●2009/09/30 西武vsロッテ23回戦
| 3:28 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 千葉ロッテ | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 3 | 9 | 16 | 1 | |
| 埼玉西武 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 7 | 1 |
埼玉西武vs千葉ロッテ 23回戦 西武ドーム(観衆:12,762人)
埼玉西武ライオンズ 9勝14敗0分
継投:●許銘傑~土肥義弘~藤田太陽~小野寺力~ベイリス~長田秀一郎
敗戦投手:許銘傑 1勝2敗 3.47
ホームラン:細川亨(3号)
【ダイジェスト】
【ゲームレビュー】
今夜は小野寺投手が8月16日以来の1軍復帰登板を果たした。結果的にはフォアボールのランナーを還してしまうという、あまり良い内容ではなかったが、しかし筆者としては希望の持てる小野寺投手のピッチングだったと思っている。あとはそれを、小野寺投手自身がしっかり気付けるかどうかだ。
筆者もブログ内でよく書くことなのだが、ピッチングコーチは調子の悪いピッチャーに対し「腕を振れ!」とアドバイスを送る。それだけピッチャーにとって腕を振るというのは大事なことなのだ。腕をしっかり振ることでストレートは走るようになり、変化球にも急激なブレーキが掛かる。逆に腕が振れなければストレートは走らず、変化球も曲がらなかったり、抜けてしまったりする。
「腕を振れ!」とアドバイスをするピッチングコーチは山ほどいる。恐らくプロ野球12球団だけではなく、日本中に存在するコーチのほとんどがこのアドバイスをピッチャーに対してしているはずだ。だがその中で、具体的に腕の振り方をアドバイスできるコーチは何人いるだろうか?
今夜の小野寺投手は2人存在していた。腕を振れなかった小野寺投手と、腕がよく振れていた小野寺投手だ。今夜は打者5人と対戦したわけだが、最初の2人に対しては腕がなかなか振れなかった。そのためストレートは初速148km以上を計測しながらも、終速は130km台まで落ち込んでいた。だが先頭バッターにフォアボールを与え、次のバッターにヒットを打たれてからは、まるで別のピッチャーに代わったかのように腕の振りが変わった。具体的には、以下の図のように変わった。

左の図が腕が振れている時の小野寺投手で、右の図が腕が振れていない時の小野寺投手の図だ。この図が表しているのは、小野寺投手がボールをリリースする瞬間の、背骨と腕の角度の関係だ。腕がよく振れている時は、背骨に対し腕が直角に伸びている。だが腕が振れていない時は、背骨に対しての腕の角度は直角ではない。この差が、腕が振れているか振れていないかの差なのだ。
つまり腕がよく振れる状態というのは、背骨に対し腕が直角に伸びている時に起こる現象なのである。これはオーバーハンドスローだけではなく、スリークォーターやサイドスロー、またはアンダースローでもどんな投げ方でも同じことが言える。
これは理論としては非常にシンプルなものだ。上の図の小野寺投手を、T字型のレンチだと想像すれば分かりやすい。腕の先っぽにあるネジを回す際、どっちのT字の方がネジを回しやすいかという、ただそれだけのことなのだ。当然左のT字の方がネジは回しやすい。これはピッチングにもまったく同じことが言える。左の角度の方が、腕は断然振り抜きやすくなる。
このことに、小野寺投手自身が気付けるかどうかだ。もし自分でしっかり気付いていて、マウンド上でそれを確認する能力が身に付けば、恐らく小野寺投手は日本を代表するクローサーになれるだろう。スライダーやチェンジアップなど投げなくても、ストレートとフォーク、いや、ストレートだけでもそう簡単には打たれないはずだ。これに加え昨日お話したスパイラル投法をマスターすることができれば、小野寺投手を打ち崩せるバッターはほとんどいなくなるだろう。
このブログの読者の中にも、小野寺投手のファンが大勢いらっしゃいます。今夜の内容は決してパーフェクトではありませんでしたが、しかし希望が持てるピッチングだったと筆者は感じています。そもそもクイックモーションで148km出せるピッチャーが、日本に何人いるでしょうか?その時点で小野寺投手は凄いのです。あとは小野寺投手自身が、自分の凄さに自信を持って投げることが出来れば、もうファンの期待を裏切ることもなくなるはずです。
チームは5連勝の後の4連敗で、クライマックスシリーズも絶望的になってしまいました。しかしそんな中でも、小野寺投手のピッチングは大きな収穫だったと思います。ファン思いの素晴らしい選手なだけに、筆者も小野寺投手には本当に頑張ってもらいたいと思っています。来年こそは自力で、グラマン投手からクローサーの座を奪い返し、守護神として返り咲いて欲しいですね!
2009年09月30日 21:58
1軍登録・抹消情報(9/30)
▲1軍登録#14 小野寺力投手
#34 長田秀一郎投手
▼1軍登録抹消
#15 大沼幸二投手
#24 松永浩典投手
再登録は10月10日以降
2009年09月30日 16:15
●2009/09/29 西武vsロッテ22回戦
| 3:15 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 千葉ロッテ | 4 | 1 | 0 | 2 | 4 | 0 | 0 | 2 | 0 | 13 | 12 | 0 | |
| 埼玉西武 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 3 | 5 | 1 |
埼玉西武vs千葉ロッテ 22回戦 西武ドーム(観衆:14,063人)
埼玉西武ライオンズ 9勝13敗0分
継投:●石井一久~木村文和~山岸穣~松永浩典~大沼幸二
敗戦投手:石井一久 9勝9敗 4.29
ホームラン:中村剛也(45号)
【ダイジェスト】
【ゲームレビュー】
今夜はあえて、ゲーム内容には触れないで記事を書いていこうと思う。では何を書くかと言えば、木村投手についてだ。木村投手はピッチャーとして素晴らしい資質を持っているにも関わらず、なかなか1軍レベルのピッチングを見せることが出来ない。今シーズンは先発として数試合好投したが、調子が良く、かつ相手チームに木村投手のデータがない段階での話だった。だが少しでも調子を落としたり、相手チームに木村投手の情報が集まり出すと、一転ピッチングが成り立たなくなってしまう。
181cmと、体格的には決して大きなピッチャーではない。しかし身体の使い方がダイナミックで、鋭い腕の振りから投げ下ろされるストレートは威力十分だ。だがストレートの速さだけで抑えられるほどプロ野球は甘くはない。木村投手はあまりにもコントロールが悪すぎる。だが木村投手の場合、ピッチングコーチが指導してコントロールを良くすることは難しいだろう。
その理由は、腕のスウィングそのものに問題を抱えているからだ。ライオンズのピッチングコーチは1軍は小野・潮崎両コーチ、2軍は石井丈裕・貴両コーチという体制なのだが、このうち3コーチは現役時代、木村投手とほぼ同じ腕の使い方をしていた。そのため木村投手の腕のスウィングを修正することは難しいだろう。
となると期待は残り1人のコーチとなるが、それは潮崎コーチだ。潮崎コーチは現役時代、サイドハンドスローとして素晴らしい腕の振りをしていた。潮崎コーチの腕の使い方はスパイラルと呼ばれるもので、あとの3コーチの腕の使い方は二重振り子と呼ばれる腕の使い方なのだ。この2つの投法の詳細をここで説明するとあまりにも長くなってしまうため省略させてもらうが、分かりやすく一言で言うと、ボールのリリースポイントが常に一定のスパイラル投法に対し、二重振り子投法はリリースポイントが多数存在してしまうのだ。
木村投手は典型的な二重振り子投法をしているピッチャーであるが故、コントロールを安定させることができない。木村投手が登板した際、ぜひテレビのスローモーションでボールリリース前後の手の向きに注目してもらいたい。特にボールに掛けている人差し指と中指の向きだ。ボールをリリースする前後のほとんどのタイミングで、指はキャッチャー方向を向いていると思う。つまりこれは、リリースポイントが多すぎる状態なのだ。
これが例えば西口投手や岸投手の場合、リリースする瞬間しか指がキャッチャー方向を向かない。つまりリリースポイントが一ヵ所しか存在せず、故にボールの行方がぶれず、コントロールが安定する。そしてリリースの前後は、リリースする前までは小指がキャッチャー方向を向き、リリース後は手のひらがキャッチャー方向を向く。これがスパイラル投法の大きな特徴だ。
木村投手がコントロールをアップさせるためには、二重振り子投法をスパイラル投法に修正するしか道はない。筆者は長年独自にピッチャーの身体の使い方を勉強してきたが、木村投手がコントロールアップするための方法は、これしかないと言い切ることができる。逆にもし他の方法が存在するとすれば、それは筆者の想像も付かなかったことなので、ぜひ教えていただきたいと思います。
木村投手の場合はリリースポイントが多すぎる(広すぎる)せいで、ボールをリリースするポイントを一定にすることができない。つまりリリース時、常に前後にリリースポイントがずれてしまうのだ。前でリリースすることもできるし、後ろでリリースすることも可能になる。
世界中には数え切れないほどのピッチャーが存在している。日本のプロ野球(NPB)だけでも実に400人近くのピッチャーが存在する。だがそのほとんどのピッチャーが多かれ少なかれ二重振り子を採用してしまっている。その中でも木村投手は特に典型的とも言える二重振り子投法だ。
筆者の投手理論から言わせてもらえば、二重振り子投法には何1つメリットはない。逆にデメリットならいくらでもある。
1、コントロールが定まらない
2、初速と終速の差が大きくなる
3、生理学上、正しい筋肉の使い方で投球ができない
4、肩と肘を壊す可能性が極めて高くなる
5、筋肉が余計に疲労してしまうため、連投がきかない
細かく言えばもっとたくさんあるのだが、二重振り子投法には大まかに言って以上のような致命的デメリットが存在しているのだ。もし木村投手やコーチがそれにまったく気付けず、今後も二重振り子で今のようなボールを投げ続ければ、数年以内に間違いなく肩を壊すはずだ。そしてそれは、石井貴コーチの現役時代とまったく同じ運命をたどることとなるだろう。
ちなみに現在のライオンズの投手陣で同じように際立った二重振り子投法をしているのは、主戦投手では今日投げた大沼・山岸両投手に、小野寺投手がそうだ。彼らは腕を強く振ることを意識するあまり、「身体全体」を使い切れずにいる。素晴らしい資質を持った選手たちなだけに、本当にもったいないと思う。
逆に理想的な腕の使い方をしているのは西口投手、岸投手、星野投手、土肥投手だ。特に星野投手の腕の振り方は完璧と言っても良いスパイラル投法だ。恐らくあと5年投げ続けても、星野投手は肩や肘を痛めることはないだろう。
さきほどコーチでは教えられないと書いたが、これは身体の構造を勉強した者にしか理解の出来ないことなのだ。日本もアメリカも同様だが、アマチュア野球の指導者は一貫して腕を真っ直ぐ縦に振ることを教える。だがこれこそが二重振り子投法なのだ。プロ野球選手もほとんど全員がこのような指導を受け続けている。だからコーチではなかなか気付けないのだ。
ではどういう人が気付くかと言えば、トレーナーやパフォーマンスコーディネイターたちだ。特にパフォーマンスコーディネイターは、この分野に関してはプロ中のプロと言える。ちなみに星野投手にはサイドハンドスローに転向した際からパフォーマンスコーディネイターが付いていて、それ以来完璧なスパイラル投法を身につけている。
アマチュア野球の指導者の中には、サイドやアンダーハンドスローは肘を壊すと未だに信じている人がいるが、そんなことはない。正しい身体の使い方で投げない限りは、オーバーハンドスローでもスリークォーターでも必ず肩や肘を痛めることになる。だがもし中高生が星野智樹投手のピッチングフォームを完璧に真似することができれば、サイドハンドスローであっても肩や肘を痛める可能性は格段に減るだろう。
星野投手がリリーバーとしてブレイクした理由、それこそが二重振り子投法からスパイラル投法に腕の使い方を変えたことが切っ掛けだったのだ。そしてそれを指導したのはライオンズのピッチングコーチではない。星野智樹投手が個人的に契約したパフォーマンスコーディネイターだったのだ。ちなみにその人は土肥投手、松井稼頭央選手、松井秀喜選手、桑田真澄投手、黒田博樹投手らの指導も担当していた。
ということで、今日はゲームレビューはせずに木村投手のピッチングについて技術的な解説を行ってみた。実は筆者自身学生時代に肩を壊し、ピッチャーどころかボールさえ投げられない肩になってしまったのだが、スパイラル投法をマスターしてからは70%の力でも130km前後のボールを投げられるようになった。知識だけではなく、自分自身の体験も踏まえているため、100%とは言えないかもしれないが、正しい理論を伝えられているとは思う。
もしもっと本格的にピッチングのメカニズムを知りたいという方は、ぜひ個人的にメールをください。すぐにはお返事できないかもしれませんが、このブログからいただいたメールにはすべてお返事を差し上げています。
では残り7試合、まだまだ諦めずにライオンズを応援していきましょう!目指すは7連勝です!!
2009年09月29日 21:46
西武が楽天を追い抜く具体的な数字
ライオンズによって今シーズン最大の山場となった先週末の楽天3連戦。初戦は帆足投手で勝ったものの、2・3戦目は岸投手・涌井投手の3本柱で落とす厳しい展開になってしまった。このシリーズを1勝2敗と負け越してしまったことで、ライオンズのクライマックスシリーズ進出は大きく遠のいたと言って良いだろう。だが、可能性がなくなったわけではない。楽天のクライマックス進出マジックが0にならない限り、ライオンズにも可能性は残されているのだ。そして残り試合は8。もしライオンズが8戦全勝することができれば、ミラクルを起こすことが出来る。だがそのためには楽天の戦績が大きく影響してくる。まずは現実的な数字を見ていくことにしよう。
| 楽天 残11試合 |
西武 残8試合 |
|||
| 勝率 | 勝敗 | 勝敗 | 勝率 | |
| .573 | 11-0 | 楽天 3位以上 |
||
| .566 | 10-1 | |||
| .559 | 9-2 | |||
| .552 | 8-3 | |||
| .545 | 7-4 | |||
| .538 | 6-5 | |||
| .531 | 5-6 | 西武 3位以上 |
8-0 | .535 |
| .524 | 4-7 | 7-1 | .528 | |
| .517 | 3-8 | 6-2 | .521 | |
| .510 | 2-9 | 5-3 | .514 | |
| .503 | 1-10 | 4-4 | .507 | |
| .496 | 0-11 | 3-5 | .500 | |
| 2-6 | .492 | |||
| 楽天 3位以上 |
1-7 | .485 | ||
| 0-8 | .478 | |||
見ていただければ分かる通り、ライオンズが8戦全勝したとしても、楽天が残り11試合を6勝5敗で切り抜けてしまうと、ライオンズのクライマックス進出の可能性は絶たれてしまう。逆にライオンズが1勝7敗、もしくは8戦全敗してしまうと、楽天が全敗したとしてもライオンズはクライマックスへは進出できない。
もはやこうなれば、他力本願で行くしかない。ライオンズファンはライオンズを力いっぱい応援すると同時に、明日からはソフトバンクの応援をしなければならない。ソフトバンクが楽天相手に4連勝してくれれば、ライオンズのクライマックス進出の可能性もまた見え始める。ただそのためには、ライオンズはもう1敗も許されない。
楽天の現時点での勝利は.538だ。ということは残り11試合をこのペースで行くとしたら6勝5敗となり、ライオンズは8戦全勝しても楽天には及ばない。だがホークスが楽天を叩いてくれることで可能性が生まれる。現在2位ホークスと3位楽天の差はわずかに0.5ゲーム差だ。ホークスも明日からは総力戦を仕掛けてくるだろう。そうなると勢いのある楽天と言えども、そう簡単には勝てないはずだ。
昨年のアジアナンバー1チームが他力本願するしかない現実は寂しい。だが現実にこうなってしまったからには、今はライオンズを応援すると同時に、ホークスを応援するしかないのだ。泣いても笑っても残りはたったの8試合。ライオンズにはぜひチャンピオンの意地を最後に見せて欲しい。最後の最後で8連勝し、獅子の本当の強さを見せ付けて欲しい!
2009年09月28日 15:39
●2009/09/27 西武vs楽天22回戦
| 3:45 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 東北楽天 | 1 | 0 | 2 | 1 | 3 | 2 | 2 | 0 | 0 | 11 | 16 | 0 | |
| 埼玉西武 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 1 | 0 | 0 | 4 | 9 | 1 |
埼玉西武vs東北楽天 22回戦 西武ドーム(観衆:33,901人・満員御礼)
埼玉西武ライオンズ 11勝11敗0分
継投:●涌井秀章~大沼幸二~木村文和~山岸穣~土肥義弘~松永浩典
敗戦投手:涌井秀章 15勝6敗 2.31
ホームラン:中島裕之(21号)
【ダイジェスト】
【ゲームレビュー】
今シーズン最大の大一番とも言える今日の試合、通常のローテーションを変えてまで第3戦に先発をしたのは、エース涌井投手だった。大きな期待とプレッシャーを背負いながらの先発マウンド。エースらしい好投が期待されたが、しかしエースとしての責任を果たすことは出来なかった
調子自体は決して悪くはなかったと思う。絶好調には見えなかったが、しかしボール自体には力があったように見えた。筆者が涌井投手の投手心理を独自に考察していくと、涌井投手は自分自身にプレッシャーを掛けすぎてしまったように見えた。もちろんそれはエースとしての責任感から来るもので、絶対に勝たなくてはいけないこの試合、涌井投手は今日勝つことの重要さを誰よりも理解しているピッチャーだった。だがそれゆえに自分自身にプレッシャーを掛けすぎ、バッターとではなく、自分自身としか戦えないマウンドになってしまったのだ。
涌井投手自身、今日は本当に辛かったと思う。大事な一戦に先発し、4回で降板させられてしまう内容。残り5回はベンチで応援するより他ない。5回をずっとベンチに座っていなければならないエースの心境、その辛さ、その悔しさは計り知れない。レベルこそ違えど、筆者も学生時代はまがいなりにもエースだった。大事な試合でエースとしての責任を果たせない自分への憤り、悔しさはよく知っている。本当に自分が情けなくて仕方ないのだ。
こういう時のエースの心境に、今シーズン15勝挙げていることなどまったく関係ない。涌井投手にしてみれば、今日勝てなければ15勝していても、1勝もしていなくても変わらないことなのだ。まるで甲子園予選のような心境だろう。地方大会で優勝しなければ、初戦敗退も準優勝でも同じ参加校の1校でしかなくなる。地方大会で優勝しなければ、甲子園へは行けないのだ。
今回はエースの精神的な面から書き始めたが、技術的にも少し触れておきたいと思う。今日は涌井投手のピッチングフォームが、いつものフォームとは違うフォームになってしまっていた。と言っても、別にオーバースローがサイドスローになったとか、そういう形的な変化ではない。身体の使い方が少しおかしかったのだ。
具体的に言うと、骨盤が開いてしまっていた。右ピッチャーの涌井投手は投球時、前足となる左足を上げるのだが、この時その左足が、ほんの数ミリキャッチャー寄りに上がっていた。恐らくセンチ単位ではないと思う。ミリ単位の変化だ。この変化により、ボールの左右のコントロールがまったく利かなくなってしまった。そしてほんの僅かだが、バッターにボールを見る時間を余分に与えてしまった。
ピッチャーと言うのはとても繊細なポジションだ。例えばボールをリリースするタイミングが0.001秒前後するだけで、ボールの高さには実に90cm以上の差が生じてくる。いつも通りのフォームであれば低め一杯となるボールが、リリースが0.001秒速ければ高めにすっぽ抜け、逆に遅ければホームプレートに到達する前に1バウンドしてしまう。涌井投手は非常にレベルの高いマウンドでの修正能力を持っているのだが、今日はフォームの乱れを最後まで直すことが出来なかった。
正確に言うなら、今日の涌井投手は心と身体のバランスがまったく取れなかった。「絶対に勝つ!」という強い気持ちが先行しすぎてしまい、それに身体が付いていけなかったのだ。ピッチャーは、マウンド上で平常心を失ったら負けだと良く言われる。これはカッカするだけではなく、気合いを入れすぎた時にも同じことが言えるのだ。
今日は涌井投手にとっても、チームにとっても、ファンにとっても痛い1敗になってしまった。だがまだ絶望視する必要はない。楽天との直接対決はあと2試合残っているし、楽天は火曜日からはホークスとの4連戦となる。この4連戦で星を潰し合ってくれているうちにライオンズが下位ロッテ相手にしっかり勝つことが出来れば、まだまだチャンスはある。
その火曜日からの先発ピッチャーは石井一久・許銘傑・西口文也のベテラン3人衆だ。チームが厳しい状況の時こそ頼りになるのがベテランの存在。石井投手にしろ西口投手にしろ、百戦錬磨のベテランだ。何と言ってもこの2人だけで実に281勝を挙げているのだ。普通の力さえ発揮してくれれば勝利はグッと近づく。そして許投手にしても最近は絶好調で、先発ピッチャーとしてしっかりと試合を作ってくれている。火曜日からはこのベテラン3人衆に期待し、今シーズン最後となる西武ドームでの3連戦を今まで以上に熱く応援していきましょう!
2009年09月27日 17:06
1軍登録・抹消情報(9/27)
▲1軍選手登録#36 山岸穣投手
#38 土肥義弘投手
▼1軍登録抹消
#20 野上亮磨投手
#26 星野智樹投手
再登録は10月7日以降
2009年09月27日 14:37
●2009/09/26 西武vs楽天21回戦
| 3:59 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 東北楽天 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 1 | 1 | 0 | 3 | 10 | 14 | 0 | |
| 埼玉西武 | 0 | 1 | 1 | 2 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 6 | 15 | 1 |
埼玉西武vs東北楽天 21回戦 西武ドーム(観衆:33,731人・満員御礼)
埼玉西武ライオンズ 11勝10敗0分
継投:●岸孝之~大沼幸二~野上亮磨~藤田太陽~星野智樹~ベイリス
敗戦投手:岸孝之 12勝5敗 3.31
ホームラン:G.G.佐藤(24号)、中村剛也(44号)、石井義人(6号)
【ダイジェスト】
【ゲームレビュー】
大きな期待と責任を背負って先発マウンドに立った岸投手だったが、まったく試合を組み立てられず、5回も持たずにノックアウトされてしまった。リリーバーも合計で5失点を喫したが、しかしこの試合の敗因は完全に岸投手にある。今日は岸投手さえしっかりとしていれば、確実に勝てるゲームだった。
だが岸投手だけを責めるつもりはない。これはバッテリー2人のミスで、銀仁朗捕手の責任も大きい。初回はフォアボールを絡めた不安定な立ち上がりの岸投手だったが、2~4回はある程度持ち直した感があった。小野ピッチングコーチも「調子は悪くはない」と評するように、ボールもそこそこ走っていたように思う。だが4点のリードをもらった直後の5回表、その様子は一変した。
この4点で、バッテリーは勝手に勝ったつもりになってしまったのだ。5回はあろうことか三者連続ホームランを浴びたのだが、どれも打たれるべくして打たれたホームランだ。バッテリーは完全に油断をした。
特に岸投手の集中力の途切れ方は明確で、二者連弾を浴びた時点でマウンド上で茫然自失し、三者連弾されるとまるで闘争心が感じられなくなった。とにかくどのボールも甘く、簡単にストライクを取りに行った「置き球」をホームランされている。セギノール選手とリンデン選手のような外国人バッターに対し、あそこまで簡単にストライクを取りに行っては打たれるのが当然だ。投げた岸投手も悪ければ、投げさせた銀仁朗捕手も悪い。
打線は15安打で6点も取ってくれた。普通6点あればほとんどの試合で勝てる。だが今日はバッテリーが油断したことで流れが一気に楽天に行ってしまい、調子が上がらず下位打線に降格させられているセギノール選手、リンデン選手に一発を浴び、さらには打率1割台の中谷捕手にも一発を浴びてしまった。するとその後は楽天打線が一気に活気付き、14安打で10点の猛攻。これだけ勢い付いてしまうと、調子が良いリリーバーであっても流れを食い止めるのは至難の業だろう。
一方打線の方は、今年一番調子が良い状態だ。時々写されるダグアウトの雰囲気も、良く声が出ていて活気を感じる。主砲中村選手は4戦連発だし、G.G.佐藤選手は今日の一発で9月は9発目のホームランだ。しかも先発全員安打で、出場した野手11人中10人がヒットを放った。だからこそ主戦級のピッチャーである岸投手は踏ん張らなければならなかった。
せっかく打線がピッチャーを楽にしてくれるバッティングをしてくれているのだ。岸投手には絶対にそれに応えて欲しかった。1ヵ月以上勝てていない焦りもあったのだろうが、今日の岸投手は完全に浮き足立っていた。
ちなみに岸投手にとっては、今日は今シーズン最後の先発機会だった。クライマックスシリーズに進出すれば分からないが、残り9試合となったペナントレース、岸投手はクローサー役としてブルペンに待機することになっている。岸投手のリリーバーとしての適性は、去年の日本シリーズの活躍ですでに立証済みだ。今日自分の責任で勝てなかった分、残り9試合(恐らく実際に登板するのは火曜日のロッテ戦からだと思う)はフル回転してチームの勝利に貢献してもらいたい。
泣いても笑っても、残りはわずか9試合。1戦落としたからといって下を向くわけにはいかない。明日はエース涌井投手だ。一戦必勝態勢で、死に物狂いで勝ちを取りに行ってもらいたい。明日も今日同様、西武ドームはきっと満員御礼が出されるだろう。そのファンのためにも、どんな形でもいい。とにかく勝ってもらいたい!!
2009年09月26日 18:08
○2009/09/25 西武vs楽天20回戦
| 2:48 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 東北楽天 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 6 | 0 | |
| 埼玉西武 | 2 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 2 | × | 7 | 13 | 0 |
埼玉西武vs東北楽天 20回戦 西武ドーム(観衆:23,261人)
埼玉西武ライオンズ 11勝9敗0分
継投:○帆足和幸(5試合連続完投)
勝利投手:帆足和幸 9勝5敗 3.23(4試合連続完投勝利)
ホームラン:中村剛也(43号)、G.G.佐藤(23号)
ヒーローインタビュー:帆足和幸
【ダイジェスト】
【ヒーローインタビュー】
【ゲームレビュー】
今日の先発は好調帆足投手。ここ最近は5試合連続完投、4試合連続完投勝利中という素晴らしい内容で、今夜もプレッシャーのかかる大事な試合で素晴らしいピッチングを披露してくれた。しかも完投した5試合の防御率は何と0.61という驚異的な数字。44イニング投げて自責点は僅かに3。前回の登板時にも書いたが、エースのピッチングに匹敵する内容だ。
今チームで最も安定感のあるピッチャーが帆足投手なわけだが、ヒーローインタビューのコメントを聞くと、調子自体は良くなかったらしい。これだけ素晴らしいピッチングを見せておいて調子が良くないと言える帆足投手。表情からは自信が満ち溢れていた。ライオンズの先輩左腕・工藤公康投手を尊敬している帆足投手だが、ここ最近のピッチングは全盛期の工藤投手に勝らぬとも劣らない内容だと言い切れる。
工藤投手の背番号47を受け継いだ帆足投手のロッカーには、トレーナーを通じて譲り受けた工藤投手の練習用グラブが飾られている。帆足投手はそれほど工藤投手のことを尊敬しているのだ。その工藤投手は先日横浜から戦力外通告を受けてしまったが、本人はまだ現役を続ける意思があり、シーズン後のトライアウトにも参加する意向を示している。筆者としては、工藤投手にはライオンズでキャリアを終わらせてもらいたいと思う。選手としての衰えは隠し切れないが、しかし工藤投手の経験は若手にとっては大きな財産となりうる。特に帆足投手にとっては。
今夜の帆足投手の好投の要因は、やはりコントロールだろう。初回からしっかりとボールをコントロールし、銀仁朗捕手のミットに丁寧に投げ込んでいた。通常先発ピッチャーで初回を得意とする人はほとんどいない。ボストンの松坂大輔投手でさえ、エンジンがかかってくるのは打者一巡を終えた辺りからだ。だが今夜の帆足投手は、初回からすでにベストピッチを見せていた。
帆足投手はグラウンドボーラーであるため、低目へのコントロールが生命線となる。調子が悪い時は変化球が高めに浮いてしまうのだが、今夜の帆足投手はほとんどすべてのボールが低めに決まっていた。帆足投手が低めへの意識を強く持っていることは、イニング間のキャッチボールでも見て取れる。テレビではほとんど写されることはないが、西武ドームで帆足投手を見ていると、イニング間のキャッチボールを常に1バウンドで行っているのだ。キャッチボールでボールを叩きつける意識を持つことで、マウンド上でも低目への意識の強さをキープできているのだろう。
これだけのピッチングを見せられれば、首脳陣としても何の注文もないだろう。本当に素晴らしいの一言に尽き、調子が悪かったとはとてもじゃないが思えない。そしてリズムも良かった。ピッチャーがリズム良くピッチングを行うと、そのリズムは打者に伝染し、打線もリズム良くバッティングが行えるようになる。その結果、今夜のように先制・中押し・ダメ押しと効果的に得点を挙げられるようになる。
今夜は帆足投手が本当に素晴らしかったのだが、打線も良かった。1球1球に対して非常に集中していて、中村選手に関しては2ラン、3ラン、2ランと、3試合連続で初回にホームランを放っている。ピッチャーを楽にする、見事なまでの4番の仕事だ。このホームランがあるからこそ、ピッチャーは余裕を持ってマウンドに立っていられる。こうして見ていくと、4番がいかに大事なポジションであるかがよく理解できる。
そしてG.G.佐藤選手も相変わらず好調だ。今夜の一発も田淵幸一並のハンマースウィングをして、気持ちでボールをふっ飛ばしていた。打ったのはスライダーだが、1打席目はこのスライダーにタイミングが合っていないように見えた。G.G.佐藤選手もそれは分かっていたのだろう。2打席目はスライダーで勝負してくると読み、見事そのスライダーを狙い打ちしホームランにしてしまった。今夜のようなバッティングを見ていると、ベストなコンディションであれば確実に3割30本を打つバッターになれると確信することができた。
これで楽天とのゲーム差は2に縮まった。チームも今シーズン3度目の5連勝となり、可能性としては2位も狙える場所まで持ち直してきた。だが今はとにかく目先の1勝だ。明日の先発は岸投手。確実に勝ちを狙った試合運びをしてくるはずだ。明日勝てれば明後日の先発はエース涌井投手であるため、楽天戦3連勝も見えてくる。3連勝すればついに並ぶことになり、クライマックスシリーズ進出圏内に入り込むことになる。
渡辺監督は試合後の会見で「今頑張らなければいつ頑張る?」というコメントを残したが、まさにその通りだ。ライオンズは昨年のアジアチャンピオンだ。このままBクラスに甘んじてしまったらアジアナンバー1チームの名が廃る。今夜は平日にも関わらず2万人を超すファンが西武ドームを埋め尽くした。明日・明後日は3万人を超すだろう。西武ドームで声を嗄らし応援するファンのためにも、明日も絶対に勝って欲しい!今こそ頑張る時なのだ!
2009年09月25日 21:18
○2009/09/23 日本ハムvs西武21回戦
| 3:00 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 埼玉西武 | 3 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 9 | 0 | |
| 日本ハム | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 6 | 0 |
北海道日本ハムvs埼玉西武 21回戦 札幌ドーム(観衆:26,955人)
埼玉西武ライオンズ 11勝10敗0分
継投:○西口文也~星野智樹~藤田太陽~松永浩典~ベイリス
勝利投手:西口文也 4勝3敗 5.38
ホームラン:中村剛也(42号)
ヒーローインタビュー:中村剛也
【ゲームレビュー】
西口投手がここまで完璧なピッチングを魅せてくれたのは、恐らく今シーズンは初めてだろう。まさにパーフェクトと言って良い投球内容だった。7回1アウトまで投げて2安打無失点。日本ハム打線に2塁さえ踏ませないピッチングだった。
今シーズン西口投手がなかなか勝てなかった原因は、やはりピッチングフォームが大きな要因になっていたと思う。全盛期と比べるとフォームが少しこじんまりしてしまい、全盛期と同じ身体の動きをしていても、そこにダイナミックさは感じられなかった。腕をしっかり振れなくなったのも、これが原因だったと考えられる。
しかしこの試合の西口投手のピッチングフォームは、全盛期ほどとは言えないものの、ダイナミックさが戻ってきていた。投げた後に身体が1塁方向に流れる動きにも、躍動感があった。そして何より、腕がしっかり振られていた。ここまでしっかり腕を振られると、バッターとしてはストレートと変化球の見極めが非常に難しくなる。その証拠にこの試合の日本ハム打線は、ストレートのタイミングでスライダーを空振りするシーンが目立っていた。
ピッチングと言うものは不思議なもので、腕がしっかり振られずに投げられる145kmのストレートよりも、腕がしっかり振られて投げられる135kmのボールの方がはるかに速く感じるのだ。この試合の西口投手のストレートは、だいたい140km弱くらいだったが、打席では145km以上に感じられたはずだ。
フォームにダイナミックさが戻ったと書いたが、これを具体的に解説してみたいと思う。まず一番は、軸足にしっかりと体重が乗り、「かませ」の状態が非常に粘り強かったという点だ。かませとはピッチャーが軸足一本で立ち、そこから前足を踏み出していく際、まるで軸足に根が生えたように足でしっかりと地面を掴んでいる状態のことだ。かませで最も重要になってくるのは骨盤の使い方で、姿勢が悪いピッチャーが大成できない原因がここにある。
かませがしっかり出来てくると、ピッチングフォームが相対的に良くなっていく。右投げの西口投手の場合、ボールを投げるまでは左肩がバッターを向いているが、ボールを投げた後は右肩がバッターに向くことになる。この左肩と右肩が入れ替わることを「サイド・トゥ・サイド」と言うのだが、このサイド・トゥ・サイドが行われる時間が短くなるほど、バッターはボールが見難くなる。まさにこの試合の西口投手がその状態だった。
かませが上手く行き、サイド・トゥ・サイドのスピードがアップすると、腕のスウィングスピードも同時にアップし、ボールに切れが出てくる。ストレートはスピードに乗り、変化球には急激なブレーキが掛かる。筆者は90年代から、西口投手のピッチングを数え切れないほど見てきたが、この試合ほど腕が振れていた試合は最近ではほとんど記憶にない。もしシーズン序盤からこのピッチングが出来ていれば、恐らく今頃とっくに二桁勝利を挙げていたはずだ。
しかしともあれ、西口投手がこうして復活してくれたことはチームにとっては大きなプラスだ。特にクライマックスシリーズに進出したら、西口投手の投球術は相手には脅威になるはず。明日からはいよいよ西武ドームに楽天を迎えての直接対決。ゲーム差は3。3連勝すれば楽天と並ぶ。
先発は帆足・岸・涌井の3枚で行くはずだ。最低でも3連勝してもらいたい。是が非でも3連勝してもらいたい。楽天との試合は残り5試合。これに全勝すればクライマックスシリーズ進出が一気に近づくはずだ。そのためにもまずは明日、絶好調を極める帆足投手に完封勝利を挙げてもらおう!今チームで一番頼りになる男、それが帆足投手だ!
2009年09月24日 12:10
○2009/09/22 日本ハムvs西武20回戦
| 2:58 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 埼玉西武 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 5 | 13 | 0 | |
| 日本ハム | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 6 | 0 |
北海道日本ハムvs埼玉西武 20回戦 札幌ドーム(観衆:34,214人)
埼玉西武ライオンズ 10勝10敗0分
継投:○許銘傑
勝利投手:許銘傑 1勝1敗 2.93
ホームラン:中村剛也(41号)
ヒーローインタビュー:許銘傑
【ゲームレビュー】
先週も同じようなことを言ったが、まさか許投手が今日もここまでのピッチングを魅せてくれるとは思わなかった。意外と言っては非常に失礼だが、ここ数年や今年前半の許投手のピッチングを思い返すと、今回もまさかの好投と言っていいだろう。
許投手にとっては今シーズン初勝利であると同時に、6年ぶりの完投勝利となった。そしてこの勝利には許投手自身「不思議な感じ。信じられない」とコメントしている。また、渡辺監督は「銘傑ワールドに入った」と表現し好投を称えた。
許投手は元々球種が多いピッチャーだったのだが、いわゆるウィニングショットを持てずにいた。一時は東尾監督に伝授されたシュートが打者にとっての脅威となったことがあったが、せっかくのそのボールもデッドボールを恐れるあまり、右バッターへの内角に投げ切れなくなっていた。そしてそのシュートを右バッターの外角に投げてしまうばかりに、それはホームランボールとなってしまい、いつしか決め球だったはずのシュートも簡単に強打されるようになってしまった。
許投手もやはりメンタル面に弱点を持つピッチャーだ。ピンチになると、相手の押せ押せの雰囲気に簡単に飲み込まれてしまう。火消し役どころか、火に油を注いでしまうようなピッチングを続けてしまったため、ここ数年は大事な場面で投げさせてもらえることもなくなっていた。
そんな許投手が魅せた見事な完投勝利。これには本当に驚かずにいられなかった。だがなぜ前回の登板から許投手は見違えるようなピッチングが出来るようになったのだろうか?渡辺監督はそれについて、球種それぞれの精度が高まったと評価している。許投手はいわゆる器用貧乏というやつで、どんな変化球も投げられるのだが、ウィニングショットになりうるボールがなかった。完成度50%の変化球を何種類も投げるタイプのピッチャーだったのだ。
それが前回の登板以降、変化球全体の精度が上がってきた。この背景の1つには、今年が背水の陣であるという危機感があったと思う。もし今年も不甲斐ないままで終わっていたら、来年契約してもらえない可能性が非常に高まる。許投手は来年以降は日本人選手と同様の扱いとなり、外国人枠からは外れることになる。つまり来年は枠に捉われず、良いピッチングさえ続けていればいつでも1軍にいることができるのだ。
そして野上・木村両投手が台頭して来た今年は、許投手自身に焦りもあったことだろう。今年ダメなら台湾に帰るしかない、そういう悲壮感さえ感じさせるピッチングを今日は披露してくれた。許投手の先発は、いわゆるローテーションの谷間。その谷間で勝てたことは非常に大きな収穫だ。
今日は楽天が敗れたため、ゲーム差は3に縮まり、楽天のクライマックス進出マジックも消滅した。だが依然厳しい状況には変わりない。問題は、西武よりも楽天の方が残り試合が3つ多いことだ。もし同率3位で西武が先に日程を終了した場合、その後楽天が2勝1敗と勝ち越せばライオンズのクライマックス進出の望みは絶たれてしまう。
そのためにも追いつくことを考えるのではなく、追い抜くことを考えて戦い続けて欲しい。もちろん選手もそのつもりで戦ってくれていると思う。もし2ゲーム差をつけてライオンズが先に日程を終了すれば、数字的にはその時点でライオンズのクライマックスシリーズ進出が決定する。そのためにも、明日は西口投手に4勝目を挙げる好投をしてもらい、楽天とのゲーム差も2に縮めておきたいところだ。
泣いても笑っても残りはわずか12試合。選手たちには命がけのラストスパートでAクラスを死守してもらいたい!もし今年もBクラスに落ちるようなことがあれば、再来年の開幕もまた西武ドーム以外で迎えることになってしまう。だがそんなことはもう許されない。ライオンズは、開幕戦は絶対に西武ドームで迎えなければいけない!
2009年09月22日 23:49

