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【BT】大石達也投手のストレートはホップするのか?

渡辺久信監督のクジ運により埼玉西武ライオンズ入りが決定した早稲田大学の大石達也投手。彼のストレートは本当に素晴らしい。2008年のパ・リーグプレーオフを観戦していたあるパ球団のスカウトは「今この舞台に大石を立たせても、短いイニングなら十分通用するだろう」と感嘆していたほどだ。まだまだ伸び白のある大石投手は、まさに将来有望のエース候補と言えるだろう。そして大石投手のストレートは、我々ファンに夢を与えてくれるだけの力をも持っている。

日本ハムのダルビッシュ投手や、阪神の藤川投手のストレートは時に「ホップしている」と評されることがある。だが物理的には彼らのストレートがホップしている事実はない。これはあくまでもホップしているように見えるだけだ。しかし打者がホップしているように見えるストレートを投げられるダルビッシュ投手や藤川投手は、本当にずば抜けた能力を努力により手にした投手だと思う。そしてその中に加わる可能性がある投手こそ、大石達也だと筆者は確信している。

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2010年12月31日 23:09

涌井秀章投手と前田康介本部長の溝は埋まるのか

渡辺久信監督は「とことんやれ」と背中を押し、親友であるダルビッシュ投手も同情を示す涌井秀章投手の契約問題は、涌井投手自身初の越年ということになってしまった。チームの核であるエースとして、やはり契約事は年内に済ませ、スッキリとした気持ちで新たなシーズンを迎えたかったはずだ。だが涌井投手と前田康介球団本部長との間に出来た溝は埋まることなく、越年することが決まってしまった。

涌井投手が最も強調したのは「後半頑張らなかった」という前田球団本部長の言葉だった。確かに終盤の涌井投手は大事な局面で勝ち星を増やすことが出来なかった。それでも14勝8敗と1人で貯金を6個も作っている。涌井投手自身は年俸の高額アップを望んでいるわけではない。あくまでも5年連続で2ケタ勝利を挙げたその実績を認めて欲しいと言っているだけなのだ。にも関わらず前田球団本部長は「後半頑張らなかった」という言葉だけではなく、「本来なら年俸はダウン」という言葉まで付け加えている。いくら2億円をもらっているエースが相手とはいえ、ここまで言う必要は果たしてあるのだろうか?

投手出身の前田球団本部長は、果たして本当に涌井投手が頑張っていなかったと考えているのだろうか。もしそうだとすれば、あまりにも選手の心情を理解していないと言える。元プロ野球選手である前田球団本部長であれば、選手の気持ちはよく理解できるはずだ。選手が活躍できなければ戦力外通告を言い渡す責任者の1人が前田球団本部長のはずだ。選手を解雇する立場の人間は解雇されないのだろうか?気になる点ではあるが、西武球団の取締役である前田康介球団本部長が解雇される可能性は、ほとんどないのだろう。これがGM的役割を担う西武球団の球団本部長という立場と、本来のGMの最大の相違点だ。本来のGMは、結果が出なければ1年で解任されることも珍しくはない。だが取締役という立場で球団に属している場合、成績不振だけで簡単に解雇されることはない。

選手が成績を残せずに解雇されるのは当然だ。それがプロの世界のあるべき姿だとは思う。それならば選手の生活を左右させる戦力外通告をする立場の人間も、成績を残せなければ潔く身を引くべきだと筆者は考える。解雇まで行かずとも、降格などの処置は必要なのではないだろうか。そうしなければ仕事への高い緊張感を維持することは難しいだろう。「クビにならない」と分かっていても死に物狂いで働ける人など、そう滅多にいるものではないからだ。死に物狂いで野球に打ち込む選手を見守る立場である球団本部長にも、筆者はやはり死に物狂いの仕事を見せてもらいたいと願っている。

前田球団本部長からすれば、2億円も出しているのだからもっと勝ってもらわないと困るとでも考えているのかもしれない。だとすれば、前田球団本部長はプロ野球の世界を我々ファン以上に理解できていないのではないだろうか。プロ野球界は、20年前とはまるで違う時代を迎えている。チーム力は拮抗し、連覇を成し遂げることは至難の業となっている。しかも西武球団は他球団とは異なり、FAなどの補強に対しても消極的だ。育成に尽力するというチーム方針であるため、これに関しては筆者も賛同したいのだが、しかし14勝8敗した投手に対し「頑張らなかった」という言葉をぶつけられる意図はまるで理解できない。

14勝したという実績に対し、何か大きな労いの言葉があってもいいのではないだろうか。涌井投手自身もそれを強調している。年俸の大幅アップを求めているのではなく、14勝したという実績を認めてもらいたいと口にしている。だがこうして越年が決まったということは、涌井投手が求めた言葉は前田球団本部長の口からは出てはこなかったのだろう。

涌井投手の実績からすれば、長くともあと3~4年以内にはFAの権利を得るはずだ。その時になって涌井投手は果たして、西武球団に残りたいと思ってくれるのだろうか?それとも西武球団は高額年俸を理由に、涌井投手の移籍を引き止めることはしないのだろうか?チームにとって、確かに育成は重要なファクターとなる。育成力があるチームは選手層も厚くなり、安定感のあるチームへと成長していく。だが成長するためにはチームには核が必要不可欠だ。その核である涌井投手に対し「頑張っていない」という言葉はあまりにも相応しくない。

確かに「あの試合でワクが最後まで投げ抜いてくれていたら」と思う試合はある。しかしその試合においても涌井投手は頑張っていなかっただろうか?いや、決してそんなことはない。涌井投手は頑張っていたし、相手チームの選手だって頑張っていた。その頑張りがぶつかり合い、最後の最後で涌井投手が打たれてしまった。ただそれだけのことだ。それなのに「頑張っていない」と言える前田球団本部長の意図が筆者にはまったく理解できない。また昔の話になってしまうが、根本のオヤジなら果たしてこの状況で涌井投手に対し「後半頑張っていない」と言うだろうか?いや、決してそんなことは言わないだろう。来年に向けて頑張れるよう、もっと労いの言葉を送っていたはずだ。そして涌井投手も根本のオヤジの言葉に応え、現状維持であってもサインをしていたはずだ。

年俸を下げようと上げようと、選手を気持ちよく納得させられるGM的人材は少ない。だが毎年のように前田球団本部長が選手にこのような言葉を続けてしまっては、西武球団と選手との信頼関係を築くことはできないだろう。西武球団にも改革が必要だ。スポーツMBAなどの修士号を持つ球団運営のスペシャリストをGMとして迎え入れるべきだと筆者は考える。そしてこれはメジャーのようなGMではなく、日本球団の考え方を理解してくれるGMである必要がある。エース・主砲と球団の関係がこれ以上悪化してしまえば、来季のライオンズはそれこそ優勝争いどころではなくなってしまうだろう。涌井投手ばかりではなく、中島裕之選手にも来季気持ちよくプレーしてもらうためにも、1日でも早く円満契約を結んでもらいたいと筆者は願うばかりだ。

最後に、日刊埼玉西武ライオンズの2年目も多くの方にご愛読いただき、とても嬉しく思っています。3年目となる2011年も何とか頑張って記事を書き続けたいと思っていますので、来年もどうぞご愛読のほど、よろしくお願いいたします。今年も一年間、ありがとうございました。
今年はあと1つ、明日BT用の記事をアップして締めくくろうと思っていますので、乞うご期待くださいませ。

2010年12月30日 16:43

ライオンズの熾烈な4番打者争いの行方

来季のファンの楽しみの1つには、ライオンズの4番争いというものもある。今季は中村剛也選手の故障により、フェルナンデス選手の加入まで4番を固定することはできなかった。だが来季は中村・フェルナンデス両選手が万全の体勢で挑むことができれば、4番争いは熾烈を極めるだろう。どちらが4番の座を射止めるかは分からない。それは結果次第だと言える。だが筆者個人としては、4番フェルナンデス選手・5番中村選手が良いのではないかと考えている。

ホームランの本数だけを見れば、中村選手の方が俄然上だ。ヒット数に対する本塁打率も、中村選手の38%に対しフェルナンデス選手は15%でしかない。この数字は中村選手がヒット10本打った内、約4本がホームランになっていることを現す。この長打力と、2年連続ホームランキングに輝いた実績だけを見れば、中村選手を4番に据えるのが一番自然な流れかもしれない。だがフェルナンデス選手も15%とは言え、わずか57試合での11本塁打だ。もし開幕からプレーし続けていれば、間違いなく30本は越えていただろう。

だが面白いのは、本塁打率はダブルスコア以上の差があるというのに、長打率に関しては中村選手の.539に対し、フェルナンデス選手は.538とまったく差がないことだ。これはホームランを狙い続けた中村選手に対し、ギャップヒッティングを心掛けたフェルナンデス選手の相違点だと言える。ギャップヒッティングとは、外野手の間(ギャップ)を狙うバッティングのことで、中距離ヒッターが目指すバッティングスタイルだ。中村選手の場合はホームランになり損ねた打球が外野フライで終わってしまうのに対し、フェルナンデス選手の場合はギャップヒッティングの延長線上にホームランが存在していた。

さらに面白い点は、外国人選手であるフェルナンデス選手の方が日本人らしいコンタクトヒッティングを心がけ、日本人である中村選手の方が外国人のようなハンマースウィングを続けていたことだ。2人の打率の差はまさにここにある。フェルナンデス選手はインサイドアウトと言って、バットを必要以上に回転させないミート重視のバッティングを行っている。インサイドアウト(内から外に向けて)でバットを送り出すことで、ボールとバットのコンタクトゾーンが広がり、タイミングの外れた完全な空振りが減っていく。一方中村選手のハンマースウィングは、バットに遠心力をかけて振るため、どうしてもバットはループスウィング(ハンマー投げの選手がクルクルと回っているような状態)になってしまう。ループスウィングになってしまうと、ボールとバットの打点は一点に狭められてしまう。つまりタイミングが外れると高い確率で空振りをしてしまうことになる。

フェルナンデス選手にしろ、中村選手にしろ、パワーは溢れている選手だ。中村選手自身、フルスウィングするよりも8割程度の力で振った時の方がボールは良く飛ぶと言っている。これはつまりフルスウィングをするとバットの軌道がぶれてしまい、ミート力が下がってしまうが、8割の力で振ることでパワーにミート力が加わり、ジャストミートしやすくなるためにボールが遠くまで飛んでいっているわけだ。もし中村選手がループスウィングを改め、フェルナンデス選手のようなスウィングにシフトしていくことができれば、ホームラン数は若干減ってしまうかもしれないが、打率は間違いなく向上するはずだ。だがそれでは中村選手の魅力は半減してしまう。中村選手と言えばなんと言ってもホームランのおかわりだ。その魅力を活かすのであれば、やはり4番ではなく5~6番を打たせていくべきだと筆者は考える。4番打者は相手投手からすれば「打ち取れない」打者でなくてはならない。つまりホームランを打てるだけではなく、打率も3割以上打てることが望ましい。

打率を見るとフェルナンデス選手の.339に対し、中村選手は.233でしかない。得点圏打率を見るとさらにその差は顕著で、フェルナンデス選手の.333に対し、中村選手はわずか.170でしかないのだ。この数字はもちろん中村選手が肘痛を抱えていたことにも由来されるわけだが、しかし打率に対しここまで得点圏打率が下がってしまうと、相手投手からすれば恐い存在ではなくなってしまう。フェルナンデス選手の場合はどこに投げても打たれそうな感じがあるが、中村選手の場合はホームランになりにくいコースにさえ投げていれば問題ないということになってしまうのだ。

そしてもう一つ気になる点が筆者にはある。フェルナンデス選手は日本ハム戦を除いては満遍なくハイアベレージを残しているのだが、中村選手は対戦チーム別の打率が非常にバラバラなのだ。この数字が何を意味するかと言えば、打てる相手からは打てるが、打てない相手からはまるで打てないということになってしまう。中村選手の場合、この波も整えていかなければ、4番としてはまだまだ力不足だと言われかねないだろう。

4番とは、ホームランをたくさん打てれば良いというものでは決してない。4番打者とは、投手で言えばエースだ。ただ打つのではなく、内容の濃いヒットを打ち続ける必要がある。例えばホームランを30本打ったとしても、その内の20本がソロホームランでは意味がないのだ。30本ホームランを打ったら、その内の20本は得点圏でのホームランでなくてはならない。それが4番打者に与えられる宿命だ。

2011年の開幕戦、果たしてライオンズの4番に座るのは中村剛也選手なのか、それともホセ・フェルナンデス選手なのか。この熾烈な4番打者争いも、キャンプインから見逃すことはできないだろう。エースと4番という投打の軸が整えば、来季のライオンズはもっと落ち着きのある勝ち方ができる、大人のチームへと変貌していくはずだ。

2010年12月26日 17:44

2011年度西武の先発ローテーションの行方

渡辺監督の頭の中には今、きっと来年の先発ローテーションをどうするかということばかり駆け巡っているのではないだろうか。もちろん春季キャンプで選手それぞれの状態を見てからでないと決められることではないが、ある程度の予測はできると思う。今日はその予測を筆者の私見を交えながら書き進めたいと思う。

怪我などがなければ順当にローテ入りするであろう投手はエース涌井秀章投手岸孝之投手帆足和幸投手石井一久投手の4人だろう。表ローテの一番手が涌井投手、二番手が帆足投手。裏ローテの一番手が岸投手、二番手が石井投手という流れが、これまでのローテ編成を見る限りでは順当だと思う。だが問題は表裏の三番手争いだ。この三番手争いが激化するほど、先発陣は万全なものとなりうる。逆にこの三番手争いが盛り上がらないと、先発陣全体の底上げが困難となるだろう。

2枠ある三番手争いに加わるであろう投手を挙げていくと、西口文也投手大石達也投手菊池雄星投手平野将光投手野上亮磨投手ミンチェ投手武隈祥太投手ら、錚々たる顔ぶれだ。ちょっとしたチームであれば、この三番手争いをする投手だけでローテーションが組めてしまうほどだ。この7人の中で一歩リードしているのは今季の実績から見れば平野投手だろう。ピッチングがハマった時の平野投手は、相手チームは手も足も出なかった。来季安定感が増すことがあれば、三番手とは言わず二番手に食い込むこともできる投手だと言える。

平野投手に続くのはミンチェ投手だ。今年までの11年間は「許銘傑」の登録名だったが、来季は心機一転「ミンチェ」という登録名で挑むことになった。ミンチェ投手も今季は本当によく頑張って投げたと思う。もしダルビッシュ投手らエース級との対決がもう少し少なければ、6勝で終わっていたことはなかったはずだ。あわよくば2ケタ勝利も見えていたかもしれない。将来有望な平野投手と、11年の実績があるミンチェ投手。この2人の対決はなかなか見物かもしれない。平野投手のフォークボールが勝つか、ミンチェ投手のシュートが勝つか。これはオープン戦から実に楽しみな競争となる。

さて、続いては西口投手だ。西口投手に関しては今季、後半戦はほぼ完全復活を遂げたと言って良いだろう。南谷コンディショニングコーチと共にプロ入り後初めて本格的なウェイトトレーニングを行い、ストレートの球威が戻ったばかりではなく、スライダーにも往年の切れ味が戻ってきた。やはりピッチャーの生命線はストレートだと改めて認識することができる。ストレートが走れば、変化球も比例して良くなって来るものだ。西口投手の目標である200勝を達成するためには、来季は最低でも2ケタ前後の勝ち星を挙げなければならない。今季は復活の手応えを掴んだだけに、この良い流れを来季に繋げ、先発投手として完全復活を期待したいと思う。

その西口投手と枠を争うのは、新人大石投手だ。大石投手は内角球の使い方さえ覚えれば、間違いなく1軍でも即戦力となれる。筆者も早大での大石投手のピッチングは何度も見てきたが、ストレートの切れはプロでも一線級だ。阪神藤川投手のストレートにも匹敵するレベルだと思う。それでも決して球速にこだわることなく、大石投手はあくまでも切れにこだわりを持っている。つまりボールが速くても打たれてしまっては意味がない。大石投手は打たれないストレートに磨きをかけているのだ。このボールを右打者の胸元にしっかり決めることができれば、2ケタ勝利は堅いだろう。それこそ三番手どころか、三本柱を脅かす存在にだってなりうるはずだ。

そして彼ら4人に続くのは野上投手、武隈投手、菊池投手の3人だ。この中で菊池投手だけは実績がまったくないため、あくまでも期待値による候補でしかないのだが、肩痛が完全に癒えれば、面白い存在になれることだけは確かだ。だがその菊池投手に負けてはいけないのが先輩野上投手と武隈投手の2人だ。野上投手と武隈投手の共通点は、リリーフでの適応も高いという点だ。2人とも先発としてだけではなく、リリーフでマウンドに立っても良いピッチングを披露してくれる。そのためもしローテに食い込むことができなくても、リリーバーとして1軍に帯同できる可能性は高いだろう。現に野上投手は今季まで、そのような起用法で1軍の座を得てきた。

左腕リリーバーが不足しているライオンズにとって見れば、武隈投手をリリーバーとして1軍に置いておく価値は十分にあるだろう。来季グラマン投手がいるかいないか分からない現状では、実績のある左腕リリーバーは星野智樹投手しかいない。それならば武隈投手は来季に関しては、最初からリリーバーとしての調整をさせても良いのかもしれない。だが本人が先発を希望するのであれば、もちろんそのチャンスは与えてあげるべきだ。

こうして見ていくと、ライオンズの先発陣は非常に層が厚い。だがこの厚い層を活かすも殺すも、それは1軍投手担当である小野・石井丈両コーチの肩に掛かっている。来季はこの新コンビがどのような投手起用をしてくるのか、筆者は非常に楽しみだ。「育成の西武」をしっかりと印象付けるためにも、若い投手陣を育て上げ、誰か1人が故障をしても痛くもかゆくもない先発ローテを作り上げて欲しいと思う。

2010年12月26日 06:27

西武のチームカラーは育成力の高さにある

FA宣言をしてホークスに移籍した細川亨捕手の補償として、西武球団は人的補償ではなく金銭を選ぶことにした。渡辺久信監督も納得済みのようで、これによりソフトバンク球団は西武球団に対し、細川捕手の今季年俸7100万円の60%にあたる4260万円を支払うことになった。筆者は西武球団のこの選択を大いに支持したいと思う。西武球団は自ら掲げる目標を、ぶれることなく貫いた。つまり、今いる選手をしっかりと育て上げるというチーム方針だ。捕手に関して言えば今季は米野捕手と荒川捕手をそれぞれ補強したわけだが、他球団では育てられなかった選手を西武球団が育てることができれば、それはひとつのチームカラーにもなりうる。

10年ほど前の話だっただろうか。西武球団はコーチ陣の少数精鋭化を図り、コーチの人数を減らしたことがあった。その結果は芳しくはなかったわけだが、この時の教訓が今に活きているのだと思う。つまり、選手を育てることの難しさと大切さを学んだということだ。選手を育てるというチーム方針が今後さらに色濃くなっていけば、「西武に行けば自分も開花するかもしれない」と考える選手も増えてくるだろう。そしてそういう選手が増えてくれば、コーチ陣も指導にさらなる熱が入るし、現存している選手たちもコーチ陣をさらに信頼するようになる。

西武球団は今までもこれからも変わらず、育成選手を獲得する意思はまったくないようだ。球団の考え方としては「全選手が育成すべき選手」であるということらしい。この考え方は実に素晴らしいと筆者は感じている。育成制度は、確かに低い年俸で選手の人数を確保することが可能となる。概念として、プロでまったく実績のない無名選手がこの立場であることが望ましい。しかし一部では、戦力外通告された元主力選手が育成選手として再起を図ろうと考えられてもいる。これは間違いだと言っていいだろう。育成制度はあくまでも実力のない選手を育成するための制度だ。ただ単に低い年俸による選手の受け皿として考えるべきではない。これに関して西武球団の場合は若干異なってくる。例えば以前ライオンズに在籍した選手が他球団で戦力外通告されると、ライオンズに連れ戻してくるというパターンが数多く見られる。これは選手を大切にしている何よりの証拠ではないだろうか。契約更改ではあまり良い印象を持つことは出来ないが、球団全体として見ていくと、西武球団は選手に対し実に温かい球団だと思う。

小林球団社長は取材陣に対し次のような言葉を残している。「人件費を適正に管理することが大事。選手との交渉でも駆け引きはしない。課題は今の金額(年俸)を出せる体制を維持していくこと」と。これはつまり、選手への年俸に関しては厳しくなってしまうが、しかしそれだけではなく、現水準を維持するための努力をフロントも行わなければならないということを意味している。言い換えれば「俺たちも頑張るから、選手の皆も頑張ってくれ」ということだ。フロントのこの責任感は選手からすれば心強い限りだろう。

西武球団は、巨人や阪神のような高額年俸を選手に出す経営体力はない。だが涌井秀章投手中村剛也選手の年俸は、これからも上げていかざるを得ない。課題はここにある。解決方法としては、やはり上げる時は上げるが、下げる時はしっかりと下げることしかないだろう。だが下げるにしてもただ下げるのではなく、インセンティブでモチベーションを維持させて下げていく必要がある。

育成力のある球団の魅力は、何と言っても選手年俸の総額を抑えられることだ。若い選手を育てて勝っていけるのならば、FA退団者が出たとしてもその穴は必ず埋めることができる。松井稼頭央選手が去れば中島裕之選手が育ち、松坂大輔投手が去れば涌井秀章投手が育った。そして今年は細川捕手が去ってしまったわけだが、これにより銀仁朗捕手が育っていくはずだ。もしくはホークスからやってきた荒川捕手や、スワローズからやってきた米野捕手がライオンズに移籍してきたことで急成長と遂げるかもしれない。二捕手とも、プロ入り時は非常に高い期待が持たれていた捕手だ。米野捕手に関しては古田二世とも呼ばれていたほどなのだから、その潜在能力は決して低くはないはずだ。

もし来季、米野捕手と荒川捕手が1軍で活躍できるようなことがあれば、ライオンズの育成力の高さは球界全土に広まっていくことだろう。だが戦力外された選手が必ずしも一流になる必要はない。全体的には二流だったとしても、ある一部分において一流になれれば良いのだ。例えば捕手で言えば、肩は弱いけど配球が最高だったり、またはその逆だったり。そうした一芸を持った選手が控えにいれば、まさに適材適所で選手を起用していくことができる。スタメン9人ではいびつな形かもしれないが、ベンチ入り全選手が集まればきれいな円になる、ライオンズにはそういうチームになっていってもらいたい。スーパースターばかりである必要はない。大切なことは、ファンが思い入れを強くできるチーム作りだ。育成力の高さは、それを実現するための最高の手段だと筆者は考える。大金を使ってスーパースターたちを引き抜いて優勝するよりも、ライオンズに自然と集まった選手たち全員で力を合わせて優勝する。その方がファンはよりライオンズを愛せるはずだ。

スーパースターがいなくても優勝できるということは、過去の名監督たちがすでに実証してくれている。となるとあとは渡辺監督の手腕と、フロントの協力体勢にかかる比重が大きくなる。渡辺監督の目指す野球の方向性に対し、フロントが協力的な姿勢を貫いてくれれば、チームは必ず強くなるはずだ。左腕リリーバーを補強するよりも、菊池雄星投手を育てようとするフロントの姿勢には筆者は理解を示したい。補強することは大切だ。必要不可欠な要素とも言える。しかし補強とはあくまでも補うためのもので、すでに抱えている選手を育ててこその補強だ。自前の選手たちを育てられないチームは、「補強」という言葉は使ってはいけない。その点でライオンズの育成力は、12球団でもトップクラスであると筆者は確信している。そしてそれこそが、ライオンズの最たるチームカラーであると考えている。

2010年12月24日 23:16

【BT】クリスマスプレゼント?!もしもらえるならこの選手~金森栄治コーチ~

今回のテーマは、もしクリスマスにもらえる選手がいるとすれば、というものだが、筆者は選手ではなく、あえてコーチを指名したいと思う。なぜなら、ライオンズには将来有望な若手選手がたくさん在籍していて、彼らがしっかりと伸びていければ他球団の選手をもらえなくても勝てると思うからだ。元々ライオンズは育成に定評のあるチームだ。無名選手を一流に育て上げることのできるコーチング能力がある。だがそのコーチング能力をさらに高めるためにも、もしクリスマスプレゼントにもらえるとすれば、千葉ロッテの金森栄治コーチにライオンズ復帰してもらいたい。

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2010年12月22日 16:51

中村剛也選手はゴールデングラブ賞を獲れるか

来季中村剛也選手は三塁一本で勝負していくつもりのようだ。これに関し筆者は強く賛成したい。確かに昨季は一塁で出場していた時の方が打撃が良いということもあったが、やはり中村選手は三塁を守るのがベストだと思う。来季に関してのみ言えば、中村選手が三塁を守ることでフェルナンデス選手が一塁を守り、ブラウン選手を指名打者として起用することができる。そうなれば石井義人選手のレフトでの出場試合も増えていくだろう。もちろんレフトにも競合は多いが、今季常時一軍にいた選手でレフトの左打者と言えば名前はなかなか挙がっては来ない。来季は故障の癒えた坂田遼選手、新人秋山翔吾選手らの左打者はいるものの、打撃の巧さという点に於いて石井選手には敵わないだろう。

さて、話は再び中村選手に戻るが、中村選手は筆者の中では守備は巧い部類に入っている。もし肩・肘が万全なのであれば、十分安心して三塁を任せることができるだろう。ここ数年は肘を痛めていたために送球にかなりの難があった。だがそれを手術してしっかり治して来るであろう来季は、ここ数年のような送球難を繰り返すことはないはずだ。

筆者はシーズン中、中村選手の送球難の理由を上体だけで投げているからだと何度か指摘をした。身体とは不思議なもので、どこかを痛めてしまうとその患部をかばうような不自然な動きを取ろうとする。だがその動きがさらに患部を悪化させることにも繋がってしまう。中村選手の場合もそうだった。肘を痛めたことで、どうしても肘をかばうような投げ方をしていた。つまり、そっと優しくボールを投げようとしていたのだ。もちろんこれで痛みが軽減されるわけではないのだが、そっと投げている分痛くないような気持ちにはなれる。だがそっと投げてしまうとそれは手投げ状態となってしまい、送球線上から手に握ったボールの円軌道は大きく外れてしまう。これが中村選手の送球難の原因だった。

我々はよく「投球」「送球」という言葉を使うが、実はこの2つはまるで違うものだということを知る必要がある。投球とはいわゆる投手がボールを投げる動作のことだ。投球の場合、常に同じ位置から同じ角度で同じ場所にボールを投げることができるため、腕を大きく使うことができる。投球する的が常に同じところに存在しているため、慣れによって腕を大きく使っても感覚によってしっかりボールをコントロールすることができるのだ。だが送球の場合は話は変わってきてしまう。

投球が投げる選手主導の動作であるのにたいし、送球は捕る選手主導の動作だと言える。つまり投球は投手が打者を打ち取れる球を投げられればそれで良いのだが、送球の場合は相手野手が捕球してくれないと一連のプレーは成り立たない。しかも送球は常に投げる位置、投げる角度、投げる距離などが異なってくる。この場合に遠心力を伴う腕を大きく振った投げ方をしてしまうと、送球難に陥ることが多くなり、最悪の場合はイップスに罹ってしまうこともある。さらに言えば、どんなに速い送球をすることができても、球の出所が相手野手から見づらく、捕球しにくいボールではその速い送球にはチームプレーとしてはなんの価値もないのだ。

中村選手の場合は肘痛のため腕を大きく振っているわけではないのだが、逆に肘をかばっている分、握ったボールが送球線上から外れてしまうのだ。理想の送球は、まず握ったボールを後頭部に持って行き「トップ」の位置を作る。そしてそのトップと相手野手のグラブを直線で結び、その線上から大きく逸らすことなく、下半身主導でボールを送ることだ。ここが重要だ。ボールは投げるのではなく、あくまでも送るのだ。例えば投手・外野からプロ入り後に遊撃手となった中島裕之選手の場合、投げるという感覚が抜け切れず、なかなか送球動作をマスターすることができずにいた。

そして上体が強い選手ほど、下半身をあまり使わず腕の力だけで送球をしようとしてしまう。そうなるとボールの軌道はどうしても身体から遠回りしてしまうこととなり、肘によるターゲティングがしにくくなることで、送球コントロールが乱れてしまう。先ほどトップと相手野手のグラブを線で結ぶと言ったが、実は上だけではなく、下半身にも同じ動作が必要なのだ。ご存知の通り野球は打つにしても投げるにしても、打つ方向・投げる方向に対し身体を直角に入れた時が最もベストプレーができる状態なのだ。これは守備でもまったく同じことが言える。例えば三塁のゴロ処理時だが、ボールを捕球したら素早く右足を一塁との線上の前方に直角に入れなければならない。そしてそこから左足を一塁線上に真っ直ぐステップしていく。この動作を怠ると、身体が送球線上から外れてしまい、送球難を引き起こしてしまう。

中村選手の場合、このような基礎はしっかりと身に付けているし、そして何よりもグラブ手のハンドリングが非常に柔らかい。この柔らかさは天性とも言えるかも知れない。サードは「ホットコーナー」と呼ばれるだけあり、右の強打者の火の玉のような打球が飛んでくることが多い。そういう打球を弾いてしまうことは仕方ないことだ。だがハンドリングが柔らかければ打球を前に弾くこともできるし、グラブ手の動きも素早くなる。もし来季、中村選手の肘が万全になれば、日本ハムの小谷野選手に次いで巧い三塁手になれると筆者は予感している。

中村選手がゴールデングラブ賞を獲るためには、まずは小谷野選手を超える必要がある。だが小谷野選手は非常に巧い三塁手だ。12球団ナンバー1三塁手と言って間違いないだろう。筆者が西武ドームで日本ハム戦を観戦する際は、何気に小谷野選手の守備を一番の楽しみにしているほどなのだ。小谷野選手の何が巧いかと言うと、呼吸の合わせ方だ。投手の呼吸、打者の呼吸に巧く身体を呼応させ、打球のタイミングを計っている。打球のタイミングをおおよそ知ることができれば、三塁手としてどのタイミングで始動すれば良いかも自ずと決まるため、良いタイミングのバウンドで打球処理をすることができる。どんなに難しい打球であっても、良いタイミングのバウンドで打球を処理することができれば、難しいプレーも少しだけその難易度を下げることができるのだ。

中村選手の場合、その点において小谷野選手にはまだ敵わない。中村選手は小谷野選手と比べると、打球をベルトから上で処理する回数が多い印象がある。打球をベルトから上の位置で捕球してしまうと、グラブは打者方向を向いてしまい、そこから自分の方にグラブを回転させて握り直すという作業が増えるため、ファンブルもしやすくなってしまう。どんなに難しい打球であっても、やはり基本はグラブを地面すれすれに構えて、ショートバウンド、もしくはバウンドの寸前で捕球することだ。そうすればグラブを自分に向けて開くことができるため、ファンブルすることは減っていく。だがそのためにはしっかりと脚を使って身体を運ばなければならない。それができなければ、名手になることもできない。

名手とそうでない選手の違いは、脚の運びにある。例えば過去の名遊撃手である久慈選手や奈良原選手は、中島裕之選手に比べると肩の強さでは大きく劣っている。だがそれでも中島選手よりも送球が安定し、速いボールを一塁に送れていた理由は、下半身の運び方にあった。下半身を巧く運べていたことで、上体が無理のない動きでリラックスして送球することができていた。これも野球の不思議な点ではあるが、ボールは力一杯投げるよりも、リラックスして投げ方がずっと球質が良くなるのだ。

痛みさえ取れれば、恐らく中村選手ももっとリラックスしてボールを一塁に送れるようになるだろう。そうなれば悪送球は激減するだろうし、ゴールデングラブ賞争いでも良い線まで行けるはずだ。やはり主力野手である中村選手が4アウトイニング(エラーにより、投手が事実上4つのアウトを取らなければいけない回)を作るようではいけない。来季はホームランを量産するだけではなく、中村選手にはぜひ守備でもファンを楽しませてもらいたいと思う。そして中村選手にはそれができるだけの能力が備わっていると筆者は確信している。

2010年12月22日 13:57

祝・栗山巧選手、5年の交際を経て結婚!

12月19日に行われたディナーショーで中村剛也選手は「栗山のファンばっかりやった」とぼやいた。そのライオンズきっての人気者・栗山巧選手が12月14日に結婚をしたことが報告された。お相手は3歳上で、ムーミンに登場するミイ似の深咲(みさき)さんという女性だと言う。ミイ似ということは、ストイックな栗山選手はさながらスナフキンと言ったところだろうか(もとい、スナフキンとミイは兄妹だったか)。

とにかくこのニュースはおめでたいことこの上ない。2人の交際が始まったのは栗山選手がまだ1・2軍を行ったり来たりしていたプロ入り4年目の2005年のことだった。お互い兵庫県出身ということですぐに意気投合し、5ヵ月後に交際に発展したようだ。それから5年の歳月を経て、栗山選手は立派な主力に成長し、どこに出ても恥ずかしくない数字を残せるプロ野球選手になった。年俸も遂に1億円を越えたことで、栗山選手自身一つの良い区切りにしたかったようだ。

報道を見る限りでは目元のパッチリした美人で、料理は何でも作れるようだ。栗山家の冷蔵庫には紙が貼ってあり、そこには骨折に良い食べ物、腱や筋肉の強化に良い食べ物などが書かれているらしい。まさに野球選手の奥さんの鑑とも言える姿だと思う。これほど献身的に支えてくれる伴侶が側にいるならば、栗山選手も頑張らないわけにはいかないだろう。

プロ野球界には「姉さん女房をもらうと大成できる」という通説がある。確かに名選手の奥さんを見ると落合博満選手、イチロー選手、松坂大輔投手中村剛也選手ら、みな姉さん女房だ。栗山選手にもこの流れから漏れることなく、来季はぜひ今まで以上の活躍をして首位打者獲得を目指してもらいたいと思う。栗山選手と中島選手が首位打者争いを繰り広げるようになれば、ライオンズの得点力は他球団を大きく凌ぐことにもなるだろう。

祝・栗山選手、ご結婚本当におめでとうございます!

2010年12月21日 13:46

ライオンズは来季、強敵ホークスを負かせるか

今オフ、ホークスは細川亨捕手、内川聖一選手、アレックス・カブレラ選手の3人を獲得するという大補強を敢行した。これを単純に考えるならば、リーグ2位の防御率と大幅に戦力アップした打線により、来季は間違いなく優勝候補の筆頭に挙げられるだろう。ほとんどの野球解説者は、ホークスを来季の1位と予想するはずだ。一方のライオンズは正捕手であった細川捕手と、貴重な左腕である土肥義弘投手を失い、かなりの戦力ダウンを強いられてしまった。しかも目立った補強は一切なかったと言っても良いほどで、来季、果たしてライオンズはホークスに太刀打ちできるのだろうか。

ライオンズがホークスに打ち勝つために最も重要になってくるのは、やはり投手陣だろう。投手陣が故障なく、常時いつも通りの能力を発揮することができれば、大補強を行ったホークスを必要以上に恐れることはない。例えばカブレラ選手だが、確かに今季ライオンズ戦では.333を打っているが、本塁打数を見ればホークス戦の9発に対し、ライオンズからは3発しか放っていない。そして打点もホークス戦の29点に対し、ライオンズ戦では僅かに6点だけ。つまりカブレラ選手の前にランナーを溜めることさえなければ、ライオンズの投手陣にとっては恐れるほどの打者ではないのだ。

注意しなければならないのは、内川選手だろう。内川選手は今季4試合の西武戦で.375を記録している。さらに西武ドームに舞台を絞れば、打率は.625まで跳ね上がる。しかも打った相手はエース涌井秀章投手と、ベテラン石井一久投手だ。内川選手はこの2人から西武ドームで7打数4安打と今季は打ち込んでいる。投手との相性が良かったのか、西武ドームとの相性が良いのかはまだ分からないが、しかしライオンズを苦手としていないことだけは確かだ。

内川選手はコンタクトヒッターだけあって、外角も内角もコースに逆らわないバッティングを見せてくる。つまり外角は右へ、内角は左へ打つ能力があるのだ。だがそんな内川選手にも苦手なコースが存在する。それは内角高目と外角低めだ。いわゆる「ブック」と呼ばれるセオリー通りの配球に対し、若干弱さを持っている。ライオンズの投手陣が内川選手をしっかりと抑えるためには、このブックをどれだけ基本に忠実に実践できるかが鍵となってくる。内角を厳しく攻めてファールを打たせ早めに追い込み、最後は外角低めの遠いスライダーで内野ゴロというパターン。もしくは最初から外角低めにカッターやスプリッターを投げて内野に転がさせるか、そこから2ストライクを取れれば内角高めの速い球で空振りを取りに行くか。1-2というストライク先行で変化球の確率が高い場合、内川選手は全三振数の内54%の三振をここで喫している。このデータも見逃すことはできないだろう。

だが注意が必要だ。内角・外角と言っても、内角低目と外角高めは禁物だ。このコースは内川選手は苦手としていないどころか、3割以上の数字をマークしている。つまり0-2や1-2とストライク先行で追い込んだとしても、高さを間違えば野手のいないところに転がされる確率が高くなってしまう。しかも内川選手の場合は調子が良いと右中間・左中間に運ぶ力も持っているため、回の先頭打者として登場してもカブレラ選手を前にして無死二塁というピンチに陥る可能性もある。もし得点圏にランナーを背負ってカブレラ選手を迎えてしまえば、カブレラ選手の得点圏打率は.384だ。しかもおおよそヒット5本中1本がホームランとなっている。ランナーなしで迎えるカブレラ選手を恐れる必要はないが、得点圏でのカブレラ選手の集中力は半端ではない。その事実は、多くの西武ファンの記憶に未だ色濃いと思う。

来季のホークスは確かに手強そうだ。コンタクトヒッターとパワーヒッター、そして名捕手の補強。さらに1・2番の俊足コンビに絶対的存在のキャプテン。投手陣も左右両輪が揃い踏み、リリーバーも確立されている。だが印象だけで恐れてはいけない。主力級の選手が3人も加わったということは、それだけチームを1つにするための作業が難しくなるということだ。一年目から新戦力がチームに完全に溶け込むというのは、簡単なことではない。石井一久投手のように、性格とチームカラーが完全に一致した場合は話は別だが、真面目な性格をした選手ほどチームに溶け込もうといつも以上に努力して、ベストを尽くせないことも少なくはない。

一方のライオンズは良くも悪くも補強がなかったため、キャプテンの存在さえ明確になれば、開幕からチームを1つにすることは十分可能だ。そのためにもライオンズはキャプテンの指名は不可欠だろう。片岡易之選手もそれを理解してか、今オフもキャプテン就任に対する意思表示を見せている。やはりチームスポーツにはキャプテンは不可欠だ。ピッチャー、キャッチャー、ショートなどと同様に、キャプテンというポジションに穴を開けてはいけない。強敵ホークスを倒すためには、来季は今まで以上にチームが1つになる必要がある。そのためにも先頭に立ってチームを牽引してくれる力強い存在が不可欠だ。渡辺監督にはぜひ今オフ、キャプテンを指名してもらいたいと筆者は切望している。そして多くのファンもそれを望んでいるはずだ。

2010年12月20日 15:08

小野寺力投手が2イニング目に打たれる理由

今オフ、小野寺力投手平野将光投手松坂大輔投手と共に自主トレを行うようだ。その小野寺投手だが、今季もすべてのファンを納得させる活躍ができないままシーズンを終えてしまった。だが終盤戦に関してはある程度安定したピッチングを見せ、来季に期待が持てる終わり方をしたと思う。小野寺投手自身、何か手応えを感じられるシーズンになったのではないだろうか。

今日はその小野寺投手を、今までとは違った視点で分析してみたいと思う。ひょっとしたら的外れな分析になるかもしれないが、こんな見方もあるんだ、という感覚で読み進めてもらえればと思う。

小野寺投手がリリーフに失敗するひとつの特徴に、回をまたぐと2イニング目に失敗する傾向が高くなるというものがある。もちろん回またぎのリリーフは誰にとっても難しい仕事だ。序盤で大量失点を喫し、いわゆる敗戦処理や試合の建て直し役として登板してきた投手ならば、先発感覚で投げることもできる。だがタフな試合を1イニングのつもりで力投した投手にとって、2イニング目は非常に難しい場面となる。その理由はアドレナリンだ。アドレナリン全開でマウンドに登り、1イニングをしっかりと抑えてベンチに戻ると、そこで一旦アドレナリンの分泌は弱まってしまう。抑えたことに対する安堵感がアドレナリンのさらなる分泌を抑えてしまうためだ。そのために2イニング目のショートリリーフはアドレナリン不足によって、息切れを起こすことが多くなってくる。小野寺投手のように、アドレナリン全開タイプの投手は特別その傾向は強くなる。

そしてもう一点、小野寺投手が打たれる時は、だいたい高さのコントロールを乱しての被安打となる。分かりやすく言えば、ストレートやフォークボールが高めに行って打ち込まれてしまうのだ。この記事ではこの点についてより強く注目をしていきたいのだが、小野寺投手は技術云々ではなく、その人柄がボールのコントロールを乱しているのではないかと筆者は最近考えるようになった。

「良い人は投手として大成しない」とは、昔から言われていることだ。実はこれを科学的に証明できそうな要素があるのだ。それはホルモンだ。例えば男性と女性の性格を極端に言い表すと、太古の昔から狩りに勤しんできた男性は攻撃的性格を持っている。一方女性は母性本能の一つとも言える優しさを持っている。心のとても優しい小野寺投手は、この理論で言えば女性的要素を持っている、つまり雌性ホルモンの分泌が一般男性よりも多いと考えられなくもない。では雌性ホルモンが多いとどのようなことが起るのか?

空間能力という言葉をご存知だろうか。空間能力とは、距離感とも言える垂直方向への感覚のことだ。ピッチングは垂直方向の高低と、水平方向の左右のコントロールによって成り立っているわけだが、このうち垂直方向の高低のコントロールを司っているのが空間能力ということになる。そしてこの空間能力だが、医学的には雄性ホルモン(男性ホルモン)の多い人ほどこれを得意とし、雌性ホルモン(女性ホルモン)の多い人ほど苦手とする傾向が強い。つまり空間能力に関して言えば男性は得意だが、女性は苦手であることが多いのだ。そして物を投げるという行為に関しても、やはり雄性ホルモンの多い人ほど得意とする傾向が強い。

ここで小野寺投手の話に戻るわけだが、小野寺投手はご存知の通り非常に優しい性格を持っている。それは人格者とも言えるほどだ。小野寺投手のファンや同僚に接する態度は本当に優しい。大袈裟に言うなれば、まさに女性のような温かい優しさを持っている。それはブログを読むだけでもよく分かる。つまり先述の話で言うところの、雌性ホルモンが一般男性よりも多いのではないかと筆者は想像しているのだ。

雌性ホルモンが強いということは、生物学的に空間能力に苦手を抱えているということになる。つまり投手として高低のコントロールが苦手というのは、この雌性ホルモンが影響している可能性があるのだ。だが高低のコントロールが安定している時もある。それはアドレナリンが全開になっている好調の1イニング目だ。この時はアドレナリンが盛んに分泌されることにより、男性としての攻撃性が小野寺投手の中で助長されている状態だ。これにより雌性ホルモンが、アドレナリンにより相殺されて空間能力を一時的に高めているのかもしれない、と筆者は考えている。いや、考えているというよりは、想像していると言った方が正確だろう。

もしこの説に少しでも可能性があるならば「良い人は投手として大成しない」という言葉にも科学的根拠が生まれることになる。良い人というのは単純に考えるならば、優しい人と言い換えることもできる。つまり何かを傷つけることを厭う人のことで、攻撃性を持ち合わせない人のことだ。

そしてこの説にほんの少しでも可能性があるならば、小野寺投手を完全再生させるためには、緊迫した場面、1イニング限定で投げさせれば完全復活するのではないかと筆者は考えている。アドレナリンがガンガン分泌されている時にのみ投げさせるのだ。だがもし1イニング目でも連打などで長引いてしまい、アドレナリンの分泌が減ってきたならば、そこはスパッと代える必要がある。もしくは渡辺監督や小野投手コーチが再度小野寺投手のアドレナリンを分泌させる言葉を持ち合わせているのならば、その言葉に賭けて続投させるのもいいだろう。

今回は非常に突飛とも言えるアプローチで書き進めたわけだが、ただ確かに言えることは、小野寺投手はリリーフに成功する場面の方が格段と増えてきたという点だ。監督や投手コーチとしては、まずその点に注目し、なぜ抑えられたのか、なぜ打たれたのかを具体的に理解する必要がある。そこから抑えられた要素と打たれた要素がハッキリと分かってくれば、その要素に則した起用法を取れば、小野寺投手がリリーフで失敗する機会を確実に減らしていくことが可能になる。そしてそうなれば、チーム全体の勝ち星も自ずと増えていくことにもなる。

これは小野寺投手に限った話ではないが、やはり投手は抑えるにしても打たれるにしても、そこには必ず何らかの要素があるのだ。そしてその要素を見つけ出し、投手を上手く起用していくのが投手コーチの役割だ。ただ「根性」、ただ「走れ」、ただ「練習」と言うだけでは、選手を最大限に伸ばすことは難しい。だからこそ色々なアプローチの仕方で選手を見ていくことも必要となるのだ。ただ今回はあまりにも突飛なアプローチであるため、野球関係者の方が読まれれば反発を覚えることもあるかもしれない。だが一つの考え方として、こういう見方もあるんだと思ってもらえれば、この記事も多少の役には立ったと言えるのではないだろうか。

2010年12月17日 22:00

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