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#44 高山久
#44 高山久 - Hisashi Takayama
外野手、右投右打
1999年ドラフト1位
九州学院高~埼玉西武ライオンズ
熊本県熊本市出身、1981年11月16日生、177cm / 84kg
2010年推定年俸:800万円
期待の高卒ルーキーとしてライオンズに入団した高山選手。当時は「秋山二世」と評され、背番号1をもらうなど非常に期待をされた選手だった。だがその期待とは裏腹にプロ入り後は伸び悩み、バッティングではほとんどチームに貢献することはできなかった。すると2003年オフ、入団時から背負っていた1番を剥奪され、44番への変更が発表された。高山選手にとっては屈辱的な変更となったはずだ。だがプロの1軍は結果を出してこそだ。チャンスをもらいながらも結果を出せなかったのだから、背番号1の剥奪は当然と言えば当然の成り行きとも言えた。
2006年には自己最多となる55試合に出場しているが、その他の年では出場試合数は非常に少なく、2009年はわずか3試合の出場に留まった。これは1年目の4試合を下回る出場試合数だった。年俸も推定800万円まで下がってしまい、今年のルーキー選手たちよりも低い年俸となってしまった。
だが2009年の後半戦以降、ファームで練習を続ける高山選手に少しずつ変化が見られて来た。それまでの高山選手は強い身体のせいもあり、力感溢れるフォームでバットを振っていた。そのためにミートポイントがぶれてしまい、なかなか率を残すことができずにいた。だが昨年の秋から、高山選手はリラックスして打席に立つことを心掛け始めた。下半身の力を抜き、上半身の力を抜き、自然体でボールを待つ。そんなフォーム改造に取り組み始めた。
するとバッティングフォームはみるみる変化して行き、2010年が幕開けると神主打法にまでその形は変わっていた。神主打法と言えば、三冠王・落合博満中日監督のバッティングフォームだ。往年のファンならばすぐに気付いたことと思うが、現在の高山選手のバッティングフォームは、現役時代の落合選手のフォームとまったく同じだ。バットの立て方、軸脚の沈ませ方、前脚の上げ方などなど。本当に瓜二つと言ってもいいほどだ。
だが当の高山選手本人のコメントに寄れば、決して落合選手を真似したわけではなかったらしい。打席でリラックスすることを心掛けているうちに、自然と今の形に落ち着いたようだ。そしてその姿が落合選手に似ていると周りから言われ始めたことで、初めて落合選手の現役時代の映像を観たのだと言う。
落合選手が三冠王を取った後は、プロ野球界に神主打法を取り入れる選手が続出していた。だが結局モノにできた選手は1人もおらず、落合選手引退後、神主打法は和田一浩選手が取り入れるまでは長年において不在の時期が続いた。和田選手は岐阜県出身だけあり中日ファンで、落合選手に憧れていた野球少年の1人だったようだ。
現在高山選手が取り入れている神主打法だが、最大のメリットはボールの軌道を長く見られるという点だ。その理由は、神主打法は始動を早くしなければならないフォームだからだ。バットを身体の正面で脱力して構えることで、テイクバックまでの距離が長くなる。ということは始動を早くしなければボールに付いて行けなくなってしまう。
一連の流れとしては、身体の正面で構えたバットを、グリップを支点にしてバットを寝かせ、バットの水平ラインをボールの軌道に合わせてテイクバックして行く。そして同様にボールの軌道に合わせてスウィングをしていく。このように前後の動作で2回、バットの軌道をボールの軌道に合わせる作業が発生する。これが始動を早くしたことによる、ボールの軌道を長く見られるというメリットとなる。ちなみにバットを身体よりもややピッチャー寄りに立てて構えていた、小関竜也選手の打法にも同じ原理を当てはめることができる。
ここまで神主打法がすっかり馴染んでいるように見える高山選手だが、しかし神主打法とは決して簡単な打法ではない。落合選手の現役時代、何人もの選手が神主打法を取り入れても全員が失敗していることで、その難しさは分かってもらえると思う。ホークスの藤本博史選手も神主打法に挫折した選手だったようだ。
なぜ神主打法が難しい打法かというと、そもそも身体に絶対的な強さがなければ取り入れることができないからだ。線が細かったり、故障持ちの選手は神主打法に身体は堪えられないはずだ。動きそのものが緩やかであるため、テイクバックなどの勢いをそのままボールにぶつけることができない。そのために身体の強さがなければバットは完全にボールに押されてしまうわけだ。現役時代の落合選手もその点は意識されていたようで、身体の安定感の目安を太もも周り60cmで計っていたそうだ。
高山選手や和田選手が神主打法で成功できた理由は、何よりも身体の強さにある。2人とも骨格がしっかりしているし、筋肉の量も普通の選手よりも多く、質も良さそうに見える。昨年まで2軍監督を務めていた片平晋作氏は、「そのフォームを絶対に変えるなよ」と高山選手に告げてユニフォームを脱いだと言う。卓越した野球理論・打撃理論を持っている片平氏がそこまで言うのだから、高山選手の神主打法は完成形に近づいているのだろう。
2010年は守備面でもチームに大きく貢献している。このまま3割前後の打率をキープすることができれば、今季は間違いなく最後まで1軍にいられるはずだ。いや、それだけではなくレギュラーを張り続けることだってできるはずだ。未完の大砲と呼ばれたスラッガーも今年で11年目を迎える。秋には29歳になる年齢は、もう決して若手と呼ばれるような歳ではない。今季は最後まで外野の一角の担い、800万円まで下がってしまった年俸を2倍にも3倍にもして取り返して欲しいと思う。
| 打撃成績 Batting Results | ||||||||||||||||||||||
| 年 度 |
試 合 |
打 席 |
打 数 |
得 点 |
安 打 |
二 塁 打 |
三 塁 打 |
本 塁 打 |
塁 打 |
打 点 |
盗 塁 |
盗 塁 死 |
犠 打 |
犠 飛 |
四 球 |
敬 遠 |
死 球 |
三 振 |
併 殺 打 |
打 率 |
出 塁 率 |
長 打 率 |
| 2000 | 4 | 9 | 8 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 4 | 0 | .125 | .222 | .125 |
| 2001 | 23 | 77 | 69 | 8 | 18 | 3 | 0 | 4 | 33 | 10 | 1 | 0 | 0 | 1 | 4 | 0 | 3 | 16 | 1 | .261 | .324 | .478 |
| 2002 | 34 | 84 | 76 | 5 | 14 | 4 | 0 | 1 | 21 | 9 | 1 | 1 | 0 | 0 | 6 | 0 | 2 | 25 | 0 | .184 | .262 | .276 |
| 2003 | 4 | 9 | 8 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 4 | 0 | .000 | .111 | .000 |
| 2005 | 21 | 30 | 29 | 2 | 6 | 1 | 1 | 1 | 12 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | .207 | .233 | .414 |
| 2006 | 55 | 126 | 114 | 11 | 30 | 11 | 1 | 2 | 49 | 15 | 1 | 1 | 0 | 2 | 9 | 1 | 1 | 23 | 2 | .263 | .317 | .430 |
| 2007 | 29 | 61 | 54 | 6 | 11 | 2 | 0 | 2 | 19 | 7 | 0 | 0 | 2 | 1 | 4 | 0 | 0 | 12 | 2 | .204 | .254 | .352 |
| 2008 | 25 | 43 | 42 | 6 | 10 | 2 | 0 | 0 | 12 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 10 | 0 | .238 | .256 | .286 |
| 2009 | 3 | 14 | 11 | 1 | 2 | 0 | 0 | 1 | 5 | 3 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 2 | 1 | .182 | .231 | .455 |
| 通算 | 198 | 453 | 411 | 42 | 92 | 23 | 2 | 11 | 152 | 51 | 3 | 2 | 3 | 5 | 28 | 1 | 6 | 98 | 6 | .224 | .280 | .370 |
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2010年05月14日 23:04 Tweet

