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小岩ジェッツ

江藤智選手の役割を受け継いだ平尾博嗣選手

今キャンプで、最も意気込みが高い選手の1人が打では平尾博嗣選手だと思う。自主トレは10日間サイパンで行い、かなり充実したトレーニングができたようだ。体調に関しても近年では最も良い状態だと言う。17年目となる今季、結果が残せなければクビになるという覚悟も強く持っているようだ。

昨オフ、江藤選手の引退の意味を最も強く感じたのは平尾選手だったと思う。2008年の日本一は渡辺監督もよく口にしていたように、江藤選手の支えがなければなし得ないものだった。チームが苦しい状態の時、江藤選手が下から支えてくれたからこそ、チームは最後まで沈まずに日本一を達成することができた。そして今年、その役目を担うのが自分自身であると平尾選手は強く認識していると思う。

阪神の今岡選手が戦力外にされた際、ライオンズも獲得を検討していた。しかし最終的に見送ったのは、やはり平尾選手への期待と配慮だったろう。平尾選手がしっかりと仕事をしてくれれば、あえて今岡選手を獲得する理由もない。球団としてはそういう期待も込めて、今岡選手の獲得を見送ったのだと思う。いや、もしかしたら渡辺監督がそういう考えを持っていたのかもしれない。渡辺監督にはそこまでの配慮ができる懐の広さがある。

平尾選手は守備も安定しているし、バッティングに関しても非常に勝負強い。監督としては平尾選手のようなユーティリティプレイヤーがいてくれると、本当に心強いだろう。しかし平尾選手の欠点は、ムラッ気があることだ。一度集中力が途切れてしまうと、なかなかそれを戻してくることができない。そのためにファームに落とされたこともこれまでに少なくはなかった。

だが今年はさすがに今までと同じにはならないだろう。江藤選手が抜け、野手では完全に最年長となった。最年長選手として、中途半端な姿を後輩たちに見せるわけには行かない。現にキャンプでも、誰よりも大きな声を出してチームを盛り立てているようだ。

縁の下からチームを支えた江藤選手に対し、平尾選手は後輩たちの尻を叩きながら鼓舞するタイプだ。2人のタイプはまったく異なるが、しかし役割は同じだ。1年間戦って行く中で、どんなに強いチームであっても必ず苦しむ時期がやってくる。そんな時支えになってくれるのが経験豊富なベテラン選手なのだ。

ライオンズの黄金時代前半ではその役目を東尾修投手らが努め、後半においては辻初彦選手らが努めていた(キャプテンとは別の役割として)。チームが苦しくなった時、ベテランの些細な一言がチームを救ってくれる。97・98年とパ・リーグを連覇した際、日本一になれなかったのはそれができるベテラン選手が不在だったためだと筆者は考えている。そして97年に関して言えば本来なら、渡辺久信投手がその役割を担わなければならなかった。

平尾選手に100試合以上の出場を監督は求めていないはずだ。平尾選手には年間50~60試合出場してもらい、出場した時にはその言動によってチームに活力を注入してもらいたい、そう考えているはずだ。野手最年長の平尾選手が頑張っている姿を見て刺激を受けない若手選手などいない。平尾選手が誰よりも元気に頑張ることで、ライオンズはさらに元気なチームへと成長して行くはずだ。

そして2010年秋に渡辺監督はきっとこう言っているだろう。「今年の日本一は平尾がチームを支えてくれたおかげだ」と。

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2010年02月06日 15:29 


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