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2010/07/29 西武vsロッテ 18回戦



先発した大沼投手が早々に打ち込まれ、ファンとしては「今日もダメか」と思われた試合だったが、今夜はレオナインの執念を感じられる一戦となった。夏休みとなり、平日にも関わらず連日2万人以上の観客が西武ドームに足を運んでいる中、これ以上ファンを失望させる試合を続けるわけには行かない、そんな気概を感じられる一戦だったと思う。2008年以来の6連敗という大失速をし、ナインにも期するものがあったのだろう。

この試合を立て直したのは4回の攻撃だった。先頭の原拓也選手がストレートのフォアボールを選び、栗山選手が倒れた後、中島選手もフォアボールで出塁。その直後、フェルナンデス選手の3ランホームランが飛び出した。だがここまででは、まだ流れはマリーンズにあったと言える。試合を決定付けたのは内容的にも結果的にもこの後からだった。

石井義人選手がライト前ヒットで出塁すると、高山選手はデッドボール。続く坂田選手もフォアボールを選び、1アウト満塁というチャンスを作った。すると続く上本捕手がライトにタイムリーヒットを放ち得点0-5から、一気に4-5まで詰め寄った。続く片岡選手が倒れて2アウト後、打席に立ったのは代打平尾博嗣選手。カウント3-2から押し出しのフォアボールを選び、この時点で同点に追いついた。

3-2というカウントまで持って行ってのフォアボールは、チームとしては非常に大きかったと思う。ストレートのフォアボールなどは完全にピッチャーのエラーと言えるのだが、3-2まで持って行ったフォアボールは、バッターが奪い取ったフォアボールだと言える。この場面に於いてはヒット同等の大きな価値のあるフォアボールだった。さらには続く栗山選手も3-2まで粘っての二者連続の押し出しフォアボール。これで6-5と大逆転。少ないヒットで相手の隙を突く、素晴らしい攻撃だったと思う。

渡辺監督自身も、この試合の行方が残り試合に大きく影響すると感じたのだろう。最終回は12-6と大差でリードしながらも、守護神シコースキー投手を投入した。まさに勝利への執念が呼び込んだ素晴らしい1勝だったと思う。先発投手が試合を作れればもっと良かったのだが、見方を変えれば先発投手が崩れたからこその執念だったと言うこともできる。

そして前日は打ち込まれてしまった工藤公康投手も、今夜は左打者2人をパーフェクトで抑え、西武ドームの大歓声の期待に応えた。工藤投手自身、これでやっとチームの一員になれたという感覚があるのではないだろうか。

何かと雑音の多い現在のライオンズだが、しかしこんな時だからこそチーム一丸となって戦わなければならない。もうじき腰痛で登録抹消されていた星野智樹投手や、手術明けの石井一久投手が復帰してくる。そうすればピッチングスタッフが充実してくるだけに、まずは2人が戻ってくるまで何とか堪えてもらいたい。そこまで堪えることができれば、9月には早ければ岸投手や中村剛也選手が戻ってくる。役者が揃えばラストスパートも掛けられるだろう。現状を考えると、ライオンズの本当の勝負は残り20試合を切ってからになると思う。あとはそれまで、優勝を狙える位置を維持できるかだ。

しかし今夜のような執念がまだ残っていたとすれば、心配は無用だろう。獅子に戦う意欲が残っている限り、獅子は百獣の王なのだ。残り試合はあと僅か。容赦することなく鷹と鴎に牙を剥いて欲しい。

2010年ライオンズコーチングスタッフ論・前編

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