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2010/05/29 西武vs巨人 3回戦

2:45
巨人 10
埼玉西武

埼玉西武vs巨人3回戦(西武ドーム:33,911人)
埼玉西武ライオンズ 1勝2敗0分

継投:●帆足和幸野上亮磨~田中靖洋~谷中真二
敗戦投手:帆足和幸 6勝3敗 1.67

【ハイライト】


【ゲームレビュー】
西武ドームに迎えての巨人3回戦は、33,911人と今シーズン最多の観客動員数の中プレイボールされた。このパ・セ首位決戦という大事な一戦の先発マウンドに立ったのは、防御率ナンバー1の帆足和幸投手だった。初回は完璧な立ち上がりだった。三振2つにレフトフライで三者凡退。結果からすると、これ以上にないピッチングだったと言える。だがこの初回のパーフェクトピッチが、結果として帆足投手を崩してしまった。

初回、巨人打線が簡単に三者凡退に終わった理由は、データと目の前にいる帆足投手があまりにも違っていたためだろう。初回からして、それくらい今日の帆足投手はいつもとは違っていた。調子自体は悪くはなかったと思う。ストレートには十分な切れを感じられたし、変化球の左右の出し入れもしっかりできていた。だがいつもと大きく違ったのは、ボールがすべて少しずつ高かったということだ。その証拠に今日の帆足投手は内野ゴロよりも、フライアウトやフライヒットを打たれるケースが多かった。

帆足投手のように球威で押すことのできないピッチャーは、コントロールが生命線となる。甘いコースに行けば当然長打の覚悟も必要だ。ラミレス選手に打たれたホームランにしても、細川捕手が内角に構えたミットよりも、ボール2つ分近くストライクゾーン寄りに入ってしまった。インコースには絶対的な強さを持っているラミレス選手に対しては、絶対に投げてはいけないボールだった。

今シーズンの帆足投手は、昨日までの被本塁打は僅かに1本だけだった。それが今日は1試合で3発を浴びた。ラミレス選手に打たれた一発は仕方がなかった。コースが甘かったし、打たれたことにある程度は納得もできたはずだ。だが阿部選手、長野選手に打たれたホームランは、帆足投手自身本当に悔しかったはずだ。2人とも初球を打ったのだが、帆足投手の打たれた瞬間の顔は、悔しさと後悔で溢れていた。

まず阿部選手に打たれた一発だが、これは完全に捕手打ちをされた。つまり配球を完全に読まれたということだ。今日の帆足投手はボールが高めに行っていた点以外では、コントロールは非常に安定していた。ファーストストライクも簡単に取れていたし、何よりもいつでもストライクを取れる雰囲気があった。阿部選手は、まさにそこを突いたのだろう。初球ストライクになる可能性が非常に高く、ヤマも張りやすかった。この時の阿部選手の打ち方を見ると、球種ではなくコースにヤマを張っていたのだろう。真ん中から内側までに照準を合わせて、そのライン内でストライクが来れば振り抜く、そう決めて打席に入っていたと思わせられる身体の回転で、バットを上手く振り抜いていた。敵ながら見事なバッティングだったと思う。

続く長野選手に打たれた一発は、筆者はまさかあれがスタンドインするとは思わなかった。バットの先っぽで打ったように見えたし、打球自体も上がり過ぎたように感じた。打たれたのはカーブかスライダーだったと思うのだが、やはりスピンを利かせたボールが高めに来てしまうと、打球は予想以上に伸びてしまう。このボールに関しては、完全に帆足投手の失投だった。

これまでは今季、完璧な投球を続けて来た帆足投手だったが、今日は結果的には打ち込まれてしまった。だがもし打線が先制点を取れていれば、結果はもっと違ったものになっていただろう。今日は相手の東野投手も素晴らしいピッチングをしていたため、帆足投手自身は多少力んでしまう面もあったと思う。その力みが余計にボールを高めに浮かせてしまったのだろう。しかしボール自体は決して悪くはなかったため、次回の登板ではまた好投を見せてくれるはずだ。

明日は3塁側は外野席、1塁側は内野指定Cがそれぞれ僅か残っている程度で、今日以上の大入りが予想される。超満員となった西武ドームのファンを喜ばせるべく、本家巨人キラーの岸投手に頑張ってもらおう!

2010年05月29日 15:53

2010/05/27 阪神vs西武 2回戦

3:16
埼玉西武
阪神

阪神vs埼玉西武2回戦(甲子園:39,756人)
埼玉西武ライオンズ 2勝0敗0分

継投:○涌井秀章星野智樹大沼幸二
勝利投手:涌井秀章 6勝3敗 3.14

盗塁:片岡易之(22、23)、高山久(2)、栗山巧(6)

【ゲームレビュー】
阪神ファンにとっては辛い甲子園2連戦となってしまったが、ライオンズからすればまさに快勝とも言えるカードとなった。特に今夜のゲームはライオンズの今季の強さを象徴するような一戦となった。

まず初回、片岡選手のヒットと盗塁でチャンスを作ると、中島選手が2球目のカーブを引っ張りレフト前へと運んだ。続く中村選手がしっかりとフォアボールを選ぶと、ブラウン選手が倒れた後、高山選手がライトへのタイムリーヒットを放った。立ち上がりのフォッサム投手を攻め立て、一気に試合の主導権を手に入れた。

プロ野球の大まかな統計を見ていくと、先制点を取ったチームが約.700の勝率で勝っている。つまり10試合中で6試合先制点を取れたとすると、逆転勝ちを含めるとだいたい勝率は.650前後をキープできることになる。.650と言えば、優勝できるだけの立派な数字だ。ちなみにこの試合が終わった段階でのライオンズの勝率は.642だ。さらに言えば、優勝を目指すためには防御率が3.50以下、打率が.270以上という目安がある。現在のライオンズは防御率が3.46、打率が.271と、どちらの数字もクリアしている。

今夜の試合を決定付けたのは4回だった。先頭バッターの高山選手が2ベースヒットで出塁すると、元虎戦士である平尾博嗣選手が初球でしっかりと送りバントを決めた。そして次の細川捕手が、2球目で見事にスクイズを成功させた。スクイズという作戦はリードしている状況でないと使えない戦略だ。阪神もバントが上手い細川捕手ということで、ある程度はスクイズを頭に入れていたはずなのだが、前の平尾選手がバントをしていたということで、スクイズを見抜くことはできなかった。そしてライオンズからすると、2つともバントをフォッサム投手に捕らせた。バントを投手に捕らせるのは基本なのだが、プロでは決して簡単なことではない。その上で2つとも投手に捕らせた平尾選手、細川捕手のバントはファインプレーだったと言えるだろう。

4回に加点してからは4イニング0が続いたのだが、最終回、再び獅子が虎に牙をむいた。捕手としても巧く涌井投手をリードし、打者としても見事なスクイズを決めた細川捕手が、先頭打者としてまさかの3ベースヒットを放った。ここからチャンスを広げ、中島選手が再びタイムリーヒットを放つと、佐藤友亮選手が犠牲フライで加点。これで6-1となり、阪神にとどめを刺す形となった。

佐藤選手は簡単に犠牲フライを上げたように見えたが、実は犠牲フライを打つのは非常に難しいのだ。佐藤選手のように、普段転がすバッティングを中心に行っている選手からすればなおさらだ。それでも外角低めのスライダーを巧くすくい上げ、センターまで持って行った。ヒットにはならなかったが、この犠牲フライはナイスバッティングだったと思う。もし高めのボールで犠牲フライを狙ったら、内野フライで終わっていたかもしれない。だが比較的遠くに飛ばしやすいスライダーという球種を選び、低目からすくい上げたことは、佐藤選手の頭脳プレーだと言えるだろう。

交流戦不調の阪神を相手にしているとは言え、このカードを自分たちの素の野球でしっかりとものにできたことは、大きな収穫だったと思う。ただ打つだけの野球ではなく、バッティングに対するフォーメーションも上手く機能していた。ひょっとしたらこれが森打撃コーチの目指す野球なのかもしれない。まだまだコーチ歴が浅いため、打線が上手く機能しない試合も少なくはないが、今夜のようにしっかりとした「野球」をやって勝った試合を見せてもらえると、今後の打線にも期待を持ちたくなる。

もし今日の野球が森打撃コーチの目指す野球なのであれば、やはり今後の鍵は1・2番コンビの出塁ということになるだろう。片岡・栗山両選手がいかに出塁し、いかに塁上を賑わせるかで、攻撃のバリエーションは大きく変わってくる。そのためにも1・2番コンビの出塁率は.370~.380欲しいところだ。現段階では片岡選手の出塁率が.338で、栗山選手が.361だ(中島選手は.431)。この2人の出塁率がもっと上がってくれば、きっともっとエキサイティングな打線を形成できるようになるはずだ。

デーブ大久保コーチの1軍コーチ復帰待望論が他方で叫ばれている中、森コーチにはその声に打ち勝ち、デーブコーチを1軍に戻せなくなるだけの仕事をしてもらいたいと思う。筆者はこれまでもコーチに対して厳しい記事を書き続けてきたが、こうして内容のある試合を見せてくれれば、もちろんファンとして評価し、次戦にも期待したくなる。ファンの声に応えるためにも、森コーチにはライオンズの個性派集団をしっかりと牽引してもらいたいと思う。

2010年05月27日 22:48

2010/05/26 阪神vs西武 1回戦

3:13
埼玉西武
阪神

阪神vs埼玉西武1回戦(甲子園:42,692人)
埼玉西武ライオンズ 1勝0敗0分

継投:○石井一久~H小野寺力~H星野智樹~長田秀一郎~Sシコースキー
勝利投手:石井一久 6勝2敗 3.58
セーブ:シコースキー 2敗17S 1.52

ホームラン:栗山巧(3号ソロ)

【ゲームレビュー】
自他共に認める「所沢っ子」石井一久投手が登板したこの試合、石井投手の調子は決して良くはなく、むしろボールそのものにもそれほどの力感はなかった。それでも6イニングを投げて無失点に抑えたのは、勝たなければならない理由があったからだ。その理由とは、彩子夫人の誕生日だったからだ。いつもは誕生日を忘れてしまうことの多い石井投手らしいのだが、この日は試合後、忘れずに彩子夫人にバースデー勝利の電話報告を行ったようだ。勝たなければならない試合、勝ちたい試合にしっかりと勝つことのできる石井投手は、やはり何かを持った投手なのだろうと感じずにはいられない。

打線の方はと言えば、徐々に1・2番コンビの調子が上がりつつある。昨年から低迷している片岡栗山コンビではあるが、交流戦に入ってからヒットが続くようになって来た。とは言え、まだまだ本調子には程遠い。それでも片岡選手は3割が見えてきたし、栗山選手も3打数1安打ペースを維持し始めている。

この2選手は、野球に対して本当に真面目過ぎるほど真面目な選手だ。そのためどちらかが調子を落とすと、「自分が出なくては!」と気負ってしまう傾向がある。バッターというのは、気負えば気負うほど結果が出にくくなる。なぜならば、最もヒットを出しやすいのは打席でリラックスできている時だからだ。打席で程よく力を抜けていると、投球に対して素直にバットを出していくことができる。だが打席で力んでしまうと、バットをボールにぶつけに行くような状態になってしまい、ポップフライやボテボテの差し込まれたゴロになってしまうことが多くなる。

開幕してからの序盤は、片岡選手の調子が上がらなかった。そのため栗山選手への期待が大きくなり、その期待に応えようと打席で力が入ってしまっていた。だがここ数試合の2人を見ていると、2008年のような野球を楽しむ姿が見られるようになって来た。片岡選手に関しては開幕当初にはあった迷いが減ってきたのだろう。今は2008年の良かった時に近いバッティングフォームになっている。左足のタップでタイミングを計り、しっかりと軸足に体重を乗せることができている。そのため打球にも勢いが付く。調子を崩していた時期は、軸足に体重が乗り切れていなかった。

栗山選手に関しても、投球に対し素直なバッティングをするシーンが増えてきたように思う。栗山選手はセンターから反対方向に打つ意識が非常に強く、内角球でも左方向に運ぼうとしていた時期があった。だがここ数試合はライト方向にも強い打球が飛ぶようになり、内角球は右へ引っ張り、外角球は左へ流すという、オーソドックスなバッティングになって来た。

交流戦は初対戦や、普段あまり対戦しない投手との対戦が増えるため、バッターとしてはヒットを打つのがいつも以上に難しくなってしまう。野球というスポーツは、対戦が少ないほどピッチャーに有利で、対戦が増えるほどバッターが有利になるスポーツなのだ。対戦の少ないピッチャーを打つ機会の多い交流戦で調子を上げてきたということは、交流戦が明けたらこの1・2番コンビはもっとヒットを量産するようになるだろう。そしてそうなれば、ライオンズの3~6番は破壊力抜群だ。得点力はさらにアップし、先発ピッチャーも楽に投げられるようになるだろう。

交流戦はまだ半分を終えたばかりだ。1・2番コンビが益々元気になっていけば、交流戦初優勝も現実味を帯びてくるだろう。先発4本柱は磐石だ。あとは打線が安定感を増せば、頭抜け出ることも期待できる。例年交流戦は苦しむライオンズなだけに、今季の快進撃はファンとしては本当に見ていて楽しめるものだ。これからもこのペースを崩すことなく、1つ1つ大切に勝っていって欲しいと思う。

2010年05月27日 22:10

2010/05/23 西武vs中日 2回戦

2:47
中日
埼玉西武 × 10

埼玉西武vs中日2回戦(西武ドーム:32,211人)
埼玉西武ライオンズ 1勝1敗0分

継投:○帆足和幸~長田秀一郎~小野寺力
勝利投手:帆足和幸 6勝2敗 1.30

ホームラン:ブラウン(9号3ラン、10号ソロ)、細川亨(2号2ラン)

【ハイライト】


【ヒーローインタビュー】


【勝利監督インタビュー】


【ゲームレビュー】
交流戦上位対決の第2ラウンド、中日との2回戦に先発をしたのは防御率ナンバー1の帆足和幸投手だった。結果的には8回途中まで投げて5被安打無失点という完璧な投球だった。筆者は録画で試合を観たのだが、試合を通して帆足投手が打たれる気配をまったく感じなかった。安定感ある投球とは、まさにこのようなピッチングのことだ。

相手が上位中日であるにも関わらず、マウンド上の帆足投手には余裕が感じられた。好調であることも自覚しているのだろう。打者を見下ろしてスイスイと投げているような印象を受けた。打たれたヒットはすべて散発で、ピンチらしいピンチと言えば、3回と6回のみ。しかもその両方ともマウンド上で慌てることなく、難なく後続打者で断っている。

セ・リーグに帆足投手のようなタイプがいないことも、現在の帆足投手の好投を支えているとは思う。だがそれ以上に、今季の帆足投手には安定感がある。安定感といっても、結果論での安定感ではない。プロセスに対する安定感だ。具体的に言うと2点、強く感じることがある。1つ目は投球フォームの安定だ。どのボールを投げる時も帆足投手のフォームはまったく変わらない。これは打者にとってはボールが非常に待ちにくくなる。

そして2つ目は、ボールがリリースされる際の視覚だ。これはあくまでも筆者の感想でしかないのだが、帆足投手のスローイングアーム(ボールを投げる方の腕)の動きはパンチングの動きによく似ている。普通投球というのは、糸で縛られた剣玉の玉を振るのと似た感じで、遠心力を用いて行われる。糸の部分を腕だと想像してもらえれば分かりやすいと思う。

だが帆足投手の場合は、腕が回し振られているようには見えない。ボクサーのパンチのように、直線動作でリリースされているように見えるのだ。もちろん実際に直線動作のみでリリースされているということはないのだが、視覚的に帆足投手のフォームは打者からはそう見えているのだと思う。このリリースはピッチャーにとっては大きな武器となる。

腕が直線的に出てくると何が有利になるかと言うと、打者から見るとボールの距離間をつかみにくくなるのだ。ボールの距離間はタイミングに直結してしまうため、距離間がつかめなければ当然タイミングを合わせることもできない。これは、外野手の真正面に飛ぶライナーが取りにくいのと同じ原理だ。

ピッチャーはストライクゾーンを三次元で活用することが求められる。縦・横・奥行きの三方向だ。逆にバッターからすると、ピッチャーを三次元で見ることが求められる。ピッチャーの縦・横・奥行きの動きが大きければ大きいほど、バッターはタイミングを合わせる時間を長く持てるようになる。逆にピッチャーの動きを二次元でしか見られなくなると、タイミングを合わせるための要素を1つ失ってしまうことになる。

帆足投手の場合、腕が直線的にバッターに向かっていく中でリリースをしているように見えるため、バッターからすると縦・横でしか投手に合わせることができない。分かりやすく言うと、ボールがどこに飛んでくるのかは分かるのだが、ボールがいつ手元まで来るかが分からなくなる。2回の三者連続三振や、与えた3つのフォアボールはまさにこの考えを言い当てはめることができるだろう。

特にセサル選手は完全に前後に揺さぶられ、まったくタイミングを合わせることができなかった。そして与えたフォアボールに関しても、本来であれば内野ゴロを打たせたかったボール球だったはず。だがタイミングが合っていなかったため、バッターは手を出すことができなかった。つまりコントロールが乱れて出したフォアボールなのではなく、バッターが手を出せなかったフォアボールなのだ。

帆足投手も今季で31歳となり、ピッチングにますます円熟味が出て来た。若い頃からスピードボールに頼ることをしなかった帆足投手には、30歳の壁はなかったに等しかった。これだけのタイミングを外せる要素を持ち続けることができれば、あと5年は間違いなくローテーションで投げ続けることができるだろう。帆足投手のフォームの安定感は、精密機械とも言えるほどに一定だ。20代では肩を壊し苦しんだ帆足投手だったが、円熟期を迎えた今、本当に素晴らしい球界を代表するサウスポーになったと思う。47番が背中に本当に似合うようになった。

2010年05月26日 01:41

2010/05/21 西武vs中日 1回戦

3:13
中日
埼玉西武

埼玉西武vs中日1回戦(西武ドーム:18,546人)
埼玉西武ライオンズ 0勝1敗0分

継投:涌井秀章(完投)
敗戦投手:涌井秀章 5勝3敗 3.36

【ハイライト】


【ゲームレビュー】
今季の交流戦の中では、今夜の一戦はライオンズにとって重要な一戦だったと思う。下位チームに対し4連勝をし、ホームに好調ドラゴンズを迎えての一戦。しかも先発したのはエース涌井秀章投手だった。涌井投手は状態が良かっただけに、何としてでも勝ちたい試合だった。

ライオンズの現状を考えると、横浜・ヤクルトという下位チームから星を取りこぼすようなことはないと思う。最悪でも1勝1敗はしたいところ。だが今回はこの2チームを相手に4連勝を挙げてきた。その直後の中日との対戦。中日といえば投手力・守備力に定評がある。ライオンズという攻撃力のあるチームが、素晴らしいピッチングスタッフの揃ったドラゴンズからどれだけ点を取れるか、焦点はそこに絞られていた。そして森打撃コーチとしても、何としてでも中日投手陣を打ち崩したいという思いがあっただろう。だが結果的には1点しか奪えず、粘投した涌井投手を援護することはできなかった。

いくら情報の少ないセ・リーグ相手とは言え、初対戦というわけではない。それにデータを集めようと思えば、いくらでも集められる時代だ。さらに言えば、中日のチェン投手も決して本調子ではなかった。本調子ではない投手を相手に1点ということは、やはりこれは打撃コーチの策を疑問視したくなる。中日の先発捕手はベテラン谷繁捕手ではなく、小山捕手だった。となると谷繁捕手と比べると配球に妙は少ないはずだ。もし森コーチがこれまでの小山捕手とチェン投手の傾向をそれぞれしっかり分析をしていれば、もっと細かい指示をリアルタイムで与えられたはずだ。

選手とコーチの信頼関係は、人柄で作られるものではない。コーチがアドバイスしたたった一言で、選手にほんの僅かでもプラスが現われれば、選手はすんなりとコーチを信頼するようになる。だがアドバイスが常に後手後手であったり、状況によっては飲み込みづらい指示を出されると、選手はなかなかコーチを信頼しない。現在ライオンズの打撃陣がどれだけ森コーチを信頼しているのかは分からない。少なくとも筆者がこれまで聞いた森コーチの出した結果は、ブラウン選手に関するものがほとんどだ。それも「リラックスしろ」とか、「積極的に行け」とか、そのようなアドバイスばかりだった気がする。

初球に関するアドバイスをするだけでも、状況はかなり変わってくる。例えば若いバッテリーの場合、初球に投げたがるボールがかなり偏ってくることがある。前半戦を終えて初球のスライダー率が5割を超える場合は、一か八かそこに的を絞らせ、思い切り引っ張らせるなどのアドバイスをすることができる。もしこれがファールになったとしても、2打者連続で初球のスライダーを狙ってファールをされると、バッテリーは初球にスライダーを投げづらくなる。そうすれば今度は初球ストレート率が高まり、さらに狙い球が絞りやすくなる。このような状況アドバイスを、森コーチが円陣以外でどれだけ行っているのかはテレビ画面からは分からない。だがこまめにアドバイスを送っているようには筆者には感じられない。

そしてもう一点気になるのは、森コーチで伸びた選手がまだ現われないということだ。近年のライオンズの打撃コーチは、土井コーチは中島裕之選手を育て、デーブ大久保コーチは栗山巧選手を開花させた。だが1年半以上1軍打撃コーチを務めているにも関わらず、森コーチによって伸びてきた選手がまだ見当たらない。ひょっとしたら原拓也選手なんかはそうなのかもしれないが、しかしレギュラー獲得には至っていない。

好投手と対戦した時、なかなか打ち崩せないのは当然だ。だがだからと言って素直に負けを認めていたのでは優勝はできない。優勝をするためには、好投手もしっかり打っていかなければならない。そして好投手を打ち崩すためには、やはり必要なのは打撃コーチの的確なアドバイスだ。これがなければ攻略は難しいだろう。

今夜に関して言えば、少なくとも確率から言えばチェン投手からは3点以上取らなければならなかった。なぜならチェン投手の防御率がこの試合を終えた段階で3.55だからだ。その投手から1点しか奪えなかったということは、チェン投手が今夜は格別に良かったか、ライオンズに策がなかったかのどちらかだ。しかし筆者が見ている限りでは、今夜のチェン投手は悪くないにしても、決して本調子とは言えなかった。

今季の交流戦において大事な一戦だと筆者は見ていたのだが、その試合をあっさりとエースで落としてしまった。この一敗が今後チームにどのような影響を与えるのか、筆者は少し心配に思っている。交流戦は常に2連戦であるため、初戦に負けてしまうとそれだけでもう後がなくなる。勝たなければならなくなった明日の試合、ライオンズがどのような戦いを魅せてくれるのか、筆者は楽しみにしたいと思う。

2010年05月22日 00:53

松井稼頭央選手、アストロズを事実上の戦力外

5月19日、ヒューストン・アストロズのエド・ウェードGMが、松井稼頭央選手をウェーバー公示にかけたことを発表した。公示期間を経て、5月24日までに獲得意思を表明する球団が現われなければ、松井稼頭央選手はそのまま自由契約となってしまう。これは事実上の戦力外扱いということになる。

今季の稼頭央選手の成績は、14試合に出場し37打数5安打、打率は.135という低さだった。最後にヒットを打ったのは5月7日のパドレス戦で、それ以降は20打席立ってヒットを打つことができなかった。稼頭央選手は今回のウェーバー公示を受けて「成績が出せていなかったので仕方がない。この2年半、素晴らしいチームでプレーできたことに感謝しています」とコメントしている。

稼頭央選手は2004年シーズンからFAでニューヨーク・メッツの一員となり、晴れてメジャーリーガーとなった。だがメジャーの激しい連戦に持病である腰痛が悲鳴を上げ、ニューヨーク時代に本領を発揮することはできなかった。そして守備に関してもショートからセカンドへのコンバートが命じられた。この時感想を求められた稼頭央選手の目に、薄っすらと悔し涙が浮かんでいたことを、筆者は良く覚えている。

ニューヨークで結果を残せないまま、2006年途中からコロラド・ロッキーズへとトレードされてしまった。だがニューヨークに比べるとプレッシャーの少ないコロラドに移ると、稼頭央選手は打ちに打った。移籍後は32試合に出場し、.345という打率をマークした。この復活劇を支えたのが、当時稼頭央選手のパーソナルコーチを務めていた熊澤とおる現ライオンズ2軍コーチだった。稼頭央選手は熊澤コーチの卓越した打撃理論を元に、コロラドの地で復活を果たしたのだった。

その後も順調に結果を出し続け、2008年からヒューストンへと移ってきた。1年目は.293と求められた結果を出すことができたのだが、2年目は.250と調子を落としてしまった。ライオンズの2008年の快進撃を支えた1人が、言うまでもなく熊澤コーチだったわけだが、もし熊澤コーチがあのまま稼頭央選手のパーソナルコーチを務めていれば、昨季から続く不振も長引かずに済んだのかもしれない。

アストロズからは戦力外とされてしまったが、しかしこのまま引退するレベルの選手ではない。筆者の個人的な意見を言わせてもらえれば、やはり最後はライオンズに帰ってきて欲しいと思っている。年齢や腰のことを考えると常時二遊間を守ることはできないだろう。ましてやライオンズには片岡中島という12球団を代表する二遊間コンビがいる。それならばファーストやDHでの出場でも良いと思う。そうすれば腰への負担も軽減できるし、何よりもスイッチヒッターという最高の5番打者を獲得できることになるのだ。そして打つことだけではなく、守備面に関しても稼頭央選手は、まだまだ片岡・中島コンビよりずっとレベルが高い。特に球際での強さは群を抜いている。

日本球界へは何度か復帰がささやかれていた。昨年東尾修元監督が楽天の監督候補になると、楽天での日本復帰がささやかれた。そして稼頭央選手が尊敬する原監督率いる巨人での日本復帰も、過去何度か噂されている。しかしWBCの選考において、原監督は稼頭央選手に「選ぶ」と伝えたにもかかわらず、最終的には言葉一つなく選ばなかった。これがもし真実だとすれば、巨人での日本復帰の可能性は低いだろう。稼頭央選手の高額年俸を考えると、西武球団ではひょっとしたら難しいのかもしれない。だが稼頭央選手は工藤公康投手同様、西武ドームにファンを呼べる選手だ。難しいかもしれないが、もしメジャーからのオファーがなかった時は、なんとかライオンズに帰ってきて欲しいと思う。そして埼玉の地でもう一度野球選手として最後の大輪を咲かせてもらいたいと切に願うばかりだ。

2010年05月20日 17:55

2010/05/19 西武vsヤクルト 2回戦

3:05
ヤクルト
埼玉西武 1×

埼玉西武vs東京ヤクルト2回戦(西武ドーム:16,125人)
埼玉西武ライオンズ 2勝0敗0分

継投:○石井一久(完投)
勝利投手:石井一久 5勝2敗 4.01

ホームラン:中島裕之(8号ソロ)

【ハイライト】


【ヒーローインタビュー】


【勝利監督インタビュー】


【ゲームレビュー】
昨日の大宮での一戦に続き、今夜もまた熾烈な投手戦となった。この投手戦の感想を言わせてもらえれば、本当に最高だったと思う。結果的にライオンズが片岡選手のサヨナラヒットで勝利したわけだが、勝っても負けても最高の一戦だったと思う。近年では稀となった、まさに野球らしい野球だった。

先発した石井一久投手も素晴らしかった。9回を1人で投げ抜き2年振りの完投、5安打2失点11奪三振の好投。そして今夜古巣ヤクルトから勝利したことで、史上9人目となる12球団を制覇しての全球団からの勝ち星。さらには通算40回目の二桁奪三振は、歴代7位タイという記録となった。

今夜の試合を観ていて、筆者は不思議でならなかった。こんなに素晴らしい野球をできるチームが、なぜ最下位にいるのだろうかと。昨日にしろ今日にしろ、東京ヤクルトは本当に素晴らしい戦いを魅せてくれた。結果的にライオンズが2連勝したのだが、これも紙一重の2連勝で、実際には2連敗していたとしてもおかしくはなかった。特に守備が素晴らしかった。絶体絶命のピンチで飛び出した青木選手、飯原選手、吉本選手のファインプレーは、敵ながらまさに天晴れなプレーだった。もし彼らの好守備がなければ、ひょっとしたらライオンズのワンサイドゲームになっていた可能性すらあった。だが守備陣の活躍により、そうはならなかった。

そしてライオンズだって守備では負けてはいない。片岡選手にもダイビングキャッチが飛び出し、石井一久投手を大いに盛り立てた。片岡選手は本当に球際に強い選手だ。届くか届かないかの打球をギリギリのところでグラブに収め、勢いで身体を回転させたまま送球をしている。元々回転スローを得意としていたのは東京ヤクルトの宮本選手だったが、今ではすっかり片岡選手のお家芸と言った印象だ。だがこの回転スロー、よほどのバランス感覚がなければプロでも簡単にはできなプレーなのだ。回転しながらも、常に自分がどの方向を向いているかが分からなければ、まともに送球することは不可能だからだ。片岡選手らは簡単にやっているように見えるが、実はとても高度なプレーでもある。

個々の守備ももちろん素晴らしかったのだが、西武・ヤクルトともに守備陣形にも見応えがあった。ピンチが多かったのがヤクルトだったため、ヤクルトの方がかなり守備を動かす回数は多かったのだが、この試合、ヤクルトがどれだけ勝ちたいかが本当に強く伝わってきた。どうしても1点を与えたくない前進守備、この陣形はリスクが非常に高くなる。意図して内野ゴロを打たせることができれば、三塁ランナーのホームインを阻むこともできるが、しかし反面、打者にとってはヒットゾーンが広くなってしまう。まさに決死の陣形だったと思う。

そしてライオンズの方も守備に関しては徹底されていた。2-2で迎えた9回表にランナーを出してしまうと、三塁手・一塁手は自然とライン際を固め、左翼手・右翼手は左中間・右中間を狭めた。これは長打を防ぐための陣形なのだが、この陣形を自然に取ることができるというところに、今季のライオンズの強さが隠されているのだと思う。守備率だけを見るとリーグ2位の.985(1位のロッテは.986)だが、それ以上に状況ごとの守備がよく徹底されている。

やはり野球は守備が一番大事な要素だと、改めて実感させられた一戦だった。今夜西武ドームで観戦された16125人の方々は、本当にラッキーだったと思う。敗れたヤクルトファンの方々のショックは大きかったとは思うが、しかしこの2連戦のような戦い方をしていれば、必ず浮上してくるはずだ。そして西武ファンとしては、神宮で行われる次のヤクルト戦に少し嫌な予感を感じる。ヤクルトはチーム状態が上がれば本当に良いチームなだけに、次はもっと厳しい戦いとなるだろう。

2010年05月19日 21:50

2010/05/18 西武vsヤクルト 1回戦

2:51
ヤクルト
埼玉西武 ×

埼玉西武vs東京ヤクルト1回戦(大宮:20,011人)
埼玉西武ライオンズ 1勝0敗0分

継投:○岸孝之シコースキー
勝利投手:岸孝之 7勝1敗 2.39
セーブ:シコースキー 2敗15S 1.27

【ハイライト】


【ヒーローインタビュー】


【勝利監督インタビュー】


【ゲームレビュー】
大宮開催となった交流戦、ヤクルトとの試合に先発したのは好調岸孝之投手だった。球場はライトスタンドを覗くと超満員。内野席A・Bともに外周通路に立ち見客が出るほどの盛況振り。そして球場の外に並ぶ屋台も賑わい、さながらお祭りのような雰囲気があった。だが試合の方はお祭りムードなどまったくなく、岸投手と館山投手との、手に汗握る熾烈な投手戦となった。

投手戦になったとは言え、当の投手は本当に大変だったと思う。なぜならこの夜は風が非常に強く、試合の最初から最後までライトからサード方向への強風がやまなかった。この風が、狭い大宮球場であるにも関わらずホームランが飛び出さなかった最大の理由だろう。もし風さえなければ、両チーム合わせて最低3本の外野フライがスタンドインしていたはずだ。それほどこの夜の風は、外野への飛球を押し戻していた。

そしてその風は岸投手をも苦しめた。風の影響を受けやすいカーブをまったくコントロールできなくなり、投げたとしてもかなり風で動かされ、明らかなボールになることが多かった。そのためか中盤はほとんどカーブを投げなかった。ただ宮本選手に対しては、勝負どころで必ずカーブを投じていた。恐らく細川捕手の中で、宮本選手がコースを問わず、カーブにまったく合っていないという判断があったのだろう。

カーブは風に動かされ、チェンジアップは風に押されるという状態で、岸投手は本当に良く投げたと思う。本人は試合前に体調の良さを語っていたが、本当に良いのだろう。8回を投げて散発の3安打無失点で7勝目を挙げた。これでホークスの杉内投手に並び、ハーラートップタイとなった。

カーブを得意とする岸投手の場合、大宮球場のようにマウンドの傾斜が緩やかだと投げやすい。逆に数年前の東京ドームのように傾斜がきついと、緩いカーブは非常に投げづらくなる。スローカーブは一度宙に浮かす感じでリリースするため、発射角度が上向きである必要がある。だが東京ドームのような傾斜のきついマウンドだと、どうしても投げ下ろすような身体の角度になってしまい、発射角度も自ずと下向きになる。そのためカーブが上手く抜けず、コントロールもできなくなってしまう。

もし風さえ吹いていなければ、岸投手はひょっとしたらもっと素晴らしい投球をしていたかもしれない。大宮の傾斜の緩やかなマウンドであれば、発射角度は自然と上向きになるし、リリース時に手の角度に意識を使う必要がなくなることで、制球も良くなるはずだ。となると緩急はさらに大きくなり、奪三振も6では済まなかっただろう。

そして風が、投手にとって向かい風だったらまた違った面白みが出ていたかもしれない。ストレートの球速は若干落ち、打者にとっては追い風となってしまうが、反面カーブとチェンジアップに信じられないほどのブレーキがかかる。つまり打者が待てども待てどもボールが近づいてこない状態となる。こうなるとバッターはほぼ確実に腰砕けのスウィングとなり、奪三振数は絶対的に増えていく。それこそオリックスの野田投手が千葉マリンスタジアムの向かい風を利用し、1試合19奪三振を記録した時のように。

この試合の岸投手の場合は、ストレートに追い風を利用していた。球速も140km台後半を計測していた。だが風の利用法としては、向かい風の場合よりは危険度は高まる。人間の身体の構造として、減速に対しては脆さを持っているが、加速に対しては対応できる。つまり、バットスウィングを途中から遅くすることはできないが、速くすることは可能なのだ。そのため手元で伸びる速球が来たとしても、対応できる選手は簡単に対応してくる。すると被本塁打も増えてしまう。この日の岸投手も、もし打者にとって向かい風でなければ危うい飛球が少なくなかった。

結果的に最高のピッチングをした岸投手だったが、風とシコースキー投手に助けられた形となった。とは言え、あれだけの強風の中よく細身の身体で倒れずに投げ抜いたと思う。もし足腰の弱いピッチャーであれば、風に身体を揺らされてボークを宣告されることもあったかもしれない。そう考えると、やはり岸投手の走り込みの量も半端ではないのだろうと簡単に想像することができる。

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2010年05月19日 12:48

2010/05/16 横浜vs西武 2回戦

4:15
埼玉西武 13
横浜 10

横浜vs埼玉西武2回戦(横浜スタジアム:19,266人)
埼玉西武ライオンズ 2勝0敗0分

継投:帆足和幸野上亮磨星野智樹小野寺力~長田秀一郎~シコースキー
勝利投手:長田秀一郎 2勝 2.78
セーブ:シコースキー 2敗14S 1.33

ホームラン:栗山巧(2号ソロ)、中村剛也(11号ソロ、12号2ラン)

【ゲームレビュー】
今夜はまずはお礼を伝えたいと思います。筆者自身、読者の方数人からメールを頂き知ったことなのですが、日刊埼玉西武ライオンズのことを、小野寺力投手のブログコメント欄で紹介してくれた方がいらっしゃったそうです。小野寺投手のブログ自体は毎回読ませていただいているのですが、コメントまでは読んでいなかったため、このことを知った時はとても嬉しく感じました。本ブログは昨年の開幕戦からスタートしたのですが、今では毎日本当にたくさんの読者の方々に読んでいただけています。これからも皆さんに楽しんでもらえる記事を書き続けられるよう努めて参りたいと思いますので、これからもどうかどうか日刊埼玉西武ライオンズをよろしくお願いいたします。そして小野寺投手のブログコメント欄で本ブログを紹介してくださった方、本当にありがとうございます。

そして毎日たくさん届くメールもとても嬉しく思っています。お返事が遅れることもありますが、いただいたメールには100%お返事を差し上げております。ただ、携帯電話からメールをいただいた方の中で数人、メールが返送されてきてしまった方がいらっしゃいました。もし「返事が届いていない」と思われた方がいらっしゃいましたら、携帯電話の受信設定、または迷惑メールフォルダをご確認くださいませ。また、メールをいただける際はお名前、もしくはニックネームなどを添えていただくとさらにお返事がしやすくなりますので、よろしくお願いいたします。

では、ここからはいつも通り本題に入りたいと思う。今夜はやはり小野寺力投手のことを書かないわけにはいかない。藤田太陽投手のふくらはぎ痛で巡ってきたチャンスとは言え、今季初昇格・初登板となった。小野寺投手自身、感慨深い一戦になったと思う。スタンドから「おかえり!」という声がこだまする中、まさに「ただいま」と言った心境だっただろう。

やはり小野寺投手は1軍にいなければならない投手だ。筆者自身、小野寺投手について思ったこと・感じたことはこれまで色々と書き続けてきたが、それもやはり、小野寺投手には1軍で投げていて欲しいからだ。当然ながら小野寺投手はもう若手という部類には入らない。投手陣を引っ張っていかなければならない中堅選手なのだ。若手投手の精神的支柱でなければならない。そう、兄貴分であった石井貴コーチのように、頼られる存在にならなくてはいけない。

小野寺投手は優勝も経験しているし、負ける悔しさもよく知っている。百戦錬磨とまでは言わないが、しかし経験・実績は十分にある投手だ。だからこそそれを活かし投手陣を引っ張り、さらに纏め上げて欲しいと思う。

いま小野寺投手に必要なのは、細かい技術論ではないと筆者は考えている。技術は持っているのだ。小野寺投手にはコントロールが悪いというイメージが付きまとうことがあるが、そんなことはない。ストライクを取ろうと思えばいつでも取れるだけの能力は持っている。それでもフォアボールを出してしまったり、余計なヒットを打たれてしまうのはなぜなのか?筆者が考えるに好不調の波以外では、それは自信の欠落だけではないだろうか。

技術論は必要ないと言えど、かと言って精神論を述べるつもりもない。いま小野寺投手に必要なのは、1つのアウトを取ることで得られる小さな自信の積み重ねだ。この試合では6回途中から投げ、打者6人に対し2本のヒットを打たれ、失点は0だった。結果的に.333の被打率となるわけだが、いまはこれで十分だと思う。最終的に点を与えず、しっかり4つのアウトを取ったのだ。確かに小野寺投手の能力からすると物足りない結果ではあるが、しかし大切なことは点を与えないということだ。

この試合で小野寺投手はアウト4つ分の自信を得たことになる。長いシーズン、何十試合にも登板して永遠に防御率を0.00でキープすることは、まず不可能だ。10試合中1~2回は失点してしまうこともあるだろう。だがそれは仕方がない。大切なことは、10試合で2試合打たれた悪いイメージよりも、8試合抑えた自信を自ら信用することだ。

ライオンズの将来を考えた時、やはりグラマン投手シコースキー投手にいつまでもクローサーを任せるわけにはいかない。やはり西武ドームの最終回のマウンドには、小野寺力が立っていなければならない。

細かいコントロールを気にして、フォームを縮こまらせてもいけない。ど真ん中目掛けて力一杯のストレート、渾身のフォークを投げていればそれでいいと思う。スライダーなんか捨ててしまっても構わないと思う。フォアボールを出しても、ヒットを打たれても構わない。だがランナーを出したことでマウンド上であたふたしてもいけない。ランナーを背負ってこそクローサーの力の見せ所だ。

小野寺投手はスライダーを投げるくらいならば、フォークをスライダー回転させたり、シュート回転させた方がよほど抑えられると思う。小野寺投手のフォークにはそれだけの魅力があるわけだ。だからあとは自信を取り戻すだけだ。自信さえ取り戻すことができれば、小野寺投手は間違いなくライオンズのクローサーの座に戻れるだろう。

見せ掛けの小細工などいらない。小野寺投手には、力一杯のボールをただ投げ抜いて欲しい。迷いも必要はない。ただマウンドで己を信じ、キャッチャーミット目掛けて投げ込んで欲しい。大幅なレベルアップだって必要はない。実力をしっかり使い切ることさえできれば、絶対的守護神と呼ばれるはずだ。

クローサーへの道のりは決して穏やかではないが、しかしそこで挫けることなく、現状に甘んじることなく、小野寺投手には最終回のマウンドを自らの手に取り戻してもらいたい。ファンとして小野寺投手に思うことは、最終的にはただ1つ、それだけだ。

2010年05月19日 01:03

2010/05/15 横浜vs西武 1回戦

2:57
埼玉西武 12 14
横浜

横浜vs埼玉西武1回戦(横浜スタジアム:21,557人)
埼玉西武ライオンズ 1勝0敗0分

継投:○涌井秀章~長田秀一郎~シコースキー
勝利投手:涌井秀章 5勝2敗 3.41

ホームラン:中村剛也(10号ソロ)
盗塁:中島裕之(7)

【ゲームレビュー】
交流戦3試合目となった横浜戦、先発をしたのはエース涌井秀章投手だった。公式戦となると、プロ入り初となる横浜スタジアムでの登板。横浜高校出身の涌井投手にとっては、まさに高校時代のホームとも呼べる球場だ。その故郷に錦を飾るべく登ったマウンド、絶好調とは言えなかったが、しかし安定感のある良いピッチングを披露してくれた。

筆者はバックスクリーン上段で観戦していたため、細かな球種やコースの確認はできなかった。しかしあわやノーヒットノーランを達成するところだった試合と見比べても、ボールの切れ自体は遜色はなかったように思えた。とにかくこの試合で最も強く感じたことは、涌井投手がかなりリラックスして投げていたという点だ。フォームに力みはなく、ほとんど力を入れていない状態でもそこそこの球速が出ていて、球数も7回を投げて109球と、涌井投手にしては非常に少なかった。それでも降板したのは決して調子が悪かったからではなく、打席に立った疲労感と、次回が中5日での登板となる可能性があるためだろう。

全体としては非常に良いピッチングだったと思うのだが、涌井投手自身ヒーローインタビューでも語っている通り、スレッジ選手に浴びた2本のホームランには悔いが残ってしまった。1本目は仕方ないとしても、2本目は確実に防げたホームランだったと筆者はリプレイを見て感じた。真ん中寄りアウトロウへのストレート系のボールだったと思うのだが、このコースはスレッジ選手が日本ハム時代から得意としているコースだった。もしこのボールを、もう1~2個分外に外せていれば恐らく内野ゴロで終わっていただろう。そういう内容的な部分もあり、大活躍をした涌井投手自身にもこの2本のホームランには悔いが残ったようだ。

ピッチングでもチームに貢献したが、この試合ではそれ以上にバッティングが凄かった。筆者は涌井投手のバッティングが良いという印象はプロ入り後はあまり持っていなかったため、涌井投手が打席に立ち、ヒットを打ったこと自体にまず驚いてしまった。だがそれだけでは終わらず、4打数3安打4打点という大活躍だった。ちなみにこの試合、両チーム合わせて猛打賞を記録したのは涌井投手ただ1人だ。

1本目は細川捕手が見事なスクイズを決めた直後の打席、2アウト2塁という場面。相手投手はハマの番長こと三浦投手。スクイズを決められた精神的ダメージは決して小さくはなかった。スクイズという戦略は、両チームに対し大きなダメージを与える。成功すれば守備側に与えるダメージは計り知れず、失敗すれば流れは一気に守備側のチームに流れていってしまう。そしてこの場面は、横浜に大きなダメージがあった直後の打席だった。2球目を打ってフラフラと上がった打球が、ファースト内川選手の後ろにポトリと落ちるタイムリーヒット。これで2塁ランナー石井義人選手が生還し、0-3とリードを広げた。

2本目は翌3回、細川捕手が敬遠で歩かされ2アウト満塁という場面での打席。横浜が取った作戦は間違いではなかったと思う。普通に考えれば、スクイズを決めて乗っている細川捕手を相手にするよりは、交流戦でしか打席に立たない涌井投手を相手にした方が、アウトを取れる可能性は非常に高い。だが結果的には左中間を真っ二つに割る走者一掃の2ベースヒットとなった。本当に野手顔負けの見事なバッティングだった。

3打席目は先頭打者として打席に立ったため、打席での打つ気はほとんど感じられなかった。1~2打席目と比べると打席の後ろの方に立ち、ピッチャーゴロを打ったスウィングも当てただけのバッティングで、ほとんど走る素振りすら見せなかった。だが4打席目は違った。場面はノーアウト2・1塁、渡辺監督が出したサインは送りバントだった。だが2球ファールにして追い込まれてしまう。筆者はこの場面、当然スリーバントだと思っていた。1アウトを献上してランナーを進められなかったとしても、ダブルプレーだけは避けたい場面。だが渡辺監督がカウント1-2から仕掛けた攻撃はバスターだった。スリーバントの構えからバットを引き、見事なレフト前ヒット。これで涌井投手は猛打賞を記録した。

自らのピッチング、そしてバットで勝利を呼び寄せたこの試合で涌井投手は今季5勝目を挙げ、交流戦では通算14勝目となり、交流戦最多勝利タイとなった。高校時代こそ3年夏の甲子園でホームランを放っているとは言え、プロ入り後はここまで通算4安打だった。その涌井投手がまさかの3安打猛打賞。一番驚いたのは誰でもなく、打たれた三浦投手だったと思う。これで今季交流戦は2勝1敗。毎年交流戦を鬼門としているライオンズなだけに、この試合を弾みにして一気に上位を狙って行ってもらいたいと思う。

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2010年05月18日 12:39

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