涌井投手、念願のゴールデングラブ賞を受賞
名実共に本物のエースになりつつある涌井秀章投手が最多勝、沢村賞に続きゴールデングラブ賞を受賞した。涌井投手自身、最も欲しかったのがこの賞のようだ。プロ実働5年目での受賞は、本当に嬉しかったらしい。写真などで表情を見ていても、とても嬉しそうな顔をしていた。ゴールデングラブ賞は、パ・セ合わせて18人しかもらうことが出来ない。1000人近くいるプロ野球選手の中、それぞれのポジションで最も守備を評価された18人だけがもらうことが出来る賞、それがゴールデングラブ賞だ。昔から言われる「野球は守りから」という言葉を、最も忠実に評価した賞だ。
数え切れないほどあるスポーツの中で、「点をたくさん取ったチーム」が勝つスポーツは多々ある。しかし「点を与えなかったチーム」が勝つという概念で行われるスポーツは、野球の他にはほとんどないと思う。野球というスポーツは点を取ること以上に、相手に点を与えないことが重要視されるスポーツだ。こういう点から見て行くと、なぜ涌井投手がゴールデングラブ賞にこだわっていたかがよく分かる。野球というスポーツは、守り抜くことが出来れば勝てるスポーツなのだ。
だからと言って涌井投手のフィールディングは決して守りに入ってはいない。保守的なフィールディングなどせず、涌井投手のフィールディングは常に攻撃的だ。例えばランナーが2塁にいる場面での送りバント。確率的にはほぼ100%に近い数字でバントは3塁方向に転がされる。それが分かっている涌井投手は、ボールを投げてまだバッターに届いていないうちから3塁線側に走り出し、3塁でのタッチプレイを自ら狙いに行く。こういう果敢なプレーを涌井投手は今シーズン多くの場面でかんたんに見せてくれたが、しかし実際には決してかんたんにできるプレーではない。
このような1プレーに対する意識は、恐らく横浜高校時代に植えつけられたのだろう。横浜イズム、松坂の遺伝子を受け継いでいると考えると、涌井投手がこれだけレベルの高いフィールディングを魅せてくれることにも納得ができる。
ピッチャーというのは、基本的には守備は重要視されない。例えばマウンド付近に上がったイージーフライであっても、ピッチャーではなく他の内野手が捕りに行くことも珍しくはない。そもそも本来のピッチャー用グローブというのは、捕球は最優先にはされていない。強烈なピッチャーライナーが飛んできた時、グローブを盾にするために作られている。そのためピッチャー用グローブというのは外野手用よりも大きく作られていることが多い。
だが近年は、プロのピッチャーで典型的な投手用グローブを使うピッチャーは減って来た。恐らくそれは松坂大輔投手以降だと思うのだが、ショート用のグローブに近い大きさ、形にしているピッチャーが増えているように思う。これもきっと確率の問題なのだろう。避け切れないほどのピッチャーライナーが飛んでくる確率よりも、ピッチャーが守備に加わる確率の方が高いということだ。ピッチャーゴロだけではなくバント処理にダブルプレーなど。
涌井投手もはやり守備への意識が非常に高いため、ショート用までは行かないにしても、通常のピッチャー用よりも小さめのグローブを使っている。これに関しては岸投手も同様のようだ。先日スポーツショップで岸モデルのグローブを試着してみたのだが、やはりポケットが若干浅く作られていて、ボールを掴みやすい設計になっていた。
ボールを投げ終わったピッチャーは9番目の野手と呼ばれる。微妙なところに転がったピッチャーゴロをアウトに出来るか出来ないかが、時に試合の行方を左右させることさえある。現代野球に於いてゴールデングラブ賞は、ひょっとしたらエースの称号にもなり得るのかもしれない。
ここ10日ほど更新が止まってしまいすみませんでした。パソコンが故障してしまい、本日修理から戻ったので、またバリバリ更新して行こうと思ってます。ということで、今年もあと1ヵ月間、よろしくお願いいたします。

2009年12月01日 13:32

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