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#57 松下建太
#57 松下建太 - Kenta Matsushita
投手、右投右打
2009年ドラフト5位
明徳義塾~早稲田大~埼玉西武ライオンズ
広島県広島市東区出身、1987年8月17日生、179cm / 75kg
推定年俸:1000万円
松下投手は、親子二代のプロ野球選手だ。父親の松下建夫さんは広島カープの内野手だった。1軍出場こそはなかったが、自身が叶えられなかった1軍での活躍を、きっと松下建太投手が叶えてくれるだろう。松下投手はそれほど資質溢れるピッチャーだ。本来ならば1年目から1軍で投げていても不思議ではなかった。現に春季キャンプは1軍に選ばれていた。だが2月18日、肩を痛めてしまう。右肩が、肩のラインよりも上に上がらないほどの痛みだったようだ。2010年の夏場には回復し、投球も再開していたようだが、しかし1年目は2軍戦にも登板することはできなかった。
恐らくフォーム修正の無理がたたったのだろう。早大時代の松下投手はサイドスローとオーバースローを試行錯誤しながら理想のフォームを求めていった。結果的にはサイドスローに落ち着いたのだが、サイドスローとオーバースローでは投げる時に使う筋肉が異なる。その筋肉を大学時代にしっかりと作り切れなかったことで、プロ入り直後、どうしてもアクセルを踏み込んでしまいがちな時期になって肩が悲鳴を上げてしまったのだろう。だがこの故障さえなければ、松下投手は素晴らしいリリーバーだ。
ストレートのマックスは148kmを計測する。だが恐らくこの数字は神宮球場のみで出せるものだろう。実際のアベレージは140km前後になると思う。だがボールの切れが良いのだ。140kmと言っても、良い状態で投げていれば140km以上の体感となるはずだ。いわゆる剛球ではなく、快速球タイプだ。早大時代もリリーバーとしてならした松下投手だったが、プロでも短いイニングを投げるリリーバーとして、2011年は大きな期待が寄せられる。持ち球も豊富だ。スライダー、シンカー、ツーシーム、フォークを投げる。短いイニングしか投げないリリーバーに、ここまで豊富な球種を駆使されたらバッターはなかなか的を絞ることができない。
大学2年の春は、リリーバーとして22イニングを投げて防御率0.82という驚異的な実績を残している。ただしこの頃はコントロールがそれほど良くなかった。多彩な変化球に加え、荒れ球が打者を困惑させたのだろう。それでも3年の春に2.70という防御率を記録した以外は、常時1点台をキープしている。そして学年が上がるにつれ、フォアボールも劇的に減っていった。
実はこの松下投手、西武以外にも横浜、中日、広島、ヤクルトがマークしていた。そしてドラフトの行方によっては上位指名を目指した球団もあったほどだった。その松下投手を5位で指名できたのだから、西武球団はラッキーだったとしか言いようがない。だがもし松下投手が早大のエースだったなら、5位という下位指名ではプロ入りはしなかっただろう。早稲田のエースならば当然1位指名、最悪でも2位指名でしかプロ入りはしないという伝統のようなものがあるのだ。松下投手はプロ野球選手の息子ということもあり、潜在的な身体能力も高そうだ。遠投は115mを投げるし、50mも6秒2というタイムで駆け抜ける。遠投115mの強肩でサイドから投げ込まれれば、プロの打者であってもそう簡単には打ち崩せはしないだろう。
ライオンズでは先輩によくいじられるキャラの松下投手だが、しかし過去には名立たる後輩たちの面倒を見てきている。シニア時代(中学)には日本ハムの中田翔選手とバッテリーを組んでいるし、早大では今さら言うまでもなく大石達也投手や日本ハム入りが決まった斎藤佑樹投手らがいた。大石投手も西武入りが決まった直後、松下投手の名前を挙げてそのくじ運を喜んでいた。そしてプロに入れば入ったで、今度はゴールデンルーキーである菊池雄星投手の公私に渡る面倒見役となった。
チームメイトと言えば、涌井秀章投手とも縁があった。明徳義塾で2年生だった2004年の誕生日、松下投手は夏の甲子園大会で名門横浜戦に先発をしている。つまり1学年上の涌井投手と17歳の誕生日に甲子園で投げ合ったわけだ。結果は逆転負けを喫し、涌井投手に投げ勝つことはできなかったが、しかしそれは堂々たるピッチングだった。
肩痛が癒え、松下投手が2011年にどんなピッチングを見せてくれるのか、筆者は今から楽しみにしている。そして大石投手と共に、早稲田根性をライオンズに注入していってもらいたい。来季、この早大コンビがマウンドで飛躍すれば、ライオンズの優勝もグッと近づいてくるはずだ。そのためにも松下投手には肩痛の再発に注意し、万全な状態で2011年の開幕を迎えてもらいたいと思う。
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2010年11月12日 21:57 Tweet

