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小岩ジェッツ

#2 銀仁朗



#2 銀仁朗 - Ginjiro

捕手、右投右打
2005年高校生ドラフト1順目
平安高校~埼玉西武ライオンズ
京都府京都市左京区出身、1987年7月19日生、180cm / 93kg
タイトル:最優秀バッテリー賞(2009)
2009年推定年俸:1600万円


この記事を書いている今現在、「西武の正捕手は?」と聞かれたら、筆者は迷わず細川捕手の名前を挙げるだろう。キャッチャーとして細川捕手と銀仁朗捕手の間にはまだまだそれほど大きな実力の差がある。それは誰も否定しないはずだ。しかしそれは当然のことだろう。細川捕手は30歳で、銀仁朗捕手はまだ22歳なのだ。22歳と言えば細川捕手はまだ青森大学の4年生だった。

だがこう考えてみるとどうだろうか?細川捕手の22歳の頃と、銀仁朗捕手の今を比べたら?と。筆者は迷わず答えるだろう。銀仁朗捕手のが上だ、と。銀仁朗捕手は、それだけこのプロ4年間で大きく成長した。正捕手としてはまだ細川捕手に遠く及ばないが、しかし1人のキャッチャーとしてはすでに1軍レベルだと思う。

銀仁朗捕手といえば入団1年目の2006年、いきなり開幕スタメンを任されたことで話題になった。筆者としてはまったく納得が行かない伊東監督の起用法だったが、それでも大きな話題にはなった。時々目立った活躍をしたが、それでも結果は高卒ルーキーそのもの。開幕1ヵ月を過ぎた頃には、細川捕手が不動の正捕手に返り咲いていた。伊東監督はこの時、話題性以外で何を根拠に銀仁朗捕手を開幕スタメンマスクに起用したのだろうか?もちろんオープン戦で2本塁打し、高い盗塁阻止率をマークしていたものの、そこはやはりオープン戦だ。

オープン戦と公式戦はまるで違う。プロの選手にとってオープン戦は練習試合ではなく、調整の意味合いが強い。特に1軍クラスの選手で、オープン戦で結果にこだわる選手はいないだろう。

背番号を憧れの城島捕手と同じ2に変えた2009年は、前年日本シリーズで右肩を脱臼し、それがまだ癒えずにいた細川捕手に代わり、122試合に出場した。筆者もずっと銀仁朗捕手のリードを見続けていたが、リードに関してもまだまだ向上の余地が十分にある。銀仁朗捕手のリードで敗れたゲームも数試合あり、それに関してはゲームレビューで度々書いてきた。

銀仁朗捕手のリードの特徴は、その日良いピッチャーの球種を多投させたがる点だ。例えばその日スライダーに切れがあると、スライダーばかり投げさせたがる。しかも同じ球種を3球続けさせることもよくある。だが筆者個人の野球理論で言わせてもらうなら、これはリードとは言えない。

これとまったく同じリードの仕方をする捕手がいる。そう、元シアトル・マリナーズの城島捕手だ。城島捕手もホークス時代、マリナーズ時代ともに、同じ球種を連投させるリードをしていた。だが城島捕手がいた頃のホークスは一流投手がズラリと並び、マリナーズでは基本的にパワーピッチャーが多かった。ここで筆者が気になるのは、モイヤー投手(軟投派の元マリナーズのエース)がまだマリナーズにいたら、城島捕手がどんなリードをしたか?ということ。

リードとは逆算すること。これが筆者の野球論だ。スライダーで勝負するための布石を打つ、そのためのリードが配給なのだ。スライダーが良いから、今日はスライダーを多く投げさせようというのは、極論を言えばアマチュア野球のキャッチャーと同じだ。

スライダーが良いなら、当然勝負球はスライダーになる。だが同じボールを2球も3球も続けたら、プロの1軍レベルのバッターならかんたんに打つだろう。ではどうすればいいのか?それはかんたんだ。逆算すれば良いのである。

右対右の場合、スライダーはバッターの外側に逃げていく。つまり外で勝負するためには、バッターに内を意識させる必要がある。例えば初球は肩口から入るカーブでファールを打たせる。2球目はボールになっていいコースに、アウトローの少し力を抜いたストレート。3球目は逆に、インハイにさらに速いストレート。これでカウントは2-1となりバッター・イン・ザ・ホール(1-2でも構わない)。バッターの意識は完全に内角に残っている。

この状態でストライクからボールになるアウトローのスライダーを投げれば、2-1なら三振を取れるかもしれないし、1-2ならセカンドゴロを打たせることができるだろう。このように、何球目に勝負球を持ってくるかをあらかじめ設定し、それに対する布石を打つことがキャッチャーのリードの役割だ。そして現役時代は名捕手と謳われた楽天野村監督が「日本一の捕手」と評価するのが細川捕手だ。細川捕手のリードは、筆者が見ても球界ナンバー1クラスだと思う。

銀仁朗捕手は年々大きく成長しているし、1年目と比べたら今年の実力ははるかに上だ。だが上述したようなリードがまだまだできていないのが現実。とは言え今年の銀仁朗捕手は、緩急の使い方が上手になった。恐らくそれは2008年の日本シリーズで岸投手をリードしてからのことだと思うが、遅いボールを見せることで、速いボールをさらに速く見せるテクニックを駆使するようになった。

つまり、銀仁朗捕手はまだまだ発展途上の捕手だ。細川捕手はすでに完成間近というレベルの捕手だが、銀仁朗捕手はまだその半分くらいなのだ。今後4~5年経験を積めば、細川捕手が引退を考える年齢に差し掛かった時、銀仁朗捕手は一流に近付いているはずだ。そして30歳になった頃には、30歳の細川捕手を追い抜いているかもしれないし、師匠である城島捕手をも追い抜いているかもしれない。

銀仁朗捕手にはこれからも謙虚に、細川捕手の横でしっかりとリードを学び、球界を代表するキャッチャーに成長していってもらいたい。銀仁朗捕手がますます成長して行けば、ライオンズはあと十数年キャッチャーに困ることはないだろう。キャッチャーは育てるのが最も難しいポジションなだけに、若い銀仁朗捕手の成長は本当に心強い。

優勝するためには名捕手が絶対に必要だ。伊東勤、細川亨と受け継がれてきた名捕手のDNAを、銀仁朗捕手にもしっかりと受け継いでいってもらいたい。

 打撃成績 Batting Results






























2006 54 146 138 10 25 4 1 3 40 14 0 0 6 0 2 0 0 33 6 .181 .193 .290
2007 28 50 46 3 8 1 1 1 14 7 0 0 1 1 2 0 0 19 0 .174 .204 .304
2008 46 68 64 5 8 4 0 0 12 5 0 1 1 1 2 0 0 30 0 .125 .149 .188
2009 112 306 273 22 60 15 0 3 84 25 1 0 14 3 15 1 1 75 5 .219 .260 .308
通算 240 570 521 40 101 24 2 4 150 51 1 1 22 5 21 1 1 157 11 .193 .224 .287


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2009年10月21日 13:40 


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