2010/04/16 西武vs日本ハム 4回戦
| 2:56 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 日本ハム | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 | 8 | 0 | |
| 埼玉西武 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | × | 7 | 10 | 1 |
埼玉西武vs北海道日本ハム4回戦(西武ドーム:13,054人)
埼玉西武ライオンズ 3勝1敗0分
継投:○涌井秀章~藤田太陽
勝利投手:涌井秀章 3勝1敗 4.05
ホームラン:中村剛也(4号ソロ)
盗塁:片岡易之(10、11)
【ハイライト】
【勝利監督インタビュー】
【ゲームレビュー】
今夜の西武ドームは本当に寒かった。グラウンドレベルで何℃くらいだったのかは分からないが、筆者が座っていた3塁側の席では体感温度は5℃あるかないかくらいだったと思う。まさに底冷えするほどの寒さ。4月としては異常とも言えるコンディションの中で先発をしたのは、エース涌井秀章投手だった。
ピッチャーは、野手以上に寒さが敵となる。まず肩がなかなか温まらないし、温まったとしてもすぐに冷えてしまう。涌井投手は本当に大変だったと思う。リリーバーであれば一度肩を作れれば、その勢いのままマウンドに登り、イニングを投げ終えればすぐに冷えてしまったとしても試合では問題はない。しかし先発投手は次のイニングでまた投げなければいけない。肩を冷やすわけにもいかず、味方の攻撃中にもキャッチボールに手を抜くことはできない。今夜の涌井投手もそうで、攻撃中のキャッチボールはいつもの涌井投手以上に強いボールを数多く投げていた。あれだけ投げていたら、スタミナのないピッチャーであればキャッチボールだけでばててしまうほどだったと思う。
今夜の涌井投手は、恐らく最初から最後まで肩は温まり切らなかったと思う。それなりには温めていたとは思うが、しかし本当の意味で温まっている投げ方ではなかった。ストレートも140kmを計測することは稀で、130km台中盤がほとんど。スポーツ新聞記者は「切れも制球もイマイチ」という評価らしいが、これだけの寒さの中で先発投手にベストの切れ・制球を求めるのはほぼ不可能に近い。
ピッチャーは野手とは違い、助走をつけて投球をすることができない。そのため身体が温まってこないと、ボールはまったく行ってくれない。つまりピッチャーは身体のコンディションをしっかり上げておかないと、助走を使えない分ボールの勢いをごまかすことができないのだ。
さて、とは言え涌井投手はまだまだ本調子ではない。だが筆者が見ている限りでは、徐々にだが良くはなっていると思う。筆者が涌井投手の状態を見るバロメーターにしているのは、スローイングアームが描く弧だ。ボールを握った腕をテイクバックし、リリース、フォロースルーまでで描かれる弧。この弧を三塁側から見て、横長の楕円がより長く描かれている時は調子が良い。反面楕円が短くなっている時は決まって調子が上がっていない時だ。現時点での涌井投手は、まだ楕円が短い。そして楕円の投球方向に対する長軸が、好調時と比べると安定していない。腕が遠回りしてしまっている状態だ。
恐らく涌井投手は球速をアップさせるために、スローイングアームのアクセラレーション距離を伸ばすことを考えたのだろう。だがそこを気にしてしまうことで、「腕を大きく強く振る」という意識が強くなりすぎ、腕が遠回りしてしまう。腕が遠回りして振られるということはその分遠心力は強くなり、リリース時のポイントにもブレが生じてしまう。そうすると当然コントロールは安定しないし、指先のスナップにも切れがなくなってしまう。
そして今夜、筆者はもう一点気になったことがあった。それは涌井投手の左股関節の使い方だ。好調時はもっと深く股関節を使って、それを投球時の支点にできていたと思うのだが、今夜の涌井投手はあまり深く使えていなかったように感じた。ひょっとしたら本人もそれには気づいているのかもしれない。普段の涌井投手はマウンドのステップ位置をそれほど気にしないタイプなのだが、今夜はいつも以上にステップ位置を丁寧に掘っていたように思う。ステップ位置とは、左足を振り上げ着地させる場所のことだ。涌井投手の体型であれば、恐らく西武ドームのマウンドでは6足半前後のステップとなるだろうか。
右ピッチャーが左股関節を上手く使えないと、身体の軸に鋭いスピンが生まれず、ボールに切れが出てこなくなる。もし本当に股関節が上手く使えていないのであれば、アウフバウトレーニングとランニングで調整する必要があるだろう。アウフバウとランニングの組み合わせは非常に苦しいトレーニングなのだが、ライオンズには野球界でアウフバウの第一人者である工藤公康投手がいる。アドバイスを求めるもの良い切っ掛けになるかもしれない。
とにかく今夜見た限りでは、涌井投手が本調子になるにはもう少し時間が掛かると思う。だがいつまでも不調のままでいるレベルのピッチャーではない。1ヵ月後にはまた違った姿でピッチングをしてくれているはずだ。それまでは打線の力を借りて、点を取られたとしても今日のように勝てるピッチングを期待したいと思う。
【4月17日の予告先発投手:許銘傑投手】

2010年04月17日 00:10
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