<< 片岡易之選手+中村剛也選手=最強のランナー | ホーム | 中島裕之選手が守備に9割を割く本当の理由 >>
小岩ジェッツ

雄星投手の肩がなかなか温まらない理由

どうやら昨日の雄星投手散々だったようだ。投球練習をすればボールが行かず、潮崎コーチに「ペラペラ」と評されるし、投内連携をすれば小刻みすぎるステップを涌井投手に笑われる始末。キャンプ2日目とは言え、まだまだプロの水には慣れてはいないようだ。当たり前と言えば、当たり前だが。

昨日は雄星投手の肩の出来が遅いということが話題になっていた。つまりピッチングができるまでの肩のウォームアップに時間がかかるということだ。どうやら雄星投手はピッチングができるまでに50~60球を要するらしい。同じように非常に遅い小野寺投手でも40球だと言うのに、50~60球というのは少し多すぎる。50~60球と言えば、試合なら4~5イニング投げる計算となる。

ではなぜこれほどまでに素晴らしい資質を持ちながら、雄星投手の肩は温まるまでに時間がかかるのだろうか。その答えは明確だ。小野寺投手と同じ理由なのだが、それは腕を縦に振り下ろす動作でボールを投げているためだ。いわゆる“真っ直ぐ投げ”と呼ばれるアームスウィング。

真っ直ぐ投げだとなぜ肩を作るのに時間がかかるかと言うと、真っ直ぐ投げというのは腕にある約40種類の筋肉を満遍なく使えないからだ。つまり、酷使しがちな部分の筋肉はすぐに温まるのだが、あまり使われていない部分の筋肉はなかなか温まらない。これが雄星投手の肩が温まるまでに時間がかかる理由だ。

例えばライオンズで言えば、西口投手岸投手のようにスパイラル投法を採用しているピッチャーは、肩が温まるのが非常に早い。恐らく「行け」と言われれば10~20球のウォームアップでピッチングができるのではないだろうか?また過去を振り返れば、鹿取義隆投手は4球あればピッチングができるようになり、現コーチの潮崎哲也投手も10球とはかからなかった。

一部の筋肉を酷使しがちな真っ直ぐ投げに対し、スパイラルリリースは約40種類の腕の筋肉を満遍なく使うことができる。そのため肩が温まる状態になるまで長い時間を要することはないし、一部の筋肉だけが酷使されることもない。

もっと分かりやすく解説すると真っ直ぐ投法の場合は、例えば腕の外側の筋肉に8の負荷がかかり、内側の筋肉に2の負荷しかかからないというケースもある。ということは、外側の筋肉はあっという間に温まるのだが、内側の筋肉はなかなか温まらない。そのために全体として肩が温まるまでに時間がかかってしまうわけだ。

逆にスパイラル投法の場合、内外共に5ずつの負荷がかかるため、バランスよく筋肉を温めることができる。もちろん厳密に説明をするとこんなに単純なことではないのだが、分かりやすく解説をさせてもらうと、つまりはこういうことになる。

肩を故障するほとんどのピッチャーは真っ直ぐ投げを採用している。肩を故障するということは、筋肉の中でより多くの負荷がかかっている個所を痛めてしまうということだ。雄星投手の場合は左肩後部の筋肉を痛めやすいのでは?と筆者は考えている。

雄星投手が現在採用しているピッチングモーションは、18歳だからこそ可能なものだ。今後20歳を過ぎ、25歳を過ぎ骨や関節が固くなっていけば、今のモーションではいつか必ずどこかを故障してしまうだろう。あの松坂大輔投手だって、これまでに数回の故障を重ねてきている。

雄星投手は高卒ルーキーとしてはずば抜けた実力・人間形成を手にしている。しかしプロ意識となると、さすがにまだまだ足りないようだ。キャンプ2日目にしても、ピッチング練習の直前までダッシュをしていた。ダッシュをして下半身が疲労した状態でブルペンに入れば、ボールが行かないのは当然の結果だと言える。これに関しては潮崎コーチも少し不満だったようだ。

とは言え、真面目すぎる性格が心配された雄星投手だったが、チームにはしっかり馴染めているようでファンとしては安心した。宿舎で同部屋の松下投手と野球ゲームのパワプロで息抜きしたり、バスの中では岸投手にボンバーマンを挑み全敗したり。また新選手会長の中島選手は自分の部屋に雄星投手を呼び、キャンプやプロのいろはをアドバイスしたそうだ。

投手育成に優れたチームというだけではなく、チーム内の雰囲気においても雄星投手は本当に良いチームに入ったと筆者は感じている。松坂大輔投手が99年に新加入した際は、デニー友利投手や石井貴投手らが教育係を任されていた。そして今、雄星投手のことを多くの先輩たちが気にかけてくれている。それもやはり雄星投手自身の人柄のせいだろう。この投手には将来、本当に良いピッチャーになってもらいたいとつくづく思わせられてしまう。

baseball 記事を楽しんでもらえたら、ランキングに1球の投票をお願いいたします。
にほんブログ村 野球ブログ 埼玉西武ライオンズへ

2010年02月03日 15:00 


Copyright(C) 2009-2010 日刊埼玉西武ライオンズ All Rights Reserved.
メールの宛て先