●2009/09/29 西武vsロッテ22回戦
| 3:15 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 千葉ロッテ | 4 | 1 | 0 | 2 | 4 | 0 | 0 | 2 | 0 | 13 | 12 | 0 | |
| 埼玉西武 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 3 | 5 | 1 |
埼玉西武vs千葉ロッテ 22回戦 西武ドーム(観衆:14,063人)
埼玉西武ライオンズ 9勝13敗0分
継投:●石井一久~木村文和~山岸穣~松永浩典~大沼幸二
敗戦投手:石井一久 9勝9敗 4.29
ホームラン:中村剛也(45号)
【ダイジェスト】
【ゲームレビュー】
今夜はあえて、ゲーム内容には触れないで記事を書いていこうと思う。では何を書くかと言えば、木村投手についてだ。木村投手はピッチャーとして素晴らしい資質を持っているにも関わらず、なかなか1軍レベルのピッチングを見せることが出来ない。今シーズンは先発として数試合好投したが、調子が良く、かつ相手チームに木村投手のデータがない段階での話だった。だが少しでも調子を落としたり、相手チームに木村投手の情報が集まり出すと、一転ピッチングが成り立たなくなってしまう。
181cmと、体格的には決して大きなピッチャーではない。しかし身体の使い方がダイナミックで、鋭い腕の振りから投げ下ろされるストレートは威力十分だ。だがストレートの速さだけで抑えられるほどプロ野球は甘くはない。木村投手はあまりにもコントロールが悪すぎる。だが木村投手の場合、ピッチングコーチが指導してコントロールを良くすることは難しいだろう。
その理由は、腕のスウィングそのものに問題を抱えているからだ。ライオンズのピッチングコーチは1軍は小野・潮崎両コーチ、2軍は石井丈裕・貴両コーチという体制なのだが、このうち3コーチは現役時代、木村投手とほぼ同じ腕の使い方をしていた。そのため木村投手の腕のスウィングを修正することは難しいだろう。
となると期待は残り1人のコーチとなるが、それは潮崎コーチだ。潮崎コーチは現役時代、サイドハンドスローとして素晴らしい腕の振りをしていた。潮崎コーチの腕の使い方はスパイラルと呼ばれるもので、あとの3コーチの腕の使い方は二重振り子と呼ばれる腕の使い方なのだ。この2つの投法の詳細をここで説明するとあまりにも長くなってしまうため省略させてもらうが、分かりやすく一言で言うと、ボールのリリースポイントが常に一定のスパイラル投法に対し、二重振り子投法はリリースポイントが多数存在してしまうのだ。
木村投手は典型的な二重振り子投法をしているピッチャーであるが故、コントロールを安定させることができない。木村投手が登板した際、ぜひテレビのスローモーションでボールリリース前後の手の向きに注目してもらいたい。特にボールに掛けている人差し指と中指の向きだ。ボールをリリースする前後のほとんどのタイミングで、指はキャッチャー方向を向いていると思う。つまりこれは、リリースポイントが多すぎる状態なのだ。
これが例えば西口投手や岸投手の場合、リリースする瞬間しか指がキャッチャー方向を向かない。つまりリリースポイントが一ヵ所しか存在せず、故にボールの行方がぶれず、コントロールが安定する。そしてリリースの前後は、リリースする前までは小指がキャッチャー方向を向き、リリース後は手のひらがキャッチャー方向を向く。これがスパイラル投法の大きな特徴だ。
木村投手がコントロールをアップさせるためには、二重振り子投法をスパイラル投法に修正するしか道はない。筆者は長年独自にピッチャーの身体の使い方を勉強してきたが、木村投手がコントロールアップするための方法は、これしかないと言い切ることができる。逆にもし他の方法が存在するとすれば、それは筆者の想像も付かなかったことなので、ぜひ教えていただきたいと思います。
木村投手の場合はリリースポイントが多すぎる(広すぎる)せいで、ボールをリリースするポイントを一定にすることができない。つまりリリース時、常に前後にリリースポイントがずれてしまうのだ。前でリリースすることもできるし、後ろでリリースすることも可能になる。
世界中には数え切れないほどのピッチャーが存在している。日本のプロ野球(NPB)だけでも実に400人近くのピッチャーが存在する。だがそのほとんどのピッチャーが多かれ少なかれ二重振り子を採用してしまっている。その中でも木村投手は特に典型的とも言える二重振り子投法だ。
筆者の投手理論から言わせてもらえば、二重振り子投法には何1つメリットはない。逆にデメリットならいくらでもある。
1、コントロールが定まらない
2、初速と終速の差が大きくなる
3、生理学上、正しい筋肉の使い方で投球ができない
4、肩と肘を壊す可能性が極めて高くなる
5、筋肉が余計に疲労してしまうため、連投がきかない
細かく言えばもっとたくさんあるのだが、二重振り子投法には大まかに言って以上のような致命的デメリットが存在しているのだ。もし木村投手やコーチがそれにまったく気付けず、今後も二重振り子で今のようなボールを投げ続ければ、数年以内に間違いなく肩を壊すはずだ。そしてそれは、石井貴コーチの現役時代とまったく同じ運命をたどることとなるだろう。
ちなみに現在のライオンズの投手陣で同じように際立った二重振り子投法をしているのは、主戦投手では今日投げた大沼・山岸両投手に、小野寺投手がそうだ。彼らは腕を強く振ることを意識するあまり、「身体全体」を使い切れずにいる。素晴らしい資質を持った選手たちなだけに、本当にもったいないと思う。
逆に理想的な腕の使い方をしているのは西口投手、岸投手、星野投手、土肥投手だ。特に星野投手の腕の振り方は完璧と言っても良いスパイラル投法だ。恐らくあと5年投げ続けても、星野投手は肩や肘を痛めることはないだろう。
さきほどコーチでは教えられないと書いたが、これは身体の構造を勉強した者にしか理解の出来ないことなのだ。日本もアメリカも同様だが、アマチュア野球の指導者は一貫して腕を真っ直ぐ縦に振ることを教える。だがこれこそが二重振り子投法なのだ。プロ野球選手もほとんど全員がこのような指導を受け続けている。だからコーチではなかなか気付けないのだ。
ではどういう人が気付くかと言えば、トレーナーやパフォーマンスコーディネイターたちだ。特にパフォーマンスコーディネイターは、この分野に関してはプロ中のプロと言える。ちなみに星野投手にはサイドハンドスローに転向した際からパフォーマンスコーディネイターが付いていて、それ以来完璧なスパイラル投法を身につけている。
アマチュア野球の指導者の中には、サイドやアンダーハンドスローは肘を壊すと未だに信じている人がいるが、そんなことはない。正しい身体の使い方で投げない限りは、オーバーハンドスローでもスリークォーターでも必ず肩や肘を痛めることになる。だがもし中高生が星野智樹投手のピッチングフォームを完璧に真似することができれば、サイドハンドスローであっても肩や肘を痛める可能性は格段に減るだろう。
星野投手がリリーバーとしてブレイクした理由、それこそが二重振り子投法からスパイラル投法に腕の使い方を変えたことが切っ掛けだったのだ。そしてそれを指導したのはライオンズのピッチングコーチではない。星野智樹投手が個人的に契約したパフォーマンスコーディネイターだったのだ。ちなみにその人は土肥投手、松井稼頭央選手、松井秀喜選手、桑田真澄投手、黒田博樹投手らの指導も担当していた。
ということで、今日はゲームレビューはせずに木村投手のピッチングについて技術的な解説を行ってみた。実は筆者自身学生時代に肩を壊し、ピッチャーどころかボールさえ投げられない肩になってしまったのだが、スパイラル投法をマスターしてからは70%の力でも130km前後のボールを投げられるようになった。知識だけではなく、自分自身の体験も踏まえているため、100%とは言えないかもしれないが、正しい理論を伝えられているとは思う。
もしもっと本格的にピッチングのメカニズムを知りたいという方は、ぜひ個人的にメールをください。すぐにはお返事できないかもしれませんが、このブログからいただいたメールにはすべてお返事を差し上げています。
では残り7試合、まだまだ諦めずにライオンズを応援していきましょう!目指すは7連勝です!!

2009年09月29日 21:46

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