<< ジャイロボール | ホーム | #51 大島裕行 >>
小岩ジェッツ

ライオンズに少ないレーザービームの使い手

ライオンズの内野陣はこれまで通りほぼ磐石とも言える態勢だと思う。セカンド片岡選手、サード中村選手、ショート中島選手はほぼ不動で、ファーストに関しても石井義人選手平尾選手に加え、外野手となった後藤選手も入ることができる。しかし外野となるとまだまだ磐石とは言えない。固定しているのはセンターの栗山選手のみで、レフトとライトは未だ流動的となっている。

野球というスポーツで大量失点を防ぐためには、外野の守備力を見逃すわけには行かない。外野というポジションに関しては、レーザービームでランナーを補殺すること以上に、ランナーの進塁する意欲を奪うことが重要になってくる。あれだけのレーザービームを誇るイチロー選手の補殺数がビックリするほど多くないのは、ランナーにイチローの肩と勝負する意欲がないためだ。

肩ということだけで考えると、外野陣で最も強肩なのは間違いなくG.G.佐藤選手だろう。だがG.G.佐藤選手は、だからと言って外野手としての評価が高いわけではない。なぜなら足が遅いせいで、守備範囲が非常に狭いのだ。となるとAクラスの肩であっても、Dクラスとなる走力でその魅力は相殺されてしまう。

現在のライオンズの外野陣には、強肩になれる選手はいるが、今現在強肩である選手は少ない。赤田選手も肩を痛めて以来は、本当に思い切り投げられているシーンがほとんど見られなくなってしまった。

そして筆者には1つ気になっている点がある。それはライオンズ外野陣の送球動作だ。これがライオンズというチームの方針なのかどうかは分からないが、外野手で肩甲骨をしっかり使って投げられている選手がほとんどいない。試合においては皆無と言ってもいいだろう。言い方を変えれば、外野手の大半が内野手のように送球を行っているのだ。

内野手というのは送球距離が比較的短いため、小さな腕の動きで素早く送球するというのが基本となる。例えばスナップスローなどはその一例だ。しかし外野手の場合は送球距離が非常に長い。つまり捕ってから素早い動作で投げること以上に、速度のあるボールを送球することが求められる。

分かりやすく言うと、捕球後の身体の動きを最大限素早くして70%のボールを投げるよりも、送球まで0.1秒長く掛かったとしても肩甲骨を使って90%以上のボールを投げた方が、ボールが目標まで届く時間は短くなるのだ。

例えば体型的に恵まれている松坂選手でも、腕のテイクバックが浅くなっている。このテイクバックでもっと肩甲骨を背骨に引き寄せることができれば、送球スピードも、遠投力ももっと増すはずだ。だが松坂選手の送球モーションを見ていると、どちらかと言うと内野手に近い動作で、素早い動きで投げようという意識が強いように感じる。この動きは外野手としては非常にもったいない。

もし松坂選手が、イチロー選手のような深いテイクバックを導入すれば、外野手としての総合評価は間違いなくA以上になるはずだ。

赤田選手や佐藤友亮選手のように、内野出身の外野手であれば内野時代のクセが抜けないということも考えられるが、松坂選手は投手出身の外野手であるため、直そうと思えば時間はそれほど必要ないと筆者は考えている。

野手の送球もピッチング同様、ただ速いボールを投げようとするだけではスピードも遠投力もアップしない。スピード・遠投力をアップさせるためには、それに必要な身体の動き、つまりモーションが求められる。理想的なモーションさえ身体に取り入れることができれば、フォームは人それぞれの個性で問題ない。大切なのはどんなフォームで投げるかということではなく、どんなモーションを使って投げるかということなのだ。

レーザービームで知られるイチロー選手も現在のテイクバックを取り入れる前のプロ1~2年目は、とてもプロ選手とは思えないほどの弱肩だった。しかしテイクバックにおけるモーションを改良したおかげで、レーザービームを発射できるようになった。

野球というスポーツには時間制限がないため、アウトにさえならなければどんな点差も逆転可能だし、逆にアウトが取れなければどんな点差もひっくり返されてしまう。そうならないためにも守備力の向上が最初に必要となるのだ。ライオンズの黄金時代を覚えている方はぜひ思い出してもらいたいのだが、あの頃はAKD砲などの打撃力もさることながら、守備はまさに鉄壁と言えるほどの完成度を誇っていた。

現在のNo Limit打線の破壊力はAKD砲に見劣りしないほどの破壊力だ。しかしライオンズが今後もう一度黄金時代を築き上げるためには、打撃以上に守備力を向上させる必要がある。特に栗山選手しか固められていない外野を、どれだけ高いレベルで固められるかが、2010年の1つのテーマとなるだろう。

日刊埼玉西武ライオンズをフォローしよう!
baseball 記事を楽しんでもらえたら、ランキングに1球の投票をお願いいたします。
にほんブログ村 野球ブログ 埼玉西武ライオンズへ

2010年01月11日 16:50 

Baseball Times Online



Copyright(C) 2009-2010 日刊埼玉西武ライオンズ All Rights Reserved.