくる」という先入観が働いているため、落ちていくボールに対しては何とか対応することはできる。だが牧田投手のボールはその真逆なのだ。重力に逆らうようにして真下から上に登って来るようにして飛んでくる。

人間の目は縦の動きに弱い。さらに下から上への動きに対しては、上から下への動き以上に弱い。それは、渡辺俊介投手が長年に渡り活躍を続けている点でもよく分かることだ。並みのアンダースロー投手以上に練習をしたアンダースロー投手は、エース級投手以上の活躍を魅せてくれる。牧田投手もこのまま行けば、渡辺俊介投手のような日本を代表するピッチャーになっていくだろう。

また、ライオンズには同じ歳の岸孝之投手という存在がある。現在はわき腹を痛めていて、復帰は早くても4月5日になるとの情報だが、同じチームに同じ歳の強力なライバルがいるということは、牧田投手には大きな刺激になるはずだ。そして岸投手にしてもやはり、牧田投手の加入で更なる飛躍が期待できるだろう。

つい先日はランナーを背負った際のクイックモーションの修正を行った。するとあっという間に物にしてしまい、渡辺監督にも「(牧田のクイックは)ウチで一番速い」とまで言わしめた。現に昨日行われた楽天戦では、銀仁朗捕手とのコンビで2つの盗塁阻止を記録している。ランナーを出したとしても簡単には二塁へ進ませないこの技術は、無駄な失点を防ぐ上で重要な役割を果たす。昨季も1点に泣いた試合が多かったライオンズにとって、牧田投手は今季、ルーキーにして非常に重要な役割を担っていくかもしれない。牧田投手の存在により、ライオンズ投手陣のレベルがさらに底上げされていく可能性が高いだろう。

2011年03月31日 23:36

大石達也投手の剛球はなぜ鳴りを潜めているのか

早稲田大学時代はうなる剛速球で打者を圧倒していた大石達也投手。しかしライオンズに入団してからはその剛球が鳴りを潜めている。オープン戦開幕直後には130km台のストレートしかマークすることができず、大学時代に記録した155kmには遠く及ばない。もちろんこの155kmはガン(スピードガン)が出やすい神宮球場で記録したものだが、しかしそれを差し引いてもやはりプロ入り後の大石投手のストレートは物足りなかった。

だが心配する必要はまったくないだろう。右も左も分からないプロ1年生で、しかもリリーフから先発にコンバートしている途中なのだ。この状況で大学時代と変わらず投げられる方がおかしい。だから大石投手は今後ももっともっと悩んだらいいと思う。そして先発の難しさを体感しながら、先輩たちに色々なアドバイスをもらいながら更なる進化をすればいいと思う。

ではなぜリリーフから先発に転向しただけでここまでピッチングのバランスが崩れてしまうのだろうか?まず考えられるのは、ペース配分だ。リリーフであれば長くても2イニングしか出番はなく、2イニングであれば最初から最後まで全力投球することができる。だが先発となるとそうは行かない。抜くところではしっかり抜かないと、9イニングを投げ切ることは難しい。そしてこのことが大石投手を悩ませているのだろう。

大学時代とプロ入り後の大石投手のピッチングモーションを見比べると、色々な箇所が違ってきている。中でも一番大きな違いは、テイクバックと腕の振りだ。

まずテイクバックだが、大学時代はグラブ手から離れた右手が背中側にテイクバックされた際、テイクバックの一番深いところでのストップモーションがほとんどない。つまりテイクバックで生み出したエネルギーのすべてを放出するかのように、テイクバックからアクセラレーション(振る腕を加速させる動作)への移行が一気に進められているように見える。だがプロ入り後の同じ箇所を見ると、テイクバックの一番深いところでほんの僅かだがストップモーションが見受けられる。専門用語ばかりになって分かりにくいかもしれないが、このストップモーションはサイレントピリオドとは異なる。分かりやすく説明をすれば、エネルギーをセーブするために、テイクバック時にストップモーションをかけることでエネルギーを相殺してしまってるのだ。

恐らくこれは意識して行っていることではないと思う。先発として力加減をするという意識が働くことで、無意識にストップモーションを引き起こしてしまっているのだろう。そしてこのストップモーションが、腕の振りにも影響を及ぼしている。

テイクバックで一連のモーションの中に微妙な誤差が生じてしまうために、プロ入り後の大石投手の腕の振りは、ほんの僅かだが遠回りしてしまっている。本当に数ミリという単位の僅かな違いなのだが、大学時代に比べると腕の位置がやや下がり、振りが安定せずに遠回りしてしまっている。これらの誤差が、球威を弱めてしまっているのだろう。

だがこれらの誤差も、先発としての調整に慣れてくれば自然と直ってくるはずだ。投げ方自体は良いし、無理をして投げているとも思えない。しいて言えば、下半身の使い方が先発投手としてはまだまだ足りないとは思う。初めて迎えるプロのキャンプ、オープン戦ということからの疲労も溜まっているのだろう。大学時代は左股関節で上半身を力強く引っ張れていたのだが、今はその力強さが少し足りないようにも見える。そしてこれに関してもやはり鍵は慣れだと言えるだろう。

先発に慣れ、プロの水に慣れ、2軍の実力になれ、1軍のレベルに慣れていけば、すぐにでも素質を開花させられるはずだ。まだ開幕1軍、ローテーション入りの可能性は残されてはいるが、無理をさせる必要はないだろう。ベストな状態でないのなら、4月いっぱいはファームでしっかりと調整をすればいいと思う。そして連戦が厳しくなるであろう5月以降に1軍に上がって来てくれればルーキーとしては十分ではないだろうか。

大石投手への期待は膨らむばかりではあるが、しかしまだルーキーだ。他の同世代選手が活躍していようと、焦る必要はない。重要なのは大石投手自身が納得の行くボールを投げられるようになってから、1軍で投げるということだ。3月2日の巨人戦では高めのボール球ではあったが149kmを計測する場面もあった。本領を発揮する日は、恐らくそう遠くはないだろう。

2011年03月31日 01:57

外国人選手4人の穴埋めの鍵は野上亮磨投手

今季のライオンズは間違いなく優勝候補の一角だった。しかしここに来て大きな気がかりがある。それは多くのファンも心配している外国人選手の問題だ。現在ライオンズには主に5人の外国人選手が在籍している。ミンチェ投手グラマン投手シコースキー投手フェルナンデス選手ブラウン選手だ。しかしミンチェ投手を除く4人の選手たちが現在母国へと帰国してしまっている。その理由は言うまでもないが放射能を懸念してのことだ。

西武球団としては、彼らの帰国は原則認めていなかった。だが外国人選手たちにその主張は理解されず、彼らは帰国する旨を報告すると、翌日には機上の人となっていた。球団が認めていないにも関わらず帰国してしまったという点は、我々から見れば集団行動にあるまじき行為のようにも映る。しかし日本人と外国人とではその感覚が大きく異なるのだ。つまり帰国してしまった彼らを簡単に責めるわけにはいかないというわけだ。

母国の家族も心配しているはずだ。他球団では、母国にいる家族を安心させるためにも、一時帰国を認めている場合もある。ライオンズも4選手が帰国してしまった後、ミンチェ投手の2~3日の帰国を認めている。だがこれらの場合、またすぐに再来日することを前提に帰国が許可されている。一方ライオンズの場合は、4選手が果たして開幕までに再来日するのかは未だ不透明だ。

一部報道では、開幕までには再来日すると書かれていたり、最後は球団も帰国を認めたと書かれていた。この辺りの真実に関しては筆者には分からないが、恐らく球団からの許可が出ない状態で帰国してしまったと推測される。なぜなら欧米人の特徴として、自らの意思や信念を貫こうとする意識が強いからだ。「家族が心配しているから今は母国に戻りたい」と言えば、それは宣言であって許可を求めているわけではない。通訳を挟んだ会話に誤解や行き違いもあったかもしれない。筆者は欧米人と仕事をする機会も多いため、恐らくこのような流れでの帰国だったのではと考えている。

アメリカ人はスリーマイルアイランドでのメルトダウンを経験しているため、同年代の日本人と比べれば放射能への意識ははるかに高い。しかもフェイズ5だったスリーマイルに対し、今回の福島は現時点でフェイズ5で、今にもフェイズ6に近づこうとしている。そしてスリーマイルは一週間ほどで収束に向かったと聞くが、福島は三週間が経とうとしているが状況はまるで好転してこない。このような状況を見れば、母国に戻りたい気持ちはよく分かる。しかも外国人選手からすれば、日本では母国語で詳しいニュースを手に入れられる機会が少ない。言葉の面から言っても、やはり不安は大きいと思う。

現在は4選手が再来日しなかった時のことを想定し、2番の栗山巧選手を5番に据え、9番を予定していた秋山翔吾選手を2番に据える臨時オーダーを試してる。打線に関して言えば、大きな穴と言えばフェルナンデス選手のポジションだけだ。フェルナンデス選手は元々、昨季怪我をした中村剛也選手の代役としてライオンズに復帰した選手だ。ということは、大きく見れば中村選手が健在であれば何とかなる、とも考えられなくもない。

しかしシコースキー投手とグラマン投手の穴埋めには苦労するだろう。まずシコースキー投手は昨季、不動の守護神を務めた。そしてグラマン投手に関しても、土肥投手が抜けた今季は貴重のサウスポーだ。グラマン投手の穴は菊池雄星投手武隈祥太投手で何とか埋めて行ける可能性は高い。だがシコースキー投手の穴はそう簡単には埋まらないだろう。今季からは日本人選手扱いになるため、渡辺監督もシコースキー投手には大きな期待を寄せていたはずだ。

だが開いた穴を憂いてばかりもいられない。そこで筆者が思い浮かんだ名前は、野上亮磨投手だった。野上投手は、先発ではペース配分を考え過ぎて安定した結果を出せずにいる。しかりリリーフとなると最初から飛ばしていけるため、非常に良いピッチングを披露してくれる。ボールにも切れがあり、変化球も打者の手元で鋭く曲がる。ブログを立ち上げて以来野上投手の可能性には何度か触れてきたが、今季に関して言えば、筆者は野上投手にシコースキー投手の代役を期待したいと考えている。

先発を目指している野上投手にとっては不本意かもしれないが、しかし先発から抑えに転向して天職を得た豊田清投手の例もある。野上投手が息の長い投手になるためにも、抑えというポジションを経験しておくことは大きな財産となるはずだ。もちろん適正テスト登板で結果を残すことが条件にはなるが、しかし野上投手のリリーフの得意さを見る限りでは、筆者は可能性は決して小さくはないと確信している。そして野上投手がその適正をフルに発揮してくれれば、大きく開いた外国人選手たちの不在の穴は限りなく小さくなるはずだ。

2011年03月30日 00:11

西武は開幕ローテ6人に当確、個性豊かな先発陣

ライオンズの開幕ローテーション投手6人がほぼ確定した。まだ100%の決定とは言えないが、しかし現段階では当確と言って問題はないだろう。その6人はエース涌井秀章投手を筆頭に、岸孝之投手帆足和幸投手石井一久投手牧田和久投手平野将光投手だ。4月12日から開幕する今季は、まずはこの6人でローテーションを回していくことになる。だが開幕が大幅に延期されたことで、間違いなく増えてくるのが長期連戦だ。そうなると当然先発投手は6人だけでは回らない。最低でもあと1~2人は必要になってくるだろう。

西口文也投手野上亮磨投手、さらには大石達也投手ミンチェ投手は開幕ローテからは漏れてしまったが、しかし彼らは間違いなくローテーションの谷間を埋めるべく、早い段階で先発を任されるようになるはずだ。特にベテラン西口投手とミンチェ投手にかかる期待は大きいだろう。6人の開幕ローテの誰かが脱落しても、やはり後述の4投手がバックアップ要員として重用されるはずだ。

さて、クローサー候補だった外国人投手たちが帰国してしまったことで、一部報道では大石投手に臨時クローサーを任せると書かれていた。しかしそれは恐らくないだろう。プロで5年も6年もやっている投手なら話は別だが、右も左も分からないルーキーを突然先発からクローサーに配置転換することは考えにくい。開幕ローテから漏れたとあれば、大石投手はまずはファームで先発経験を積ませることになるだろう。

話を先発に戻すが、6人の中でやはり面白いのは牧田投手の存在だ。本格派の多かったライオンズ投手陣にあって、久しぶりに登場した技巧派投手。もし筆者がライオンズの投手コーチだったなら、まず表ローテを涌井・牧田・帆足で組み、裏ローテを岸・石井・平野の順番で組みたい。その理由は、相手打者の目を慣れさせないためだ。

まず本格派の涌井投手が投げた翌日に牧田投手に投げさせることで、牧田投手の遅いボールをさらに遅く見せる。そして次の日は非常に個性の強い左腕帆足投手。まるでキャラクターの違う3人が並ぶことで、打者の目をかなりかく乱させられるはずだ。もちろん左の帆足投手を2戦目に持ってきても効果は高いだろう。そして裏ローテも右左右と続けることで、打者の視線を存分に動かし、目を慣れさせないようにしたい。

選手にとって、この左右の差は非常に大きい。例えば投手目線からすると、右打者が数人続いたり、左打者が数人続くよりも、左右交互にされた方がはるかに投げにくい。その理由は、目が慣れてくれないからだ。例えばずっと右打者が続くと、ストライクゾーンに対する視界・視線が固定されるため、視覚がどんどん慣れていく。視覚が慣れていくと当然コントロールも安定するようになり、テンポも良くなっていく。反対に左右交互に打席に立たれてしまうと視覚が慣れないために、微妙なコントロールを付けられなくなってしまう。するとそこからリズムが悪くなってしまうこともあるのだ。

打者に関しても同じことが言える。3連戦のすべてで右投手と対戦するよりも、右左右とされた方がずっとやりにくい。さらに絞り、左打者の場合。左投手が3試合連続で来てくれれば3試合目には左対左の不利はほとんど感じられなくなるだろう。しかし左右左と来られたら、そうはいかない。

こうして考えて行くと、今季のライオンズの先発陣は、黄金時代に少し似ている気がする。右の本格派がいて、左の技巧派がいて、アンダースローがいて、制球勝負の投手がいて。もちろん黄金時代と比べるとまだまだ迫力不足という面もあるが、しかしこのレパートリーの豊富さは、黄金時代の投手陣を思い出させてくれる。

黄金ルーキーである大石投手や、菊池雄星投手も今季は少なからず先発争いに加わってくるだろう。そうすればさらに面白いことになるはずだ。開幕まではまだ2週間余りあるが、渡辺久信監督は果たして、どのような戦略を持って今シーズンに挑んで行くのだろうか。監督として今季は四季目を迎える。真価が問われるシーズンになるだろう。その今季、投手出身監督がどのような投手起用を見せてくれるか、筆者は今からとても楽しみにしている。

2011年03月28日 22:50

プロ野球界が果たすべき復興支援のカタチ

セ・パ両リーグの開幕日が4月12日に揃うことになった。これはセ・リーグが世論に圧され、こうするしかなくなったというのが実情だろう。セ・リーグの本音は、やはり3月25日に開幕をさせたかったというのが今なお変わりないはずだ。単純に考えれば、パ・リーグの4つに対し、セ・リーグにはドーム球場が2つしかない。雨天中止の可能性がそれだけ高いセ・リーグとしては、経営サイドから見れば開幕を遅らせたくはなかったのだろう。だが今は日本という国の一大事だ。プロ野球の日程を消化すること以上に重大な問題が目の前に山積されている。

今年ばかりはプロ野球は144試合にこだわらなくても良いのではないだろうか。数年前のように今年だけ130試合に戻すことはできないのだろうか。開幕を4月12日にまで遅らせて144試合をこなそうとすれば、最悪の場合20連戦という過酷な日程も出てくる可能性が高い。海を越えたメジャーリーグではそれも普通のことかも知れないが、日本では違う。日本は9連戦、10連戦でも過酷だと言われることが多い。

日程が過密になる場合の問題点といえば、やはりそれは選手起用だ。ライオンズも渡辺久信監督がしっかりリスクマネージメントを行わなければ、それは選手の酷使に直結してしまう。そして選手と疲労の関係は単純で、疲れが溜まれば溜まるほどスランプになる危険性も高まる。つまり今季は、連戦になれば選手を酷使せざるを得ない選手層の薄いチームは、同時に大人数がスランプに陥ってしまうことも予想される。特に主力野手と、リリーバーはその傾向がより強くなるだろう。

ライオンズで言えば昨季は栗山巧選手が全試合出場を果たした。だが今季はその記録を途切れさせてでもオフを与えて行く必要がある。要はどっちを選ぶかということだ。長期スランプを覚悟してでも全試合に出すか、20連戦の3試合に休ませてコンディショニングに努めさせるか。選手層の薄いチームであれば前者を取るしかないが、しかしライオンズの場合は控えの選手にもレギュラー経験者が多い。そういう意味では安心してレギュラーを休ませることができるのではないだろうか。

過度の疲労はスランプを招くばかりではない。故障にもつながりやすい。もし疲労が原因で大きな怪我をしてしまえば、それこそ連戦中の3試合だけの欠場では済まなくなる。監督としては選手の遣り繰りにはかなり神経を使うシーズンになることは間違いないだろう。

セ・リーグは「野球で勇気を与えたい」と言う。もちろんその気持ちはウソではないと筆者は信じている。だが今、被災地ではテレビすら見られない状態が続いている。そして避難生活にも出口が見えない状況だ。本来ならば試合数を減らしてでも4月中の試合開催は避けるべきなのかもしれない。そして試合のなくなった4月は、選手たちは逞しい身体を使って物資の積み下ろしを手伝ったり、被災地に訪問して現状をその目で見るべきだと筆者は考える。なぜなら、テレビや新聞で報道されていない被災地の現状は、我々が想像できないほどの過酷さを極めているからだ。もしその現状を知れば、セ・リーグの経営者たちもエゴを保つことに恥ずかしさを感じられたはずだ。

先日、女性が栃木から福島に行くのにタクシーに乗車拒否されたということが報道されていた。しかし現状はこんな話では済まない。例えば東京都内から茨城にタクシーで向かおうとすれば、30万円を積んでも乗車拒否されるのが今この瞬間の現実なのだ。報道されていないだけで、実際にはそういうことが各地で起こっているのだ。

読売新聞は今、世界で一番発行部数の多い新聞だ。そのような母体を持つ巨人軍のオーナーが、率先してエゴを貫こうとしているプロ野球界。筆者はパ・リーグが素晴らしいと言うつもりはまったくない。なぜなら、結局はパ・リーグもセ・リーグを説き伏せることをしなかったからだ。いや、しようとしたのかもしれないが、結局はセ・リーグに我を貫かれてしまった。NPBの代表者たちが文部科学省に報告をしに行った際、大臣に言われて初めて開幕の本格的な延期を検討したほどだった。

スポーツ界で言えば、Jリーグの選手の何人かは自ら物資の積み込みを手伝っている。卓球の福原愛選手も自ら物資を調達し、自らそれをトラックに積み込み、そして一箱一箱にメッセージを書きしたためていた。そしてアーティストの石井竜也さんは実家が北茨城ということもあり、自ら被災地に入ろうとした。先ほどのタクシーの話は、石井竜也さんの実話だ。石井竜也さんは昨日大阪で復興支援ライヴを行い、被災地の現状をオーディエンスに訴えかけた。そして今後も名古屋、広島、九州を回り、短くとも今後一年間はこの復興支援ライヴを続けると言う。

今日現在どうなっているかは分からないが、楽天の小坂誠コーチは被災後、避難所生活を送っていた。そして選手の中にも、両親と連絡がつかない選手が実際にいる。プロ野球界のお偉方はそういう現実をどう考えてるのだろうか。東京23区内に住んでいれば、これまでは計画停電さえ味わったことはなかったかもしれない。今後は23区の停電も検討されるようだが、もしお偉方が実際に被災をするという経験をすれば、この震災を他人事だとは考えないはずだ。

誰の言葉かは忘れてしまったが、会社の上は「人」を残せる会社だと言う。そして「仕事」を残せる会社は中と言い、「お金」しか残せない会社を下だとと言う。NPBは果たして上中下のどれに当てはまるだろうか。

筆者も若い頃、家や思い出をすべて失うという経験をしている。そのため被災者の気持ちは痛いほどに分かる。雪の降る中家を持たない辛さ、物もろくに食べられない辛さ、着替えることさえできない辛さ。その辛さを多少なりとも知っているからこそ、筆者には被災者に対し簡単に「がんばれ」という言葉を使うことができない。だが、がんばって欲しい。今は本当に辛いと思うが、しかし諦めなければ必ずもう一度立ち上がることができる。そしてプロ野球界には、全力でその手助けをしてあげて欲しいと願っている。

被災者には「がんばれ」と言うのではなく、「がんばろう」と言ってあげて欲しい。「一緒にがんばろう」と声を大にして言ってあげて欲しい。プロ野球はセ・パが誕生して以来、ファンに支えられて60年以上が経つ。その恩返しを、今こそすべき時だ。「選手を被災地に連れて行って怪我でもされたらどうする」と言う人もいるかもしれない。だが筆者は「それくらい何だ」と言い返すだろう。今被災地では、報道されていること以上のことが起こっているのだ。報道されていることだけがすべてではない。そのことを、世界一の新聞社の人間が理解していないことが何よりも筆者は寂しく感じられてならないのだ。

2011年03月28日 00:20

パ・リーグは巨人オーナーの言葉に屈してはいけない

3月24日、筆者が仕事場で春の選抜中継を観ていると、テレビ画面にニュース速報が流された。その内容は、セ・リーグも開幕を4月12日にまで延期するというものだった。このニュースを見て、筆者は多少胸をなでおろすことができた。しかし本来ならば、国民や政府から反論される前にセ・リーグはこうすべきだった。だが、とにもかくにもこれで12球団の足並みが揃ったわけだ。紆余曲折はあったものの、落ち着くところに落ち着いたと思う。

東北関東大震災の影響により、一時は開幕も危ぶまれたプロ野球ではあったが、4月12日に12球団が一斉に開幕できることになった。もちろん未だ残される課題は多い。少なくとも4月中は東京電力(西武ドーム、QVC、横浜、神宮、東京ドーム)、東北電力(Kスタ)の管轄内でナイトゲームを行うことはできない。そのため各球団が開催球場の確保に苦労している。埼玉西武ライオンズも同様で、本来4月12日は西武ドームでの地元開幕が予定されていたが、快晴以外の場合、西武ドームでは照明なしで試合を行うことが困難で、札幌ドームに場所を移して行うことが発表された。ファンとしては開幕の延期という事情とは言え、4月12日は西武ドームで開幕戦が観られると思っていたので多少の残念さはある。しかし震災がなかった場合は札幌ドームでの開幕が本来の予定だったため、この変更には心情的にも十分納得ができる。

それにしても読売ジャイアンツの滝鼻卓雄オーナーの発言には、筆者は強い嫌悪感を覚えてしまった。負けを認めるのがそんなに嫌なのだろうか、パ・リーグへの脅しとも受け取れるものだ。「パ・リーグが先行して色んなことを決められているようですけど、そうはいかない。交流戦の日程だってどうなるかわからないでしょ。最後は日本シリーズで締めくくりたいね。同じ野球人として。パ・リーグは4月12日開幕ですか。それで交流戦ができるのかどうかね。交流戦はもういらないと言うなら、そのあたりの考えはあるんだろうから、週末のオーナー会議で聞いてみようと思う」。

あまりにもパ・リーグや野球ファンを愚弄し過ぎている。ジャイアンツの選手、ファンの心情を察しても余りある。そして「同じ野球人として」という言葉にも納得がいかない。申し訳ないが、今必死の思いで頑張っているパ・リーグ、そして選手たちと滝鼻オーナーを一緒にして欲しくはない。阪神の新井選手会長や選手、パ・リーグの球団スタッフたちと滝鼻オーナーのどこが同じだと言えるのか。

いや、しかし西武ブログで巨人のオーナーの話など長くすべきではない。ここは気を取り直して埼玉西武ライオンズの話で締めくくることにしよう。西武ドームの使用が難しい現状、ライオンズは大宮でのホーム開催を視野に入れているようだ。大宮であれば昼間ならばもちろん照明は必要はない。日程などまだまだ必要な調整は多いかもしれないが、電力が少し落ち着くまでは何とか大宮などで日程を上手く消化して入って欲しいと思う。西武グループとしては西武線沿線以外でのホーム開催は、経営的には大きなマイナスかもしれない。しかし今はそんなことは言っていられない。過去、インサイダーや裏金などの社会的罪を犯してきたひとつの償いとしても、西武球団には球界を牽引して行けるだけの企業努力を期待したいと筆者は思っている。

この有事に果敢に挑んで行けば、ライオンズを見直すファンも増えるだろう。そうすればパ・リーグから言わずとも、セ・リーグの方から交流戦を願い出るということにも将来的にはなっていくかもしれない。ライオンズのみならず、パ・リーグ全体でしっかりと歩調を合わせてこの危機を乗り切ってもらいたいと思う。いつまでも巨人のオーナーの意見を伺う必要などない。パ・リーグはパ・リーグでしっかりと協力し合い、プロ野球界を力強く牽引して行って欲しい。そして子どもたちの多くがパ・リーグを目指す、そんな時代を築き上げて欲しいと筆者は願っている。

2011年03月25日 01:49

今こそパ・リーグが復興の象徴として立つべく時

ある意味では予想通りと言うべきだろうか。3月25日の開幕を強行したセ・リーグに対し、各方面から非難の声が挙がった。一部では賛同の声も聞かれたがその数は非常に少なく、プロ野球の開幕延期は国民の総意と言えるものだと言える。中には3月25日の開幕に対し一定の理解を示す政治家もいたが、それでもナイトゲームでの開催には苦言を呈していた。また、東京電力・東北電力の管轄外の地域での開催を求めた。これは当然と言える要望だろう。

3月25日に開幕するにせよ、延期して開幕するにせよ、ナイトゲームは当面は自粛すべきだ。4月から5月にかけては気温が安定し、エアコン等の利用が減るために計画停電は実施されない可能性が高いが、それでも電力が安定しているとは言えない。今後は休止していた火力発電所の再稼動なども検討されているようだが、長年休止していたものに関しては稼動させるのに3ヵ月前後を要すると言われている。だが火力発電所の再稼動が上手く行ったとしても、夏になればまたエアコンの利用が増え、電力は不足し、計画停電が実施される可能性が高い。やはりこのような状況では、ナイトゲームの開催は多方面から指摘される前にNPB自身の意思により自粛すべきだった。

もしセ・リーグの開幕延期が受け入れられなかった場合、選手会はストライキも視野に入れていると言う。もちろんストライキをすることを前提に考えているわけではないが、最悪の場合は2004年以来のプロ野球のストライクが行われるかもしれない。だがそれが実現すれば、ファンの野球離れを加速させるだけだ。

仮に3月25日に開幕するとしても、それをすべて東京電力・東北電力の管轄外、そしてデーゲームで行い、試合後には両軍のユニフォーム姿の選手たちがゲートで募金活動を行い、それを即時的に寄付していくというのなら、筆者も納得したかもしれない。NPBは今季の全試合を慈善試合とすると発表したが、収益の一部をただ無機質に寄付するだけでは、いくら素晴らしい野球をしたとしても被災者を勇気付けることはできないのではないだろうか。多くの方が述べているように、被災者は家も家財もすべて失い、野球中継を観ることもできない。だからこそただ野球をやるだけではなく、寄付金以上に心が伝わるチャリティーを実践する必要がある。例えば燃料の供給が整いつつある今、(各バス会社が所有する)球団のラッピングバスを現地で無償で走らせるということも一つのアイディアだとは思う。鉄道も壊滅的で、自家用車も数え切れないほど津波に飲まれた東北地方では、移動手段がほとんどない。だからこそただ寄付金を送るだけではなく、即実用できる支援も必要だ。そしてバスの中ではライヴ中継や、試合の録画を映したり、選手から被災者への応援メッセージを流すなどすれば、しっかりと心も伝わっていくはずだ。それにより、選手が駅前で一生懸命声を張り上げて募金活動をする姿を被災者が目に出来れば、被災された方たちには今まで以上に「ひとりではない!がんばろう!」という気持ちを持ってもらえると思う。

被災された方たちの心痛を想像すれば、やはり開幕の延期は妥当だと思う。だが筆者は、3月25日の開幕すべてにノーと言いたいわけではない。このブログのコメント欄でも頂いているように、西日本や被害のほとんどなかった東日本の地方球場でのデーゲーム開催で、その開催が被災地に対し直接的にプラスになるのであれば、筆者は3月25日開催でも、それどころか開幕を早めたって良いとも思っている。だが実際にはそうではないために、一介の野球ファンとしてセ・リーグの強硬姿勢に違和感を覚えてしまうのだ。プロ野球はオーナー企業の所有物ではなく、国民すべての所有物だということを決して忘れてはならない。

とにかく今は、菅総理の仰る通り、日本国民を挙げて復興に全力を注がなければならない。そしてその中でも国技の一つであるプロ野球は、その陣頭に立たなければならない存在だ。そのプロ野球が今回のように国民に大きく非難される行動を取っているようでは、プロ野球の繁栄は望めないだろう。また、今が時ではないだろうか。パ・リーグ6球団は、今こそセ・リーグ以上の存在感を見せつけ、民心を掴み、復興の象徴として活躍すべきだ。人気のセ、実力のパなど過去のものとし、これからは人気も実力もパという時代を迎えて欲しい。これから少しずつ、力強く立ち直っていくであろう東北地方と共に歩み、時代の子どもたちに誇れる存在になる、パ・リーグには今こそその道を力強く進んでもらいたいと筆者は切に願っている。

2011年03月19日 17:29

プロ野球開幕日、セ・パで一致団結できず

3月16日から、ライオンズの選手たちが所沢駅で東北関東大震災への募金活動を開始した。本来なら14日から開始されるはずだったが、原発問題の影響もあり16日からの開始となった。帆足選手会長を筆頭に、東北出身の岸孝之投手菊池雄星投手や、中島裕之選手片岡易之選手栗山巧選手らが次々と登場し募金活動を行った。どの球団よりも先駆けてこのような素晴らしい活動を実行に移した帆足選手会長に、まずは敬意を示したいと思う。若い選手たちは少し恥ずかしがりながらの募金活動となったが、主力選手たちは積極的に通行者たちに声をかけ、募金活動を行った。この活動は3月23日まで15~19時の間、所沢駅付近で行われるそうです。もしお近くの方や、所沢駅まで安全に移動できる西武ファン、野球ファンの方はライオンズの選手たちが持つ募金箱に募金をしに行ってみてください。

今回の大震災は地震の被害だけではなく、津波、原発問題までもが深刻な状況となってしまった。特に原発問題は未だ完全な解決への目処は立っていない。早ければ18日には福島第一原発の電源が一部回復し、原子炉の冷却装置が起動するかもしれないという期待も持たれているが、しかし決して予断の許される状況ではない。ただ、現時点で観測されている各地の放射線量は、人体に影響を与えるものではないため、落ち着いて行動する必要があると思う。東海村の事故の時のように、風評によって必要以上の大げさな警戒をしてはならないだろう。もちろん被曝への心配は募るばかりだとは思うが、ぜひ日本ハムのダルビッシュ投手を見習って欲しいと思う。現在各地で計測されている放射線量が人体に影響のないことは、テレビなどでは専門家が何度も解説している。そのような事前知識を踏まえ、ダルビッシュ投手はファンに余計な不安を抱かせぬよう、球団から支給されたマスクを着用せずに練習を行った。プロ野球選手として人前に出るという強い責任感を、ダルビッシュ投手から感じられた一場面だった。

しかし一方では、外国人選手にとっては言葉も分からない日本での今回のような被災との遭遇は、不安でたまらないのだろう。ライオンズのある外国人選手は、被曝を恐れ球団に母国への帰国を願い出ていた。16日までは認めていなかった球団も、選手たちの家族の不安を思ってか、17日には帰国を許可した。これによりシコースキー投手グラマン投手フェルナンデス選手ブラウン選手はそれぞれ母国へと一時帰国して行った。もちろんではあるが、開幕前にはまた来日予定であるという。

さて、このような状況の中昨日、プロ野球の開幕日が決定された。パ・リーグは4月12日、セ・リーグは従来の予定通り3月25日ということになった。この決定に対し、筆者は大いに不満を抱いている。一時はセ・リーグも開幕を一週間遅らせるという考えを持っていたようだが、結果的にそれは実現しなかった。電力消費量の多い東京ドームでの試合を、QVCマリンフィールド(千葉マリン)などで行い節電に努めるということらしいが、この考え方にも疑問が残る。確かに東京ドームとマリンフィールドでは、電気消費量は大きく違うのだろう。だが仮にナイトゲームで行うのであれば、照明による電気消費量は計り知れない。さらに言えば試合終了後のマリンフィールドから、海浜幕張駅までの道のりはファンによってごった返す。試合終了と計画停電とが万が一重なった場合、果たして安全は確保できるのだろうか。そして現在起こっているマリンフィールド付近での液状化現象は大丈夫なのだろうか。電車の運休による帰宅難民を出すことはないのだろうか。とにかく心配事は尽きない。

だがパ・リーグのように4月12日開幕とすれば、事情は異なるだろう。まず考えられるのは気温だ。3月25日から約3週間も過ぎれば、気温もかなり上がっているはずだ。そうすれば一般家庭や企業ではエアコンの使用量が減り、停電の心配はかなり軽減されると思われる。果たして、セ・リーグはなぜ3月25日の開幕にこだわったのだろうか。ファン、そして選手会が納得する理由を明示してくれたらと筆者は願っている。

しかし筆者が抱く最大の不満はこれではない。一番の不満は、12球団から成るNPBという組織が、なぜパ・リーグとセ・リーグとで足並みを揃えられないのか、それが一番の不満なのである。選手たちの一生懸命のプレーが被災された方たちに勇気を与えるであろうことは疑いようもない。だがそれを演出すべき12球団のフロントの足並みが揃わなければ、選手たちの士気も下がってしまうだろう。現にセ・リーグのある球団の開幕投手候補の1人は「気持ちは3月25日に向いていない」とコメントしている。果たしてこのような状態で、選手たちは被災者に勇気を与えられるプレーができるのだろうか。

セ・リーグとしては、あくまでも「3月25日を目指して調整していく」ということで、今後問題が生じれば開幕を延期させることに含みを持たせている。12球団各チームの選手、スタッフに東北出身者やアマチュア時代東北で過ごした選手は多く在籍している。セ・リーグの代表者たちは、果たして彼らの家族のことを真剣に考えているのだろうか。否定はしているが、本当にビジネスライクで考えられたわけではなかったのだろうか。そして加藤コミッショナーはこんな時だからこそリーダーシップを発揮し、12球団を一致団結させることは本当に出来なかったのだろうか。

「決まってしまったものは仕方がない」、「上に従うだけ」とセ・リーグの選手たちは口にしているが、明らかにこの決定には不満を抱いている口ぶりだ。やはりセ・リーグの選手も総意として、パ・リーグのように開幕を遅らせたかったのだろう。だがセ・リーグのことをただ非難することはできない。これがもし逆の立場だったら、パ・リーグは開幕を遅らせていただろうか。パ・リーグファンの筆者としては遅らせていたと信じたいが、その答えは誰にも分からない。

このブログを立ち上げて丸2年が経とうとするが、これまでセ・リーグの具体的な話をしたこともなければ、野球以外の話題を持ち上げたこともない。だが今回は多くの方にご愛読いただいているブログの筆者として、ダルビッシュ投手には遠く及ばないが多少の責任感を感じ、ライオンズ以外の話題にも大きく触れることにした。筆者自身おそらく誤解していることや、間違っていることもあるかもしれない。そういう場合はコメント欄にて補足いただければありがたく思いますので、よろしくお願いいたします。

そしてこの記事の最後として、今首都圏のスーパーマーケットやコンビニエンスストアでは、多くの商品が買い占められてしまっています。筆者の自宅近辺にも数件のスーパーやコンビニがありますが、米、パン、ティッシュ、トイレットペーパー、レトルト食品、水などなど、店頭にはほとんど並んでいません。そしてガソリンに関しても同様です。ですが米、水、ガソリンが今後普通の生活の中で買えなくなることはありません。米にしても供給量は需要量を大きく上回っている上に、政府にも多くの備蓄米が保管されています。ですのでどのような商品でも慌てて買い溜めする心配はまったくありません。被災地以外での一部商品の買い溜めは、その地域の、遠くまで買い物には行けないお年寄りに大きな不便を与えかねません。ですのでくれぐれも冷静な行動を、筆者からも読者皆様にお願いいたします。

これだけ供給量が安定しているのに、なぜそれが被災地に届かないのか?その原因の一つにガソリン不足が挙げられます。西日本から物資を被災地に送るにも、首都圏で給油できない可能性が高いためになかなかトラックを出せないでいるのです。ですので急を要する場合を除いては、今はできるだけ給油は控えるようにしてください。そうしないとトラックだけではなく、救急車や消防車も走れなくなってしまう恐れがあります。ガソリンに関しても、震災後に於いても普通の生活の中で供給量が需要量を下回ることはありません。

そんな中でも朗報なのが、今夜辺りから鉄道や海路、空路から物資を輸送できる目処が立ったことです。石油に関しても石油用貨物列車で運べば、一気にタンクローリー40台分の石油を運ぶことができるそうです。寒さに凍える被災地に、少しでも早く石油やガソリンが届いてくれればと願っています。

そして蛇足になりますが、日刊埼玉西武ライオンズが紹介されておりますスポーツ雑誌『論スポ』が3月19日に発売予定です。もし機会がありましたら、ぜひお手にとっていただければ嬉しく思いますので、よろしくお願いいたします。

2011年03月18日 00:40

東北関東大震災の受け、パ開幕延期の可能性

3月11日に発生した東北関東大震災。その爪痕は被災者たちの目に凄惨な光景として強く焼きついた。筆者の住む町でも輪番停電(計画停電)が行われたり、スーパーマーケットも震災後は1日数時間しか開くことがなく、食料を買い求める利用者たちであふれかえっている。スーパーマーケットにもコンビニエンスストアにも、米やパン、弁当類はほとんど並んでいない。直接的な被災地ではない場所でも、これほどの混乱を巻き起こしている。そしてその混乱は、プロ野球を含めたスポーツ界にも影響し出している。

15日、セ・パ両リーグはそれぞれ会議を行い、開幕の日程をどうするかということを話し合った。パ・リーグは開幕を遅らせることで意見が一致したが、セ・リーグは日程の変更は行わないということになった。その後行われた12球団による会議で、セ・パ両リーグの意見の折衷が図られたが結論は出ず、結局継続審議されるという形になった。パ・リーグでは楽天のKスタ宮城が震災の影響で建物の構造に支障が生じ、千葉ロッテのQVCマリンフィールド(千葉マリンスタジアム)は球場周辺に液状化現象が起こっている。

西武ドーム、札幌ドーム、京セラドーム、福岡ドームに関しては物理上の支障は発生していないようだが、埼玉西武ライオンズは西武ドームで行われるオープン戦全試合の中止を決定した。その理由は電力不足時の今、ドーム内の照明で電力の大きな消費を避けるためだ。先日西武ドームで行われた紅白戦も、昼間に照明なしで行われている。だが8回までを予定していたその試合も、埼玉県内の放射線物質の異常観測により、5回で打ち切られてしまった。
(※観測された放射線物質は、人体に影響を与えるレベルではない)

14日、ライオンズの選手たちがユニフォーム姿で所沢駅で募金活動を行う予定もあったが、これも輪番停電による影響で鉄道が止まってしまうという事態に至り、ファンの安全を考えて中止となってしまった。現在は選手や球団関係者を中心に物資を募っており、衣料や水、食料を被災地に送ることにしているようだ。衣料などはもうずいぶん集まっているという。これらの活動は帆足和幸選手会長を中心に行われており、今後も球団を挙げて被災地へのサポートを行っていく意向とのことだ。

パ・リーグは開幕の日程を遅らせるという強い意向を持っているが、セ・リーグの意向は問わず、開幕日程は遅らせるべきだと筆者は考える。今回大きく被災した東北地方は、パ・リーグの楽天イーグルスのフランチャイズだ。国民の公共物であるプロ野球という概念を踏まえれば、東北の方々の辛い現状を無視して娯楽であるプロ野球を東北で開催するのは、少し違うと思う。「野球で勇気を与えたい」という考え方もあるかもしれない。しかし遠く離れたアメリカで東北への募金活動を行った松坂大輔投手の言う通り、もはや野球で勇気を与えるなどと軽々しく言えるレベルの話ではない。

とにかく今は、日本を挙げて東北を支援すべき時だ。例えばプロ野球で言えば、数千万円以上の年俸をもらっている選手有志たちから、ほんの1~2%ずつ年俸から募金に当てることができれば、それだけでもかなりの額を東北に対し送ることができるだろう。国民の応援なくして成り立たないプロ野球なのだから、そのようなアイディアが出てきても良いのではないだろうか。そして我々ファンも、自宅で眠る衣類やストーブ、余っている毛布や布団などを被災地に送ってあげる必要がある。押入れの奥から探し出すことを面倒臭がらず、ぜひ被災者たちに物資を送ってあげて欲しい。もちろん筆者もそうするつもりでいる。

東北の盛り上がりなくしてパ・リーグは盛り上がらない。ライオンズにも岸孝之投手平野将光投手菊池雄星投手藤田太陽投手、橋本武広コーチと、東北出身者や東北にゆかりのある選手が多い。彼らを応援するという意味でも、ファンも東北の支援に力を入れて行きたいところだ。現地に行ってボランティア活動をするもよし、物資を送るもよし、募金活動に協力するもよし。募金ひとつとっても、例えば西武ファン1,000人が100円ずつ募金しただけで10万円になる。それが10,000万人になれば100万円になり、パ・リーグ6球団になれば600万円になる。とにかく大切なことは、1人1人がまずできることから始めることだと思う。

今回の地震で被災され、避難所生活を送る皆さんには、謹んでお見舞いを申し上げます。そして危険を顧みず作業を続ける東京電力福島原発の職員の皆さんにも、心から感謝を申し上げます。まだまだ大変な時期は続くとは思います。しかし東北は必ず立ち上がります!それを信じて、本当に大変だとは思いますが、もう少しがんばってください!今、日本中が東北に手を差し伸べようとしています!

補足1:個人で支援物資を被災地に送りたい場合は、必ず自治体等を経由してください。
補足2:衣類を送りたい場合、下着類は新品。上着やズボンは新品、またはクリーニング済みのものに限定してください。

2011年03月16日 00:03

#70 河田雄祐

#70 河田雄祐 - Yusuke Kawada

1軍外野守備・走塁コーチ
右投左打/外野手
1985年ドラフト3位
帝京高校~広島カープ~埼玉西武ライオンズ
東京都練馬区出身、1967年12月22日生、175cm/75kg

あと1点を取れるか否かは河田コーチの手腕次第

河田雄祐選手が広島カープから西武ライオンズに移籍してきたのは1996年、東尾修監督就任2年目のシーズンだった。同年、中日ドラゴンズからは清水雅治選手が西武入りしており、河田・清水コンビは東尾野球のスローガン、Hit! Foot! Get! の申し子とも呼べる存在となっていった。俊足巧打攻守といういずれも堅実なプレーは、投手出身監督である東尾監督を喜ばせ、97年・98年のリーグ連覇に大きく貢献した。

脚のスペシャリスト、守備のスペシャリストと呼ばれた河田選手は、打力にこそ脆さを持ったが、勝負どころで決めるバントや四球、並みの外野手では追いつけない打球にも追いつくことで、チームからの信頼を高めていき、東尾野球には欠かせない存在となっていった。今でこそスモールボール(スモールベースボール)という言葉が一般受けされるようになったが、近年最も早くスモールボールを導入していたのは、河田選手を要した東尾修監督だった。

当時脚が速かったのは河田・清水コンビだけではなく、1~3番を打った松井・大友・高木大成トリオ、さらに9番小関達也選手を加えた俊足カルテットは他球団を脅かす存在となり、そこにさらに脚のスペシャリストである河田選手や清水選手が控えていたのだ。ボテボテの完全に打ち取った当たりが内野安打になってしまう俊足打者は、投手にとってはストレスでしかない。俊足選手の重用はまさに東尾監督が目指した、最も相手投手の嫌がる野球だった。

そんな河田選手も2001年に東尾監督が退任すると、翌2002年限りで現役生活にピリオドを打った。決してスタープレイヤーではなかったが、一芸に秀ることで17年という長い間プロ野球選手であり続けた選手だった。

今季2011年、河田コーチは昨年に引き続き1軍の外野守備・走塁コーチを担当している。昨年からは三塁コーチも担当するようになったが、恐らく今季も引き続き三塁コーチを担い、一塁コーチには2軍からの異動となった鈴木康友コーチが就くのだろう。その河田コーチだが、鈴木コーチに劣らぬほどノックにこだわりとプライドを持っている。現役時代は脚のスペシャリストとして通したが、今はノックのスペシャリストになろうとしている。

河田コーチは現役時代は右投左打だった。だが引退後、スイッチヒッターに転向したのだ。どういうことかと言うと、内野ノックを左で打ってしまうと、試合ではなかなかありえない回転のゴロが転がってしまう。そのため右打ちを練習し、内野ノックに関しては右で打っているというわけだ。そして外野ノックとキャッチャーフライは左で打っている。つまり河田コーチは、球界でもかなり珍しいスイッチノッカーというわけだ。現役時代からのスイッチヒッターが、左右両方でノックを打つのならよくある話だ。しかし引退後に右を練習してスイッチになったというコーチは、他にはほとんど存在しないのではないだろうか。

ノックにそこまでのこだわりを見せている河田コーチだからこそ、外野守備陣の守備力アップには大きな期待が寄せられている。今季は秋山翔吾選手の加入があったものの、外野でレギュラーとして固定されているのは栗山巧選手だけだ。河田コーチには今季、この手薄な外野守備陣の底上げを期待したいと思う。そして栗山選手以外にもゴールデングラブ選手を輩出してもらいたい。

そして三塁コーチとなった2年目の今季は、昨季以上に大胆かつ緻密な走塁を演出してもらいたい。三塁コーチは非常に大変なポジションだ。まず監督のサインを選手たちに伝える重要な役割があり、さらにランナーが2人いれば右腕で先行ランナー、左腕で後続ランナーをコントロールしなければならない。一瞬の決断力と頭の回転の速さがなければ決して務まらないポジションだ。河田コーチにはぜひ今後三塁コーチとして経験を積み、伝説の三塁コーチ、体にライオンズブルーの血が流れる伊原春樹コーチを凌ぐ三塁コーチになっていって欲しいと筆者は願っている。

 打撃成績 Batting Results


























 広島東洋カーブ
1990 17 1 1 1 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 .000
1991 9 1 1 2 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 .000
1992 37 20 17 6 3 0 0 0 3 0 6 0 1 0 2 0 4 0 .176
1993 25 24 21 4 6 0 1 0 8 3 1 0 3 0 0 0 5 0 .286
1994 78 106 91 21 24 6 0 2 36 11 5 3 2 0 13 0 21 2 .264
1995 71 126 110 16 18 2 1 2 28 10 5 0 0 0 15 1 35 0 .164
 西武ライオンズ
1996 72 111 99 15 24 4 0 1 31 11 8 3 8 0 4 0 17 1 .242
1997 69 93 79 16 16 3 1 0 21 4 13 2 3 1 10 0 19 0 .203
1998 77 86 65 14 16 2 1 0 20 3 8 4 8 1 12 0 12 0 .246
1999 50 55 44 14 12 0 2 0 16 2 3 1 0 0 11 0 11 0 .273
2000 31 53 41 12 11 0 2 1 18 6 1 1 6 0 6 0 13 0 .268
2001 32 45 36 2 6 0 0 0 6 0 1 0 1 0 7 1 5 2 .167
2002 6 9 9 1 1 1 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 3 0 .111
通算 574 730 614 124 137 18 8 6 189 50 53 15 32 2 80 2 145 5 .223

2011年03月09日 22:24

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