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秋山翔吾



秋山翔吾 - Shogo Akiyama

外野手、右投左打
2010年ドラフト3巡目
横浜創学館~八戸大~埼玉西武ライオンズ
神奈川県横須賀市出身、1988年4月16日生、183cm / 83kg

秋山翔吾選手が今季ヒットを量産できている理由
秋山選手が野球を始めたのは小学校1年生の頃だった。そして中学生になると横浜金沢シニアに入団し、平行して学校では陸上部に所属した。50m5秒9の俊足は、その陸上部で鍛えられものだ。高校は地元の横浜創学館に進んだ。横浜創学館出身者と言えば、ライオンズでは坂田遼選手がいる。チームメイトに高校の先輩がいるというのは、新人選手にとっては心強いだろう。ちなみに余談ではあるが、横浜創学館の校歌は地元出身のアーティスト小田和正さんが作った「遥かな想い」だ。筆者もこの校歌の合唱を耳にしたことがあるが、とても美しいメロディーの校歌だったと記憶している。

高校時代はドラフト候補には挙がっていたものの結局指名されることはなく、八戸大へと進学した。ドラフト候補に挙がったものの全国区的には無名選手だった秋山選手だが、一年の春から一気に頭角を現した。入学早々レギュラーになると、春秋連続でベストナインに選ばれ、その実力を一気に花開かせて行った。そして2010年4年生になると4番に座り、.486というハイアベレージを記録する。この活躍により優秀選手に選ばれ、首位打者・最多打点を獲得し、やはりベストナインに選ばれた。選手としてその絶頂期に秋山選手は西武球団からドラフト3位指名を受けたのだった。ちなみに東北楽天のスカウトも、秋山選手の指名を考えていたようだ。

2010年の第41回明治神宮大会は、11月13日に開幕する。13日に八戸大が対戦するのは関西国際大だ。そしてこの11月13日という日は秋山選手にとっては非常に特別な日であり、関西国際大戦は決して負けるわけにはいかない一戦となる。この日は父肇さんの命日(享年40歳)なのだ。この日の午前中は八戸大・藤木豊監督の計らいにより、秋山選手は母順子さんと共に墓参りに行ってから試合に出場する。そしてその墓前にて、亡き父にプロ入りの報告をするようだ。「八戸大の4番として神宮の旗を取りに行く」と宣言した秋山選手。この記事を書く翌日、秋山選手が神宮球場でどんな活躍を見せてくれるか、ファンとしては楽しみで仕方がない。なおこの明治神宮大会は、藤木監督の勇退大会でもある。どうやら藤木監督は八戸大を運営する学校法人光星学院側と、チーム運営に関し意見が対立しての辞任だったようだ。恩師藤木監督を最後に胴上げするためにも、楽天入りが決まったエース塩見投手と共に、神宮の杜に八戸旋風を巻き起こしてもらいたい。

ここからは選手としての秋山選手を見ていこうと思う。まずはバッティングだが、広角に打ち分けられる技術を持っているようだ。筆者が観た試合では引っ張った打球が多く、プルヒッターなのかなという印象もあったのだが、データなどを見ていくと、やはり広角にしっかりと打ち分けられるようだ。打撃に関して筆者が最も注目したのは、秋山選手の右足だ。この右足によるタメが秋山選手は素晴らしい。具体的には、遅い変化球に体勢を崩されてしまっても、踏み込んだ右足をそこからさらにもう一段階踏み込むことによって、遅いボールにも泳がずにバットを振ることができている。これは練習してもなかなかできるようなことではない。横浜創学館の森田監督が言うように、やはりずば抜けたバランス感覚を持っているのだろう。

秋山選手はホームランバッターではない。西武の秋山と言えば元祖は秋山幸二現ホークス監督なわけだが、その元祖秋山選手のようなスラッガーではないことは確かだ。即戦力とは言え、プロとしてのパワー不足は否めないだろう。タイプとしては逆方向にゴロを打ってヒットを稼げる、イチロー選手タイプだ。インパクトの瞬間に手首がぶれるシーンも見受けられるため、鉄人リストでならした元祖秋山選手ほどの手首の力もなさそうだ。だがこのようなパワー不足に関しては、この冬にしっかりとトレーニングを積めば十分克服できるだろう。

守備に関しては、本人もコメントしている通り後ろに絶対的な自信を持っている。後ろに絶対的な自信を持っているため、通常のポジショニングでも若干前に出ることができる。前に出られれば、それだけランナーの進塁を防げるため、無駄な得点を相手に与えずに済む。そして実際に守備を見ていても、後ろへ飛んだ打球を余裕を持って追いかけられている。肩に関しても遠投110mと強肩だ。しかも投げ方が非常にスマートであるため、寒い北国大学の練習でも秋山選手1人が実戦レベルの遠投を行う姿を見ることもできる。寒い中理に適っていないフォームでボールを投げると、簡単に肩を痛めてしまう。だが正しいメカニズムでボールを投げることができれば、多投しても肩は簡単には痛めないし、消耗することもない。そういう意味で秋山選手は、強肩野手のいないライオンズ外野陣に大きな一石を投じる存在になるかもしれない。

秋山選手のインタビューなどを読んでいると、大学生とは思えないほどの野球理論を持っていることを知らされる。読んでいて思わずうなってしまうような理論も中にはある。とにかく野球の虫なのだろう。常に野球のことを考えているようだ。秋山選手の言葉で筆者が特に印象的だったのが「野球のレベルが上がるほど、ただ飛ばすとか、ただ速いだけじゃ勝負できない」という言葉だった。プロであっても、ここまで野球に対し真摯な姿勢で挑んでいる選手は少ないのではないだろうか。このような秋山選手の言葉を耳にするたび、筆者は確信してしまうのだ。秋山翔吾選手は、近い将来必ずライオンズの外野の一角を担っているだろう、と。

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2010年11月12日 02:03