●2009/08/27 西武vs楽天16回戦
| 3:25 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 東北楽天 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 4 | 9 | 0 | |
| 埼玉西武 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 |
埼玉西武vs東北楽天 16回戦 西武ドーム(観衆:21,777人)
埼玉西武ライオンズ 8勝8敗0分
継投:●木村文和~星野智樹~藤田太陽~ベイリス
敗戦投手:木村文和 0勝2敗 2.77
【ダイジェスト】
【ゲームレビュー】
ファームで1勝10敗という成績のピッチャーが、1軍で先発すると2試合連続で好投を見せ付けてきた。渡辺監督の目論見通り、木村投手は1軍向きのピッチャーのようだ。西武ドームのマウンドで、実に伸び伸びとしたピッチングを披露してくれた。
先週からローテーションの穴に入り込んできた木村投手だったが、今夜は6イニングを投げて4安打7奪三振1失点という素晴らしい内容だった。2試合連続でこれだけのピッチングができたということは、渡辺監督の言葉を借りるならばフロック(まぐれ)ではないはずだ。だが今夜の木村投手の好投は、細川捕手の好リードによるところも大きかったと思う。今年はこれまであまり使うことのなかったカーブを多投し、楽天打線に的を絞らせない流石のリードだった。
木村投手がなぜ1軍でこれだけのピッチングが出来るのかと考えた時、やはり思い浮かぶのはメンタルの違いだと思う。ファームでは「良いピッチングをして1軍に上がれるようにアピールしなければ!」という気持ちが強すぎて、投げ急いでしまう傾向があった。そのためにフォームのバランスを崩し、フォアボールを連発してしまうこともしばしば。
だが1軍に上がるとその雰囲気はなくなり、「1軍なんだから打たれて当たり前!」というように良い意味で開き直れている感がある。だからピッチングフォームもダイナミックで、その動きにはゆとりさえ感じられる。そのゆとりがボールに良い影響を与え、ストレートに最高の切れを与えている。23日の野上投手にしろ、今夜の木村投手にしろ、ストレートの質が非常に良かった。だからこそ変化球も活きてくる。彼らのようなストレートの質に関しては、小野寺投手や平野投手は大いに見習う部分があると思う。
さて、今夜の木村投手をもっと具体的に見ていくと、ピッチングは常にセットポジションで行っていた。今年のオープン戦の頃はまだノーワインドアップで投げていたが、シーズンに入ってからはコントロールとフォームのバランスを気にしてセットポジションのみで投げている。そして左足を上げた際、軸足となる右足と上体のバランスがキレイな垂直を描く。調子が悪い時はこれが垂直ではなく、バッター寄りに傾いてしまうのだが、今夜の木村投手はこのバランスがしっかりと取れていた。簡単に言うと、軸足にしっかりと体重を乗せ、タメを作れていた。
体重移動がスムーズに出来ると、ストレートが走るようになる。恐らくこれは1軍に上がってから学んだことだと思うのだが、150km前後のボールを投げなくてもバッターを討ち取ることができるということを覚えたようだ。今夜のストレートの平均は140km台前半だった。それでもボールに力がある分ファールでカウントを稼ぎ、コースで見送りを奪うことが出来ていた。もちろん細川捕手のリードによる面が大きいが、しかし木村投手は1軍で投げるたびに成長しているように見える。
これだけのピッチングが出来るとなると、しばらくはローテーションに固定されるだろう。だが前回も今回も打線の援護がなく敗戦投手になっているため、早く先発で勝ち星を付けてあげたい。打線が好調であったら、先週と今週で2勝していても不思議ではない投球内容なのだ。だからこそ早く勝ち星を付けてあげて、乗せていってあげたい。
最後に、今夜はベイリス投手が代わりっぱなのストレートを3ランホームランされてしまったが、これはちょっと見ていて腑に落ちない3失点だった。キャッチャーミットはアウトローに構えられていたのだが、ベイリス投手の投球は真ん中付近に。完全な失投で、ホームランをされても何ら不思議はない投球だった。ここで筆者が気になったのは打たれる直前のサイン交換だ。このサイン交換に、かなり長い時間を要していた。恐らく10秒近くかけていたのではないだろうか。
代わったばかりの初球だったため首こそ振らなかったが、ベイリス投手は細川捕手のサインになかなかうなづかなかった。バッターからすれば、リリーフ投手の初球のストレートは狙いどころだ。細川捕手ももちろんそれは重々承知のはず。ということは、やはりストレートを選んだのはベイリス投手だったと思う。ピッチャーは初球にはストレートを投げたがる人種なのだ。もちろん要求通りアウトローに投げ切れていればホームランにはならなかっただろう。しかしベイリス投手からすれば先日の連続フォアボールの汚名返上もしたいし、結婚発表もした同棲中のフィアンセに良いところも見せたかったはず。それだけに力が入ってしまったのかもしれないが、それにしてもホームランバッターに投げてはいけないようなホームランボールとなってしまった。
今日は黄金時代のOBたちが13人も終結したライオンズクラシック2009のグランドフィナーレだったが(このレビューは別記事にて)、時代を築いてきた諸先輩方に勝利をプレゼントすることは出来なかった。そして3塁側内野指定席はプレーボール前から売り切れ、外野席は立ち見客で溢れていた。それだけのファンを前にして3塁も踏ませてもらえない敗戦。これは軽症ではなさそうだ。しばらくは打線に苦しむことになりそうだが、そんな時こそピッチャーが踏ん張らなければならない。明日は帆足投手が先発だ。なんとか最少失点、あわよくば0封して打線の援護を待ちたいところだ。苦しいマウンドになるとは思うが、背番号47番を背負う者として、明日は大きな期待に応える最高のピッチングを披露してもらいたい!

2009年08月28日 04:32
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