2010/06/23 楽天vs西武 10回戦
| 4:15 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 埼玉西武 | 3 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 8 | 12 | 2 | |
| 東北楽天 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 7 | 1 | 0 | × | 10 | 16 | 0 |
東北楽天vs埼玉西武10回戦(Kスタ宮城:11,964人)
埼玉西武ライオンズ 7勝3敗0分
継投:野上亮磨~大沼幸二~松永浩典~小野寺力~武隈祥太
敗戦投手:松永浩典 1敗 0.00
ホームラン:ブラウン(14号3ラン)
【ゲームレビュー】
先発した野上亮磨投手が5回を2失点に抑えるという粘り強いピッチングを見せたにも関わらず、それを先輩リリーバーたちが台無しにしてしまった。まさか6・7回に8失点もするとは、誰が予想していただろうか。大沼投手・松永投手・小野寺投手のいずれもが打たれてしまった。
小野寺投手は先日、素晴らしいピッチングを見せてくれたばかりだった。にも関わらずこの試合ではその時の良い姿はなく、簡単に打たれているようにファンの目には映った。やはりメンタルなのだろうか。だがメンタルという言葉だけですべてを片付けたくはない。メンタルが弱いと言うだけなら誰にでもできる。だからこそ筆者はそういうことはなるべく言いたくはない。
この試合の小野寺投手を見ていて思ったことは、120%だったということだ。球速も出ていたしボール自体も悪くはなかった。だがそれを制御すべくコントロールを失っていた。その原因が120%だ。
アスリートはどれだけ実力があったとしても、それを本番で100%発揮することはほぼ不可能に近い。逆を言えば、より100%に近い力を発揮できた選手が勝てるというわけだ。だがこの試合の小野寺投手は、それを悪い意味で超越してしまっていたように筆者には見えた。気合いが入り過ぎて、それが空回りしてしまったのだと思う。
普段は145kmしか出ないストレートが、例えば力を入れれば150km出るとする。だが力んでしまうことでそのボールを制御できなくなり、結果フォアボールを連発したり、真ん中に集まり過ぎて連打を浴びてしまう。この試合の小野寺投手はまさにそのような状態だったと思う。自分が投げるボールを制御しきれていなかった。
昨年までライオンズのメンタルトレーナーを務めていた鋒山丕氏はこの試合の小野寺投手について『気を降ろさないので体が開き、ボールの出所が打者から丸見え』とコメントされていた。筆者は鋒山氏の著書を読んだことがないため、この方がどのような指導を実際に行っているのかは分からない。だが実際に野球をする身としては逆だと思えることも多々ある。気合いが入り過ぎてしまうことで身体に力みが生じ、その力みが身体を開かせてしまうことがある。鋒山氏の言う「気」が気合いも含んでいるのかは分からないが、少なくとも筆者はそのように考えてしまった。
小野寺投手はピッチャーとしては真面目過ぎるのだ。また、優し過ぎる。だからこそ野上投手が好投した後の投手の炎上を、自分の力で止めたいという気持ちが強過ぎたのだろう。もっとリラックスして投げていれば、前回同様のピッチングができたはずなのに、自分を追い込みすぎてしまったが故に、身体から力みを消すことができなかった。
結果の出ていないピッチャーほど、マウンドに登ると力が入ってしまう。力を抜こうと思ってもこれがなかなかできない。力が抜けないと打たれる試合が続き、さらに力が入ってしまうという悪循環に陥ることがある。小野寺投手に必要なのは開き直りだ。「気が降りていない」なんていう難しいことは必要ない。「打ちたければどうぞ打ってくださいませませ」という、ある意味適当な心境で、バッターを見下ろすような態度で投げれば良い。そうすれば絶対に実力通りのピッチングができるはずだ。
結果打たれてしまったとしても、ファンにはその結果だけで選手を判断してもらいたくはない。もちろん実力を発揮せずに打ち込まれたのであれば、それに対してはファンの叱咤も必要だ。しかし力を発揮して打たれてしまったのであれば、それは打ったバッターを誉めるべきなのである。小野寺投手に対してはちょっと打たれただけで善意の感じられないコメントがインターネット上に溢れかえるが、それは明らかに間違いだ。小野寺投手の良い面を無視して、たまたま悪かった結果だけを叩くというのは、それはファンとしてのスポーツマンシップに反すると筆者は考える。
今ファンが小野寺投手に対ししなければならないことは、野次を飛ばすことではない。小野寺投手を信じ、小野寺投手の背中を後押ししてあげることだ。そうすれば素晴らしい能力を持っているピッチャーなのだ。小野寺投手は必ず完全復活を果たしてくれるはずだ。ファンを誰よりも大切に考えてくれている小野寺投手だ。それならば我々ファンも、小野寺投手を大切に考えてあげることがお互いの信頼関係を生むのではないだろうか。

2010年06月24日 18:59
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