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2010/06/29 西武vs日本ハム 10回戦



3:18
北海道日本ハム 10
埼玉西武 10

埼玉西武vs北海道日本ハム10回戦(ハードオフ新潟:24,323人)
埼玉西武ライオンズ 5勝5敗0分

継投:●岸孝之武隈祥太大沼幸二~松永浩典
敗戦投手:岸孝之 9勝5敗 3.36

ホームラン:ブラウン(16号ソロ)
盗塁:片岡易之(31)

【ハイライト】


【片岡易之選手の華麗なグラブトス】


【ゲームレビュー】
1996年、西武vs近鉄戦以来となった新潟でのプロ野球公式戦。その記念すべきマウンドに登ったのは10勝にリーチをかけている岸孝之投手だった。ハードオフスタジアムのスタンドは超満員。画面を通しても新潟の熱気が伝わってきた。しかし先発した岸投手は、その熱い声援に上手く応えることができなかった。5回を投げて9被安打3四球6失点という内容。いつもの岸投手とはかけ離れた内容で、5敗目を喫してしまった。

しかし格段心配する必要はないだろう。1年間を通して投げていれば、必ず調子が悪くなる時期は出てくる。それがあっても10勝以上挙げられるのがエース格のピッチャーで、もし調子を落とすことがなくなれば、20勝できるピッチャーになれる。そもそも梅雨というのは、どの選手にも疲れが見え隠れする季節だ。その理由は汗にあると筆者は考えている。1~2月にしっかり身体を動かしていると、まず3月に汗の質が一度サラサラに変わる。それが4~5月と試合が続くと、梅雨にまた流れ切らない汗になってしまう。夏に調子を上げるためには、梅雨の季節にどれだけ汗を流すかが重要となる。つまり、どれだけ走り込めるかということだ。梅雨の季節にしっかりと走り込み、体の中の汗を効率的に入れ替えることができれば、梅雨明けとともに絶好調に近づけるはずだ。

だが今夜の岸投手は、疲れだけではなかったと思う。ピッチングフォームがバラバラで安定していなかった。恐らくマウンドとケンカをしてしまったのではないだろうか。ハードオフスタジアムのマウンドは、傾斜が若干きつく、土質が固い。これは日本人投手には不向きなマウンドだと言える。このマウンドに対応できる投手を挙げるとすれば、松坂大輔投手や、小野寺力投手だろう。メジャーのマウンドは傾斜がきついところが多く、土も粘土質に近い。それに慣れている松坂投手であれば、簡単に対応できただろう。また小野寺投手のように上から投げ下ろすタイプのピッチャーであれば、傾斜がきつく、ステップした足をしっかりと固定できる固い土質の方が、ストレートの威力が増す。

岸投手のように、スローカーブやチェンジアップを得意とする投手の場合、傾斜がきつく、固い土質のマウンドは不向きだと言える。まず傾斜についてだが、スローカーブは上へ投げ上げるようにしてリリースする。そのためマウンドの傾斜が緩やかであるほど、ボールは自然と上に向かってリリースされる。しかし傾斜がきつい場合、上へ向かう角度を意識する必要が生じる。なぜならきつい傾斜に合わせていつも通り投げてしまうと、スローカーブやチェンジアップのほとんどがワンバウンドしてしまうためだ。今夜の岸投手は、プレーボール直後からそれを気にしていたのではないかと思う。その証拠に、カーブはほとんど低めに決まることがなかった。

また、ストレートがシュート回転してしまったのは、固い土質の影響だろう。普段の岸投手は左脚を振り上げ、ステップして着地し、左股関節を軸にし身体を回転させている。その際、左足も体の回転に合わせて反時計回りに動く。しかし土が固いと着地した左足が上手く回ってくれない。そのため回転する身体に突っかかりが生じてしまい、リリースが0.0数秒単位で遅れてしまう。リリースが遅れるということは、指先が内旋した状態(右投げの岸投手の場合、指の腹が若干三塁側を向いた状態)でのリリースとなるため、ボールは必然的にシュート回転してしまう。

潮崎コーチは試合前に「(岸は)沢村賞獲るんちゃう?」と言っていたが、今夜はこの期待に反する結果となってしまった。しかしストレート自体はいつもと大差はなかったように見えたため、明らかな調子の悪さはないように感じる。今夜は単純に、マウンドとの相性の悪さが顕著に表れてしまっただけだろう。

「マウンドだけでそんなに変わるものなのか?」と思いたくもなるが、しかし変わるものなのだ。特に試合のスタートを切らなければならない先発投手にとって、マウンドの形状は非常に重要な要素となる。例えば西口投手が以前、大阪ドームでは負けないのに、東京ドームではどうしても勝てなかったというのも、やはりマウンドの形状が大きく影響していた。当時の大阪ドームのマウンドは傾斜が緩く、東京ドームは当時の巨人のエースの好みに合わせて傾斜をきつくしていた。そしてその東京ドームを得意としていたのが、松坂大輔投手だった。

今夜は記念すべき新潟での公式戦だったが、それを勝利で飾ることはできなかった。しかし1・2番コンビの状態は日に日に良くなってきているため、今夜もしクリーンナップにもう1本出ていれば、また違った試合結果になっていたはずだ。明日以降も、打線には期待して良いと思う。そして来週の岸投手の好投にも期待したいと思う。

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2010年06月30日 02:19