2010/06/29 西武vs日本ハム 10回戦
| 3:18 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 北海道日本ハム | 3 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 10 | 1 | |
| 埼玉西武 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 2 | 4 | 10 | 2 |
埼玉西武vs北海道日本ハム10回戦(ハードオフ新潟:24,323人)
埼玉西武ライオンズ 5勝5敗0分
継投:●岸孝之~武隈祥太~大沼幸二~松永浩典
敗戦投手:岸孝之 9勝5敗 3.36
ホームラン:ブラウン(16号ソロ)
盗塁:片岡易之(31)
【ハイライト】
【片岡易之選手の華麗なグラブトス】
【ゲームレビュー】
1996年、西武vs近鉄戦以来となった新潟でのプロ野球公式戦。その記念すべきマウンドに登ったのは10勝にリーチをかけている岸孝之投手だった。ハードオフスタジアムのスタンドは超満員。画面を通しても新潟の熱気が伝わってきた。しかし先発した岸投手は、その熱い声援に上手く応えることができなかった。5回を投げて9被安打3四球6失点という内容。いつもの岸投手とはかけ離れた内容で、5敗目を喫してしまった。
しかし格段心配する必要はないだろう。1年間を通して投げていれば、必ず調子が悪くなる時期は出てくる。それがあっても10勝以上挙げられるのがエース格のピッチャーで、もし調子を落とすことがなくなれば、20勝できるピッチャーになれる。そもそも梅雨というのは、どの選手にも疲れが見え隠れする季節だ。その理由は汗にあると筆者は考えている。1~2月にしっかり身体を動かしていると、まず3月に汗の質が一度サラサラに変わる。それが4~5月と試合が続くと、梅雨にまた流れ切らない汗になってしまう。夏に調子を上げるためには、梅雨の季節にどれだけ汗を流すかが重要となる。つまり、どれだけ走り込めるかということだ。梅雨の季節にしっかりと走り込み、体の中の汗を効率的に入れ替えることができれば、梅雨明けとともに絶好調に近づけるはずだ。
だが今夜の岸投手は、疲れだけではなかったと思う。ピッチングフォームがバラバラで安定していなかった。恐らくマウンドとケンカをしてしまったのではないだろうか。ハードオフスタジアムのマウンドは、傾斜が若干きつく、土質が固い。これは日本人投手には不向きなマウンドだと言える。このマウンドに対応できる投手を挙げるとすれば、松坂大輔投手や、小野寺力投手だろう。メジャーのマウンドは傾斜がきついところが多く、土も粘土質に近い。それに慣れている松坂投手であれば、簡単に対応できただろう。また小野寺投手のように上から投げ下ろすタイプのピッチャーであれば、傾斜がきつく、ステップした足をしっかりと固定できる固い土質の方が、ストレートの威力が増す。
岸投手のように、スローカーブやチェンジアップを得意とする投手の場合、傾斜がきつく、固い土質のマウンドは不向きだと言える。まず傾斜についてだが、スローカーブは上へ投げ上げるようにしてリリースする。そのためマウンドの傾斜が緩やかであるほど、ボールは自然と上に向かってリリースされる。しかし傾斜がきつい場合、上へ向かう角度を意識する必要が生じる。なぜならきつい傾斜に合わせていつも通り投げてしまうと、スローカーブやチェンジアップのほとんどがワンバウンドしてしまうためだ。今夜の岸投手は、プレーボール直後からそれを気にしていたのではないかと思う。その証拠に、カーブはほとんど低めに決まることがなかった。
また、ストレートがシュート回転してしまったのは、固い土質の影響だろう。普段の岸投手は左脚を振り上げ、ステップして着地し、左股関節を軸にし身体を回転させている。その際、左足も体の回転に合わせて反時計回りに動く。しかし土が固いと着地した左足が上手く回ってくれない。そのため回転する身体に突っかかりが生じてしまい、リリースが0.0数秒単位で遅れてしまう。リリースが遅れるということは、指先が内旋した状態(右投げの岸投手の場合、指の腹が若干三塁側を向いた状態)でのリリースとなるため、ボールは必然的にシュート回転してしまう。
潮崎コーチは試合前に「(岸は)沢村賞獲るんちゃう?」と言っていたが、今夜はこの期待に反する結果となってしまった。しかしストレート自体はいつもと大差はなかったように見えたため、明らかな調子の悪さはないように感じる。今夜は単純に、マウンドとの相性の悪さが顕著に表れてしまっただけだろう。
「マウンドだけでそんなに変わるものなのか?」と思いたくもなるが、しかし変わるものなのだ。特に試合のスタートを切らなければならない先発投手にとって、マウンドの形状は非常に重要な要素となる。例えば西口投手が以前、大阪ドームでは負けないのに、東京ドームではどうしても勝てなかったというのも、やはりマウンドの形状が大きく影響していた。当時の大阪ドームのマウンドは傾斜が緩く、東京ドームは当時の巨人のエースの好みに合わせて傾斜をきつくしていた。そしてその東京ドームを得意としていたのが、松坂大輔投手だった。
今夜は記念すべき新潟での公式戦だったが、それを勝利で飾ることはできなかった。しかし1・2番コンビの状態は日に日に良くなってきているため、今夜もしクリーンナップにもう1本出ていれば、また違った試合結果になっていたはずだ。明日以降も、打線には期待して良いと思う。そして来週の岸投手の好投にも期待したいと思う。
2010年06月30日 02:19
2010/06/25 西武vsオリックス 7回戦
| 3:16 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| オリックス | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 7 | 0 | |
| 埼玉西武 | 0 | 0 | 5 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | × | 7 | 10 | 0 |
埼玉西武vsオリックス7回戦(西武ドーム:13,279人)
埼玉西武ライオンズ 5勝2敗0分
継投:○涌井秀章(完投)
勝利投手:涌井秀章 10勝3敗 2.77(両リーグ10勝1番乗り)
ホームラン:中島裕之(10号3ラン)、ブラウン(15号ソロ)
盗塁:細川亨(1)
【ハイライト】
【ヒーローインタビュー】
【勝利監督インタビュー】
【ゲームレビュー】
今夜先発をしたのはエース涌井秀章投手だった。調子はブルペンから良さそうではなく、終始指先の感覚を確認するような仕草が見て取れた。しかしそれでも9回をしっかりと投げ抜き、3失点に抑えてしまうところはさすがだ。今夜は筆者も西武ドームで観戦していたのだが、涌井投手が首を捻る場面を何度も見かけた。スポーツ新聞サイトをチェックすると、ストレートが全然走らずに良かったのはスライダーだけだと書かれていたが、筆者は逆のように感じた。ストレートは要所ではスピードが乗っていたし、スピードガンがあまり出ない西武ドームであっても、終盤に146kmを計測する場面もあった。
これはあくまでも筆者の見た感想であり、実際どうだったのかは分からないのだが、今夜はスライダーの安定感がイマイチだったと思う。日高捕手に打たれたホームランも、スライダーが曲がり切らなかった抜け球だった。右投手のスライダーが左投手に対して抜けてしまうと、やはり痛手を負う可能性が高くなってしまう。
今夜は涌井投手の能力の高さを改めて思い知った一夜となった。投げているピッチャーは味方の攻撃が2アウトになると、ベンチ前に出てきて肩を温め直す。一流になり切れないピッチャーはこの時、肩を温め直すことだけに時間を使ってしまうのだが、しかし涌井投手の場合は違う。「肩は温まるもの」という意識が最初からあるのかもしれない。上本捕手や野田捕手を相手にキャッチボールをしている姿を見ていると、涌井投手は常に何かを調整しながらボールを投げている。
筆者は今夜、キャッチボールをする涌井投手の目の前で観戦する幸運に恵まれたのだが、涌井投手が最も気にしていたのはスライダーだったように見えた。涌井投手クラスになると、通常ボールを見なくても球種の正確な握り替えができる。しかし今夜の涌井投手はキャッチボール相手からボールを受け取っても、スライダーの時だけ注意深く握りを確認する場面が多く見受けられた。涌井投手の表情を見ていると、指が上手く引っかかっていないような印象だ。恐らく気候の影響もあったのだろう。この時期の西武ドームは湿度が低いということが滅多にない。特に梅雨や夏場の西武ドームの湿度は、高いと80%を越えることもある。だが今夜は実にカラッとしていた。体感での湿度は40%にも満たなかったように思う。そのため指先の湿り気が少なくなり、上手くボールの縫い目に指が引っかからなかったのだろう。
それにしても涌井投手を見ていると、とても若手投手とは思えない。キャッチボール1つにしても本当によく考えながら行っている。中でも印象的だったのは、野田捕手とキャッチボールをしている時のことだった。フォークの握りを確認して投げ、ストレートを投げたあと、イーファスピッチ(フライに近い山なりのボール)に近いカーブを投げた。もちろんキャッチボールなので、あくまでもカーブの握りと抜けを確認するだけの緩やかなボールだ。だがそのボールに対し、野田捕手が待ち切れずにやや前のめりになってやっと捕球するという場面があった。このような場面を目にすると、やはり緩急の大切さを改めて痛感することができる。キャッチャーですら、球種を確認していないと身体が突っ込んでしまうのだ。となるとバッターが打つのはもっと難しいということになる。
涌井投手とキャッチボールをするキャッチャーは、よほど集中していなくてはいけない。なぜなら何を投げてくるか分からないからだ。イーファスピッチ気味のカーブを投げて来たかと思えば、次は130kmを越えるストレートを投げてきたりもする。もちろんサインなど出してはいない。そしてグラウンドでは試合が進行しているため、ボールを逸らすわけにも行かない。非常に緊張感に溢れたキャッチボールだ。通常思考を働かさなければならないのはキャッチャーなのだが、涌井投手にこれだけ頭を使われてしまうと、涌井投手をリードするキャッチャーは本当に大変だと思う。やはり一流のピッチャーをリードできるのは、一流の細川捕手ということになるのだろう。そして一流を育てるのは、やはり一流なのだなとしみじみ思うこととなった。
2010年06月26日 01:10
2010/06/24 楽天vs西武 11回戦
| 2:44 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 埼玉西武 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 6 | 1 | |
| 東北楽天 | 0 | 2 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | × | 6 | 13 | 1 |
東北楽天vs埼玉西武11回戦(Kスタ宮城:11,665人)
埼玉西武ライオンズ 7勝4敗0分
継投:●西口文也~武隈祥太~大沼幸二
敗戦投手:西口文也 1勝2敗 7.76
【ゲームレビュー】
今夜先発をしたのは、ファームで2戦連続でしっかりと試合を組み立てていた西口文也投手だった。しかし結果的には防御率7.76という数字通りの内容になってしまった。5回を投げて5失点。しかもバッティングでは決して主軸とは言えない高須選手にホームランを浴びての5失点は、やはり先発投手としては苦しい内容となった。
勝てなくなってからの西口投手のスライダーは、全盛期のスライダーとはまるで別物になってしまっている。全盛期にはバッターの手元まで行って急にスライドしていくのだが、近年のスライダーはバッターのずっと手前からゆっくりと曲がり始めてしまっている。これでは投球の軌道は読みやすく、バッターとしては打ち頃の球となってしまう。
西口投手は打たれる度に「もっと腕を振れ」と言われるが、しかしそうではないと思う。腕を振ってしまうからこそ変化球に切れがなくなってしまうのだ。腕はあくまでも体幹の回転によって振られるもので、腕自らの力で振るものではない。腕の力を使って腕を振ってしまうから、上体の開きが早くなり、ボールは左打席側に流れる傾向となり、変化球の曲がり始めるポイントも手前になってしまう。
小野寺投手にもまったく同じことを書いたのだが、勝てていないからこそ力を入れて投げてしまう。だが勝てていないと、マウンドに登るとどうしても力が入ってしまう。それに周りの野手が気付いてあげて、早めに声を掛けて欲しいと思う。打たれた後や、リズムが狂いそうになった時に野手に声を掛けてもらえると、ピッチャーは意外とすんなり落ち着くことができる。簡単に言えば、「1人じゃない」ということを実感できるのだ。
近年の西口投手を見ていると、フォームそのものだけではなく、精神的にも投げ急いでいるように見える。もちろん今年勝てなければ200勝が現実的でなくなるということもあるかもしれない。しかし大切なのは200勝を達成することではない。それは西口投手自身が一番よく分かっているし、西口投手自身、200勝のことなど今は頭にはないはずだ。
西口投手と小野寺投手には、とにかく一度マウンドでリラックスをしてもらいたい。そうすれば必ず今までとは違ったボールを投げられるようになるはずだ。今までと違ったボールを投げることができれば、何か復活への切っ掛けを掴める可能性も出てくる。2人は復活への切っ掛けが必要だ。とにかく負けていることを今は一旦すべて忘れ、0からの再出発だと思って開き直って投げてもらいたい。そうすれば必ず今までとは違った結果になるはずだ。もし筆者がピッチングコーチだったとしたら、2人には「腕を振るな」とアドバイスするだろう。
2010年06月25日 00:44
2010/06/23 楽天vs西武 10回戦
| 4:15 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 埼玉西武 | 3 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 8 | 12 | 2 | |
| 東北楽天 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 7 | 1 | 0 | × | 10 | 16 | 0 |
東北楽天vs埼玉西武10回戦(Kスタ宮城:11,964人)
埼玉西武ライオンズ 7勝3敗0分
継投:野上亮磨~大沼幸二~松永浩典~小野寺力~武隈祥太
敗戦投手:松永浩典 1敗 0.00
ホームラン:ブラウン(14号3ラン)
【ゲームレビュー】
先発した野上亮磨投手が5回を2失点に抑えるという粘り強いピッチングを見せたにも関わらず、それを先輩リリーバーたちが台無しにしてしまった。まさか6・7回に8失点もするとは、誰が予想していただろうか。大沼投手・松永投手・小野寺投手のいずれもが打たれてしまった。
小野寺投手は先日、素晴らしいピッチングを見せてくれたばかりだった。にも関わらずこの試合ではその時の良い姿はなく、簡単に打たれているようにファンの目には映った。やはりメンタルなのだろうか。だがメンタルという言葉だけですべてを片付けたくはない。メンタルが弱いと言うだけなら誰にでもできる。だからこそ筆者はそういうことはなるべく言いたくはない。
この試合の小野寺投手を見ていて思ったことは、120%だったということだ。球速も出ていたしボール自体も悪くはなかった。だがそれを制御すべくコントロールを失っていた。その原因が120%だ。
アスリートはどれだけ実力があったとしても、それを本番で100%発揮することはほぼ不可能に近い。逆を言えば、より100%に近い力を発揮できた選手が勝てるというわけだ。だがこの試合の小野寺投手は、それを悪い意味で超越してしまっていたように筆者には見えた。気合いが入り過ぎて、それが空回りしてしまったのだと思う。
普段は145kmしか出ないストレートが、例えば力を入れれば150km出るとする。だが力んでしまうことでそのボールを制御できなくなり、結果フォアボールを連発したり、真ん中に集まり過ぎて連打を浴びてしまう。この試合の小野寺投手はまさにそのような状態だったと思う。自分が投げるボールを制御しきれていなかった。
昨年までライオンズのメンタルトレーナーを務めていた鋒山丕氏はこの試合の小野寺投手について『気を降ろさないので体が開き、ボールの出所が打者から丸見え』とコメントされていた。筆者は鋒山氏の著書を読んだことがないため、この方がどのような指導を実際に行っているのかは分からない。だが実際に野球をする身としては逆だと思えることも多々ある。気合いが入り過ぎてしまうことで身体に力みが生じ、その力みが身体を開かせてしまうことがある。鋒山氏の言う「気」が気合いも含んでいるのかは分からないが、少なくとも筆者はそのように考えてしまった。
小野寺投手はピッチャーとしては真面目過ぎるのだ。また、優し過ぎる。だからこそ野上投手が好投した後の投手の炎上を、自分の力で止めたいという気持ちが強過ぎたのだろう。もっとリラックスして投げていれば、前回同様のピッチングができたはずなのに、自分を追い込みすぎてしまったが故に、身体から力みを消すことができなかった。
結果の出ていないピッチャーほど、マウンドに登ると力が入ってしまう。力を抜こうと思ってもこれがなかなかできない。力が抜けないと打たれる試合が続き、さらに力が入ってしまうという悪循環に陥ることがある。小野寺投手に必要なのは開き直りだ。「気が降りていない」なんていう難しいことは必要ない。「打ちたければどうぞ打ってくださいませませ」という、ある意味適当な心境で、バッターを見下ろすような態度で投げれば良い。そうすれば絶対に実力通りのピッチングができるはずだ。
結果打たれてしまったとしても、ファンにはその結果だけで選手を判断してもらいたくはない。もちろん実力を発揮せずに打ち込まれたのであれば、それに対してはファンの叱咤も必要だ。しかし力を発揮して打たれてしまったのであれば、それは打ったバッターを誉めるべきなのである。小野寺投手に対してはちょっと打たれただけで善意の感じられないコメントがインターネット上に溢れかえるが、それは明らかに間違いだ。小野寺投手の良い面を無視して、たまたま悪かった結果だけを叩くというのは、それはファンとしてのスポーツマンシップに反すると筆者は考える。
今ファンが小野寺投手に対ししなければならないことは、野次を飛ばすことではない。小野寺投手を信じ、小野寺投手の背中を後押ししてあげることだ。そうすれば素晴らしい能力を持っているピッチャーなのだ。小野寺投手は必ず完全復活を果たしてくれるはずだ。ファンを誰よりも大切に考えてくれている小野寺投手だ。それならば我々ファンも、小野寺投手を大切に考えてあげることがお互いの信頼関係を生むのではないだろうか。
2010年06月24日 18:59
2010/06/22 楽天vs西武 9回戦
| 3:14 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 埼玉西武 | 2 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 9 | 1 | |
| 東北楽天 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 13 | 1 |
東北楽天vs埼玉西武9回戦(Kスタ宮城:12,151人)
埼玉西武ライオンズ 7勝2敗0分
継投:○岸孝之~H藤田太陽~H長田秀一郎~Sシコースキー
勝利投手:岸孝之 9勝4敗 2.98
セーブ:シコースキー 2敗22S 1.76
【ゲームレビュー】
チームが良い状態だからこそあえて書いておこうと思う。中島裕之選手の守備に関してだ。今季の中島選手は好守共に大きな成長を遂げているとは思うが、守備に関しては打撃ほどの成長が感じられない。もちろん下手という意味ではなく、中島選手であればもっと良いプレーができると筆者は考えているのだ。
筆者の考え方からすると、中島選手は根本的にショート向きの選手ではない。ショートに向いている選手は、まずストライドが小さく、野球選手として身体的に小柄な選手だ。ストライドが小さくなければならない理由は、ショートは他のポジション以上にボールのバウンドにステップを合わせていかなければならないためだ。大きなストライドではその間にバウンドが変わってしまうことがある。しかし小さなストライドでゴロに入っていければ、その間にバウンドが変わったとしてもすぐに対応することができる。
そして小柄な選手が良いと言う理由は、上半身の強さに頼ったプレーをしないためだ。パ・リーグで言えば千葉ロッテの西岡選手、福岡ソフトバンクの川崎選手、東北楽天の渡辺選手、オリックスの大引選手はいずれも細身、もしくは小柄な選手だ。いずれもホームランを打てるバッターではなく、上半身の強さに焦点を当てると、決して腕っ節の強い選手はいない。だが彼らと比べると中島選手の場合、明らかに体格が異なり、身長差・体重差はそれほどないにしても身体そのものに大きさが感じられる。
この試合で中島選手は3試合連続エラーを記録してしまった。ショートストップという非常に重要なポジションを任せられて、3試合連続でのエラーは少々心配になってくる。よく「守備や走塁にスランプはない」と言われるが、筆者はそうは思わない。走塁であれば、なぜか上手くスタートが切れなくなったり、守備であればなぜバウンドに上手く入れないことが続く時がある。そして打撃のリズムは守備から生まれるというのが野球の鉄則だ。つまり守備で悪いプレーが続いてしまうと、その悪い流れがバッティングにも影響してしまうということだ。筆者はそれを非常に心配している。
ここ数試合西武ドームで中島選手を見ていても、バウンドに対して上手く入れていない時が多く見受けられる。グラブとは、ボールをしっかり握るための道具だと思われがちだがそうではない。ボールはグラブで握るのではなく、ボールが勝手にグラブに入ってきてくれるのだ。握りに行くか、迎え入れられるか。この差が上手い野手とそうでない野手の差となる。もちろん迎え入れられる後者が上手い野手だ。
中島選手の場合はボールを迎えに行ってしまっている。これは松井稼頭央選手も以前は抱えていた癖で、この癖を直せなかったために稼頭央選手はメジャーのショートストップとしては通用しなかった。だが近年の稼頭央選手は直せているようにも見えるため、もし今ショートを守らせたら、ライオンズからメッツに移籍した時よりは遥かに良い守備を見せてくれるとは思う。
中島選手はショート向きではないと言ったが、ではどこに向いているのか?筆者はサードが一番向いていると思っている。それか、セカンドでも良いと思う。中島選手はスローイングに難がある。これは上体の強さに頼ってしまっているためだ。話が前後してしまったが、上体の強い選手は、その強さでボールを強く投げようとしてしまう。そのためコントロールが曖昧になる。反対に小柄な選手や細身の選手の場合、上体に強さがないため否応なく全身を使って投げざるをえない。つまり下半身を使ってしっかりと安定したスローイングをしなければ、強い送球ができないのだ。上体に頼る中島選手(と中村選手)、そして下半身を使ってボールを投げる前述した4人のショートストッパー。これが中島選手と、上手いショートストッパーとの絶対的な違いであり、中島選手がショートに向かない理由の1つでもある。
ショートの場合、ゴロに対しダッシュし、その勢いのまま一塁に送球することになる。つまり一連の動きが止まることなく行われる。これは打球が飛んでくる方向(ホームベース)とショートの位置、そしてそこからの一塁への角度が浅いために可能となるプレーだ。
反面サードやセカンドの場合、ゴロをさばくとどうしても一塁が目線の後方になってしまうため、捕球後一度動きを止めて、しっかりとターンをしてからでないとボールを投げることができない。ショートと、セカンド・サードの違いはここにある。常に目線に一塁を入れてプレーをできるショートと、動きを止めて一塁を探してから投げなければならないセカンド・サード。中島選手の場合、恐らく一度動きを止めてから投げるようにした方が、送球は確実に安定感を増すと思う。
野球においてショートとは、キャッチャーと同じくらい重要なポジションだ。監督の意図をキャッチャーがグラウンドに運び、それをショートストッパーが野手全体に周知させていく。つまりショートストッパーは、チームで最も守備が上手くなくてはならないのだ。こうして見ていくと、やはりキャッチャーとショートはプロに入ってから育てるのでは遅い。生粋のショートをスカウトして連れて来ない限り、本当の意味で固い守備は敷けないだろう。以前にも書いたことではあるが、ライオンズには原拓也選手・浅村栄斗選手という生粋の上手いショートストッパーがいる。
中島選手の打撃をもっと活かすためにも、中島選手をサードにコンバートし、ショートストップは生粋のショートストッパーに守らせるのも1つの戦略だと筆者は考えている。プロ入り10年でショートとしてここまで成長した中島選手の能力はやはり素晴らしい。しかし勝つためにはもっともっと上手いショートストッパーが必要だということも、常勝チームを作るためにも渡辺監督には、長期的展望を持って考えていってもらえたらと思う。
2010年06月24日 18:55
2010/06/20 西武vsソフトバンク 12回戦
| 3:30 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| ソフトバンク | 0 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 9 | 0 | |
| 埼玉西武 | 0 | 2 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | × | 6 | 10 | 1 |
埼玉西武vs福岡ソフトバンク12回戦(西武ドーム:24,276人)
埼玉西武ライオンズ 9勝3敗0分
継投:許銘傑~○武隈祥太~H小野寺力~H藤田太陽~H長田秀一郎~Sシコースキー
勝利投手:武隈祥太 1勝 0.00
セーブ:シコースキー 2敗21S 1.82
ホームラン:細川亨(6号満塁)
盗塁:栗山巧(8)
【ハイライト】
【ヒーローインタビュー】
【勝利監督インタビュー】
【ゲームレビュー】
昨年はリリーフ陣が総崩れ状態となり多くの勝ちを逃したライオンズだったが、この試合は昨年とはまるで違うチームだと感じられる戦い方だった。先発した許銘傑投手がホークス打線に捕まり、3回途中で早々にマウンドを降りると、後続のリリーバーたちが試合をしっかりと作り直した。まず登場したのは将来先発ローテ入りが期待されている武隈祥太投手だった。このピッチャーはとにかくマウンド度胸がある。どんな状況でマウンドに登っても浮き足立つことがないし、マウンドで自分を見失う姿もほとんど見られない。この図太い神経は、いかにも投手向きだ。
その武隈投手が許投手を継いで3回途中から登場すると、2回1/3を見事0点に抑えた。完璧な投球とは言えなかったが、しかしホークス打線を相手に臆することなく、しっかりと攻めた好投だったと思う。武隈投手の魅力は何と言ってもボールの出所の遅さだろう。振り上げてステップした右脚が着地しても、まだ左腕はトップに残っている。ここまでしっかりとタメを作られてしまうと、並のボールだったとしてもバッターはタイミングが取れない。武隈投手が1軍慣れして、もっと実力通りのピッチングができるようになれば、間違いなく将来はローテーション投手となるだろう。そしてこの試合で挙げたプロ初勝利は、その布石とも言える1勝になったと思う。
続いて登場したのは小野寺力投手だった。結果だけを見ると素晴らしいピッチングだった。1イニングを投げて2奪三振の三者凡退。わずか10球で投げ切った。まだこの1試合で判断するわけには行かないが、少なくともこの試合に関しての小野寺投手は素晴らしかったと思う。筆者が見た感じでは、ボールがトップの位置からキャッチャーミットまできれいな一直線を描いていた。これまでは腕を大きく振り過ぎてコントロールと球威を落としてしまっていたのだが、この試合の小野寺投手は違った。あれだけ直線的にボールを投げられたら、バッター目線ではボールへの距離間が掴めない。つまりタイミングを計れないということだ。この状況で緩急を使われたら、バッターは手も足も出ないだろう。
小野寺投手がこのピッチングをどれだけ継続できるかはまだ未知数だ。もし80~90%の確率でこのピッチングができれば、つまりリリーフに成功することができれば、完全復活と言っても過言ではないだろう。しかしリリーフ成功率が60%を下回るようならば、再びファームを落とされる可能性も高い。そのためにもこの試合でのピッチングを決して忘れて欲しくはない。この好投を自信にし、次の登板に備えて欲しいと思う。クローサーはグラマン投手だのシコースキー投手だのと言われるライオンズだが、筆者の希望はやはり小野寺投手が9回のマウンドに登ることだ。
小野寺投手の後は藤田太陽投手~長田秀一郎投手~シコースキー投手と繋いだわけだが、この3人に関してはいつも通り安定感は抜群だった。特に長田投手は三者三振で8回を締め、ホークスの反撃の根をしっかりと絶やした。素晴らしいリリーフだったと思う。現在ライオンズには左のリリーバーが不在と言える状況なのだが、セットアッパーがこれだけ安定していればワンポイントリリーバーはそれほど必要にはならないだろう。だが来月に入り工藤公康投手・星野智樹投手が1軍に戻ってくれば、ブルペンはさらに安泰と呼べる状態となる。だがそのためにもセットアッパーの安定は不可欠だ。2軍から戻ったばかりの投手にあまり負担をかけさせてはいけない。
だが今夜のような試合ができていれば、それほどの心配は要らないだろう。1試合2試合崩れたとしても、それが続くということは今のリリーバーの状態を見ると考えにくい。ということは、あとはどれだけ温存できるかだ。そのためには先発投手が最低でも6イニング以上投げなくてはならない。先発投手がしっかりと試合を組み立てることができていれば、リリーバーも実力通りのピッチングをし続けてくれるはずだ。
2010年06月24日 18:25
2010/06/19 西武vsソフトバンク 11回戦
| 2:53 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| ソフトバンク | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 6 | 0 | |
| 埼玉西武 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | 1 | 0 | × | 5 | 7 | 1 |
埼玉西武vs福岡ソフトバンク11回戦(西武ドーム:26,845人)
埼玉西武ライオンズ 8勝3敗0分
継投:○帆足和幸~H藤田太陽~長田秀一郎~Sシコースキー
勝利投手:帆足和幸 7勝5敗 2.49
セーブ:シコースキー 2敗20S 1.88
ホームラン:細川亨(5号3ラン)
【ハイライト】
【ヒーローインタビュー】
【勝利監督インタビュー】
【ゲームレビュー】
ファンの多くが心配されていた細川捕手の打力だったが、ここに来て絶好調という状態になった。打順が8番から9番になったことで役割がさらに明確になり、プラスにはならなかった8番での「ノンプレッシャー状態」とは違った精神状態で打席に入れているのだろう。
まず最近の細川捕手を見ていて一番強く思うのは、タイミングの良さだ。バッティングで最も重要な要素はタイミングだ。これ以上に大事なものはないわけだが、そのタイミングの取り方が最近の細川捕手は素晴らしい。なぜそこまでタイミングが重要かと言うと、タイミングが合っていないと、ジャストミートしたとしてもヒットになる可能性は低くなる。逆にタイミングが完璧であれば、バットの芯を外したとしてもホームランになることさえある。
バッターがスランプに陥る原因の大半はタイミングにある。つまりタイミングを合わせられるようになれば、スランプは多くの場合で抜け出せるということになる。スランプになると、練習を休む選手がよくいる。これは賛否あることではあるが、メリットも当然ある。そのメリットとは、スランプ中に身体に染み付いてしまったタイミングを、一度ニュートラルに戻せるという効果だ。タイミングが合わない身体の状態でいくらバットを振っても、タイミングが合わないまま打席に立つことになってしまい、悪いタイミングをさらに身体に染み付けてしまう結果となる。それならばそのタイミングを一度リフレッシュさせ、悪くなった感覚を身体に忘れさせてあげれば良い。そのために有効なのが遅球打ちだ。
スランプになったらとにかく遅い球を、反対方向に打つ練習をすれば良いと筆者は考えている。もちろんこれがすべてではないが、多くの場合で有効だ。ちなみに反対方向に打つとは、流し打ちをするという意味ではない。投げられたボールの、自分(打者)側の半分の面をバットで叩くイメージだ。右打者ならば、ボールの左側を叩くということになる。
東京ヤクルトで活躍された古田敦也捕手のスランプ脱出法も同様だった。彼はスランプに陥ると、試合ではとにかく変化球(遅球)を右方向へ打つことに徹底した。その理由は上述の通りで、右打者の古田捕手はボールの左側を叩くことに徹底していた。その結果、打球は右方向へと飛ぶことが多くなる。このバッティングを数週間続けていると、そのデータが相手チームにも残り、「古田は右打ちをしてくる」という前提で、右打ちがしにくい内角を中心に攻めてくるようになる。だがそれは古田捕手は承知済み。そのタイミングを待って、内角球を引っ張っていた。ひたすら右打ちを続け、ピッチャーが内角中心に攻めてくる時期が、古田捕手のスランプ脱出時期ということになるわけだ。
細川捕手が自分の打撃についてどのようなことを考えているのかは筆者には分からない。だが調子が良い時の細川捕手を見ると、やはりボールをしっかり引き付け、自分のタイミングでバットが振れている。自分のタイミングでバットが振れているため、ボールとバットが接している時間も長く、その分パワーをしっかりとボールにぶつけていくことができ、そのパワーでボールを遠くまで運ぶことが可能になる。
細川捕手の好調がどれだけ続くかは分からないが、しかし欲を出さなければしばらくの間は続くのではないだろうか?絶好調の時にしっかりと打率を上げておくことさえできれば、シーズン打率を.260前後で終えることも可能かもしれない。
さて、多くの方は捕手に打撃を求めているようだが、しかし筆者は違う。筆者の野球理論では捕手・遊撃手は打てなくても良い。特に捕手は打てなくても良いと考えている。その理由は、打席までの準備時間が短いためだ。他の野手であれば攻撃中は、常に自分の打席をイメージして様々な準備を行うことができる。しかし捕手は違う。ベンチに戻れば配球の反省をし、次の回はどういう攻め方をするかをピッチャーとしっかり打ち合わせする必要がある。そのため自分の打席に対する準備が疎かになってしまうわけだ。
もちろん素晴らしいリードをしても、古田捕手のように打者としても一流の捕手は存在する。しかしそれは限られた一部の選手だけで、傾向から見ると、打撃には目を瞑って捕手能力の高さでプロ入りしてきた捕手が多い。古田捕手然り、楽天の嶋捕手然りだ。しかし細川捕手の場合は違った。「強打の捕手」という肩書きを持っての入団だったため、最初からある程度の打力が期待されていた。だがそれが余計なプレッシャーになってしまった。
もし打撃にまったく期待されていなければ、捕手としての成長はもっと速かっただろうし、捕手としての成長が速ければ、打者としての成長時期ももっと早くなっていたはずだ。だが入団時から打撃も期待されてしまったことで、悪く言えば中途半端な成長となってしまった。もし細川捕手が森監督時代の西武に入っていたとしたら、捕手としての成長は恐らくもっと速かっただろう。なぜなら森監督は、捕手には必要以上の打力は求めなかったためだ。
このブログ読者の方の多くから「細川ではなく上本を使ってはどうか?」という内容のメールをいただいて来た。しかし筆者はシーズン当初からその内容のメールに対しては、一貫して細川捕手を起用すべきとお答えしてきた。捕手というポジションは、練習して上手くなれるポジションではない。経験しなければ上手くはなれない。そして勝つためには絶対に「名捕手」が必要だ。となると、上本捕手をレギュラー捕手として起用し、上本捕手の打力で5点取れる打線になったとしても、守備では6点目を取られる可能性が高まってしまう。また上述したように、もし上本捕手を常用すれば、上本捕手は自分の打席に対する準備に時間を取れなくなり、当然打力は目に見えて低下するはずだ。だがもし今後上本捕手を育てて行きたいのならスタメンではなく、大量リードした場面や、大量リードされた場面でマスクを被らせれば良いと思う。特に大量リードされた場面では相手打線が乗っているし、自軍のピッチャーは逆に萎縮してしまっている。そういう難しい状況でピッチャーをリードをすることで、キャッチャーは育っていけるのだ。
細川捕手の絶好調がどこまで続くかは分からない。しかし今後も恐怖の9番バッターとして.260前後、10本塁打前後打ってくれれば、それは捕手としては十分な数字だと言えるだろう。そしてその数字が.270になり、15本塁打になれば、細川捕手のキャッチャーとしての能力を見ればどこからも文句は上がらないはずだ。30代に突入し、いよいよ円熟味を帯びてきた細川捕手だ。ホームランはそれほどは期待していないが、とにかくチームを日本一に導くリードを頑張ってもらいたいと思う。
2010年06月22日 06:27
2010/06/18 西武vsソフトバンク 10回戦
| 2:57 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| ソフトバンク | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 7 | 2 | |
| 埼玉西武 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | × | 8 | 8 | 0 |
埼玉西武vs福岡ソフトバンク10回戦(西武ドーム:15,655人)
埼玉西武ライオンズ 7勝3敗0分
継投:○涌井秀章~シコースキー
勝利投手:涌井秀章 9勝3敗 2.75
ホームラン:細川亨(4号満塁)
盗塁:栗山巧(7)、中島裕之(8)、斉藤彰吾(1・プロ初盗塁)
【ハイライト】
【ヒーローインタビュー】
【勝利監督インタビュー】
【ゲームレビュー】
交流戦明けのレギュラーシーズン再開となった今夜の試合、先発として先陣を切ったのはエース涌井秀章投手だった。初回こそ少しバタバタしてしまったものの、自らの好フィールディングでそれを切り抜け、初回を何とか無失点で抑えた。見ていて絶好調というほどではなかったとは思うのだが、それでも狙って三振を取りに行ったり、要所をしっかりと抑えるところはさすがのピッチングだった。絶好調ではないが、絶好調に近い好調な状態だと思う。恐らく今後梅雨が明け、暑さが増せば、絶好調宣言も飛び出してくるだろう。
圧巻だったのはペタジーニ選手に甘く入ったカーブをホームランされた後だった。続くオーティズ選手にも三塁線を破ろうかという当たりを打たれたのだが、それをサード阿部真宏選手がダイビングキャッチ。エースの力投を盛り立てた。涌井投手自身も、この1プレーでシフトチェンジできたのだろう。7回は三者連続三振でホークス打線を退けた。続く8回はホークスの1・2番コンビに連打を許してしまうのだが、これはヒットを打ったバッターを誉めるべきだろう。特に川崎選手がライト前に運んだ投球は、常識で考えたら絶対にヒットにならないような難しいボールだった。そんなボールをヒットされても気落ちしないところが、やはりエースのエースたる所以なのだろう。3番多村選手を三振ゲッツーに仕留めると、4番松中選手をセンターフライに打ち取り、ピンチを切り抜けた。
どんな状況であってもしっかり地に足がついている涌井投手。その落ち着き払った、ある種ふてぶてしいとも言える態度が、安定したピッチングを支えているのだろう。中には味方のエラー1つでリズムが狂ってしまうピッチャーもいるが、涌井投手はそうではない。ちょっとやそっとのエラーでは決して動揺はしないし、味方にエラーが出た時こそ圧倒的なピッチングを見せてくれる。また逆に、今夜の阿部選手のような好プレーが出た後も、その流れを止めないような快投を見せることが多い。マウンドにいるだけでチームの空気を変えられる男、涌井秀章。彼はやはりエースと呼ぶに相応しい投手だと思う。
さて、今夜からは中村剛也選手の離脱によりオーダーを大きくいじって来た。しかしながら筆者はどうにも納得が行かない。4番ブラウン選手は分かる。打率こそ低いものの、勝負強さがある。チャンスで打席に立てば、何かやってくれそうな雰囲気を持っている。そしてこの3連戦までは婚約者が来日中とあって、波に乗っていける要素は十分はらんでいる。だが5番にG.G.佐藤選手を起用したことには不満の方が大きい。
G.G.佐藤選手が好調であれば何も文句はない。また、ヒットが出ていなかったとしても、凡退の内容が良ければ5番での起用にも納得は行く。しかし今のG.G.佐藤選手は、どう見ても打てる雰囲気が感じられない。2・3打席目の三振はいずれも中途半端なスウィングで三振をしているし、4打席目のショートゴロもバッテリーによって完全に打たされてしまっている。そしてファールに関しても良いファールがない。例えば引っ張りに行っているのに一塁側にファールが飛んだりするということは、タイミングがまったく取れていないということを意味する。
なぜG.G.佐藤選手は今季打てていないのか?その原因の1つには、ボールの外側しか叩いていないことにある。ボールの外側を打ちに行ってしまうと、バットのエネルギーがボールに伝わりにくいし、根本的に考えてもタイミングがずれる確率が高くなる。ヒットを打つためには基本としては、ボールの内側、つまり自分の方を向いている半分側を叩く必要がある。G.G.佐藤選手は非常に頑固で、積極的にコーチのアドバイスを聞く選手ではない。デーブ大久保コーチにしても、G.G.佐藤選手からは一定の距離を置いていたほどだ。そのような性格もあり、一度スランプになるとなかなか上がって来れない。これだけ不調が続くG.G.佐藤選手をあえて5番に起用したということは、昨年の好例があるためだろう。「渡辺監督が求めるバッティングを心掛けた」という去年の終盤のバッティングは、繋ぎ役にも徹せられる見事な活躍だった。このようなこともあり首脳陣は、G.G.佐藤選手には責任を与えてあげれば蘇るという判断、そして期待から、不調であるにも関わらず5番に座らせたのだろう。
実はG.G.佐藤選手はこれまで、1年間フルで戦い抜いた実績がない。にも関わらず、この成績で5番に座らせて心配なのは、チームの士気が下がらないかということだ。相手バッテリーも今夜のG.G.佐藤選手のバッティングを見たなら、明日以降はもっとG.G.佐藤選手を舐めてかかってくるだろう。つまりランナーを2人溜めてブラウン選手を迎えたら、ブラウン選手を歩かせて次のG.G.佐藤選手でアウトを取ろうと考えてくるはずだ。となると4番の得点力は低下し、チーム全体の得点力もそれに比例して落ちてしまう。そうなった時、G.G.佐藤選手がさらに落ち込まないかも非常に心配だ。
4番ブラウン選手までは納得が行くが、5番は普通に考えたなら高山選手だったのではないだろうか。もちろん交流戦終盤で若干腰を痛めていたということも加味されるが、それにしても今のG.G.佐藤選手と比べたならば、高山選手の方がはるかに得点力は高いと言える。今夜の試合は勝ったから良いようなものの、打線自体はほとんど機能しなかった。
恐らく当分は今夜のクリーンアップトリオで挑むのだろうが、しかし心配は募るばかりだ。筆者としては坂田選手辺りを1軍の下位打線で試してもらいたいという気もする。今は現有戦力で切り抜けるというよりは、必要なのはカンフル剤だと思うからだ。ファームで威勢の良いバッティングをしている選手は積極的に上で起用し、どんどん1軍に刺激を与えてもらいたいと思う。今日トレードが発表された米野捕手にもそういう存在になってもらいたいと期待している。ただし代打要員としてしか起用しないのであれば、それは1軍に上げるべきではない。ファームの好調選手を1軍に上げるのであれば、しっかりと起用し続けることを前提に上げてもらいたいと思う。
さて、明日はここ数試合調子を落としている帆足投手が先発をする。涌井投手が勝った後とあって、幾分楽な気持ちで投げられると思う。あまり気負うことなく、まずは自分のピッチングを心掛けて頑張ってもらいたい!
2010年06月18日 21:20
2010/05/25 広島vs西武 2回戦
| 3:25 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 埼玉西武 | 0 | 0 | 4 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 9 | 13 | 0 | |
| 広島 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 5 | 0 | 7 | 11 | 1 |
広島vs埼玉西武2回戦(マツダスタジアム:10,699人)
埼玉西武ライオンズ 1勝1敗0分
継投:○許銘傑~星野智樹~長田秀一郎~小野寺力~Sシコースキー
勝利投手:許銘傑 3勝4敗 3.65
セーブ:シコースキー 0勝2敗16S 1.19
ホームラン:中村剛也(13号満塁)、ブラウン(11号2ラン)
【ゲームレビュー】
この試合先発をしたのは許銘傑投手だったが、7回を投げ抜き2失点に抑えるという素晴らしいピッチングを披露してくれた。奪三振は2つと極端に少なく、多彩な変化球を低めに集め、打たせて取るというピッチングに徹した結果の好投だったと思う。近年の許投手は若い頃のようなスピードボールは捨てて、非常に丁寧なピッチングに終始している。このシフトチェンジが許投手の復活を支えてきたのだろう。ベテランらしい、常に最低限以上のピッチングをしてくれる信頼できるピッチャーに変貌してくれた。これだけ丁寧なピッチングを続けてくれていたら、監督としても起用し続けたいと思うだろう。
だがこの試合に関しては、リリーバーが許投手の好投をあわや無駄にしてしまうところだった。8回から登板した星野智樹投手が打者4人と対し、左打者2人にヒットを打たれてしまった。右打者2人は打ち取れても、左打者2人にヒットを打たれてしまったことは、星野投手にとっては屈辱以外の何物でもなかったと思う。
33歳の星野投手には当然蓄積された勤続疲労もあると思う。今季の星野投手を見ていると、身体の切れがイマイチ足りないようにも見える。そして体の開きも若干早いのかなという印象も受けている。体の開きが早いということは、それだけ打者に長くボールを見る時間を与えてしまうということで、ヒットを打たれても何ら不思議はない。しかし星野投手本来の能力を考えるならば、昨季・今季の安定感のなさではいささか物足りない。
人間の体は、年齢を重ねるほど瞬発力と回復力がなくなってくる。瞬発力に関しては想像しやすいだろう。単純に球速に衰えが見え始める。しかし回復力に関しては微妙なところなのだ。回復力がなくなってくると言っても、連投が利かないという意味ではない。年齢を重ねた後の身体は、オーバーアウトに対して非常に脆くなる。オーバーアウトとは体力を使い切ってしまうということだ。ピッチャーで言うならば、先発して体力をとことん使い切ってしまうということに値する。30代を越えた投手の場合、オーバーアウトした後の体力回復に非常に時間が掛かってしまうのだ。そのため先発をさせるにしても、体力を使い切らない状態でマウンドを降ろしてあげることが重要になってくる。
携帯電話のバッテリーに似ているのかもしれない。若い投手は、とことん体力を使ってから充電した方が、携帯電話でいうところのバッテリーは長持ちする。しかしベテラン投手の場合は、電池を使い切る前にこまめに充電した方が使い勝手が良いわけだ。このような生理学的観点から考えていくと、リリーバーとしての星野投手は老け込むにはまだまだ早過ぎるということが言える。
ではなぜ星野投手はここしばらく、ムラのあるピッチングが続いてしまっているのだろうか。その理由は、メンタルにあると思う。と言っても、メンタルが弱いという意味ではない。星野投手は、非常に負けん気の強い性格を持っている。そして責任感も人一倍持っている投手だ。そのため今回のように藤田太陽投手という絶対的セットアッパーを欠いてしまうと、「自分が頑張らねば!」という気持ちが強くなり過ぎ、心と体のバランスが取れなくなってしまうのだろう。
また、ハングリー精神の強い星野投手の場合、何かを与えてしまってはダメなんだと思う。この試合、潮崎コーチは8回を星野投手にすべて預ける気持ちで送り込んだはずだ。だがそうして与えられてしまったことで変な欲が出てしまったのだろう。本来であれば左打者2人を打ち取って、右打者2人の内どちらかからあと1つのアウトを取れば良いと考えるべき場面だった。
真意のほどは分からないが、筆者がピッチャー心理を推測するのであれば、恐らくこの場面、星野投手の頭の中には右打者のことしかなかったのではないだろうか。左打者は絶対に抑えられるという自信が油断を生み、右打者を抑えることばかりに気が行ってしまい、左打者に2本のヒットを浴びてしまった。筆者はこの場面、このように推測した。
星野投手は素晴らしいリリーバーであり、優勝するためには欠かすことの出来ないサウスポー投手だ。そろそろ星野投手の跡を継ぐサウスポーの育成も急務ではあるが、しかし星野投手にはまだまだフル回転してもらう必要がある。老け込むにはまだ早過ぎる年齢だ。一日でも早く本来の星野投手を取り戻してもらい、左打者には1安打すら許さないピッチャーになってもらいたいと思う。そして星野投手は、それができるだけの能力を持ったピッチャーだ。
2010年06月18日 02:24
2010/05/24 広島vs西武 1回戦
| 2:52 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 埼玉西武 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0 | |
| 広島 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | × | 3 | 9 | 0 |
広島vs埼玉西武1回戦(マツダスタジアム:20,235人)
埼玉西武ライオンズ 0勝1敗0分
継投:●岸孝之~小野寺力
敗戦投手:岸孝之 7勝2敗 2.57
【ゲームレビュー】
この試合先発をしたのは広島カープを若干苦手としている岸孝之投手だった。しかし苦手にしているとは言え、6回を投げて3失点はQSを達成しており、先発投手としての役目は十分に果たしたと言える。しかしながら打線が粘り強く投げた岸投手を援護することができなかった。
広島の先発はスタルツ投手。防御率は5点台のピッチャーだ。にも関わらずライオンズは1得点も挙げることなく、あっさりと敗れてしまった。少なくとも優勝を狙うチームの負け方ではない。このような敗戦を今後も繰り返すようなことがあれば、ライオンズは今年もペナントを制することはできないだろう。
ライオンズは昨季以来、明らかに打線の繋がりを欠いている。昨季は5番打者の不在が打線を分断してしまったという見方がされているが、果たしてそれだけだろうか。少なくとも筆者はそれだけではないと考えている。打線の繋がりを欠いているとはこのブログでも何度も触れているし、多くのファンがそれを心配している。では打線の繋がりとは一体どういうことなのか?そしてどうすれば打線は繋がるのだろうか?
まず打線の繋がりについてだが、これは決して連打が出るという意味ではない。そもそも野球というスポーツは、バッターは3回に1回ヒットを打てれば一流と呼ばれるのだ。つまりバッターは70%以上の確率でアウトになる。これをシンプルに考えるならば、連打を期待する方がプロとしてはおかしいという話になる。もちろんプロである限り連打を狙わなければならないのだが、しかしプロであるならば連打を打つこと以上に、打線を繋ぐことを考えなければならない。
例えばこの試合であれば、細川捕手の打順がキーになったと言える。細川捕手はこの試合3打数0安打という結果なのだが、細川捕手がヒットを打てなかったことを責める気はまったくない。筆者は結果だけ見て批判することはしないように心掛けている。筆者がここで強く言いたいのは、アウトのなり方だ。
5回表、7番の平尾選手がライト前ヒットで出塁し、ノーアウト1塁という場面で最初の細川捕手の打席を迎えた。だが結果的にはレフトフライに倒れ、次の岸投手がバントでランナーを進めたのだが、続く片岡選手はショートゴロに倒れ、ノーアウトのランナーを活かすことができなかった。
打線の繋がりとは、一言で言うならば状況に応じたケースバッティングができるか否かということになる。ヒットやホームランを重ねて得点するのは、ある意味ではベースボールと呼ぶに相応しいだろう。だが野球はそうではなく、如何にしてランナーをホームまで還すかということに尽きるのだ。いわゆるスモールボール(=スモールベースボール)と呼ばれるものだ。2008年、日本一になった時のライオンズはホームランがよく飛び出したことから、ビッグボールと評されることが多かった。しかし実情は違う。2008年のライオンズはホームランだけではなく、徹底されたケースバッティングで少ないチャンスをしっかりと物にしていた。だからこそ前半戦は圧倒的な得点力で独走することができたのだ。
さて、この試合もう一回チャンスで細川捕手に回ってくる。7回、ノーアウト2・1塁という場面だ。ここではバントを失敗し、小フライでランナーを進めることができなかった。バントの上手い細川捕手にとっては珍しいことだ。だがこれは、5回の打席でランナーを進められなかったプレッシャーがバント失敗を生んだと言えるだろう。
もし5回、森打撃コーチが細川捕手に対し、徹底したケースバッティングを指示していたなら、7回のバント失敗は色々な意味でなかった可能性が高い。5回の細川捕手はレフトフライに終わったわけだが、この場面は絶対にフライを上げてはいけないところだ。9番は岸投手で、間違いなくバントをしてくるであろう場面、ということは何としてでもランナーを2塁に進めた状態で岸投手にバントさせなければならない。
このようなシチュエーションを考えるならば、5回の細川捕手はフリーヒッティングではなく、何が何でも右方向にゴロを打たせるべきだった。もちろんゲッツーというデメリットも出てくるのだが、しかし「ゴロGo」を徹底していれば、俊足ではない平尾選手であってもそう簡単にはゲッツーは成立しないはずだ。そしてさらに言えば、そのゴロが野手の間を抜けて外野まで転がってくれれば儲けものになる。
1軍の打撃コーチがデーブ大久保コーチから森コーチに代わって、チームで最も変わったのはケースバッティングに対する意識だと思う。森コーチに変わってからケースバッティングへの意識が薄れているように思えてならない。話は戻るが、ケースバッティングの徹底こそが打線の繋がりを生むのだ。言い方を変えれば、ケースバッティングなくして打線の繋がりは生まれない。
例えば5回の細川捕手の打席、内角ギリギリのボールを見逃して三振に倒れたならば、それは責めるべき凡退ではないと言えた。内角に手を出せなかったということは、状況を考えたならば外角のボールを右方向に打ち返す意識が強かったからだと言えるためだ。見逃し三振は何も生み出さないが、しかし意図あっての見逃し三振なのであれば、筆者は責めるべきではないと考えている。この試合で責めるべきは、やはり5回の細川捕手にケースバッティングを徹底させなかった打撃コーチのミスだろう。監督は選手を信頼しなければ起用には踏み切れない。しかしコーチは度を越して選手を信用してはならない。徹底すべきところは、選手が耳を覆いたくなるほど繰り返して徹底すべきだと思う。そしてその徹底が、好きのない野球を生み出すのだと思う。
2010年06月18日 01:29

