<< 片岡・中島コンビは今後名手となれるだろうか | ホーム | 小野寺力投手は、こころ優しき守護神 >>
小岩ジェッツ

中島裕之選手が首位打者獲るために足りない物

中島裕之選手が首位打者を獲得するためにはいくつかの課題がある。今回はその課題について書いてみようと思う。

まず中島選手が首位打者を獲得できる可能性だが、これは誰もが思う通り非常に高いと思う。ライオンズにおいて言えば、筆者は左打ちである栗山選手と並び可能性の高いバッターだと考えている。もし中島選手が3番ではなく、1・2番を打つバッターであればもうとっくに首位打者は獲得していただろう。だが3番であるがゆえに、未だ獲得には至っていない。

ではなぜ1・2番なら獲得できていて、3番だと獲得できないのか?その理由は1塁までへの全力疾走にある。1・2番の仕事はとにかく塁に出ることだ。そしてそのためにはどんな平凡なゴロであっても、常に全力疾走を心がける必要がある。例えば同じ右打者である片岡選手が、打ってから1塁に到達するまでの時間は約4.2秒を要している。そして中島選手の場合この数字は約4.3秒となる。筆者が中島選手に唯一不満なのがこの数字なのだ。

一見するとわずか0.1秒の差でしかない。だがこれが約27mあるホームベースから1塁ベースへの距離で考えると、0.1秒の差は約80cmの差になる。もし内野ゴロが野手から1塁に送球され、ファーストがその送球をキャッチした時、バッターランナーが1塁ベースの80cm手前を走っていたなら、それは野手からすると余裕のある内野ゴロだったことになる。そして4.3秒という中島選手の数字は、昨年膝痛や足首痛に苦しんだG.G.佐藤選手とほとんど同じタイムとなる。

そしてさらに言うならば、何も起こらなければ100%アウトになるであろう内野ゴロの場合、1塁までのタイムが5秒を大きく回ることさえもある。これは本当にもったいないことだ。もちろんプロ野球であるため、内野ゴロで何かが起こる可能性の方がはるかに低い。だが1つ1つのプレーによって、何かを起こすことは十分に可能なのだ。

他球団の野手も中島選手の走りに関してはすでに気付いている。「内野ゴロだと全力で走らないことがある」と考えながら守っているため、中島選手の内野ゴロに対しては余裕を持ってフィールディングする野手が多い。特にサード、セカンドは多いのではないだろうか。

もし中島選手が本来の走力をしっかり発揮し、片岡選手同等4.2秒で1塁まで到達することができれば、守っている野手は確実に慌てるはずだ。慌てれば悪送球などのエラーにも繋がり、チームにチャンスを呼び込める。そして守っている野手に「中島は全力疾走してくる」という考えがあれば、野手は自ずと一歩前を本能的に守りたがる。すると横に対する守備範囲が狭くなり、ヒットゾーンが野手の足一歩分広がり、内野安打や外野へ抜けていくヒットが年間数本増えることになる。

もし昨年、中島選手の走力で稼ぐヒットがあと10本多く出ていたら、打率は.327となり、首位打者を獲得した楽天・鉄平選手(左打)と並んでいた。

ではなぜ中島選手は全力疾走を諦めてしまうのか?中島選手は走れないのではない。場面によっては1塁まで素晴らしい全力疾走を魅せてくれることがある。つまり中島選手は間違いなく走れるのだ。それでも走らないのには、2つの理由が考えられる。まず単純に諦めてしまっているか、それかフルスウィングを優先したか、だ。

フルスウィングをして全力疾走が怠ってしまうのは仕方がない。右打者の場合、しっかりバットを振ると身体はどうしても3塁方向に流れてしまう。そこから1塁に方向転換するわけだから、こういう場面であれば走る始動が遅れ、タイムがかかってしまうことも仕方がない。

しかし2ストライクと追い込まれたあととなると話は別だ。中島選手は2ストライクに追い込まれると、バットを一握り短く持ち変える。つまり軽打によるシングルヒットを狙いに行っている。この場面で内野ゴロを打った時こそ、中島選手の走力の魅せ所になるわけだ。ここでもし中島選手があと0.1秒、距離にして80cm先を走る全力疾走を見せていけば、守っている野手の意識は確実に変わるはずだ。2ストライク後の中島選手に対しては、多くの内野手が一歩前を守りたがるだろう。なぜなら一歩前で打球処理をしなければ、内野安打になってしまう危険が多く生まれてしまうためだ。

こういう状況を中島選手がしたたかに演出することができれば、先述した通りヒットゾーンが広がるし、エラーによる出塁も増えてくる。そしてヒットであれエラーであれ出塁する回数が増えれば、それだけ盗塁する機会も増え、30盗塁も見えるようになってくる。

それと最後にもう1点中島選手にはあえて注文をしたいと思う。中島選手は2ナッシングと追い込まれると、気を抜いてしまう場面がある。つまり「3球目は1球ボールゾーンに外してくるだろう」と決め付けてしまうのだ。そのため2ナッシングを追い込まれると、あっさり凡退してしまうことが多い。

これが昨年首位打者を獲得した鉄平選手の場合、35打数6安打.171となるのだが、中島選手の2ナッシング時の打率は44打数3安打.068となる。つまり昨年の首位打者は中島選手よりもはるかに少ない打数で、倍の数のヒットを打っているのだ。これも昨年首位打者を獲った鉄平選手と、獲れなかった中島選手の昨年までの差だと言うことができるだろう。

中島選手は年々非常に速いスピードで進化して行っている。そのため筆者が中島選手のプレーを見ていても、なかなか彼の弱点を見つけることができない。このブログを書いていても、中島選手のことは誉めるしかなくなっている。だが読者はきっとそういう記事よりも、中島選手がさらに進化する余白がどれくらいあるのか、ということをこのブログには求めているのだと筆者は考えている。そういう理由もあり、若干あら探し的な記事になってしまったが、素晴らしいプレイヤーとなった中島選手にもまだまだ伸び白があるという意味で、こうして筆者なりの意見を書かせてもらった。

中島選手はまだまだ進化できる選手だと筆者は考えている。その余白が見つかる限り、魅力だけではなく、余白についてもこのブログではしっかり書いていこうと思う。もちろんそれは中島選手以外の選手についても同様に。

日刊埼玉西武ライオンズをフォローしよう!
baseball 記事を楽しんでもらえたら、ランキングに1球の投票をお願いいたします。
にほんブログ村 野球ブログ 埼玉西武ライオンズへ

2010年02月23日 14:59 




Copyright(C) 2009-2010 日刊埼玉西武ライオンズ All Rights Reserved.