2010/05/25 広島vs西武 2回戦
| 3:25 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 埼玉西武 | 0 | 0 | 4 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 9 | 13 | 0 | |
| 広島 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 5 | 0 | 7 | 11 | 1 |
広島vs埼玉西武2回戦(マツダスタジアム:10,699人)
埼玉西武ライオンズ 1勝1敗0分
継投:○許銘傑~星野智樹~長田秀一郎~小野寺力~Sシコースキー
勝利投手:許銘傑 3勝4敗 3.65
セーブ:シコースキー 0勝2敗16S 1.19
ホームラン:中村剛也(13号満塁)、ブラウン(11号2ラン)
【ゲームレビュー】
この試合先発をしたのは許銘傑投手だったが、7回を投げ抜き2失点に抑えるという素晴らしいピッチングを披露してくれた。奪三振は2つと極端に少なく、多彩な変化球を低めに集め、打たせて取るというピッチングに徹した結果の好投だったと思う。近年の許投手は若い頃のようなスピードボールは捨てて、非常に丁寧なピッチングに終始している。このシフトチェンジが許投手の復活を支えてきたのだろう。ベテランらしい、常に最低限以上のピッチングをしてくれる信頼できるピッチャーに変貌してくれた。これだけ丁寧なピッチングを続けてくれていたら、監督としても起用し続けたいと思うだろう。
だがこの試合に関しては、リリーバーが許投手の好投をあわや無駄にしてしまうところだった。8回から登板した星野智樹投手が打者4人と対し、左打者2人にヒットを打たれてしまった。右打者2人は打ち取れても、左打者2人にヒットを打たれてしまったことは、星野投手にとっては屈辱以外の何物でもなかったと思う。
33歳の星野投手には当然蓄積された勤続疲労もあると思う。今季の星野投手を見ていると、身体の切れがイマイチ足りないようにも見える。そして体の開きも若干早いのかなという印象も受けている。体の開きが早いということは、それだけ打者に長くボールを見る時間を与えてしまうということで、ヒットを打たれても何ら不思議はない。しかし星野投手本来の能力を考えるならば、昨季・今季の安定感のなさではいささか物足りない。
人間の体は、年齢を重ねるほど瞬発力と回復力がなくなってくる。瞬発力に関しては想像しやすいだろう。単純に球速に衰えが見え始める。しかし回復力に関しては微妙なところなのだ。回復力がなくなってくると言っても、連投が利かないという意味ではない。年齢を重ねた後の身体は、オーバーアウトに対して非常に脆くなる。オーバーアウトとは体力を使い切ってしまうということだ。ピッチャーで言うならば、先発して体力をとことん使い切ってしまうということに値する。30代を越えた投手の場合、オーバーアウトした後の体力回復に非常に時間が掛かってしまうのだ。そのため先発をさせるにしても、体力を使い切らない状態でマウンドを降ろしてあげることが重要になってくる。
携帯電話のバッテリーに似ているのかもしれない。若い投手は、とことん体力を使ってから充電した方が、携帯電話でいうところのバッテリーは長持ちする。しかしベテラン投手の場合は、電池を使い切る前にこまめに充電した方が使い勝手が良いわけだ。このような生理学的観点から考えていくと、リリーバーとしての星野投手は老け込むにはまだまだ早過ぎるということが言える。
ではなぜ星野投手はここしばらく、ムラのあるピッチングが続いてしまっているのだろうか。その理由は、メンタルにあると思う。と言っても、メンタルが弱いという意味ではない。星野投手は、非常に負けん気の強い性格を持っている。そして責任感も人一倍持っている投手だ。そのため今回のように藤田太陽投手という絶対的セットアッパーを欠いてしまうと、「自分が頑張らねば!」という気持ちが強くなり過ぎ、心と体のバランスが取れなくなってしまうのだろう。
また、ハングリー精神の強い星野投手の場合、何かを与えてしまってはダメなんだと思う。この試合、潮崎コーチは8回を星野投手にすべて預ける気持ちで送り込んだはずだ。だがそうして与えられてしまったことで変な欲が出てしまったのだろう。本来であれば左打者2人を打ち取って、右打者2人の内どちらかからあと1つのアウトを取れば良いと考えるべき場面だった。
真意のほどは分からないが、筆者がピッチャー心理を推測するのであれば、恐らくこの場面、星野投手の頭の中には右打者のことしかなかったのではないだろうか。左打者は絶対に抑えられるという自信が油断を生み、右打者を抑えることばかりに気が行ってしまい、左打者に2本のヒットを浴びてしまった。筆者はこの場面、このように推測した。
星野投手は素晴らしいリリーバーであり、優勝するためには欠かすことの出来ないサウスポー投手だ。そろそろ星野投手の跡を継ぐサウスポーの育成も急務ではあるが、しかし星野投手にはまだまだフル回転してもらう必要がある。老け込むにはまだ早過ぎる年齢だ。一日でも早く本来の星野投手を取り戻してもらい、左打者には1安打すら許さないピッチャーになってもらいたいと思う。そして星野投手は、それができるだけの能力を持ったピッチャーだ。

2010年06月18日 02:24
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