前の記事 ○2009/04/21 オリックスvs西武4回戦
次の記事 ●2009/04/22 オリックスvs西武5回戦
#18 涌井秀章
#18 涌井秀章 - Hideaki Wakui
投手(先発)、右投右打
2004年ドラフト1巡目
横浜高~埼玉西武ライオンズ
千葉県松戸市出身、1986年6月21日生、185cm / 85 kg
タイトル:最多勝(2007、2009)、月間MVP(2006年6月)、
クライマックスシリーズMVP(2008)、沢村賞(2009)、
ゴールデングラブ賞(2009)
2009年推定年俸:1億2,500万円
球種:スライダー、カットボール、カーブ、フォーク、チェンジアップ、シュート
涌井秀章投手を復調させるための具体的方法
失われつつあった涌井秀章投手のエースのオーラ
涌井秀章投手が今季ここまで苦しんだ理由(2011/09/02)
涌井秀章投手、開幕前最後の実戦登板で4失点(2011/04/05)
大石投手が涌井投手の二段階体重移動に興味
涌井vsダルビッシュ、今季は開幕戦で実現か
涌井秀章投手・ダルビッシュ投手を真似するメリット・デメリット
涌井秀章投手の年俸調停の結果、大幅増で決着
涌井秀章投手が年俸調停を申請、その行方は
涌井秀章投手の契約更改続報と交渉のされ方
涌井秀章投手と前田康介本部長の溝は埋まるのか
涌井秀章投手の年俸査定と、球団運営の難しさ
涌井秀章投手不振の原因、その改善方法
CS間近!涌井投手がロッテに勝てる様々な要素
涌井秀章投手を支えるのは球界一の走り込み量
涌井秀章投手、エースの自覚
涌井投手、念願のゴールデングラブ賞を受賞
涌井秀章投手のピッチングモーション~良い点について
涌井秀章投手のピッチングモーション~悪い点について
涌井秀章投手、11完投16勝で沢村賞を受賞!
筆者が始めて先発ピッチャーとしての涌井投手を見たのは、2004年の夏だった。横浜高校のエースとして出場した甲子園でのマウンド。準々決勝で駒大苫小牧に敗れてはいるのだが、ピッチャーとして非常に優れた能力を持っているとすぐに分かった。とにかくピッチングフォームのバランスが良く、肩スタミナも高校生離れしていた。筆者は「この選手には絶対にライオンズに入って欲しい!」と思ったのだが、そう思ったのは高木大成さん以来のことだった。
ドラフト1巡目でライオンズに入団すると、その期待の大きさから背番号16を与えられた(2009年からは松坂投手が背負った18番に変更)。高卒ルーキーにこれだけの番号が与えられることは、余程でなければない。さらにそこから活躍する選手は本当に一握りのみ。ライオンズの近年の高卒ルーキーで言えば松坂大輔投手が18番、眞山龍投手が24番、涌井投手が16番、中崎雄太投手(2009年ルーキー)が21番を与えられたが、活躍を見せているのは松坂投手と涌井投手のみ。眞山投手は一軍登板がないまま戦力外通告され、現在では2軍のサブマネージャーを務めている。
(18番は郭泰源投手、16番は松沼雅之投手・潮崎哲也投手、21番は東尾修投手・西崎幸広、24番は稲尾和久投手が背負ってきたエースナンバー)
涌井投手がプロでこれだけの活躍をすることは、筆者は彼が横浜高校で投げていた頃から確信していた。その理由は、まず球離れの遅さにある。リリースポイントがバッターに非常に近いところにあり、これだとバッターが球種を目視によって予測することが非常に難しい。予測できたとしても、通常のピッチャーよりもボールの滞空距離が短いため、振り遅れて空振りになる可能性が高い。
それに加えピッチングフォームが常に一定で、どの球種を投げる時でもフォームが変わることがない。これもやはりバッターに球種を読ませないためには絶大な効果がある。ピッチャーの中には球種によってリリースポイントや腕の角度が変わる人がいて、これではどんな素晴らしい球種を持っていたとしても、ピッチャーとしては通用しない。プロではS級の球種を持っていたとしても、その球が来ると分かっていればバッターは打つことができる。それがアマチュアとの大きな違いなのだ。
涌井投手には実は一点だけフォームに微妙な点がある。それは、左足の上げ方が2段モーションに見えること。メジャーや国際試合では問題ないと思うのだが、日本のプロ野球で導入されたルールを厳密に適用すると、涌井投手のフォームは2段モーションになる可能性がある。これについては楽天の野村監督も以前言及したことがあった。
全体的にみて涌井投手のピッチングフォームには無理がなく、非常にバランスがいい。これだけ無理のないピッチングフォームで投げていれば、恐らく今後20年は大きな故障をすることはないだろう。そしてその間も勝ち続けるだろうから、200勝を達成できる大きな可能性も秘めている。
さて、そんな涌井投手。これほどギャップの激しい選手も珍しいと思う。涌井投手はマウンドに立つとまるでベテランのような巧みな投球術で次々とバッターを料理していく。しかしいったんマウンドを降りると、まるで普通の若者に戻ってしまう。例えば涌井投手はゲームが大好きなのだが、練習中もゲームの話ばかりしていて、2009年のWBCのキャンプではそのことを松坂大輔投手に注意されている。
また、まだ2軍にいて2軍監督が渡辺監督だった頃は、ミーティング中に無駄話をして渡辺監督の逆鱗に触れたこともあった。その時はミーティングの場から監督に引きずり出され、かなり強い口調で説教を受けたようだ。このように、マウンドとそうでない場ではかなりのギャップがある。ロッカールームでも地べたに座ってマンガを読んでいたりもする。
筆者が不思議なのは、普段はこれだけ不真面目なのに、なぜあれだけの投球術を持っているかということ。チームと高校の先輩である松坂投手は、野球に関する本を本当にたくさん読んでいることで知られる。例えば、これは筆者も読んだことがあるのだが、ノーラン・ライアンのピッチャーズバイブル
だがそれは恐らく、勉強よりもむしろ練習量から来ているのかもしれない。涌井投手は高校時代から非常に練習する選手で、横浜高校の野球部部長曰く、「松坂よりも我慢し、辛い練習に耐え、乗り越えてきた」らしい。やはりこの努力が、今の素晴らしい成績を支えているのだろう。松坂投手も「相当な努力をしたと思う」と涌井投手を評価したことが以前にあった。
エースピッチャーは、エースピッチャーと投げ合う機会が多いため、勝つことが非常に難しくなる。だが優勝を目指すためには、涌井投手がエース対決で勝っていかなければならない。そして涌井投手がエース対決を制し、15勝以上を挙げられれば、ライオンズのV2もグッと近づくはずだ。
| 投球成績 Pitching Results | ||||||||||||||||||||||
| 年 度 |
登 板 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
S | H | 勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
| 2005 | 13 | 0 | 0 | 0 | 1 | 6 | 0 | 0 | .143 | 253 | 55.1 | 62 | 11 | 23 | 0 | 4 | 57 | 2 | 0 | 45 | 45 | 7.32 |
| 2006 | 26 | 8 | 1 | 2 | 12 | 8 | 0 | 0 | .600 | 734 | 178.0 | 161 | 16 | 53 | 0 | 8 | 136 | 7 | 1 | 79 | 64 | 3.24 |
| 2007 | 28 | 11 | 1 | 3 | 17 | 10 | 0 | 0 | .630 | 877 | 213.0 | 199 | 14 | 50 | 3 | 8 | 141 | 7 | 0 | 71 | 66 | 2.79 |
| 2008 | 25 | 5 | 0 | 1 | 10 | 11 | 0 | 0 | .476 | 738 | 173.0 | 173 | 16 | 51 | 4 | 8 | 122 | 11 | 0 | 80 | 75 | 3.90 |
| 2009 | 27 | 11 | 4 | 0 | 16 | 6 | 0 | 0 | .727 | 863 | 211.2 | 162 | 12 | 76 | 2 | 9 | 199 | 5 | 0 | 57 | 54 | 2.30 |
| 通算 | 119 | 35 | 6 | 6 | 56 | 41 | 0 | 0 | .577 | 3465 | 831.0 | 757 | 69 | 253 | 9 | 37 | 655 | 32 | 1 | 332 | 304 | 3.29 |
| リーグトップ |
【お知らせ】
最近、日刊埼玉西武ライオンズの記事をブログやmixi日記などで再利用されている方がいるようです。日刊埼玉西武ライオンズの記事は、筆者が許可していない限り、酷似した文章、コピーした文章を他ブログ、他サイトに掲載することは禁止いたしております。もし何かお気付きの点などございましたら、ぜひメールでお知らせくださいませ。ご協力よろしくお願いいたします。
前の記事 ○2009/04/21 オリックスvs西武4回戦
次の記事 ●2009/04/22 オリックスvs西武5回戦
【関連記事】
2009年04月22日 01:02 Tweet

