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小岩ジェッツ

ボール以上に素晴らしかった雄星投手の能力

西武ドーム前にあるさやま食堂で1月23日から登場した650円の雄星ラーメン。グラウンド外での話題にも事欠かない雄星投手だが、連日の彼のコメントや考え方、性格を知れば知るほど、ひょっとしたら1年目から活躍できるのかもしれない、と思えるようになって来た。変化球の精度が現段階でどれだけか分からないため、確信することはできない。しかしこの半年の雄星投手を見続けた感想は、本当に成長が速かったということだ。

ファンから見ると、雄星投手の純朴すぎる性格が少し心配だった。投手とはある意味、お山の大将的な性格であることが望ましいからだ。多少ボールが行っていなかったとしても、自身満々な顔で投げられると、バッターはなかなかボールを捕らえ切れない。そのためピッチャーという人種には、多少の自信過剰気味な性格が必要なのだ。

そして負けず嫌いという性格も重要だ。先日のブルペン後、雄星投手は細川捕手に「今日は調子が悪かったんでしょう」とコメントされた。正捕手のこの言葉に雄星投手の負けず嫌いな性格が燃え上がったようだ。翌日のブルペンでは見事細川捕手をうならせるボールを投げた。

筆者が1年目からの活躍に可能性を感じ始めたのは、雄星投手が残した「思い通りのボールを投げられれば自信はあります。あとはその確率を上げること」というコメントが切っ掛けだった。高卒1年目のルーキーが言える言葉ではない。少なくとも確率について考えられる高校生投手なんて、探してもまず見つからないはずだ。雄星投手の自信が、いつ確信に変わるか筆者は常に注目していたいと思う。

そして同じ東北人でもあり正妻になるであろう細川捕手は、「ごつい体からあれだけ柔らかく投げられる。すごくいいボールだった」と評している。だが上体に力が入ると途端にボールの回転が悪くなるとも言っていた。

筆者は基本的には、ボールの回転よりも打たれないボールを投げることを優先に考えている。例えばボールがシュート回転していようとも、それで抑えられる組み立てさえできれば問題ない、ということだ。しかしそれを考えていく上でも、やはりボールの回転というのは大切な要素となってくる。

そもそもボールの回転が悪くなるとは、ストレートの場合バックスピンの角度が傾いてしまったり(シュート回転やスライダー回転)、回転数が減ってしまうことを表す。

バックスピンストレートの回転軸が左右にぶれてしまうと、マグナス力の恩恵を受けられなくなり、バッターの手元でボールが垂れてしまう。つまり打ち頃のストレートになってしまうというわけだ。ピッチャーがピッチングにおいて力を入れるポイントはただ1つ。リリース時のみだ。上体に力が入ってしまうということは、リリース以外のポイントにも手・腕に力が入ってしまっているということになる。

リリースポイント以外にも力が入ってしまうと、余分なエネルギーが増えた分リリースポイントにブレが生じるし、スタミナの消耗にも繋がる。リリースが遅れればシュート回転するし、早まればスライダー回転してしまう。例えば左ピッチャーが右バッターの内角にストレートを投げた時シュート回転してしまうと、ボールは真ん中に入ってしまい、簡単に痛打されてしまう。このような意味で、ボールの回転はピッチャーにとって大切な要素となってくるのだ。

そして雄星投手が素晴らしい点は、そういうことを考えながらブルペンでボールを投げられているということだ。これはやろうとしてもなかなかできることではない。マウンド上での修正能力の有無は、エースになれるかなれないかを意味する。修正能力が高ければ高いほどエースに近づけるし、修正能力がなければ素晴らしいボールを持っていたとしても、1軍で活躍することはできないだろう。雄星投手の場合この修正能力、そして考える能力が非常に高い。こういう点から見て行っても、雄星投手が1年目から1軍で勝てる可能性は、少しずつだが高まっていると言える。

恐らくキャンプ中やオープン戦の前半は、比較的打ち込まれるような気がする。だが3月も後半に差し掛かり、スライダーの完成度が高まった時、結果は別としていよいよ実力を発揮し出すところだと思う。雄星投手の冷静さがあれば、打ち込まれてへこむことはないだろう。打たれた理由を1つ1つ考え、しっかり修正してくるはずだ。この修正が上手く行き、雄星投手の言う「確率」が上がってくれば、開幕後の1軍帯同にも光が見えてくると筆者は考えている。

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2010年01月28日 16:10 

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