2010/04/23 オリックスvs西武 4回戦
| 2:58 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 埼玉西武 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 2 | |
| オリックス | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | × | 6 | 8 | 0 |
オリックスvs埼玉西武4回戦(京セラドーム大阪:12,926人)
埼玉西武ライオンズ 2勝2敗0分
継投:●涌井秀章~田中靖洋
敗戦投手:涌井秀章 3勝2敗 4.39
【ハイライト】
【ゲームレビュー】
涌井投手は明らかなに調子が悪そうだった。変化球が高めに浮いたり、ボールが引っかかったりと、初回からかなり不安な立ち上がりとなった。初回の1失点はサード中村選手のエラー絡みとは言え、実に涌井投手らしからぬ投球だった。実はこの試合、まさか渡辺監督と潮崎コーチが涌井投手を8回まで投げさせるとは思わなかった。6回、長くても7回までかなと予想していたのだが、その予想に反しベンチの判断は8回も続投というものだった。
なぜ筆者が初回の段階で継投になると予想したのかと言うと、それは涌井投手の調子の悪さからだ。だからと言って、涌井投手がノックアウトされての降板になるという意味ではない。調子が良い日に投げる100球と、悪い日に投げる100とではその疲労度がまるで違うためだ。特にこの試合のように明らかに調子が悪い場合、涌井投手にはマウンド上での高い修正能力が備わっている。これこそがエースの証なのだが、マウンド上で修正しながら投げるというのは、他の野手の想像を絶するほどに体力を要する。50~60球であってとしても、その疲労感は100球投げたものに等しいだろう。だからこそエース涌井投手とは言え、筆者は早い段階での継投になると考えていた。
この試合はある意味、ベンチワークでの敗戦だったと言える。エースとは言え、プロ野球のベンチたるもの100%信用し切ってはならない。100%信用してしまうということは、その責任をすべてエース1人に押し付けてしまうということだ。これでは打たれた時に責められるのはエースだけとなってしまう。渡辺監督にしろ、潮崎コーチにしろ、この日の涌井投手を悪いなりにしっかりと試合を組み立てたと絶賛していた。しかしこの采配は若干甘いような気がする。調子が良い日のエースなら話は別だが、今季の涌井投手は開幕戦から明らかに状態が良くはない。それならばベンチはエースにすべてを託してしまうのではなく、せめて半分の責任を負って、無理やりでも降板させるべきだった。
もちろん野球にたら・ればというものは存在しないが、もし涌井投手を7回で降板させ、8回に好調の藤田太陽投手、9回はシコースキー投手を投入していれば、試合はまったく違った展開になっていただろう。後半戦の涌井投手のボールは打者を抑えつつも、明らかに威力が衰え、コースも甘くなっていた。いくら絶対的エースとは言え、1試合で2度もの修正を求めるのは酷というものだ。
涌井投手の調子が上がらない原因だが、それは身体の開きにある。好調時の涌井投手と比べると、左肩が開くタイミングが若干早い。そしてその左肩が投球方向にしっかりと入っていないのだ。分かりやすくいうと、下半身先導で動くべく投球フォームにおいて、今の涌井投手は上半身の動きが早めになってしまっている。上半身の動きがほんのわずかでも早くなるだけで、バッターがボールを見れる時間は長くなり、ボールの威力も衰えてしまう。今季の涌井投手のボールが左打席側によく引っかかってしまうのも、原因はここにある。
そしてこの不調の原因は、ひとえに天候のせいだろう。涌井投手の今季の登板試合は、本当に寒い試合が続いた。前々回登板の4月16日には、夜から翌朝にかけて西武ドームの屋根に雪が降り積もったほどだった。このような天候では、まず腕をしっかり振ることはできない。どんなに気をつけたとしても、温まった身体は温まった瞬間からどんどん冷えていってしまう。温めた最初の段階であれば、肩もそれなりに言うことを聞いてくれる。しかし1試合という時間内において温めたり冷えたりを繰り返してしまうと、肩周りの筋肉はどんどん眠っていってしまう。こうして筋肉が眠り出してしまうと、それを挽回しようと余分な肩回りの筋肉を使おうとしてしまい、それが上半身先導のピッチングフォームへと繋がってしまう。
涌井投手自身を見ていても、体調が悪そうだったりということは一切感じられない。そのため今はまだ調子が悪いとは言え、涌井投手に関してはそれほどの心配は要らないと思う。ピッチングフォームは、ほんの些細なことが原因でほんの少しだけ感覚がずれてしまうだけで、投げるボールに大きな変化を与えてしまう。涌井投手の場合は身体がもっと温かい気候に馴染み、もう一汗かけばすぐに復調に向かうはずだ。
涌井投手のファンとしてはやきもきさせられてしまうだろうが、1ヵ月少々調子が悪いくらいでまだまだ慌てる必要はないだろう。調子が悪いとは言え、勝てていないわけではない。1ヵ月でしっかり3勝をマークしている。調子が良くて2勝であれば問題だが、調子が悪い中での2勝には価値がある。なので今は慌てることなく、復調するまで温かく応援してあげて欲しいと思う。涌井投手は押しも押されもしない絶対的エースだ。しかしエースとは言え一人の人間であることに変わりはない。調子が良い時があれば悪い時もある。ただ不幸中の幸いといえば、これがシーズンの佳境ではなく序盤でよかったということだろう。

2010年04月26日 22:39
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