雄星投手が今現在抱えている投球に関する欠点
ライオンズ関連ニュースのほとんどが雄星投手の話題という中、やはりこのブログも雄星投手の話題がどうしても多くなってしまう。しかしこれだけ注目されている中、それでもしっかりと自分のプレーを追い求めることができている雄星投手は、やはり只者ではないのだろう。春季キャンプも第1クールが終了し、いよいよ雄星投手の欠点も見え始めて来た。他球団のスコアラーや解説者たちは口を揃えて雄星投手を褒め上げるが、しかしその言葉に筆者はいつも疑問を感じてしまう。確かに雄星投手は素晴らしい資質を持っている。しかしこの段階ですでに実績を残しているピッチャーたちを越えているような評価はどうなのかと思ってしまう。しかしそんな中でもその言葉を筆者がとても信頼している野球人がいる。それは広岡達朗氏だ。
誰もが雄星投手を褒める中、広岡氏だけは手放しで褒めるようなことはしなかった。雄星投手の資質を認めながらも、現段階での弱点をしっかりと見極めているようで、教え子でもある渡辺監督にも早くそれに気付くようにとのコメントを発信していた。
広岡氏と言えば、ライオンズの黄金時代を作り上げた監督だ。工藤投手にしても未だに当時の広岡監督の指導には感謝をしている。筆者個人としても、非常に尊敬している野球人の1人だ。その広岡氏がどのポイントにおいて雄星投手の弱点や欠点を指摘しているのかは分からない。だが少なくとも現段階においては、雄星投手は先発ローテーション入りできるレベルではないと見ているようだ。
そこでここでは、筆者がこれまでに集めた情報、映像などから雄星投手の弱点を見直してみたいと思う。
まず最初に言えるのは、やはり投球時の腕の角度だろう。これに関しては夏の甲子園からずっと思い続けていたのだが、雄星投手はじゃっかん腕を上げ過ぎる傾向にある。そもそも人体における骨格というものは、腕を肩よりも高く上げることは想定されていない。腕を上げるためには肩甲骨を動かす必要がある。四十肩、五十肩と言われる現象はまさに、肩甲骨周りの使用頻度が落ちたために筋肉や骨格が凝り固まり、腕を肩よりも高く上げられなくなる状態だと筆者は考えている。
20歳未満であればまだまだ筋肉や骨の柔軟性は十分にキープすることはできる。しかし25歳にもなりそれがなくなってくれば、今のモーションでは必ず不調に苦しむ時期が出てくるだろう。そして現段階においても、雄星投手のボールは日によって球質が大きく変わってしまう。つまりボールそのものに安定感がないのだ。調子が良い日は勝てるが、調子が悪い日は勝てない。これでは潮崎コーチの言う通り、プロとしては通用しないだろう。
腕の角度に関しては、細川捕手も手取り足取り雄星投手にアドバイスを送ったようだ。キャッチャーというのは、ピッチャーが自分では感じ取れていない自分自身のことにも気付いてくれる。細川捕手はこの時、ストライクを取りに行く時に左肩が下がるクセを指摘したようだ。高校・大学ではこれでも通用したとしても、プロではやはり通用しないのだろう。
潮崎コーチは雄星投手のスライダーを見てうなった。しかしさすがはコーチだけのことはあり、うなるだけでは事は済まさない。スライダーを投げた直後、スライダーの腕の角度でストレートを投げた時の威力は抜群だったようだ。だがスライダーの腕の角度で投げようと意識すると肘が下がってしまい、今度はストレートの球威が一気に落ちてしまう。これに関しては渡辺監督も気付いているようだ。
ボールの切れが最も良くなる腕の角度は、上腕長軸が脊柱(背骨)に対して直角になるポイントだ。これはオーバーハンドスローでもスリークォーターでもサイドでもアンダーでも共通する。だが雄星投手の場合はこの角度の安定感がまだない。どちらかと言えば上腕軸の角度が脊柱軸よりも上になってしまう。この状態では常に良いボールを投げることはできないだろう。小野寺投手が近年苦しんでいる理由もここにあると筆者は見ている。
この上腕軸と脊柱軸で良好な関係を保つためには、カッター(カットボール)を覚えるのが得策だと筆者は考える。良いピッチャーになればなるほど、どの球種を投げてもピッチングモーションは同一となる。そんな中でもカッターは、スライダーとストレートのちょうど中間に当たる球種だ。
ストレート、カッター、スライダーの投げ方の違いは、手首の角度とリリースの位置だけだ。あとはすべて同じであることが望ましい。具体的に違いを挙げると、リリースが最も早いのはスライダーで、遅いのがストレート。リリース時に、より深い角度で小指が打者方向を向くのがスライダーで、人差し指と中指が打者に正対するのがストレート。そしてそれぞれの中間点にあるのがカッターというわけだ。
野球に限らずどのようなスポーツでも同じだと思うが、やはり段階を踏んで変化を付ける練習は大切だと思う。雄星投手の場合はストレートとスライダーを交互に投げるだけではなく、その中間点にあるカッターを投げることでストレートとスライダーをそれぞれ交わらせるのがベストなのではないだろうか。
開幕までのあと1ヵ月半で、雄星投手が岸投手のカーブをマスターできるということはないだろう。投げられるようになるかもしれないが、しかしマスターできるかと聞かれれば、それは難しいと思う。あの有名な変化球の使い手東尾修投手を以ってしても、1つの変化球をマスターするまでには2~3年かかったと言う。
だからこそ雄星投手は焦る必要はないのだ。そもそも1年目から16勝を挙げて最多勝を獲得した松坂大輔投手の方がおかしいのだ。彼と雄星投手を比べてはいけない。19歳になる春の段階での2人には、大きな実力差がある。松坂投手が凄すぎただけの話なのだ。もちろん雄星投手もそのことは十分に理解していると思う。だから今はローテーションに入ろうなどとは考えず、まずは開幕1軍に残ることだけを考えれば良いと思う。高卒ルーキーがそれを達成できるだけでも偉業なのだ。

2010年02月05日 14:39
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