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小岩ジェッツ

G.G.佐藤選手が中村選手の本塁打数を抜くために

筆者は、ホームランを打つためには必要以上の筋肉は必要ないと考えている。もし筋肉がなければホームランを打てないのなら、高木浩之選手のような小柄な選手ではホームランは打てないことになる。しかし高木浩之選手は現役時代、通算で10本塁打を打っている。

もちろん高木浩之選手の場合は、狙って打ったホームランではない。バットもミドルバランスの、アベレージヒッター向けのものを使っていたはずだし、基本的に打球を上に上げるためのスウィングもしていなかった。しかしもし高木浩之選手がホームランを打ちたいと考えたなら、本数は別としてもそれは十分可能だったと思う。

ホームランとは、ミートするタイミングさえ合えば誰にでも打つことができる。だがそれは現役男子投手のボールを、女性でも打てるという意味ではなく、同じレベルの対戦であれば打てるという意味だ。

バッティングセンターに通ったことがある人なら分かると思うが、軽くバットを振っただけでもしっかりミートをして、タイミングさえ合えば、当てただけのバッティングだったとしてもボールは意外としっかり飛んでいく。

今や球界ナンバー1スラッガーへと成長した中村選手も、フルスウィングした時よりも、7~8割の力で振った時の方がホームランになりやすいと断言している。つまりタイミングを合わせてしっかりミートをし、自分の身体に対しベストの角度でバットを振れば、それだけでボールを遠くまで飛ばすことは十分に可能なのだ。

中村選手の場合さらに良いのは、バットスウィングの前は全身の力を程よく抜くことができている点だ。サイレントピリオドとまでは行かなくても、非常にリラックスした状態で打席で投手のボールを迎え入れている(待っているのではなく、迎え入れている)。筋肉というのは、一度完全に脱力した状態から活動をさせると、通常時よりも大きなエネルギーを生み出すことができる。だからこそ打席では脱力した状態でボールを迎え入れる必要がある。

さらに中村選手の場合は、自分のスウィングを決して崩さない。ボールを追いかけて空振りするシーンが非常に少ない。これはある意味自信の表れなのだろう。投球がホームベースに向かって飛んでくる途中でタイミングやコースが合わないと気付くと、中村選手は構わずに空振りをする。あえてバットをボールに合わせに行っていない。

これはつまりミスショットをしてアウトになるよりは、1ストライク増えたとしてもアウトにならない選択をしているということになる。2ストライクと追い込まれるとバッターは非常に不利になるが、それでも中村選手は48本中、14本を2ストライクからスタンドに放り込んでいる(打率的には2ストライク後は急激に下がる)。

さて、もう一方のホームランバッターG.G.佐藤選手はどうだろうか。G.G.選手は中村選手とは真逆のホームランバッターだと言える。まずホームランを打つために、筋肉に頼りすぎてしまっているのだ。筆者の個人的な意見として言わせてもらえれば、G.G.佐藤選手は筋肉を減らした方がホームラン数は増えるはずだ。

確かに筋肉でホームランにしていた打球も多々ある。だが筋肉で打球を遠くに飛ばす感覚に頼ってしまうと、バッティング技術はなかなか向上しない。そして別の視点から見ていくと、筋肉が邪魔をしてホームランを減らしている、とも考えられる。

2人とも100kg前後の体重を持っているわけだが、この2人の100kgはまるで意味合いが違う。中村選手は元々の体型が体型なだけに、骨格そのものが100kgに適した骨格となっている。だがG.G.佐藤選手の場合は、学生時代は非常に華奢な選手だった。つまり元々の骨格が100kgという体重に耐えうる骨格ではないのだ。

G.G.佐藤選手が体格を大きくし出したのは、恐らく大学生活の後半か、フィラデルフィアに渡った後だと思う。そう考えると、すでに成人としての骨格が形成された時期となる。要するに華奢な選手タイプの骨格で、成人したというわけだ。

となると、当然骨や軟骨などの関節を形成する骨格部位は、基本的な部分では華奢な選手タイプのものになっているはずだ。G.G.佐藤選手は、その骨格の上にメジャー選手並みの筋肉を付けてしまったことになる。だからこそ上半身の重さが直に掛かっていく膝や足首に故障を抱えてしまっているわけだ。衝突など外傷として引き起こした怪我なら仕方がないが、G.G.佐藤選手の場合は疲労などが原因で痛みを引き起こしている。

疲労はどんな選手も抱えているものであるため、疲労を溜めるたびに怪我をしてしまうようではプロ選手としては少し物足りない。だからこそG.G.佐藤選手は筋肉を減らすべきだと筆者は考えている。もし体重をあと10kg軽くしたとすれば、膝や足首への負担は大幅に減り、疲労が溜まったとしても、すぐにベストコンディションへと向かわせることができる。

だが上半身が重すぎてしまうと、膝・足首は常時ウェイトトレーニングをしている状態になってしまう。これでは疲労も抜けにくくなるし、怪我も引き起こしやすくなる。G.G.佐藤選手は体重を少し落とし、ベストコンディションを長期保つことができれば、35本塁打を打つだけの技術を持っていると筆者は考えている。

まだ西武に入りたての清原選手は、非常に細身の選手だった。それでも年間37本塁打を記録している。だが巨人に移籍し、上半身を鍛えすぎてしまったことで故障を抱え、出場試合数も減り、ホームラン数も年々減少していってしまった。筆者は、G.G.佐藤選手には清原選手と同じ道を歩いて欲しくないと思っている。

清原選手は時代を象徴するスラッガーだったが、自分の骨格に不釣合いな筋肉という名の鎧をまとってしまったばかり、選手生命を縮めてしまった。

G.G.佐藤選手も清原選手同様、筋肉に頼らなくてもホームランを打つだけの技術を持っている選手だ。だからこそ筋肉にこだわって膝・足首に不安を抱えるよりは、その不安を解消させることで1試合でも多く試合に出場した方が、ホームラン数は間違いなく増えるはずだ。

軸足にほとんどの体重を残したままバットを振り抜くG.G.佐藤選手のバッティングフォームは、まさにアーチストのものだ。このバッティングフォームを持ち続けることができれば、筋肉を減らしたとしてもホームランを打てなくなるということはない。

ただ1つだけリクエストをするとすれば、G.G.佐藤選手はもう少しリラックスして打席に立つべきだろう。中村選手のように身体を揺らせば、ピッチャーに対しもっとタイミングを合わせやすくなるし、テイクバックのトップでサイレントピリオドを作ることができれば、筋肉の最大パワーをもっと引き伸ばすことが可能になる。

G.G.佐藤選手は身長の差で、中村選手よりもミートできる範囲が広い。ということは6番7番よりも打順が多く回ってくる4番5番に座ることができれば、ヒッティングゾーンの広さから言ってもG.G.佐藤選手が中村選手以上のホームランを打つことは可能となるだろう。だがそのためにもまずはベストコンディションを作り直すことだ。

ほとんどの故障は筋力強化によって回避させ、回復させることができる。しかしこれでは正しいコンディショニングとは言えない。正しいコンディショニングとはさらに、故障の元となった要因を取り除く作業も必要になってくる。

例えば肩を痛めた投手は筋力強化によって痛みを軽減させる。しかしいくら筋力を付けて痛みを取り除いたからといって、痛みの原因となった投げ方を続けていてはもう一段上に上がった時、確実に再発を招いてしまうだろう。だからこそ筋力強化で痛みを取り除いた後は、バッティングやピッチングにおけるモーションから痛みの原因となった元を取り除く必要があるのだ。これがG.G.佐藤選手の場合、体重超過だと筆者は考えている。

ホームランを打つために増やした筋肉が、G.G.佐藤選手の場合はホームランを減らす結果になってしまっているのだ。今のG.G.佐藤選手のバッティング技術で、144試合の多くをベストコンディションでプレーした時のホームラン数を、筆者は早く目の当たりにしてみたい。G.G.佐藤選手には確実に40発打てるだけの技術があると筆者は信じている。

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2010年01月15日 16:01 




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