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小岩ジェッツ

片岡易之選手に求めたい2010年の役割

荒れに荒れた片岡易之選手の契約更改だったが、結局のところは1000万円アップの1億1000万円(推定)という数字に落ち着いた。球団からの評価は予想以上に低いものだったが、しかし片岡選手に対してはもう少し上げても良いのでは、と思う部分も多かった。2010年は文句の付けようのない活躍をして、文句の付けようのない年俸を勝ち取ってもらいたいと思う。

筆者がなぜ片岡選手の年俸を低いと感じるのか、それはパーセンテージの良さだ。球団は基本的に打率を中心に年俸査定を行っているのだろう。そうでなければ、片岡選手の評価があそこまで低くなるとは考えにくい。

まず筆者が注目したいのは生還率だ。つまり出塁した回数に対し、何回ホームまで還って来たかという数字。片岡選手のリーグ3位の92得点だと、46%という数字になる。これは10回出塁したら、4~5回はホームインしているという素晴らしい数字だ。ちなみに松井稼頭央選手が1番を務めていた98年の数字は38%で、2008年のイチロー選手が31%だった。もちろん出塁回数が異なるので、純粋に比べて良い数字とは言えないが、片岡選手がどれだけ高い確率でホームまで還って来るかという1つの目安になるとは思う。

そして2つ目は当然盗塁数だ。2009年は51盗塁を決めている。確かに2009年のライオンズは優勝を目指せない時期が長かったため、チームが上位にいる時よりは走りやすいという条件はあった。しかしそれにしても51盗塁というのは誇れる数字だ。

また、盗塁と同じように考えたいのが塁打数だ。2009年は232塁打を数えている。シングルヒットで出塁し、そこから盗塁すれば2塁打とほぼ同等だ。となると232という数字に51を足すと、283塁打という数字になる。もちろん盗塁をするには次の打者の1球分を借りる必要があるが、しかし片岡選手の盗塁数を足した塁打数は低い評価にはならないはずだ。

だが逆にもったいなかったのがホームランの多さだ。片岡選手は2009年は13本塁打で、これは2008年の4本を大きく上回っている。なぜもったいないかと言うと、1番バッターがホームランを打ってしまうと打線が繋がらなくなってしまうのだ。例えば片岡選手が先頭バッターで登場しホームランを打つと、実質次のバッターが先頭バッターということになってしまう。これは味方の利点が減るという意味ではなく、敵へのダメージが減ってしまうということで、筆者はもったいないと考えている。

相手チームからすれば先頭の片岡選手にホームランを打たれて1点取られるよりは、片岡選手に1塁で動かれる方がよほどエネルギーを消耗する。特に右ピッチャーにとって、背中で動かれる片岡選手の存在は脅威なはずだ。このことをよく理解しているピッチャー出身の監督は、1~3番に俊足バッターを並べることが多い。渡辺監督ももちろんそうだし、最も顕著だったのは東尾監督だった。東尾監督はオーダー9人中、4~5人を走れるバッターとして並べていた。

これはあくまでも筆者が見た上での感想でしかないのだが、恐らく相手チームは片岡選手よりも栗山選手に対しより厳しい攻めをしているのではないだろうか。もちろん片岡選手に対しても厳しい攻めをしているのだが、それ以上に栗山選手に対しては、中島中村コンビの前にランナーを溜めないために、より厳しく攻めているように見える。

特に右ピッチャーは2ストライクまで追い込むと、ほとんどストライクを投げてきてはくれない。外にチェンジアップを落としたり、内にはカット系のボールを食い込ませたり。栗山選手に対してピッチャーは、より神経を使っていたと思う。

だがもし片岡選手の長打が減り、片岡選手自身が1塁に残るケースが増えていたとすれば、バッテリーは当然ランナーを警戒し、ストレート系のボールが多くなってくる。そうなってくると栗山選手のバッティングチャンスも広がってくるわけだ。これがそのまま実践されていたのが、栗山選手が.317打った2008年だったと思う。

片岡選手が今季評価を高めるためには、そしてチームが勝つためには、長打を減らすバッティングをすれば良いと筆者は考えている。ホームランは中島・中村・ブラウンG.G.佐藤後藤の5選手に任せておけば良い。片岡選手と栗山選手の1・2番コンビは、とにかくクリーンアップの前に3・1塁という状況を作っておくことが最も重要だと思う。

若いアウトカウントで3・1塁という状況になると、ランナーを牽制するためにもファーストとサードはどうしてもベースに付かなければならない。そうすれば三遊間・一二塁間は広くなり、ヒットゾーンが広がるわけだ。これが満塁になってしまうとランナーは盗塁ができなくなるため、ランナーを牽制する必要性も下がり、通常の守備位置、もしくは前進守備によりヒットゾーンが狭められてしまう。

筆者はピッチャー出身なのだが、最も嫌な状況は満塁ではなく3・1塁に俊足ランナーを背負うことだった。下手にボテボテの内野ゴロを打たせれば3塁ランナーはホームインしてしまうし、かと言ってダブルプレーを狙い過ぎてしまうとボールはヒットゾーンを通り抜けていってしまう。ピッチャーとしては非常に神経を使う状況が3・1塁なのだ。

このような理由から言っても、片岡選手はきっぱりと長打を捨てて、栗山選手と3・1塁という状況を作ることに基本としては専念すべきだろう。先にも言った通り、片岡選手がホームランを打ってしまうと3・1塁という状況を作れないということからも、打線が線にならない。打線が点の集まりにしかならないのだ。

打線というものには、1番から9番まですべて役割分担がある。4番打者を9人並べてもそれは野球にはならないのだ。これがWBCで日本が二連覇することができた最大の理由だ。スモールベースボールという言葉は、決して短打だけを狙う、という意味ではない。主軸が長打を打ちやすくするために、他のバッターが短打を有効活用するというのがスモールベースボールの本当の意味だ。

ライオンズには幸運にもホームランを打てるバッターがしっかりと揃っている。そうなってくるとやはり大切なのが、1・2番や下位打線でどれだけ塁を埋められるかということに繋がってくるわけだ。2010年、片岡選手のヒット数が10本増えて、二塁打とホームランが10本ずつ減れば、ライオンズの得点力は2008年に匹敵するほど強力になるはずだ。このような理由からも筆者は2010年、片岡選手には1本でも多いシングルヒットとフォアボール、そして1つでも多い盗塁数を期待したいと思う。

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2010年01月23日 19:01 




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