2010/04/10 ロッテvs西武 5回戦
| 3:43 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 埼玉西武 | 2 | 3 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 8 | 14 | 1 | |
| 千葉ロッテ | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 5 | 10 | 0 |
千葉ロッテvs埼玉西武5回戦(千葉マリン:27,139人)
埼玉西武ライオンズ 2勝3敗0分
継投:○許銘傑~H星野智樹~H藤田太陽~Sシコースキー
勝利投手:許銘傑 1勝1敗 3.86
セーブ:シコースキー 2敗5S 2.45
ホームラン:上本達之(1号ソロ)
盗塁:片岡易之(7)、中島裕之(3)
【ハイライト】
【ヒーローインタビュー】
【ゲームレビュー】
開幕直後は不調なのかと心配された中島裕之選手だったが、ここに来て打撃は絶好調と言っていいだろう。この試合でも4打数2安打としっかり打ち込み、4試合連続猛打賞とはならなかったものの、安定感のある打撃は健在だった。4月4日は.268だった打率も、この試合を終わった段階では.400まで一気にチャージしてきた。そしてこの試合で2安打放ったことで、5試合連続のマルチヒットとなった。
以前「中島裕之選手が酷評されるアッパースウィング」でも書いたことなのだが、今年の中島選手のバッティングは、これまで以上に安定感が増している。投球を線で捕えて線で打てているのだ。この打ち方・打撃理論を長年維持しているバッターがマリナーズのイチロー選手だ。打撃そのものや左打ち、右打ちなどは違えど、線というキーワードは2人に共通した大きなポイントだ。
投球を線で捕えて線で打てれば、ミートの幅を前後に広げることができる。この幅を前後に広げることができると、空振りする可能性が激減し、打ちそこなう可能性も同時に下がる。
右打者がライト方向へ打つことを通常「流し打ち」と言うが、現時点での中島選手の右方向への打球は、完全に引っ張った打球だと筆者は見ている。「逆方向に引っ張っている」と言うと表現としてはかなり矛盾しているのだが、中島選手の打撃はまさにこの表現がピタリと当てはまる。
野球というスポーツは完全に左利きが有利なスポーツだ。特にバッターはそうで、左打席は右打席よりも80cmほど1塁までの距離が短い。だが右打者にも、左打者では難しいとされるメリットがある。それが逆方向に引っ張るバッティングだ。
逆方向に打球を引っ張るためには、身体のメカニズムを理解した打撃フォームが必須となる。これが理論的に理解しできるようになる選手と、本能的にできている選手と2種類が存在する。中島選手がどっちのタイプかは筆者には分からないのだが、少なくとも中島選手は理に適ったバッティングフォームを作り上げることに成功している。
具体的には骨盤を巧く使えるかどうか、ということだ。上半身と下半身を強靭な腹筋を使って完全に割り、後ろの残したグリップを骨盤の回転で引っ張る。言葉で表現するとそれほど難しそうには感じられないが、実はこれが非常に難しい。プロ野球選手の中でもこれができている選手は一握りしか存在しない。逆を言えばこれができるからこそ、打撃10傑に入ることができるわけだ。
なぜこの動きが難しいかと言うと、骨盤の可動域が非常に狭いためだ。骨盤には仙骨と腸骨からなる関節が存在するのだが、この関節には肘や肩、膝のような大きな可動性がない。動いたとしても数ミリ単位。そのため意識的に動かそうとしても多くの選手はこれができるまでに長いと数ヵ月かかったりもする。そして実際に自分の打撃の中に組み込めるまでにはさらなる時間を要する。骨盤を動かすということは、それほど繊細な作業なのだ。
中島選手の場合、すべてのスウィングにおいてとは言えないまでも、後ろの骨盤(右腰)を鋭く回転させることで、ブレの少ないスウィングを実現させている。
いわゆるフルスウィングと呼ばれるものは、大方上半身主導でバットが振られることが多い。だが上半身の力でバットをフルスウィングさせてしまうと、どうしてもスウィング中、バットにブレが生じてしまう。このブレがあるせいで、ホームランバッターというのは軒並み打率が低めになる。だが上半身ではなく、骨盤を使ったスウィングができるとブレが少なくなり、打ちそこなう可能性も低くなる。三冠王を取った歴代の名選手たちは、無意識だったとしても骨盤によるスウィングを実現していたからこそ、ホームランを打ちながらも打率を伸ばすことができた。
中島選手の場合はホームランバッターではないため、三冠王を狙うのは難しいだろう。だが首位打者と打点王の二冠であれば、今シーズンは十分狙えるだけの技術を兼ね揃えたと言っても過言ではない。
シーズン開幕までも何度も書いてきたことだが、今年の中島選手は間違いなくキャリアハイの成績を残すはずだ。そしてその数字をどこまで伸ばすことができるのか、筆者はそれを楽しみに今シーズンの中島選手を応援して行きたいと思う。

2010年04月13日 06:05
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